「日本航空ハイジャック事件」の版間の差分

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'''日本航空ハイジャック事件'''(にほんこうくうハイジャックじけん)は、[[日本]]の[[航空会社]]である[[日本航空]](略称: 日航、JAL)が遭遇した[[ハイジャック]]を一覧にしたものである。
 
  
== 概要 ==
 
[[1960年代の日本|1960年代]]後半から[[1970年代の日本|1970年代]]にかけ、[[日本赤軍]]などの[[日本の新左翼|新左翼]][[過激派]]による[[テロリズム|テロ事件]]やハイジャックが多発した。特に日本の航空会社として唯一国際線の運航が認められていた日本航空は、国外および国内で数度の被害にあっている。
 
 
過激派組織は[[日本の警察|警察]]による摘発の強化や国民からの反発などが原因で1970年代後半には衰退し、国および航空会社によるハイジャック対策が功を奏したこともあり、1977年9月の[[ダッカ日航機ハイジャック事件]]を最後として、過激派組織による日本航空機へのハイジャックは発生していない。また、過激派組織以外のハイジャックにおいては、いずれも国内便において発生しており、計画性に乏しく行き当たりばったりで犯行に至ったものもあった。
 
 
== 事件の一覧 ==
 
=== よど号ハイジャック事件 ===
 
[[1970年]][[3月31日]]、[[東京国際空港|羽田空港]]発[[福岡空港|板付空港]]行きの日本航空351便[[ボーイング727|ボーイング727-89]]型機(愛称「よど号」)が[[富士山]]付近の上空を飛行中、[[共産主義者同盟赤軍派|赤軍派]]学生を中心とした[[よど号グループ|犯人グループ]]によりハイジャックされた。犯人グループは機長と副操縦士に対して[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の[[平壌]]に向かうよう指示したが、直接向かうには燃料が不足しているとして機長が犯人グループを説得し、給油のため板付空港に着陸した。ここで女性や子供などの一部の人質が解放された後、要求通り北朝鮮に向かおうとしたものの、[[大韓民国|韓国]][[領空]]内で[[大韓民国空軍|韓国空軍]]機が[[ソウル特別市|ソウル]]の[[金浦国際空港|金浦空港]]へ誘導し着陸させた。韓国政府は犯人たちに平壌に到着したと偽装する工作を行ったものの失敗し、事態は膠着する。[[4月3日]]に事件解決のためにソウルを訪問していた[[山村新治郎 (11代目)|山村新治郎]][[運輸省|運輸]][[政務次官]]が乗客の身代わりとなることで決着し、客室乗務員を含む人質全員を解放し、その後犯人グループとともに平壌に向かった。その後同機は平壌郊外の飛行場に着陸し、犯人全員は北朝鮮当局に投降、機長と副操縦士、山村政務次官らは[[4月5日]]に同機で帰国した。
 
{{Main|よど号ハイジャック事件}}
 
 
=== 日本航空351便ハイジャック事件 ===
 
[[1972年]][[11月6日]]、羽田空港発[[福岡空港]]行き[[ボーイング727]]型機を覆面をした男が乗っ取り、[[キューバ]]への亡命を要求、同機は羽田空港に引き返した。膠着状態の後、犯人は逃亡用に[[ダグラス DC-8|ダグラスDC-8]]型機を用意させ、乗客を解放したが、DC-8型機への移動時に[[逮捕]]された。政治的背景のない在米日本人の単独犯であった。
 
{{Main|日本航空351便ハイジャック事件}}
 
 
=== ドバイ日航機ハイジャック事件 ===
 
[[1973年]][[7月20日]]、[[日本赤軍]]と[[パレスチナ解放人民戦線|PFLP]]の混成部隊が、[[パリ=オルリー空港|パリ]]発[[アムステルダム・スキポール空港|アムステルダム]]、[[テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港|アンカレッジ]]経由羽田行きの日本航空404便[[ボーイング747|ボーイング747-246B]]型機をハイジャックした。アムステルダム離陸後、持ち込んだ手榴弾を犯人グループの1人が誤爆させ死亡したのを機に犯人グループは機内を制圧、[[アラブ首長国連邦]]の[[ドバイ国際空港]]、[[シリア]]の[[ダマスカス国際空港]]を経由し、[[大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国|リビア]]の[[ベンガジ]]にある[[ベニナ空港]]に着陸させた。乗員乗客150人の人質を解放後、同機を爆破した犯人グループはリビア当局に投降し、[[ムアンマル・アル=カッザーフィー]]大佐率いるリビア政府の黙認の元、国外逃亡を果たした。
 
