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富山敬

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とみやま けい
富山敬
プロフィール
本名 冨山 邦親
(とみやま くにちか)
性別 男性
出生地 満州国の旗 満州国奉天省鞍山
(現:中華人民共和国遼寧省鞍山市
死没地 日本の旗日本東京都新宿区
生年月日 (1938-10-31) 1938年10月31日
没年月日 (1995-09-25) 1995年9月25日(56歳没)
血液型 A型
身長 162 cm
職業 俳優声優歌手ナレーター
事務所 ぷろだくしょんバオバブ(最終)
活動
活動期間 1960年代 - 1995年
声優テンプレート

富山 敬(とみやま けい、1938年10月31日 - 1995年9月25日[1])は、日本男性俳優声優歌手ナレーター。本名:冨山 邦親(とみやま くにちか)。満州国奉天省鞍山生まれ。引揚後は、本籍地東京都で育つ。

所属事務所は東宝児童劇団、劇団葦、河の会青二プロダクションぷろだくしょんバオバブと変遷。趣味は川釣り。「敬」という芸名は、本名の「邦親」のイニシャル「K」の当て字であるという。

生涯

正則高等学校に通っていた頃に、演劇に熱中。東宝児童劇団に飛び込む。

日本大学芸術学部演劇科中退。その後、劇団葦の研修生となるが新劇のギャラだけでは生活できず、バーテンダーキャバレーボーイに呼び込み、サンドウィッチマンなど日銭が得られる仕事は何でもやったという。

アニメ映画吹き替えの分野で、1960年代から1990年代半ばまで活躍した。第1次から第2次にかけての声優ブームの立役者の1人でもある。

声優の初仕事は、東北放送ラジオドラマ『源九郎物語』のレギュラー出演で、当時の俳優たちの副業でもあり芝居をやるための資金稼ぎのために始めた。

1963年に『鉄人28号』にて、毎回役の違う脇役ではあるがセミレギュラーを獲得。

1968年に厳しいオーディションの末に先輩たちに勝ち抜き、『佐武と市捕物控』で主人公・佐武に抜擢され初主演を飾る[注 1]

1969年に『タイガーマスク』で主人公・伊達直人を演じ、人気を獲得。その後は『男一匹ガキ大将』の戸川万吉で、『週刊少年ジャンプ』の原作漫画では初のアニメにて主演に抜擢。

1974年に『宇宙戦艦ヤマト』の古代進や、劇場アニメ『銀河鉄道999』及び『わが青春のアルカディア』の大山トチローなど、松本零士作品に数多く出演し、人気を不動のものとした。永井豪原作である『UFOロボ グレンダイザー』では主人公の宇門大介(デューク・フリード)の声を担当、少女向けアニメ『キャンディ・キャンディ』ではテリィの声を担当するなど、複数のジャンルに幅広く対応した。

洋画吹き替えでは、ほとんどの作品でリック・モラニスの声を務めていた。

タイムボカンシリーズ』では、ナレーターをはじめ、おだてブタ、ささやきリポーター等多くのキャラクターを担当。このうち『逆転イッパツマン』では、主役のイッパツマン(豪速九)の声を担当した。また作中では、富山自身をモデルにデザインした「トミー・ヤマケ」というアニメキャラクターも登場した。

1980年代に入っても、『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男役や『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』の大山トチロー、『それいけ!アンパンマン』のSLマンなど、コミカルな役を担当した。1990年代には『ちびまる子ちゃん』で、主人公のまる子の祖父・さくら友蔵の声を担当。超長編SFアニメ『銀河英雄伝説』では主人公ヤン・ウェンリーを長年にわたり担当し、結果的に富山の晩年を代表するキャラクターとなった。

1995年8月18日の『ちびまる子ちゃん 第2期』の第37話「呪いの貸本」の巻(1995年9月17日放送)の収録後、目の調子が悪いと訴え、同年8月21日に倒れ東京都新宿区東京医科大学病院に入院。検査の結果、末期の膵臓癌と診断された。仕事を優先する姿勢と人気声優としての多忙が仇となっての発見が遅れ、既に手遅れの状態だったという。同年9月25日午前9時7分に死去。56歳没[2]。翌年の6月に公開された『APO APOワールド ジャイアント馬場90分一本勝負』の郵便配達人役が遺作となった。妻がいたが先立たれていたため、喪主は父親が務めた。

