春休み
春休み(はるやすみ)とは、春季に設けられる休暇の期間。
日本の春休み
学校等で年度末から年度始めにかけて設けられる春の長期休暇のことである。正式には学年末休業と学年始休業、あるいは2つを合わせて春季休業と呼称するが、一般に春休みと呼ばれている。大学および3学期制の学校では学期間の休みとなる。
4月を年度の始まりとみなす日本では年度の境目であり、年度の終了および年度始めの準備期間としての意義がある。この時期になると、多くの百貨店・スーパーマーケット・ホームセンターなどでは、新入学や新生活のためのキャンペーンが設けられ、主に学用品(入学服・ランドセル・学習机など)や、一人暮らしに必要とされる家具、電気製品などの生活用品を買い求める姿が多く見られる。また、企業の年度替りの事情から、大規模な人事異動が行われることが多く、引越しの需要が多い時期でもある。なお、引越しなどをしない者にとっては、文字通りの春季の休業となり、この時期に「春」という季節を十分に味わうことができる。
この時期を利用して旅行などをする人も多い。春休みの旅行は、JR各社で青春18きっぷの発売・適用時期の一つとなること、JRの特急回数券などの特別企画乗車券が利用不可能になる時期(繁忙期)には通常含まれない(ゴールデンウィークは含まれる)などのメリットがある。一方、JR九州を除き指定席特急券が平常期の200円増しとなること、航空国内線では(正規運賃において)同様に割り増しとなるなどのデメリットもある。混雑は夏休みやゴールデンウィークほど多くはない。そのため、同じ春季でも、ゴールデンウィークに比べて割安・閑散な旅行が期待できる。そのせいか園児・児童の場合は親子(あるいは祖父母と孫)での旅行、学生の一人旅や仲間同士での旅行も多い。また、後述のように多くの親(特に父親)はちょうど年度変わりの時期で忙しいことも多いため、既にリタイアして時間的余裕のある祖父母が春休み中の孫を連れて行楽に出かけるケースも多いのも特徴である。
3月に学校を卒業した小学6年生・中学3年生・高校3年生・大学学部4年生などは、3月31日まではそれぞれ元の小学校・中学校・高等学校・大学に学籍があるため、小学生の場合は卒業式後も3月31日までは子供料金(小学生)が適用される。学割(中学・高校・大学)の適用についても3月31日までとなる(学割は各学校に学籍があることを前提とした制度のため、卒業の年度末を跨ぐ学割は発行できない。一方、入学式前であっても学校に在籍していれば学割の発行は可能である)。また、顕著な事件や事故の被害にあって報道される際には「3月○日に○○を卒業した○年生(回生)の○○さん」などのように伝えられる。
なお、学校における春季休業であるだけに、一部を除いた大多数の社会人(職業人)には与えられておらず、むしろ年度末・年度始めで普段より忙しいことも少なくない(学校の教職員も同様に勤務日である)。このライフスタイルの違いゆえに、成人後の多くの人にとって、学校における春休みの存在感や自身の学校時代の春休みの記憶は、夏休みや冬休みのそれに比べて希薄な傾向にある。
期間
- 小学校・中学校・高等学校
- 一般的に3月25日頃から4月7日頃(2000年代以降は学校週5日制やハッピーマンデーの影響もあり、自治体や学校によっては期間が短くなるところも増えてきている)
- ただし卒業年生については卒業式以降が休みとなることが多いためこれ以降が春休みとなり、上記より長くなる傾向がある。ただし高校については最終学期の期末試験を冬休み明けに行うため、事実上1月の後半には春休みとなり、上記より長くなる傾向がある。ただし中学校については最終学期の期末試験を冬休み明けに行うため、事実上2月の後半には春休みになる。
- 大学・短期大学
- 2月上旬から4月上旬までの2ヶ月丸々休みになる所が多い。2月になると各大学・短期大学とも入試のために設備や職員の配置を割かなければならないためである。
- 専修学校
- 設置者やそのカリキュラムによりさまざまである。
春休みの宿題
学校によっては、新入学生に対し、春休み中の宿題が課せられる事がある。教科の予習・問題集の消化・テーマに沿った作文の執筆など内容は様々である。
春休みのイベント
- 春休み中に登校日を設け、教職員の離任式や入学式の準備もしくは式自体を行う地域も見られる。特に3月28日・3月29日に集中する。
- お花見
- 堤防・花壇などで春の草花を見て楽しむ
- 学習塾や進学教室の春季講習
- 人事異動を受けた家族の転勤などに伴う引越しおよび自身の転校
- 選抜高校野球・プロ野球の開幕戦などのスポーツ大会
欧米の春休み
アメリカ、カナダなどでも「スプリング・ブレイク、英: Spring break」と呼ばれる同時期の休暇がある。3学期制は3学期と新年度の1学期、2学期制は後期と新年度の前期の間におかれる。
欧米では復活祭(イースター)の時期に当たり、イースターホリデー(Easter holiday)やイースターバケーション(Easter vacation)と呼ばれる休暇が春に設けられる。例えばスペインでは3月から4月にかけてイースターを含む週にセマーナ・サンタ(聖週間)と呼ばれる連休が設定されることがある[1]。
春休みを題材にした主な作品
脚注
- ↑ 林信吾 『熟年留学のススメ』 ミスターパートナー、2011年。