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東京電力ホールディングス株式会社(とうきょうでんりょくホールディングス、: Tokyo Electric Power Company Holdings, Incorporated[1])は、首都圏1都7県[注 1]および静岡県富士川以東[注 2]を供給区域・事業地域とする[注 3]一般電気事業者[注 4]であった東京電力株式会社が、電気事業法の一部改正[注 5]によって、2016年平成28年)4月1日から、家庭用電力の小売り全面自由化に対応するため、同年同日に持株会社体制へ移行して社名変更した、東京電力を継承した持株会社である[2][3]

略称は東電(とうでん)や東京電力HD(とうきょうでんりょくホールディングス)、または商号の英文表示[1]の頭文字からTEPCO(テプコ)が用いられている。東京証券取引所一部上場企業である。

福島第一原子力発電所事故の復旧および損害賠償のために、日本国政府による公的資金が注入され、原子力損害賠償支援機構(現 原子力損害賠償・廃炉等支援機構)が大株主となり、公的管理下において[4]、同機構委員長の下河辺和彦を「取締役会長」に迎えて、経営再建を目指すこととなった[5]

概要

ファイル:電力会社事業地域図.png
東京電力の営業区域(赤色に塗られた区域)

1883年明治16年)に設立された東京電燈が始まりとなる。その後、大日本帝国による国策により、第二次世界大戦直前の1939年昭和14年)4月に発電および送電設備が半官半民の企業であった日本発送電の管轄となり、さらに太平洋戦争直前の1941年(昭和16年)8月には首都圏における送電事業が関東配電に移管させられた。太平洋戦争終結後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による再編命令が下され、1950年(昭和25年)11月24日にGHQがポツダム命令を発したことで電気事業再編成令と公益事業令が公布され、1951年(昭和26年)5月1日、関東配電の営業地域を引き継ぐ形で発足した。

1951年昭和26年)の設立以来、現在に至るまで、その事業地域に自社の保有する原子力発電所を置かない電力会社として知られる(同社の原発がある福島県新潟県青森県(未稼動)は、いずれも東北電力の事業地域である。柏崎刈羽原子力発電所の1号機は東北電力との共同開発。)[6]。また、複数の都道府県を営業区域とする一般電気事業者としては日本で唯一、都道府県名を社名に使用している。

商用電源周波数は、東京電燈がドイツ帝国から輸入した50 Hz仕様の発電機を採用し、その後に至るまで、東京電力管内では50 Hzでほぼ統一されている。ただし、群馬県甘楽郡および吾妻郡では60 Hzとなっている[7]

創立60周年となる2011年(平成23年)3月11日時点で、同社のコーポレートスローガンは「いつもの電気、もっと先へ。」であった。そして、持株会社体制となった2016年(平成28年)4月1日より(創立65周年)、グループ全体の新ブランドスローガンとして「挑戦するエナジー。」が導入された。

なお、第二次世界大戦以前に存在し、のちに東京電燈(関東配電などの前身)に合併された東邦電力子会社の「東京電力」は、同名異企業であり、本企業とは無関係である。

株主

2012年7月31日に、原子力損害賠償支援機構(現 原子力損害賠償・廃炉等支援機構)が、A種優先株式(転換権付有議決権)16億株、B種優先株式(転換権付無議決権)3億4000万株を1兆円で取得し、議決権ベースで50.11%を有する筆頭株主、および親会社以外の支配株主となった。この第三者割当による既存株式の希釈率は約2千パーセント(議決権ベースで100.43%)であったが、東京証券取引所への上場は維持されている。

支配株主となった原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、官民共同出資で設立されているが、特別の法律に基づく認可法人であり、理事長と監事の任命権は内閣が有しており、運営委員会委員や廃炉等技術委員会委員・副理事長・理事の任命には、日本国政府の認可が必要である。副理事長は元警察官僚(元警視総監)、5名の理事のうち常勤の2名は、財務省と経済産業省から出向のキャリア官僚、1名は独立行政法人国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、旧動燃)の元役職員である。

同機構による東京電力への出資金(1兆円の優先株引き受け)や、数兆円におよぶ資金援助の原資は、95%以上が日本国政府が交付もしくは日本国政府保証により同機構が借り入れたものであり、同機構は管理運営・財政において実質的に国の機関である。したがって、東京電力は同機構を介して半国有化され、日本国政府の管理下にある[4]。経済産業省から同機構に出向のキャリア官僚(同機構連絡調整室長)が当社の取締役指名委員会委員および執行役会長補佐兼社長補佐兼営業企画担当(共同)に就いている。

巨額の損害賠償と公的資金

2011年11月以降、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(実質は日本国政府)より毎月数百億から数千億円規模の資金援助を受けており、2018年3月31日現在で累計7兆5500億円。この資金援助は無利子の融資であり、仮に将来的に全額が返済されたとしても、国は1千億~2千億円の利払いを負担することになる。当社は、機構からの交付資金を特別利益として会計処理しており、バランスシートに負債として計上していない。

国は、上述の資金援助とは別に、福島第一原子力発電所1-4号機の廃炉・汚染水対策に関する研究開発等、研究施設の整備等及び実証事業に対して、毎年数百億円規模の財政措置を講じている。