2007年に第1回(2006年度)声優アワード特別功労賞を受賞している。2008年の第2回(2007年度)からは、新たに声優アワードの一部門として富山の名を冠した「富山敬賞」が設立され、「その年に声優という職業を最も世の中に浸透させた功労者」に対して贈られることとなった。初の受賞者は古谷徹。唯一の女性受賞者[注 2]は第4回(2009年度)の水樹奈々

人物

特色・人物評

10代の少年から老人役、熱いヒーローから小悪党役まで幅広い演技を見せている。

後輩の古谷徹は「誰にでも優しくて、業界の先輩後輩から好かれ尊敬されている人だった」と語っている。富山が主人公の古代進役で出演した大ヒット作『宇宙戦艦ヤマト』で共演したヒロインである森雪役の麻上洋子は、新人の頃から富山に面倒を見てもらいNGを出した時も「大丈夫だよ」と慰められ、声優としてやっていく事ができたと語っている。

そのような富山の人柄の良さを表すエピソードとして、次のようなものがある。池田秀一堀内賢雄のマネージャーと酒を飲んでいたとき、「賢雄に電話しろ」という話になったのだが、堀内のマネージャーが誤って富山宅に電話をかけてしまった。池田は酔っていたせいで、最初は間違い電話だと気づかず、先輩の富山に向かって「俺だよ、池田だよ」、「なに気取った声出してるんだ」、「○○で飲んでるから、今から出て来いよ」などと敬語を用いず喋ってしまう。これに対し富山は怒ることなく「割と近くね、でも明日早いから行けないの」と終始冷静だった。池田がおかしいことに気づき、「どちら様ですか?」と質問すると「富山敬です」という答えが返ってきたので、慌てて「失礼いたしました」と謝った。それでも富山は「行きたいんだけどね、ごめんね、今度ゆっくり飲もうよ」と優しい言葉をかけてきたという。また、一緒に飲んでいた青野武が酒場で酒癖の悪さから酔っ払って他の客と殴り合いの喧嘩を起こした時にも、怪我をした青野を家まで連れて帰り朝まで介抱した事もあったという[2]

親友の富田耕生曰く、かなり我慢強い性格。ただその分プレッシャーやストレスも尋常のものでは無かったようでたばこも1日に3箱吸っていた模様[3]。また声優界屈指の酒豪で、新潟の銘酒久保田を愛飲していた。富田によると一日に3杯は飲んでいたそうである。

富山に憧れこの道を志した、あるいは影響を受けたと語る声優は多い。神谷明は「多大な影響を受けた人物」と語り、井上和彦は「誰も真似出来ないほどレパートリーが広い人だった」とコメント。また小野健一は目標とする役者に富山を挙げている。水谷優子杉山紀彰も尊敬する人物は富山だと答えている。森功至郷田ほづみは、富山の影響で声優の道を志したとも語っている。同じ事務所所属だった小原乃梨子は、「(バオバブ)社内での人気投票ではいつも(富山が)1位だった」と追悼インタビューで語っている[2]

事務所との関係

声優プロダクションへの所属を決めようと思った時、江崎プロダクション(現:マウスプロモーション)社長の江崎加子男(現:アイムエンタープライズ社長)を訪ねたが、「うちは納谷六朗を売ってるから難しいよ」と断られ、青二プロダクションを紹介される。富山の没後、江崎は「出来る事なら自ら富山も売りたかった。だから、青二に任せた後もヤマトで飛躍した時は我が子のように嬉しかった。富山をもっと自分の手で売りたかった。あいつともっと仕事がしたかった…」と語っている。

青二を退社し、ぷろだくしょんバオバブの設立に関わった際には、多くの声優が先輩らに追随した。このことは両社の間に確執を生むきっかけとなり、約20年に渡りバオバブ所属の声優は青二と関係の深い東映アニメーションの作品から締め出される事態となった。そんな状況でも、富山は『あさりちゃん』(浜野イワシ役)や『夢戦士ウイングマン』(北倉俊一/キータクラー役)、『ゲゲゲの鬼太郎(第3作)』(ねずみ男役)等の東映作品に出演していた。

