弁証法神学
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べんしょうほうしんがく dialektische Theologie
危機神学,あるいは神の言葉の神学ともいう。第1次世界大戦後ドイツ,スイスを中心にプロテスタント的自由主義に対する反動として出現した神学で,K.バルト,F.ゴーガルテン,E.ブルンナー,R.ブルトマンなどの神学者たちにより代表される。
神と人間とのこえがたい限界を実存的に把握したうえで,その束縛と断絶の破棄が神の一方的な啓示によって成就されるが,これは人間の歴史的功績や宗教的経験をこえて突如として生じるものであり,しかもかかる啓示は結局神の前なる人間に対する神みずからの肯定と否定とを同時に含んでいるとする。
その後バルト,ゴーガルテン,ブルンナーの間で見解の相違が生じたが,この弁証法神学はプロテスタント教会に対し,その自由主義の誤りを喚起することで大きな寄与をした。