沿革

  • 1951年5月1日 - 松永安左エ門(電気事業再編成審議会委員長)のGHQへの説得による、国会決議より効力が強いGHQポツダム政令を元に、戦時統合によって発足した関東配電と日本発送電を再編して、東京電力創立。
  • 1951年8月24日 - 東証1部に上場。
  • 1953年11月18日 - 東京電力初の石炭火力発電所、潮田火力発電所3号機が運転開始。
  • 1955年1月6日 - 戦後初の新設石炭火力発電所、鶴見火力発電所(鶴見第二火力発電所)1号機が運転開始。
  • 1956年2月13日 - 戦後初の大規模石炭火力発電所、新東京火力発電所1号機が運転開始(のちに石油専焼に転換)。
  • 1957年4月20日 - 石炭火力発電所、千葉火力発電所1号機が運転開始(のちに石油専焼に転換)。
  • 1959年8月18日 - 千葉火力発電所4号機完成で火力発電の出力が水力発電を上回る(火主水従へ)。
  • 1960年3月25日 - 石炭火力発電所、品川火力発電所1号機が運転開始(のちに石油専焼に転換)。
  • 1960年10月15日 - 石炭火力発電所、横須賀火力発電所1号機が運転開始(のちに石炭・石油混焼を経て石油専焼に転換)。
  • 1961年7月5日 - 石炭火力発電所、川崎火力発電所1号機が運転開始(のちにナフサを経てLNGに転換)。
  • 1962年8月31日 - 東京電力初の重油専焼火力発電所、横浜火力発電所1号機が運転開始(のちに石油・LNG混焼に転換)。
  • 1963年1月6日 - 石油火力発電所、五井火力発電所1号機が運転開始(のちにLNG専焼に転換)。
  • 1964年2月29日 - 千住火力発電所廃止。
  • 1965年9月28日 - 第一次長期公害対策開始。
  • 1965年12月10日 - 東京電力初の揚水発電所矢木沢発電所2号機が運転開始。
  • 1965年11月26日 - 都市配電近代化対策委員会設置。
  • 1967年12月 - 石油火力発電所、姉崎火力発電所1号機が運転開始(のちに石油・LNG混焼に転換)。
  • 1970年4月 - 世界初のLNG専焼火力発電所、南横浜火力発電所2号機が運転開始。
  • 1971年3月19日 - 石油火力発電所、鹿島火力発電所1号機が運転開始。
  • 1971年3月26日 - 東京電力初の原子力発電所福島第一原子力発電所1号機が運転開始。
  • 1971年8月5日 - 石油火力発電所、大井火力発電所1号機が運転開始。東京電力初の超低硫黄ミナス原油を使用。
  • 1972年7月28日 - 本社社屋を現社屋に移転。
  • 1973年 - 潮田火力発電所廃止。
  • 1973年6月16日 - 国内炭専焼火力としては最後となる新東京火力発電所が重油専焼火力に転換。
  • 1973年11月5日 - エネルギー危機に対して緊急節電を要請。8日には22時以降のネオン消灯を呼びかけ。
  • 1974年1月16日 - 電気使用制限が実施される。
  • 1974年8月1日 - LNG火力発電所、袖ケ浦火力発電所1号機が運転開始。
  • 1974年9月 - 日本で初めて単体出力100万kWを達成した鹿島火力発電所5号機が運転開始。
  • 1975年5月17日 - 新福島変電所新設。
  • 1975年6月 - 全火力発電所にNOx(窒素酸化物)計測器設置。
  • 1977年6月30日 - 省エネルギーセンター設立。
  • 1977年9月6日 - 銀座にお客様相談室開設。
  • 1978年3月24日 - 光ファイバー通信システムの運用開始(京北〜鳩ヶ谷)。
  • 1978年9月1日 - ワシントン事務所開設。
  • 1978年11月2日 - 福島第一原子力発電所3号機の制御棒が操作ミスより5本脱落し、日本初の部分的臨界トラブルとなる[8]
  • 1979年11月21日 - 省エネルギーモデルビル完成(大塚支社)。
  • 1980年4月18日 - 石油火力発電所、広野火力発電所1号機が運転開始。
  • 1981年7月16日 - 最大電力3000万kW突破。
  • 1981年9月11日 - 新高瀬川発電所全竣工。最大出力128万kW。ダム水路式揚水発電所。
  • 1982年4月1日 - ロンドン事務所開設。
  • 1982年4月20日 - 福島第二原子力発電所1号機運転開始。
  • 1983年4月1日 - 東京・光が丘パークタウンで地域熱供給開始。
  • 1984年4月1日 - お客さまの声をサービス向上に生かす「エコー・システム」発足。
  • 1984年6月30日 - 鶴見火力発電所廃止。
  • 1984年11月3日 - 電力館オープン。
  • 1984年11月26日 - 横須賀火力1号機でCOM試験使用開始。
  • 1984年7月2日 - 広野火力発電所2号機で初の国産天然ガス(磐城沖ガス田)の使用開始。
  • 1985年9月18日 - 柏崎刈羽原子力発電所1号機運転開始。
  • 1985年10月30日 - 「電気プラザ・ヨコハマ」オープン。
  • 1985年12月 - 東京電力初のコンバインドサイクル発電方式を採用した富津火力発電所1号系列第1軸が運転開始。
  • 1986年3月23日 - 暴風雪により送電鉄塔が損壊。大規模な停電が発生。
  • 1986年5月22日 - 地域雷観測レーダー網完成。
  • 1986年7月4日 - 玉原発電所全竣工。最大出力120万kW。ダム水路式揚水発電所。
  • 1987年4月22日 - 東京証券取引所において株価が9,420円と、東京電力上場来の最高値を記録した。
  • 1987年5月26日 - 大井火力発電所爆発事故。中央部の第二原油サービスタンクが爆発・炎上した。この火災で作業員4名が死亡。作業員1人が全身やけどの重傷、消防士1人が負傷した[9]
  • 1987年7月23日 - 首都圏大停電発生。猛暑による急速な電力需要の伸びに供給が追いつかず、電力供給停止となった大規模な停電事故。
  • 1987年9月18日 - LNG火力発電所、東扇島火力発電所1号機が運転開始。
ファイル:Tōkyō-Denryoku-Logo.svg
東京電力のCI(1987年~2016年)
ファイル:TEPCO Toyosu-1.jpg
新豊洲変電所(2018年5月24日撮影)

