「工芸」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2018年6月}}
 
'''工芸'''(こうげい)とは、実用品に[[芸術]]的な意匠を施し、機能性と美術的な美しさを融合させた工作物のこと。多くは、緻密な手作業によって製作される手工業品である。あくまでも実用性を重視しており、鑑賞目的の芸術作品とは異なる。ただし両者の境界は曖昧であり、人によって解釈は異なり得る。
 
  
== 概要 ==
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'''工芸'''(こうげい)
工芸は、今日では[[大量生産]]など工業手法の発達にもよって、一般向けの安価で実用のみを求める器物は大量生産品で賄い、特に趣味性や意匠性、あるいは美術性が求められる分野などで多大な[[コスト]]を掛けて製作される器物を工芸品、それを作る行為を工芸といった具合に住み分けが行なわれている。
 
  
ただ、時代を遡り産業が今よりもっと素朴であった頃には、全ての[[工業製品]]は[[家内制手工業]]など[[職人]]が一点一点制作するものしかなかった訳で、この時代においては趣味性や美術性を求める高価な工芸品から、実用一辺倒の安価な工芸品まで様々なものが存在していた。
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高度の熟練技術を駆使して作られた美的器物またはそれを制作する分野。応用美術,装飾美術などともいう。用途としては衣,食,住のすべてにわたり,また材料,技術としては木竹工,金工,陶磁,ガラス,玉,象牙,プラスチック,漆工,繊維,紙,印刷などあらゆる素材を含む。
 
 
現代における工芸では、それを制作する行為そのものを実利を求めない[[趣味]]と位置付けて行なうもの、あるいは高度な美術性を実用品に盛り込むための創作活動(美術工芸)、また[[伝統|伝統文化]]として過去の工芸技術の伝承・復興などが行なわれている。また、過去に一度衰退して失われた工芸技術の再現などの活動も見られる。
 
 
 
いずれにしても、工芸はこと伝統産業などの確立された分野では、ある程度の[[分業]]体制がとられることもあるが、幾つもの[[工程]]を一人の[[職人]]が通して行なったり、ものによってはそのほとんどを独力の手作業で製品が作られる。趣味によるものは兎も角としても、業態としての工芸では素材([[材料]])の選定から様々な工程において[[人件費]]が多く掛かる傾向にあり、故にその製品も高価となりがちである。しかし工芸によって成される高度な美術性、あるいは素朴であったり[[個性|個性的]]であったりといった要素が好まれ、これに対して対価を惜しまない愛好者・好事家などに求められている。
 
 
 
== 日本の歴史 ==
 
かねてから美術性を求めた高価な一品品から、実用一辺倒の安価な量産品まで様々なものが存在しており、鑑賞に堪えるものを'''上手物'''(じょうてもの)と呼び、簡素な一般向けのものを'''下手物'''([[ゲテモノ]])と呼んでいた。
 
 
 
江戸時代には実用品を作る職人は仕事を求め『渡り職人』として様々な土地へ赴き技術を広めていった。現在の[[新潟県]][[燕市]]では仙台からの渡り職人により[[鎚金|鎚起]][[銅器]]の技術がもたらされ、現代でも[[玉川堂]]が技術を受け継いでいるなど、地場産業へ影響を与えた例がある<ref>[http://www.gyokusendo.com/about/history 玉川堂の歴史 | 玉川堂について] - [[玉川堂]]</ref>。
 
 
 
近代工芸の本格的な研究と産業育成は、1928年に[[商工省]]が[[仙台市]]にある[[仙台陸軍幼年学校]]の跡地に[[国井喜太郎]]を所長とする「国立工藝指導所」を設立したことに始まる。これは商工省の官僚だった[[岸信介]]とその上司で宮城県出身の[[吉野信次]]が、[[世界恐慌]]で悪化した地方の経済対策として打ち出したとされる。指導所は[[ブルーノ・タウト]]などを指導者として招聘し、工芸に携わる技術者を育成した。また[[剣持勇]]などが研究者として在籍していたほか、[[工芸ニュース]]を発行し、工芸の紹介なども行われていた。
 
 
 
1940年に本所が東京に移転され、指導所が各地に設立。1959年には「産業工芸試験所」となり、工業技術の研究も行われるようになった。しかし1967年に工業技術試験所へ改組されると研究は工業分野が主流となり、国主導の工芸研究は終了した。なお同所は後に[[産業技術総合研究所]]へと改組されているが、2018年現在まで工芸やデザインの研究は行われていない。仙台の指導所も産総研東北センターに統合されているが、設立当時の資料や試作品が保存されており、東北センター内の「工芸試作品展示室」で展示されている。また指導所の跡地に建てられた[[仙台市立宮城野中学校]]の敷地内。「近代工芸発祥の地」を記念したプレートが残されている。
 
 
 
伝統的な[[民具]]など、実利的な使われ方をしながら世代を超えて使い続けられた物の中には、[[骨董品]]として現存するものも少なくなく、いわゆる「生活骨董」の分野ではこういう時代を経て利用されてきた工芸品を珍重、高値で売買する市場も存在する。
 
 
 
==素材による分類==
 
===漆===
 
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===ガラス(ガラス工芸)===
 
[[ガラス工芸]]の技法
 
*[[ホットワーク]](ホットテクニック) - 熱いうちに加工
 
**[[吹きガラス]](グラスブローイング)
 
**[[キルンワーク]]
 
***[[パート・ド・ヴェール]]
 
***[[キルンキャスト]]
 
***スランピング
 
***フュージング
 
**[[バーナーワーク]](ランプワーク、フレームワーク)
 
**[[ホットキャスト]]
 
*[[コールドワーク]](コールドテクニック) - 冷めた後の加工
 
**[[カットグラス]](切子。[[江戸切子]]が著名)
 
**[[サンドブラスト]]
 
**ガラス[[エッチング]]
 
**[[グラヴィール、エングレービング]]
 
**[[ラミネート]]
 
**[[ダイヤモンドポイント]]
 
**[[ステンドグラス]]
 
 
 
