於茂登岳

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於茂登岳(おもとだけ)は、沖縄県石垣市にある標高525.5メートルのである。地元ではウムトゥダギと呼ぶ。『球陽』では宇本嶽宇茂登嶽と記されている[1]

概要

於茂登岳は沖縄県の最高峰で、正保年間の『正保国絵図』に名前が記された琉球で唯一の山である。石垣島(北東に突き出す野底半島、平久保半島を除いた部分)の北岸沿いに東西に連なる於茂登山系のほぼ中央に位置し、北北東には桴海於茂登岳が、西にはぶざま岳がある。地質的には新第三紀花崗岩からなる[1]

イタジイを中心とする照葉樹林に覆われているが、山頂付近はリュウキュウチクに覆われ、背の高い草地となっている[1]。北側の山麓にはカンヒザクラの自生地があり、「荒川のカンヒザクラ自生地」として国の天然記念物に指定されている[2][3]。この他、国指定の特別天然記念物であるカンムリワシリュウキュウキンバト、県指定の天然記念物であるアサヒナキマダラセセリなどの動植物が周辺に生息する[4]

1997年平成9年)9月11日に、北西麓の川平湾とともに「川平湾及び於茂登岳」として国の名勝に指定されている。登山道は南側にある。北東側中腹から発する宮良川や南側中腹から発する名蔵川が、島の生活用水や農業用水といった水源とされ、南斜面の一部は水源涵養林に、また山頂周辺や尾根筋などは保安林に指定されている。

信仰

古くから霊山として信仰の中心的存在であり、山名の「ウムトゥ」は「島の大本」を意味するともいう[1]。『琉球国由来記』によると、名蔵村の御嶽は於茂登の神「ウムトゥテラシィ」の拝礼所で、於茂登の神を祀る祭事が島内の多くの御嶽で行われたとされる。また、首里弁ヶ岳、於茂登岳、久米島の三神は姉妹であり、日本から渡来したともいう。二番目の神は妹と一緒に久米島を居所としたが、自分の山が妹のいる山より低かったので、八重山に移って於茂登岳に垂迹して島の守護神になったと伝わる[1][5]弘治13年(1500年)のオヤケアカハチの乱の際には、久米島の神女が琉球王国の軍に帯同し、於茂登岳の神を説得して帰順させたという[1][6]

登山

  • 登山口まで
    • 車 - 新石垣空港から車で約30分。
    • バス - 石垣バスターミナルから東運輸米原キャンプ場線(系統番号11)で約44分のおもと停留所下車。 於茂登岳登山口まで徒歩約30分。
  • 登山口から山頂までは、徒歩約1時間(下りは約55分)[7]

於茂登岳に関する事物

  • 西表島 - 新井白石の『南島志』では「入表」と表記され、於茂登岳より奥にある島の意味であると記されている[8]。また、西(いり)の於茂登に由来するという説もある。

音楽

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典 47 沖縄県』 角川書店、pp.243-244
  2. 荒川のカンヒザクラ自生地 - 文化遺産オンライン(文化庁
  3. 石垣島の風景と自然 87. 荒川川(あらかわがわ)のカンヒザクラ(寒緋桜)自生地 石垣市教育委員会市史編集課
  4. 沖縄生物教育研究会(1984)
  5. 『君南風由来并位階且公事』など
  6. 『球陽』尚真王24年(1499年)条
  7. 於茂登岳 親子で楽しむ山登り(日本山岳会
  8. 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典 47 沖縄県』 角川書店、p.173

参考文献

  • 日本歴史地名大系(オンライン版) 小学館 (『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
  • 新川明、『新南島風土記』(1978年)、大和書房
  • 『沖縄の生物』(1984年)、日本生物教育学会沖縄大会「沖縄の生物」編集委員会、p.167-189

関連項目

外部リンク