東日本大震災以降

論点は福島第一原子力発電所事故の影響参照

  • 2011年3月11日(金曜日) - 東北地方太平洋沖地震(震災名:東日本大震災)およびこれに伴う津波被害により、運営する発電所の多くが被災する(2原発・8火力・18水力[17])。さらに福島第一原子力発電所福島第二原子力発電所が運転停止し、津波による浸水で、福島第一原子力発電所の非常用発電機が停止し、沸騰水型原子炉に注水ができなくなる事態となる『福島第一原子力発電所事故』が発生し、3月12日3月14日に、原子炉建屋が水素爆発で建物や原子炉が破壊される事故が発生した。
  • 2011年3月13日(日曜日) - 震災の影響で多くの発電所が運転停止したことで、電力需要に対して電力供給量が不足する事態となったため、21時に明日14日(月曜日)より計画停電を開始する緊急の記者会見が発表された。発表直後に公式ウェブサイトにアクセスが集中、輻輳により周知不足につながった。
  • 2011年3月14日(月曜日) - 同日以降1都8県(東京都区部では荒川区足立区のみ対象)で計画停電を開始。鉄道の運休や間引き運転を実施したため、周知不足により鉄道利用者や千葉県茨城県の被災地に混乱が生じる。その後同年4月8日には、電力供給量が安定したことと、電力消費量が減少しつつあるものとして、同年6月3日まで「計画停電は原則として実施しない」旨を発表した。
  • 2011年4月5日 - 東京証券取引所で株価が1951年12月11日に付けた上場来安値393円を約59年ぶりに下回った。
  • 2011年4月25日 - 全ての役員報酬を40〜50%、管理職の年俸を約25%、一般社員の年収を約20%、それぞれ削減すると発表した。削減額は年間で計540億円となる。役員の報酬削減の内訳は会長、社長、副社長、常務の取締役計20人が報酬の50%、執行役員29人は40%。4月から当面の間削減する。管理職以下は7月から実施する[19]
  • 2011年5月20日 - 2011年3月期の決算概要を発表した。前年比約3,500億円の増収、経常ベースでは約1,100億円の増益となったが、特別損失として、約1兆7000億円を計上し、当期純損益は約1兆2,000億円の最終赤字となった。この金額は、金融機関を除く事業会社において、過去最大の数字とのこと。また、役員人事として、同年6月28日の定時株主総会の承認を前提に、取締役社長の清水正孝、取締役副社長の武藤栄らが退任することが発表された。
  • 2011年8月10日 - 東京電力初の事業用太陽光発電浮島太陽光発電所が運転開始。
  • 2012年1月 - 世界で最も社会的に無責任な企業を選ぶパブリックアイ賞(通称:世界最悪企業賞)で2位入賞。投票レースでずっとトップを走っていたが、投票直前になってヴァーレ票が急追し2位になったため、「何らかの組織票が動いたのではないか」と指摘する声もある[20]
  • 2012年3月 - 2012年4月より事業者向け電気料金を平均17%引き上げる方針。家庭向けの電気料金を2012年7月にも10%値上げする方向で調整することを申請[21][22]
  • 2012年3月末時点で、第一生命保険日本生命保険が、東電の株券を売却したため、東京都が大株主になった[23]
  • 2012年6月27日 - 原子力損害賠償支援機構を割り当て先とする優先株式を発行し、同機構を介して日本国政府から1兆円の公的融資の注入を受けることを株主総会で承認。7月31日に原子力損害賠償支援機構が50.11%の議決権を取得、実質的に国有企業化された[24]
  • 2012年7月18日 - 東京株式市場で株価が120円と上場来最安値を記録。
  • 2012年7月31日 - ブラック企業大賞の『大賞』を受賞した[25]
  • 2012年11月 - 東日本大震災の影響で発生した、福島第一原発関連の事故に関係する賠償や除染を万全の体制で行うことを目的に、こうした業務を担う本社機能を全面的に福島県内に移し[26]、新しく「福島本社」(仮称)と位置づけて、東京本店の副社長級の幹部をはじめ、数百人を東京から異動させ[27]、これまで賠償の実務に当たってきた社員らを含め、4000人超規模とする方針を固め、調整を進めていることにが明らかとなった[28]
  • 2013年1月1日 - 福島県双葉郡広野町楢葉町にまたがる)のJヴィレッジ内に「福島復興本社」を開設(代表 石崎芳行。業務開始は1月4日より)。
  • 2013年2月1日 - 川崎火力発電所2号系列第1軸(50万kW)が運転開始。震災後初となる大型火力。
  • 2013年5月15日 - 「原子力安全監視室」を設置して、元イギリス原子力公社 安全・保証担当役員のジョン・クロフツを室長にした[29]
  • 2013年9月27日 - 東京電力は原子力規制委員会に対して、柏崎刈羽原子力発電所6・7号機の安全審査を申請し、広瀬直己社長は、たとえ(柏崎刈羽原発の)再稼動が遅れたとしても、経費削減によって経常損益の黒字化は達成可能と発表した[30]
  • 2013年9月28日 - 広瀬直己社長は福島第一原発5号、6号を廃炉にすると発表[31]。5号6号の設備を廃炉センターとして有効活用する計画を明らかにした[32]
  • 2015年4月1日 -「新潟本社」を設立。柏崎刈羽原発、信濃川電力所との連携体制を築く[33]
  • 2015年4月30日 - 中部電力と共同で火力発電会社「JERA」を設立[34]
  • 2016年1月12日 - 家庭用電力小売全面自由化に向けて、ソフトバンクと提携し「ソフトバンクでんき」を発表。同年4月1日から東電・中部電力関西電力エリアで提供開始。持株会社発足後の提供開始なので、東電側は「東京電力エナジーパートナー」が担当する(2017年1月31日を以て中電・関電エリアでの新規契約受付終了)。
  • 2016年3月4日 - 電力自由化により、東京電力管内だけで、家庭用スマートメーターの設置が大幅に遅延していることが報道され、他の電力会社では起きていない事態が発生した[35]
  • 2016年3月7日 - 福島復興本社がJヴィレッジ内から双葉郡富岡町の浜通り電力所内に移転[36]

持株会社体制移行後

発電施設

  • 各発電所(自流式水力・風力・地熱発電所等を除く)は、東京電力本店にある中央給電指令所からの指令で運転しており、その運転出力指令値や運転モードの信号の送信と、出力値や発電電力量の記録などの送受信のため、本店には多数のパラボラアンテナが設置された鉄塔が建てられている。
JR東日本 有楽町駅新橋駅の間の西側線路沿いに建物がある。有楽町の東にあるのはJ-POWER本社。