{{Main|ドバイ日航機ハイジャック事件}}
 
 
=== 日本航空903便ハイジャック事件 ===
 
[[1974年]][[3月12日]]、羽田空港発[[那覇空港]]行きのボーイング747型機を那覇空港着陸直前に青年が乗っ取り、2億円の身代金と那覇空港で給油して羽田へ引き返すようを要求した。同空港着陸後、6時間あまりにわたって乗客を人質に立てこもったが、同日夜、操縦室に突入した警察官によって逮捕された。犯人は18歳の青年であった。
 
 
=== 日本航空124便ハイジャック事件 ===
 
[[1974年]][[7月15日]]、[[大阪国際空港|伊丹空港]]発羽田空港行きダグラスDC-8型機が中年の男に乗っ取られた。犯人は元赤軍派議長を釈放した上で、北朝鮮へ行くよう要求した。羽田に着陸後も機内に立てこもった末、翌日未明に再び同機を離陸させ[[名古屋飛行場|名古屋空港]]まで飛行した後、説得に応じて投降し逮捕された。犯人は赤軍派とは無関係だった。
 
 
=== 日本航空514便ハイジャック事件 ===
 
[[1975年]][[4月9日]]、[[千歳基地|千歳空港]]発羽田空港行きボーイング747型機が羽田空港の滑走路上を滑走中、男が乗員を拳銃で脅迫した。犯人は乗客を降ろした後に逮捕されたが、その際犯人は拳銃を発射した。
 
 
=== 日本航空768便ハイジャック事件 ===
 
[[1976年]][[4月5日]]、[[タイ王国|タイ]]の[[ドンムアン空港|バンコク国際空港]]発[[ニノイ・アキノ国際空港|マニラ国際空港]]、伊丹空港経由羽田空港行きのダグラスDC-8型機を、男2人組がマニラ国際空港寄港中に乗っ取った。犯人グループは伊丹を経由せずに羽田へ直行するよう要求したが、説得の末逮捕された。
 
 
=== ダッカ日航機ハイジャック事件 ===
 
[[1977年]][[9月28日]]、[[フランス]]の[[パリ=シャルル・ド・ゴール空港|パリ]]発[[アテネ国際空港|アテネ]]、[[カイロ国際空港|カイロ]]、[[ジンナー国際空港|カラチ]]、[[チャトラパティ・シヴァージー国際空港|ボンベイ]]、[[ドンムアン空港|バンコク]]、[[啓徳空港|香港]]経由羽田行きの日本航空472便ダグラスDC-8-62型機が、経由地である[[インド]]のボンベイ国際空港を離陸直後、武装した日本赤軍グループ5人にハイジャックされた。同機は[[バングラデシュ]]の首都[[ダッカ]]にある[[シャージャラル国際空港|ジア国際空港]]に強行着陸し、犯人グループは人質の[[身代金]]として600万ドルと、日本で服役および勾留中の9人の釈放と日本赤軍への参加を要求した。これに対して[[福田赳夫]][[内閣総理大臣]]が「人命は地球より重い」と述べて、身代金の支払いおよび[[超法規的措置]]として収監メンバーなどの引き渡しを決断。身代金と釈放に応じた6人を特別機でダッカへ輸送し、これにより人質の大部分が解放された。その後、同機は残りの人質を乗せて[[アルジェリア]]の[[ウアリ・ブーメディアン空港|ダル・エル・ペイダ空港]]へ向かい、当地まで残った人質と乗員全員が解放された。
 
{{Main|ダッカ日航機ハイジャック事件}}
 
 
=== 日本航空112便ハイジャック事件 ===
 
[[1979年]][[11月23日]]、伊丹空港発羽田空港行き[[マクドネル・ダグラス DC-10|マクドネル・ダグラスDC-10]]型機をナイフを持った中年の男が乗っ取って、[[ソビエト連邦|ソ連]]へ行くよう要求し、[[成田国際空港|成田空港]]に強行着陸させた。犯人からの要求で給油作業を行っている間、客室乗務員が[[柔道]]の心得がある乗客を前方に集結させ、操縦室に突入の上犯人を取り押さえた。機長は犯人との格闘の際に手の指を骨折した。犯人の男は逮捕時に数十円しか所持金がなく、犯行の動機も不明。
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[航空機ハイジャック事件の一覧]]
 
** [[全日本空輸ハイジャック事件]]
 
* [[航空事故の一覧]] - [[日本の航空事故]] - [[日航機事故]]
 
* [[特殊急襲部隊]]
 
 
== 外部リンク ==
 
* [https://www.jal.co.jp/ 日本航空]
 
 
{{JALグループ}}
 
 
{{デフォルトソート:にほんこうくうはいしやつくしけん}}
 
[[Category:日本航空のハイジャック事件|*]]
 

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