宇野駅

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宇野駅(うのえき)は、岡山県玉野市築港一丁目にある西日本旅客鉄道(JR西日本)宇野線(宇野みなと線)ので、同線の終着駅でもある。

概要

かつては、四国への移動手段であった宇高連絡船との接続駅として東京・大阪方面からの優等列車貨物列車が入線して賑わい、構内には側線機回し線引込み線などが幾本もある広大な駅であった。しかし1988年昭和63年)に瀬戸大橋の開通で四国との連絡口としての使命を終え、1990年平成2年)には宇高航路で残っていた高速艇も休止になり、1994年(平成6年)12月3日に旧駅舎(鉄筋コンクリート2階建、屋上に平仮名で「うのえき」の看板)の北側へ新築された現行駅舎へ移転し(この時までにホームが嵩上げされた)、翌年から始まった旧駅舎の解体をはじめとした駅前広場の再開発により、その名残もほぼなくなった。2011年(平成23年)3月12日現在、日中は普通列車が1時間に1本発着するのみとなっている。

歴史

  • 1910年明治43年)6月12日国有鉄道宇野線開業と同時に設置(一般駅)。宇高航路が開設され、連絡船が就航。
  • 1949年昭和24年)6月1日:日本国有鉄道法の施行に伴い、宇野線・宇高連絡船を公共企業体日本国有鉄道(国鉄)が継承。
  • 1953年(昭和28年)4月5日:備南電気鉄道(のちの玉野市営電気鉄道)により、宇野駅 - 玉駅間が開業。
  • 1955年(昭和30年)5月11日:濃霧の中、紫雲丸と第三宇高丸が衝突して前者が沈没し168人死亡する事故が発生(紫雲丸事故国鉄戦後五大事故の一つ)。この事故をきっかけに、本四架橋(本州四国連絡橋)の構想が具現化していった。また、この事故をきっかけに乗客が乗った客車の航送は中止となる。
  • 1956年(昭和31年)3月24日:備南電気鉄道が玉野市営電気鉄道となる。
  • 1960年(昭和35年)
    • 6月:宇野駅開業五十周年記念式典を開催。
    • 7月6日:旅客ホーム2・3番線の使用を開始。
    • 10月1日:宇野線電化、電車発着開始。
  • 1961年(昭和36年)9月1日:宇野線の単線自動化が完成。
  • 1965年(昭和40年)
  • 1968年(昭和43年)
    • 6月4日:広潟第2踏切簡易跨線橋が完成・使用開始。同時に広潟第2踏切を廃止。
    • 9月1日:駅構内にあり、開かずの踏切でもあった宇野踏切解消のため、宇野駅構内跨線橋工事が開始される。
  • 1969年(昭和44年)
    • 5月1日:宇野駅構内跨線橋が竣工・使用開始。宇野踏切を廃止。
    • 8月23日:駅構内の大改良工事開始。
  • 1970年(昭和45年)
    • 4月5日:宇野線CTC化。
    • 4月30日:宇野線の手小荷物運搬電車が運転終了し、手小荷物荷物の扱いも終了する。
    • 5月1日:手荷物扱い駅でもあった備前田井駅・八浜駅の無人化に伴い、両駅の管理駅となる。
    • 6月:宇野駅開業六十周年記念式典を開催。
    • 10月1日:駅構内の大改良工事が完成。
  • 1972年(昭和47年)
  • 1980年(昭和55年)6月:宇野線開業七十周年記念式典を開催。
  • 1986年(昭和61年)11月1日荷物車扱貨物の取扱を廃止(旅客駅となる)。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、宇野線を西日本旅客鉄道(JR西日本)と日本貨物鉄道(JR貨物、第二種鉄道事業者)、宇高航路を四国旅客鉄道(JR四国)が継承。
  • 1988年(昭和63年)4月10日:瀬戸大橋開通に伴い、本四備讃線瀬戸大橋線)開業。宇高航路の連絡船・ホーバークラフトが廃止され、高速艇のみ存続。元のホーバークラフト乗り場を使用。当駅に発着する唯一の優等列車であった「瀬戸」の運転区間が、瀬戸大橋線を経由する東京駅 - 高松駅間に延長されたため、当駅発着が終了。
  • 1990年(平成2年)3月:廃止後も残っていた連絡船桟橋と可動橋が解体撤去される。高速艇が利用客減で運航休止。
  • 1991年(平成3年)3月16日:高速艇廃止。JR宇高航路廃止。
  • 1994年(平成6年)12月3日:北側(内陸方向)に建設していた新駅舎の使用を開始。同時に営業距離を0.1km短縮。
  • 1995年(平成7年)1月:旧駅施設(駅舎、ホーム、元のホーバークラフトと高速艇の乗り場)が解体撤去される。跡地周辺の再開発工事が開始。
  • 2002年(平成14年)4月1日:JR貨物が茶屋町駅 - 当駅間の第二種鉄道事業廃止。
  • 2004年(平成16年)8月30日台風16号の高潮により被災(後述)。翌8月31日は、台風の影響により駅業務も支障が出て始発からダイヤが大きく乱れる。
  • 2006年(平成18年)4月21日:強風のため、瀬戸大橋線が始発から運休し、宇高国道フェリー四国フェリー宇高航路での振替輸送を実施。これに対応するために、臨時「マリンライナー」が岡山駅 - 宇野駅間で終日運転される(宇野駅 - 茶屋町駅間ノンストップ、一部列車は茶屋町駅まで各停)。
  • 2016年(平成28年):瀬戸内国際芸術祭2016の作品「JR宇野みなと線アートプロジェクト」の一つとしてイタリア人アーティストのエステル・ストッカーによりアート化される。