合計 196箇所、6,750万1,240kW(2016年7月1日現在)[41]

  • 総出力には長期計画停止中、定期点検中の号機を含む。廃止された号機、建設中の号機は含まない。

水力発電所

164箇所、985万8,650kW(2015年3月31日現在)[42]

  • 主な水力発電所(5万kW以上の発電所)
発電所名 水系名 方式 総出力 所在地 備考
塩原発電所 那珂川 ダム水路式(揚水式 90万kW 栃木県那須塩原市
今市発電所 利根川 ダム水路式(揚水式) 105万kW 栃木県日光市
鬼怒川発電所 水路式 12.7万kW 栃木県日光市
矢木沢発電所 ダム式(揚水式) 24万kW 群馬県利根郡みなかみ町
玉原発電所 ダム水路式(揚水式) 120万kW 群馬県利根郡みなかみ町
佐久発電所 水路式 7.68万kW 群馬県渋川市
神流川発電所 ダム水路式(揚水式) 94万kW 群馬県多野郡上野村 建設中、282万kW予定。完成後は国内最大、世界最大級の揚水発電所。
葛野川発電所 相模川 ダム水路式(揚水式) 120万kW 山梨県大月市 建設中、160万kW予定。有効落差は714mで世界最大。
早川第一発電所 早川 水路式 5.12万kW 山梨県南巨摩郡早川町
秋元発電所 阿賀野川 水路式 10.75万kW 福島県耶麻郡猪苗代町
猪苗代第一発電所 水路式 6.24万kW 福島県会津若松市
安曇発電所 信濃川 ダム式、ダム水路式(揚水式) 62.3万kW 長野県松本市
水殿発電所 ダム式(揚水式) 24.5万kW 長野県松本市
新高瀬川発電所 ダム水路式(揚水式) 128万kW 長野県大町市
中津川第一発電所 水路式 12.6万kW 新潟県中魚沼郡津南町
信濃川発電所 水路式 17.7万kW 新潟県中魚沼郡津南町

火力発電所

25箇所、4,497万8,920kW(関連会社経営の発電所を除く、2016年7月1日現在)[43]

発電所名 使用燃料 総出力 号機 出力 運転開始 所在地 備考
広野火力発電所 重油原油 440万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
60万kW
60万kW
100万kW
100万kW
1980年4月
1980年7月
1989年6月
1993年1月
福島県双葉郡広野町 1,3,4号機は長期計画停止中。
2号機は2018年度停止予定。
IGCC設備(54万KW)計画中。
石炭 5号機
6号機
60万kW
60万kW
2004年7月12日
2013年12月3日
常陸那珂火力発電所 石炭 200万kW 1号機
2号機
100万kW
100万kW
2003年12月12日
2013年12月18日
茨城県那珂郡東海村 常陸那珂ジェネレーションによる
1号機(65万kW)建設中。
鹿島火力発電所 重油、原油 566万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
5号機
6号機
60万kW
60万kW
60万kW
60万kW
100万kW
100万kW
1971年3月19日
1971年9月23日
1972年2月4日
1972年4月7日
1974年9月28日
1975年6月27日
茨城県神栖市 7号系列はCC方式。
1〜4号機は長期計画停止中。
5,6号機は2018年度中に停止する予定。
都市ガス 7号系列(3基) 126万kW 2014年6月18日
千葉火力発電所 LNG 注1438万kW 1号系列(4基)
2号系列(4基)
3号系列(3基)
144万kW
144万kW
150万kW
2000年12月17日
2000年6月5日
2014年7月31日
千葉県千葉市中央区 CC方式。
五井火力発電所 LNG 188.6万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
5号機
6号機
26.5万kW
26.5万kW
26.5万kW
26.5万kW
35万kW
47.6万kW
1963年6月
1964年8月
1965年7月
1966年1月
1968年1月
1968年3月
千葉県市原市 6号機はCC方式。
全機長期計画停止中。
JERAによる新1~3号機(約234万kW)計画中。
姉崎火力発電所 LNG、NGL、
LPG
重油、原油
360万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
60万kW
60万kW
60万kW
60万kW
1967年12月
1969年11月
1971年6月
1972年9月
千葉県市原市 JERAによる新1~3号機(約195万kW)計画中。
LNG、LPG 5号機
6号機
60万kW
60万kW
1977年4月
1979年10月
袖ケ浦火力発電所 LNG 360万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
60万kW
100万kW
100万kW
100万kW
1974年8月
1975年9月
1977年2月
1979年8月
千葉県袖ケ浦市
富津火力発電所 LNG 516万kW 1号系列(7基)
2号系列(7基)
3号系列(4基)
4号系列(3基)
100万kW
112万kW
152万kW
152万kW
1986年11月
1988年11月
2003年11月13日
2010年10月5日
千葉県富津市 CC方式。
品川火力発電所 都市ガス 114万kW 1号系列(3基) 114万kW 2003年8月20日 東京都品川区東品川 CC方式。
大井火力発電所 原油 105万kW 1号機
2号機
3号機
35万kW
35万kW
35万kW
1971年8月
1972年2月
1973年12月
東京都品川区八潮 全機長期計画停止中。
川崎火力発電所 LNG 注2342万kW 1号系列(3基)
2号系列(3基)
150万kW
192万kW
2009年2月5日
2016年6月29日
神奈川県川崎市川崎区 CC方式。
東扇島火力発電所 LNG 200万kW 1号機
2号機
100万kW
100万kW
1987年9月
1991年3月
神奈川県川崎市川崎区
横浜火力発電所 LNG、NGL、
重油、原油
354.1万kW 5号機
6号機
17.5万kW
35万kW
1964年3月
1968年6月
神奈川県横浜市鶴見区 7、8号系列はCC方式。
1〜4号機は廃止。
5、6号機は長期計画停止中。
LNG 7号系列(4基)
8号系列(4基)
150.8万kW
150.8万kW
1998年1月
1998年1月
南横浜火力発電所 LNG 115万kW 1号機
2号機
3号機
35万kW
35万kW
45万kW
1970年5月
1970年4月
1973年5月
神奈川県横浜市磯子区
横須賀火力発電所 0kW 神奈川県横須賀市 全号機廃止。
JERAによる新1、2号機(約130万kW)計画中。
  • 注1:千葉火力発電所は、蒸気タービン不具合対策により3号系列第3軸の定格出力が暫定的に47.6万kW(系列計147.6万kW、合計435.6万kW)となっている。
  • 注2:川崎火力発電所は、蒸気タービン不具合対策により2号系列第2軸の定格出力が暫定的に68.5万kW(系列計189.5万kW、合計339.5万kW)となっている。