仕事に対する姿勢

声をあてた人間が素顔を晒すと、視聴者に対するそのキャラクターの印象を変えかねないとの配慮から、「声優は表に顔を出すものではない」とも語っていた。ただし歌手・ナレーターとしてはレコードジャケットなどに顔写真を載せていた他、『タイムボカンシリーズ』では自身がモデルのキャラクターが登場していた。また、1988年によみうりテレビが開局30周年で放送した特番「よみうりテレビ・アニメ30年史」にゲスト出演してホスト役の神谷明と対談した際に、『タイガーマスク』で伊達直人役を演じていた当時、クイズ番組で伊達直人役が誰かというのを当てさせる問題に出演したことを語っている(回答者の誰も正解できなかったという)。

当時の青二プロダクションのマネージャー・高橋卓生によると当初さくら友蔵役に富山の起用が持ち上がった際、当時40代の富山にとっては相当な老け役でオファーを断られるのではないかと思ったがオファーを了承してくれたとのこと。それ故になくなった時は「本当にショックでした」とも回顧している[4]

銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリー役に関しては今度は富山が当時青年役をほとんど演じていなかったことから音響監督の明田川進が難色を示し、富山のイメージに近い若手でオーディションを行なったものの該当者が見つからず富山を起用することになった[5]。また富山の方もファンから二枚目の主役を演じて欲しいという要望を受けるも当時多くの後進が台頭し、世代交代を意識していたことから最初はかなり抵抗があったという。しかし、ファンからの励ましの手紙をもらい嬉しかったといい、その気になり抵抗がなくなったという(ロマンアルバムのインタビューより)。

仕事第一主義の人物として知られ、1995年8月21日に倒れた際も「自分が休むことで他人に迷惑がかかる」と体調をおして仕事を優先していた。結局、体調不良でもはやどうにもならなくなり、病院に担ぎ込まれたことで癌であることが明らかになったが、その時にはすでに手の施しようのない末期状態で、その後わずか1か月ほどで亡くなっている。

本人曰く「教えるのはあまり得意ではない」という理由から、声優養成所の講師など後進の育成や指導にはあえてあたっていなかった。

後任

富山の没後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。

出演

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

テンプレート:Dl2

OVA

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劇場アニメ

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ゲーム

吹き替え

俳優

映画

海外ドラマ

海外アニメ

人形劇

テレビドラマ

ラジオ

ラジオドラマ

レコード・CD

『逆転イッパツマン』で音楽を担当した山本正之の2007年のオリジナルアルバム。富山の死を悼み『逆転イッパツマン!3C』で新たに主題歌の3番が歌われ、2006年に逝去したナレーションの鈴置洋孝と共に、間奏で当時の声が使われている。
  • 創竜伝(ナレーション)
  • タイムボカンシリーズ(いずれもビクターエンタテインメント
    • タイムボカン(ナレーター)
    • タイムパトロール隊オタスケマン(ナレーター、コーラスガラス)
    • MEMORIES OF TIME BOKAN※富山敬として解説
    • 悪玉馬券塾(ナレーター、豪速九)
    • タイムボカン王道復古 特訓満漢全席(ナレーター)

その他

脚注

注釈

  1. ただし、後半で病気により降板し、34話より井上真樹夫に後任を譲っている。
  2. 第5回(2010年度)からは女性を対象とした同趣旨の賞である「高橋和枝賞」が設立されたため、男性限定となった。
  3. 2010年5月末に解離性大動脈瘤で入院。その後、2012年4月9日に死去。
  4. 青野の死去後は島田敏に引き継がれた。
  5. アル役のクリストファー・ロイドは青野の持ち役であった。

出典

  1. 『声優名鑑』、549頁、成美堂出版、1999年、ISBN 978-4415008783
  2. 2.0 2.1 2.2 松田光雄編「すべての世代の永遠のヒーロー 声優・富山敬が残したもの」『アニメージュ 1995年12月号』徳間書店、平成7年(1995年)12月10日、雑誌01577-12、117-118頁。
  3. キクボン銀英伝外伝ユリアンのイゼルローン日記。第二章特典富田耕生インタビュー
  4. 中川奈美「声優の世界 ○キャスティング」『アニメ声優読本』原書房、1998年6月30日、ISBN 4-562-03096-8、231頁。
  5. 『銀河英雄伝説』のキャスティング”. TPO/有限会社ティー・ピー・オー/田原正利(正聖). . 2018閲覧.
  6. 猿の惑星”. WOWOW. . 2016閲覧.

外部リンク