=== 金工 ===
 
金属素材に様々な[[金属加工]]法を施し、芸術的要素加えたもの。例、[[自在置物]]
 
 
 
==== 日本金工の歴史 ====
 
[[弥生時代]]に中国大陸、朝鮮半島より[[九州]]へ伝わった金工品に、剣・鉾・鏡などがある。世界的な金工技術進歩よりかなり遅れて日本に入ってきたことから、青銅器とともに[[鉄器]]も同時期に流入したと推測される。その後、祭器としての銅鐸・銅鏡などを中心に、日本独自の発展を遂げた。
 
 
 
==== 金工の技法 ====
 
*[[鋳金]] - 土を主に耐熱素材で形作られた鋳型に、溶解した金属素材を流し冷え固め成形する技法。
 
*[[彫金]] - [[鏨]](たがね)と称する刃物を用い金属素地を彫り、様々な装飾を施す技法。
 
*[[鍛金]] - 金属塊、金属板を打ち延べ絞り、成形する技法。
 
 
 
===陶芸===
 
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===宝石===
 
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===木竹===
 
*[[竹細工]]
 
 
 
===糸===
 
*[[組み紐]]
 
*[[ボビンレース]]
 
*[[ニードルレース]]
 
*[[刺し子]]
 
 
 
===紙===
 
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===布===
 
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===皮革===
 
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===合成樹脂===
 
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=== 楽器 ===
 
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== 脚注 ==
 
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19世紀の後半以後の工業の急速な発達は,無趣味な大量生産品を氾濫させたが,それに反発した W.[[モリス]]の起した[[アーツ・アンド・クラフツ運動]]は,近代工芸の出発点となった。[[アール・ヌーボー]],ゼセッション運動がこれに続いたが,工業生産と美術を結びつけて新しい様式を樹立したのは,「[[ドイツ工作連盟]]」 (1907結成) である。第1次世界大戦以後,ドイツの[[バウハウス]],フランスの[[ル・コルビュジエ]]を中心としたエスプリ・ヌーボー運動などが機能主義のデザインを発展させたが,一方では産業や工業につながらない鑑賞性を主体にした単品制作のジャンルが分離して展開した。この分野では機能や実用性よりも,美的表現性に制作上の重点がおかれるようになり,絵画や彫刻と同様の展開をみせている。また両者のいずれの傾向にも加わらない古来の手工芸の分野も再評価され,世界的に盛行をみせている。
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== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
 
* [[デザイン]]・[[インダストリアルデザイン]]
 
* [[デザイン]]・[[インダストリアルデザイン]]
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* [[芸術工学部]]・[[芸術工科大学]]・[[工芸大学]]・[[芸術科学大学]]
 
* [[芸術工学部]]・[[芸術工科大学]]・[[工芸大学]]・[[芸術科学大学]]
 
* [[芸術_(教科)|芸術]]・[[美術_(教科)|美術]]
 
* [[芸術_(教科)|芸術]]・[[美術_(教科)|美術]]
 
== 外部リンク ==
 
* [http://kougeihin.jp/association/ 伝統的工芸品産業振興協会]
 
* [http://www.nihonkogeikai.or.jp/ 日本工芸会]
 
* [http://www.hobby.or.jp 日本ホビー協会]
 
* [http://www.jhia.org 日本手芸普及協会]
 
* [https://unit.aist.go.jp/tohoku/kougeihin/ 独立行政法人産業技術総合研究所東北センター/工芸試作品展示室]
 
* [http://shoji.design.tohtech.ac.jp/index.html 仙台デザイン史博物館] - [[東北工業大学]]のサイト。国立工藝指導所時代の試作品が閲覧できる。
 
 
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[[Category:工芸|*]]
 
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[[Category:美術のジャンル]]
 
[[Category:美術のジャンル]]
 
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[[ar:الحرف اليدوية]]
 
[[nl:Handvaardigheid]]
 

2018/10/30/ (火) 08:19時点における最新版

工芸(こうげい)

高度の熟練技術を駆使して作られた美的器物またはそれを制作する分野。応用美術,装飾美術などともいう。用途としては衣,食,住のすべてにわたり,また材料,技術としては木竹工,金工,陶磁,ガラス,玉,象牙,プラスチック,漆工,繊維,紙,印刷などあらゆる素材を含む。

19世紀の後半以後の工業の急速な発達は,無趣味な大量生産品を氾濫させたが,それに反発した W.モリスの起したアーツ・アンド・クラフツ運動は,近代工芸の出発点となった。アール・ヌーボー,ゼセッション運動がこれに続いたが,工業生産と美術を結びつけて新しい様式を樹立したのは,「ドイツ工作連盟」 (1907結成) である。第1次世界大戦以後,ドイツのバウハウス,フランスのル・コルビュジエを中心としたエスプリ・ヌーボー運動などが機能主義のデザインを発展させたが,一方では産業や工業につながらない鑑賞性を主体にした単品制作のジャンルが分離して展開した。この分野では機能や実用性よりも,美的表現性に制作上の重点がおかれるようになり,絵画や彫刻と同様の展開をみせている。また両者のいずれの傾向にも加わらない古来の手工芸の分野も再評価され,世界的に盛行をみせている。

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