内燃力発電所

10箇所、5万3,920kW(再掲)

発電所名 使用燃料 認可出力 所在地 備考
大島内燃力発電所 重油 15,400kW 東京都大島町
新島内燃力発電所 7,700kW 東京都新島村
神津島内燃力発電所 4,500kW 東京都神津島村
三宅島内燃力発電所 5,000kW 東京都三宅村
八丈島内燃力発電所 14,100kW 東京都八丈町 八丈島地熱発電所を遠方管理制御
利島内燃力発電所 720kW 東京都利島村
青ヶ島内燃力発電所 640kW 東京都青ヶ島村
小笠原父島内燃力発電所 4,300kW 東京都小笠原村
小笠原母島内燃力発電所 960kW 東京都小笠原村
御蔵島内燃力発電所 600kW 東京都御蔵島村

関連会社運営

発電所名 使用燃料 総出力 号機 出力 運転開始 所在地 運営会社 備考
新地発電所* 石炭、木質バイオマス 200万kW 1号機
2号機
100万kW
100万kW
1994年7月
1995年7月
福島県相馬郡新地町 相馬共同火力発電
勿来発電所* 石炭、重油、
炭化燃料、
木質バイオマス
170万kW 7号機
8号機
9号機
25万kW
60万kW
60万kW
1970年10月
1983年9月
1983年12月
福島県いわき市 常磐共同火力 10号機はIGCC方式。
1〜6号機は廃止。
IGCC設備(54万KW)計画中。
石炭 10号機 25万kW 2013年4月1日
鹿島共同発電所* 副生ガス、重油 100万kW 3号機
4号機
35万kW
35万kW
1982年2月
1982年3月
茨城県鹿嶋市 鹿島共同火力 5号機はCC方式。
1、2号機は廃止。
副生ガス 5号機 30万kW 2013年11月22日
君津共同発電所* 副生ガス、重油 115.29万kW 3号機
4号機
35万kW
35万kW
1970年
1971年
千葉県君津市 君津共同火力 5、6号機はCC方式。
1、2号機は廃止。
副生ガス 5号機
6号機
30万kW
15.29万kW
2004年
2012年6月26日
* 新地発電所、勿来発電所は東北電力、東京電力双方に送電を行っている。
* 鹿島共同発電所は出力の半分を新日鐵住金鹿島製鐵所へ供給。
* 君津共同発電所は出力の半分を新日鐵住金君津製鐵所へ供給。

原子力発電所

3箇所(建設中1箇所)、1,261万2,000kW(2016年4月1日現在)

いずれも沸騰水型原子炉の系譜に連なる(東京電力初の原子炉に沸騰水型が採用された経緯も参照)が、1980年代にK-PWR加圧水型原子炉の一種)の採用を検討したこともある。東日本大震災以後、全原子力発電所が発電中止となっている。

発電所名 原子炉型式 総出力 号機 出力 運転開始 所在地 備考
東通原子力発電所 改良型沸騰水型軽水炉 kW 青森県下北郡
東通村
1号機は建設中だったが工事中止
2号機の計画があったが建設未定
計277万kW予定。
福島第二原子力発電所 沸騰水型軽水炉 440万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
110万kW
110万kW
110万kW
110万kW
1982年4月20日
1984年2月3日
1985年6月21日
1987年8月25日
福島県双葉郡
楢葉町
富岡町
東日本大震災により全号機停止。
運転再開はせず、全基廃炉する方針を
2018年平成30年)6月14日に表明。
柏崎刈羽原子力発電所 沸騰水型軽水炉
改良型沸騰水型軽水炉
821.2万kW 1号機
2号機
3号機
4号機
5号機
6号機
7号機
110万kW
110万kW
110万kW
110万kW
110万kW
135.6万kW
135.6万kW
1985年9月18日
1990年9月28日
1993年8月11日
1994年8月11日
1990年4月10日
1996年11月7日
1997年7月2日
新潟県柏崎市
刈羽郡刈羽村
新潟県中越沖地震により2〜4号機の発電停止。
1、5〜7号機は発電を停止し、定期点検を行なう。
運転再開は未定。

原発事故

稼働する全ての原子力発電所で火災、放射性物質漏れ、臨界といった事故が発生している。スリーマイル原子力発電所事故に対する東京電力の対応のように、他の原子力事故を受けて対策を強化する例も見られたが、2011年(平成23年)3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故炉心溶融を伴い、原子炉水素爆発で損壊され、大規模な放射性物質漏れを起こす大事故となった。

この影響で、同原発で進められていた増設計画も中止された(詳細は福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯を参照)。また福島県庁の復興計画では『原子力に依存しない安心安全の福島県』を基本理念にして、県内にある福島第二原子力発電所の全基廃炉を求めている。

原発事故の反省と総括

2013年(平成25年)3月29日、「経済性を最優先するあまり、原発という特別なリスクを扱う会社でありながら、経営層のリスク管理に甘さがあった」「事前の備えが十分であれば防げた事故だった」とする、事故への総括と改革プランが、東京電力の改革監視委員会で了承された。

改革プランでは、原発のリスクを公表する「リスクコミュニケーター」という専門の担当を設けることや、緊急時の指揮命令系統において、1人の責任者が管理する人数を最大7人以下に制限することなど、提言が盛り込まれた。しかし、原子力発電所への社会の理解を得られる見通しは、全く立ってない[44]

再生可能エネルギー

5箇所、5万1,670kW(2016年4月1日現在)