2004年8月台風での冠水

2004年(平成16年)8月30日に中国地方に上陸した台風16号の影響で瀬戸内海沿岸は予想以上の高潮が発生し、岡山県南部でも各所で浸水による被害があった。宇野駅周辺も冠水し翌朝始発列車の為に駅構内(ホーム)へ停泊していた岡山電車区所属の105系F8編成(2両)と、115系D18編成(3両)の2本の電車も床下浸水の被害を受け電気部品・回路の故障により自走不能に陥り、駅構内の電気・信号設備も冠水、駅事務所でもマルスなどの機器類が被災し、当日は始発からダイヤが大きく乱れ、各種乗車券・特急券など切符類の発券などをはじめとした駅事務にも支障をきたした。

当時、岡山電車区では105系は新和歌山車両センター(当時)へ転出する編成があり、115系は短編成化・リニューアル工事、213系もワンマン化改造のために入場している編成が多く、予備車が極端に不足していたために、たまたま岡山電車区に留置されていた網干総合車両所所属の223系J1編成(6両)を急遽宇野線の運用に投入した。

駅構造

ファイル:Unoeki-3.jpg
ホーム・岡山方面を望む
ファイル:150505 Uno Station Tamano Okayama pref Japan01n.jpg
アート化される前の駅舎(2015年5月)

両開きの線路配置で、島式ホーム1面2線(頭端式)を持つ地上駅。列車留置用の側線が2本ある。出入口(改札)は1か所である。

直営駅児島駅の被管理駅)であり、駅舎内にはみどりの窓口エクスプレス予約e5489対応)、営業時間は後述)、みどりの券売機、近距離乗車券自動券売機オレンジカード対応)、玉野市観光案内所、売店自動販売機、デジタル公衆電話テレホンカードISDN対応)、改札内に水洗式トイレなどがある。なお、自動改札機は設置されておらず、岡山地区でも使用が開始されたICOCAには改札、自動券売機ともに非対応である。駅スタンプも配備された。

駅構内に乗務員宿泊施設がある。

移転前の駅は現行の駅よりも南側(海側)の像がある広場付近に南北に建っていた。駅南東の空地には、かつての宇高連絡船のバース跡がわずかながら残っている。

のりば

のりば 路線 行先
1・2 L 宇野みなと線 茶屋町岡山方面
  • 上記の路線名は旅客案内上の呼称(愛称)で表記している。日中は主に2番のりばから発車する。

利用状況

1日の平均乗車人員は以下の通りである[1]

乗車人員推移
年度 1日平均人数
1999 1,478
2000 1,506
2001 1,523
2002 1,457
2003 1,409
2004 1,388
2005 1,345
2006 1,272
2007 1,239
2008 1,203
2009 1,151
2010 1,198
2011 1,175
2012 1,175
2013 1,247
2014 1,188
2015 1,247
2016 1,290