発電所名 方式 総出力 運転開始 所在地 備考
八丈島地熱発電所 地熱発電 0.33万kW 1999年3月 東京都八丈町 風力発電設備は廃止。
東伊豆風力発電所 風力発電 1.837万kW 2015年8月28日 静岡県賀茂郡東伊豆町河津町
浮島太陽光発電所 太陽光発電 0.7万kW 2011年8月10日 神奈川県川崎市川崎区
扇島太陽光発電所 太陽光発電 1.3万kW 2011年12月19日 神奈川県川崎市川崎区
米倉山太陽光発電所 太陽光発電 1万kW 2012年1月27日 山梨県甲府市

過去に存在した発電施設

火力発電所

発電所名 使用燃料 総出力 廃止時期 所在地
千住火力発電所 石炭、重油 7.5万kW 1964年 東京都足立区千住
新東京火力発電所* 重油 48.2万kW 1991年 東京都江東区豊洲
鶴見火力発電所 重油 44.5万kW 1984年 神奈川県川崎市川崎区
潮田火力発電所 石炭 kW 1973年 神奈川県川崎市川崎区

* 新東京火力発電所跡地には、地下式では世界初の50万ボルト変電所である新豊洲変電所が建設された。

原子力発電所

発電所名 原子炉型式 総出力 運転開始時期 廃止時期 所在地 備考
福島第一原子力発電所 沸騰水型軽水炉 469.6万kW 1971年 2014年 福島県双葉郡大熊町、双葉町 東日本大震災および
福島第一原子力発電所事故により全号機停止。
7、8号機は2011年5月に計画中止。
1〜4号機は2012年4月19日廃止。
5、6号機は2014年1月31日廃止。

電源調達入札制度について

  • 1995年(平成7年)の電気事業制度改革において電源調達入札制度が創設され、卸供給事業者(IPP・独立系発電事業者)11社と供給契約を結んでいる[45]

12箇所、238万8,600kW

卸供給事業者 契約電力 供給開始 所在地 備考
日立造船茨城発電所 10.27万kW
10.9万kW
1999年6月
2006年6月
茨城県常陸大宮市
日立製作所臨海発電所 10.28万kW
8.61万kW
2000年6月
2006年6月
茨城県日立市
住友金属工業鹿島火力発電所 47.5万kW 2007年6月 茨城県鹿嶋市 現:新日鐵住金 2号機(64.5万kW)計画中
川崎製鉄千葉クリーンパワーステーション 38.18万kW 2002年6月 千葉県千葉市 現:JFEスチール
東亜石油水江発電所 23.8万kW 2003年6月 神奈川県川崎市川崎区
昭和電工(川崎事業所) 12.42万kW 1999年6月 神奈川県川崎市川崎区
日本石油精製横浜製造所 4.85万kW 2000年6月 神奈川県横浜市神奈川区 現:JXTGエネルギー
日本石油精製(根岸製油所 34.2万kW 2003年6月 神奈川県横浜市磯子区 現:JXTGエネルギー
トーメンパワー横須賀(横須賀パワーステーション 20.2万kW 2006年6月 神奈川県横須賀市 現:東京ガス横須賀パワー。運営は東京発電に委託。
荏原製作所(藤沢工場) 6.4万kW 1999年6月 神奈川県藤沢市
トーメンパワー寒川(寒川パワーステーション 6.55万kW 1999年6月 神奈川県高座郡寒川町 運営は東京発電に委託。
ポリプラスチックス(富士工場) 4.7万kW 2000年6月 静岡県富士市
  • 事業者名はいずれも契約当時。

問題・不祥事

天下り問題

福島第一原子力発電所事故以降、経済産業省と電力会社の天下り問題が、監督官庁である経済産業省傘下だった原子力安全・保安院の原子力発電所における安全基準のチェックを甘くさせる構造として批判が集まった。

大手メディアとの癒着問題

東京電力上層部と大手マスメディア関係者の中華人民共和国への接待旅行が明らかになった。2011年3月30日の会見において、この件について問われた代表取締役の勝俣恒久は「全額東電負担ではない。詳細はよく分からないが、たぶん、多めには出していると思う」「マスコミ幹部というのとは若干違う。OBの研究会、勉強会の方々。誰といったかはプライベートの問題なので」「責任者の方によく確認して対応を考えさせていただきたい。2〜3日中にどういうことになっているか照会したい」と述べた[46]。照会結果は未だに公表されていない。

原子力損害に対する賠償・除染問題

東京電力を相手に民事訴訟が起こされ、朝日新聞社によると「放射性物質は無主物であり東電が除染する責任はない」と答弁したとされており[47]、判決もその主張が認められて原告が敗訴した。損害賠償請求権の時効は通常3年、民事訴訟の時効は10年で、いずれにしても東京電力が優勢であるが、東京電力は損害賠償の請求権の時効について、「事故から3年たったら(賠償請求が)終わりになるということは全く考えていない」(広瀬直己社長、2013年1月10日福島県庁にて)[48]と、法律上の時効を過ぎても請求に応じる考えを明らかにしている[49]

しかし一方で、2013年春以降になって東電が、原発事故で避難した社員に対して、支払った賠償金を事実上返還するよう要求するケースが多発していることが、2014年に入って判明しており、中には、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)による和解案を拒否するケースも出ている。これらの返還請求が出て以降、復旧作業に関わる社員の退職が相次いでいるとされ、復旧作業への悪影響が懸念される状況となっている[50]。また、東電が、立入制限区域から転居した社員に対しては賠償を打ち切る内容の独自の基準を定めていることも判明している[51]

原子力損害賠償・廃炉等支援機構(実質的には日本国政府)から特別資金援助というかたちで4兆円超(2014年5月現在)の損害賠償資金の交付を受けている。これは、無利子の融資であり、仮に将来的に全額が返済されたとしても、国は数百億円の利払いを負担することになる[52]

東京電力は、放射性物質で汚染された がれき撤去の際、飛散防止剤を10倍から100倍に薄め、散布回数も大幅に減らすよう指示している[53]。原子力規制庁は、このせいで飛散防止効果が落ち、2013年夏に放射性物質の飛散が起きたとし、東京電力に行政指導している[53]。また、飛散防止剤メーカーの担当者は、「これでは飛散防止効果はない、飛散は当然」という旨を述べている[53]

主な提供番組

当然のことながら、いずれの番組も上記テリトリーのみでの提供であった。同一県内で複数の電力会社のエリアとなっている静岡県では、他社(中部電力)との共同提供や共同制作CMも放送された。ただしBSデジタル放送の民放各局で同社が提供していた番組は、全国での視聴が可能であった。

イメージキャラクターとして、でんこちゃんが安全・省エネを呼びかけるCMが有名であった。その他の企業CMにおいては後述の出演者による作品が放送されていた。

広報用CM(インフォマーシャル形式)としては長らく、60秒形式の「TEPCOインフォメーション」(担当:岸ユキ生田智子)が放送されていたが、2006年10月からは30秒形式の「東京電力 for you」(担当:辛島小恵)に変更された。

なお、東京電力の発電所が置かれている地域(他社営業エリアの長野県新潟県福島県青森県)では発電所の広報を目的とした独自のCMが放送されていた。特に青森・新潟・福島の3県では原子力発電への理解を求める内容で、東北電力と共同でのCMも存在した(青森県の視聴者が多い岩手めんこいテレビでも放送の実績があった)。

東京電力は、年間220億円以上の広告費を使用してきたと言われる。2010年度の広告費(普及開発関係費とよばれる宣伝広告費、各地にある電力館等のPR施設の運営費や、電力事業普及キャンペーン費用など)は269億円であり、関東地方でしか電気を売らないのにもかかわらず、全国の広告費上位ランキングで10位に入っていた。

2011年3月時点の提供番組

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、2012年2月現在、以下の番組では既にスポンサーから降板した(一部に放送を休止している番組もある)。 また該当する番組では、提供クレジット表示を行わないのに加え、同社の通常のCMの放送に替えて、ACジャパンのCMの放映、ならびに同社からの福島第一原子力発電所事故と、その影響による計画停電についてのお詫び、および同社から全需要家に対する節電へのお願いを伝える内容の、社告形式のCM等が放映されている。また、でんこちゃんシリーズのCMも打ち切りとなった。

過去

政治家との繋がり

以下は、福島原発事故以前の状況である。2012年平成24年)以降は、事実上の「国有企業」であり、政治献金はできない。

自民党への献金

東京電力の役員の大半が自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対し、2007年から3年間で計1703万円の政治献金をしている[54]

政治家のパーティー券購入

東京電力は2010年までの数年間の間に自民党の麻生太郎甘利明大島理森石破茂石原伸晃、元自民では与謝野馨無所属(当時))、平沼赳夫たちあがれ日本(当時))、民主党では仙谷由人枝野幸男小沢一郎(当時)の政治資金パーティー券を大量購入している[55]

東京電力株を保有する政治家

2009、2010年資産等報告書による[56]

関連会社

以下は2016年4月1日時点の企業。

現存する企業

主な連結子会社


主なその他関連会社


現在は関連会社から外れた企業

かつて存在した企業

など

売却

福島第一原子力発電所事故賠償金を捻出するために、愛知県名古屋市中区の賃貸マンションを売却[62]KDDIリビタ関東天然瓦斯開発株式を売却した。

東電ライフサポートを大和ハウス工業に売却[63]

2013年8月28日、銀座支社本館を読売新聞グループ本社および読売新聞東京本社に売却が決定[64]

統合

東電工業東電環境エンジニアリング尾瀬林業を「東京パワーテクノロジー」に統合させる[65]

東電ホームサービスをティー・オー・エスに統合し、社名を「テプコカスタマーサービス」に変更し、東電ホームサービスと東電広告を「東電タウンプランニング」に統合する[66]

関連する人物

歴代社長

氏名 在任期間 出身校 出身部署 備考
安蔵弥輔
100px
1951年5月 - 1952年9月 東京帝国大学電気工学科
2 高井亮太郎
100px
1952年9月 - 1958年 東京帝国大学電気工学科 石炭納入を巡る汚職事件を受け引責辞任
3 青木均一
100px
1958年 - 1961年 東京高等商業学校
(現在の一橋大学
4 木川田一隆
100px
1961年 - 1971年 東京帝国大学経済学部 営業
5 水野久男
100px
1971年 - 1976年 東京帝国大学法学部 総務
6 平岩外四 1976年 - 1984年 東京帝国大学法学部 総務
7 那須翔 1984年6月 - 1993年6月 東京大学法学部 総務
8 荒木浩 1993年6月 - 1999年4月 東京大学法学部 総務
9 南直哉 1999年4月 - 2002年9月 東京大学法学部 企画 原発データ改竄事件により引責辞任
10 勝俣恒久 2002年9月 - 2008年6月 東京大学経済学部 企画 柏崎刈羽原子力発電所のトラブルによる引責辞任
11 清水正孝 2008年6月 - 2011年6月28日 慶應義塾大学経済学部 資材 初の私大出身。東大出身者以外の社長は47年ぶり。
福島第一及び福島第二原発の事故による引責辞任
12 西澤俊夫 2011年6月 - 2012年6月 京都大学経済学部 企画 勝俣恒久の直系・懐刀と称される
13 廣瀬直己 2012年6月 - 2017年6月 一橋大学社会学部 企画・営業
14 小早川智明 2017年6月 - 東京工業大学工学部 法人営業 59年ぶりの理系出身者。恩賜発明賞受賞者。

経営者

外部出身者

官界
財界
学会

社員および関係者

政界
国会議員
都道府県知事
その他
官界
財界
学会
スポーツ
文化
芸能
その他
  • 蓮池透(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会副代表。元東京電力原子燃料サイクル部サイクル技術担当部長)

家族が東電関係者

企業CM出演者

原子力・プルサーマル発電推進広告
環境保護事業推進広告
Switch!シリーズ
TEPCOひかり
電気温水器
TEPCOインフォメーション(広報用CM、インフォマーシャル)
東京電力 for you(広報用CM、インフォマーシャル)
  • 辛島小恵