駅周辺

駅前には、バス・タクシー乗り場、コイン駐車場駐輪場ポスト、公衆電話、玉野警察署宇野駅前交番などがある。また、パークアンドライド(要予約)に対応する。

名所など

公共施設など

  • 玉野市観光案内所 - 駅前西側
  • 岡山県警察玉野警察署宇野駅前交番 - 駅舎西隣に隣接
  • 玉野産業振興ビル - 駅正面南側。徒歩約3分
    • 玉野商工会議所
    • 玉野市観光協会
    • 宇野港湾事務所
  • 玉野港湾合同庁舎 - 南西へ徒歩約10分
  • 岡山県警察玉野警察署 - 南西へ徒歩約10分
  • 玉野市役所 - 南西へ徒歩約15分(バスで5分。玉野市役所前下車)
  • 玉野市消防本部・玉野市消防署 - 玉野市役所東隣に隣接。南西へ徒歩約15分(バスで5分。玉野市役所前下車)

教育機関

交通機関

医療関係

金融機関・郵便局

各種施設など

  • ヤマダ電機テックランド玉野店
  • 宇野港銀座商店街 - 西へ徒歩約5分
  • TSUTAYA・宇野店 - 南西へ徒歩約10分
  • 宇野港ボウル - 南西へ徒歩約10分
  • 山陽マルナカ宇野店
  • 天満屋ハピータウン玉野店・ショッピングモールメルカ - 南西へ徒歩約13分(バスで5分。玉野市役所前下車)
  • ホームセンターダイキ玉野店 - 南西へ徒歩約15分
  • 三井造船玉野事業所 - 南西へ徒歩約40分(バス、タクシーなどで15分。三井造船前下車)
  • ダイヤモンド瀬戸内マリンホテル (バス、タクシーなどで20分。渋川もしくは、渋川マリンホテル下車)
  • 東児が丘マリンヒルズGC (バス[上山坂経由岡山駅行きや鉾立行きに乗車し上山坂で下車し徒歩5分ほどで入り口につく]・タクシーで20分、トーナメント開催時などは臨時バスが運行される)
  • 玉野市文化会館 バウハウス - 西へ徒歩約7分
  • 玉野市総合保健福祉センター(すこやかセンター) - 西へ徒歩約40分(バス、タクシーなどで15分。奥玉もしくは、すこやかセンター下車)
  • 駅東創庫&MinatoGallery(ギャラリー) - 東へ徒歩約5分  地図
  • Gallery サンコア(現代アートギャラリー) - 西へ徒歩約7分 地図
  • 玉野とんぼ玉クラブ、アート工房るんるん島 - 西へ徒歩約7分  地図

道路

バス路線

備考欄に特記なき路線は両備バス運行

乗り場 行先・方面など 備考
1 〔特急〕八浜・締切堤防経由 天満屋岡山駅 渋川特急
30号線経由 天満屋・岡山駅  
玉野市役所  
2 上山坂・締切堤防経由 天満屋・岡山駅  
鉾立、上山坂  
奥玉経由 企業団地・秀天橋  
奥玉・秀天橋経由 玉野光南高校 日祝運休
3 〔特急〕渋川・おもちゃ王国 渋川特急
宇野港 廃止
岡山赤十字病院玉野分院 廃止
玉4丁目・渋川経由 王子ケ岳 終点・王子ケ岳にてJR児島駅行の下電バスと連絡
玉4丁目・渋川・上の町駅・天城・倉敷中央病院経由 倉敷駅 下電バス運行(平日1便のみ運行)
4 玉4丁目経由 日比・渋川3丁目  
藤井海岸(新道)経由 渋川3丁目  
シーバス(玉野市コミュニティバス)
深山すこやか線(田井駅、福祉センター、日赤玉野分院、宇野駅、石井町、玉野三井病院)
東児すこやか線(後閑、福祉センター、日赤玉野分院、宇野駅、石井町、玉野三井病院)
 
5 玉野競輪場無料バス (開催日のみ運行)
児島競艇場(児島ボート)無料バス 下電バス運行(開催日のみ運行)

その他

  • 本四備讃線瀬戸大橋線)の橋上部分(児島駅 - 宇多津駅)に強風などで運行規制がかかった場合には、宇野港 - 高松港のフェリー代行となり、その接続のため岡山駅 - 宇野駅に臨時列車が運転される。

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
L 宇野みなと線(宇野線)
備前田井駅 - 宇野駅

かつて存在した路線

日本国有鉄道(国鉄)→ 四国旅客鉄道(JR四国)
宇高航路(宇高連絡船)
宇野駅 - 高松駅
玉野市営電気鉄道
宇野駅 - 広潟駅

脚注

  1. 出典:岡山県統計年報

関連項目

外部リンク

宇野駅に乗り入れるバス

国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスで提供している過去の空中写真

テンプレート:宇野線