脚注

注釈

  1. 群馬県栃木県茨城県埼玉県東京都千葉県神奈川県山梨県
  2. 富士市の旧富士川町域、富士宮市の旧芝川町域の富士川以南、および静岡県富士川以西地域については中部電力管轄の供給区域・事業地域である。
  3. 2016年4月以降は、公式ウェブサイトでは「サービス区域」と表示している。[2]
  4. 改正前の電気事業法条文(平25法074)まで 第2条に定義されていた。
  5. 「電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第47号)」による。
  6. マンスリーゲストの番組のため、震災・事故以前から2011年3月末で終了は告知されていたが、後番組「神津カンナのあんな話こんな話」ではCM枠に計画停電に関する問い合わせ先告知やACジャパンのスポットが流れているので予約されている。
  7. 2012年1月25日から『TEPORE(テポーレ)』の運営を実施。

出典

  1. 1.0 1.1 東京電力ホールディングス株式会社定款 第1条に規定。
  2. 2.0 2.1 事業概要 会社情報 東京電力ホールディングス”. . 2016閲覧.
  3. 沿革 会社情報 東京電力ホールディングス”. . 2016閲覧.
  4. 4.0 4.1 資源エネルギー庁『平成23年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2012)』第3章第5節「7.賠償の実績及び業務の改善」41-42頁
  5. “下河辺・東電次期会長、弁護士仲間はこうみる 「事業再生に手腕」「調整型の経営者に」”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2012年4月19日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASFP19002_Z10C12A4000000/ . 2016閲覧. 
  6. ただし、事業地域である茨城県には日本原子力発電(原電)が保有する東海第二発電所があり、東京電力も原電から電力を購入している。また沖縄電力は原子力発電所を保有していない。
  7. 電気の知識 電源周波数”. 株式会社YAMABISHI. . 2013閲覧.
  8. [1]
  9. “東電大井火力発電所 原油タンク爆発炎上 作業員3人が死亡、3人けが”. 読売新聞: p. 1. (1987年5月26日) 
  10. [2]
  11. 姉崎火力発電所6号機の営業運転再開について 1999年2月17日
  12. [3]
  13. [4]
  14. 常陸那珂火力発電所1号機の営業運転開始について 2003年12月12日
  15. 「東西連係ガス導管」の運用開始について 2009年3月27日
  16. “福島第一原発2号機、昨年6月にも電源喪失”. 読売新聞. (2011年5月1日). http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110501-OYT1T00556.htm . 2011閲覧. 
  17. “東北地方太平洋沖地震における当社設備への影響について【午後11時現在】” (プレスリリース), 東京電力, (2011年3月11日), http://www.tepco.co.jp/cc/press/11031110-j.html . 2011閲覧. 
  18. レベル7認定は同年4月12日 “【放射能漏れ】福島原発事故、最悪「レベル7」に引き上げ チェルノブイリ並み”. 産経新聞. (2011年4月12日). http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110412/dst11041208550011-n1.htm . 2011閲覧. 
  19. 東電、役員報酬最大5割削減発表 管理職は年俸の25%、一般社員は2割 (2011年4月25日)
  20. 「世界最悪企業賞」、東電は2位――スティグリッツ教授も「企業はCSRの徹底を」alterna 2012年1月28日2012年2月4日閲覧
  21. 東電、家庭料金10%値上げへ=7月にも-コスト削減3兆円規模(2012/03/04)
  22. 「家庭向けの電気料金についても約10%の値上げを申請する」とありますが、当社は具体的な値上げ率を決めた事実はありません。TEPCOニュース (2012年3月13日)2012年4月2日閲覧
  23. “都が東電筆頭株主に”. (2012年4月11日). オリジナル2012年4月14日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120414164615/http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012041102000229.html . 2012閲覧. 
  24. YOMIURI ONILNE2012年6月27日15時54分同年6月28日閲覧
  25. “大賞・各賞の受賞内容のご報告” (プレスリリース), ブラック企業大賞, (2012年7月31日), http://blackcorpaward.blogspot.jp/2012/07/blog-post_31.html . 2016閲覧. 
  26. 東電、福島に本社機能設ける方針 賠償、除染を強化 神戸新聞NEXT 2012年11月03日11:44配信記事(配信日に閲覧))
  27. 東電、福島に本社機能設ける方針 賠償、除染を強化MINYU-NET2012年11月03日11:44配信記事(配信日に閲覧))
  28. 東電「福島本社」設立で調整へ (NHKNEWS WEB 2012年11月03日02:14配信記事(同日に閲覧))
  29. “原子力安全監視室の設置について”. (2013年5月15日). http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1227321_5117.html . 2013閲覧. 
  30. 東電社長:再稼働頼らず「黒字」 年度内値上げ否定 毎日新聞 2013年09月29日 07時43分(最終更新 09月29日 08時46分)
  31. 読売新聞 9月29日(日)8時51分配信
  32. 福島第一を「廃炉センター」に 発電から転換、東電検討 朝日新聞デジタル 9月21日(土)8時1分配信
  33. “東京電力の新潟本社が発足”. (2015年4月1日). http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20150401172507.html . 2015閲覧. 
  34. 「株式会社JERA」(呼称:ジェラ)の設立について(2015年4月15日、東京電力・中部電力プレスリリース)
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  62. “東電、名古屋・中区の物件売却へ 賠償金捻出で”. (2012年1月14日). http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012011490101707.html . 2012閲覧. 
  63. “東電ホーム運営会社 買収へ 大和ハウス、6月1日予定”. (2012年5月25日). http://www.koureisha-jutaku.com/news2012/news_12052502.html . 2012閲覧. 
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  65. “東電、発電関連の子会社3社を統合へ”. (2013年3月1日). http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130301-OYT1T01456.htm?from=ylist . 2013閲覧. 
  66. “東電、営業・配電関連グループ会社を統合 4社を2社に”. (2013年5月1日). http://www.zaikei.co.jp/article/20130501/130670.html . 2013閲覧. 
  67. 「石破政調会長-マナ娘がよりによって東電に入社」(週刊文春、2011年4月28日号) 記事の中で石破自身がインタビューに答え、娘の東電入社を認めている。

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関連項目

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