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{{Infobox 国軍
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|国 = 大韓民国
 
|名前 = 大韓民国 国軍
 
|各国語表記 ={{lang|ko|대한민국 국군}}<br>{{lang|ko|大韓民國 國軍}}<br>Republic of Korea Armed Forces
 
|画像 = [[File:Flag of the Republic of Korea Armed Forces.svg|250px]]
 
|画像説明 = 大韓民国国軍の軍旗[http://www.anewsa.com/detail.php?number=457384]
 
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|画像説明2 =
 
|創設 = 1948年8月15日
 
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|派生組織 =
 
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|{{ROKA}}<br />{{ROKN}}<br />{{ROKAF}}
 
}}
 
|本部 = [[忠清南道]][[鶏龍市]]
 
|最高司令官 = [[文在寅]]
 
|最高司令官名 = [[大統領 (大韓民国)|大統領]]
 
|国防大臣 = [[宋永武]]
 
|国防大臣名 = [[国防部 (大韓民国)|国防部]]長官
 
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|司令官名 =
 
|参謀長 =[[鄭景斗]]空軍大将
 
|参謀長名 =合同参謀議長
 
|徴兵制度 =
 
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|適用年齢 男性のみ19~35歳の間に21か月~25か月の兵役が義務化されており、良心的兵役忌避は認められていない。有事の際は18~45歳の男性が動員される。
 
|現役軍人数 63.5万人
 
}}
 
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|国外活動 =
 
|軍事費 = 約43兆1581億ウォン(2018年)
 
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|国内供給 =
 
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|歴史 =
 
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|[[朝鮮戦争]]<br/>[[ベトナム戦争]]<br/>[[湾岸戦争]]<br/>[[対テロ戦争]]
 
}}
 
}}
 
'''大韓民国国軍'''(だいかんみんこくこくぐん)は、[[大韓民国]](韓国)が保有する[[軍隊]]である。
 
 
 
== 概要 ==
 
[[ファイル:ROK Marine with K2.JPEG|thumb|250px|大韓民国海兵隊の兵士]]
 
[[朝鮮半島]]において韓国は[[軍事境界線 (朝鮮半島)|軍事境界線]]を挟んで[[朝鮮民主主義人民共和国]](北朝鮮)と対峙する地理的位置にある。[[朝鮮戦争]]と[[冷戦]]を経て韓国軍は国家の安全保障を達成するために常に臨戦体制を維持してきた。韓国軍の目標は[[1981年]]11月の国防部政策会議の議決によれば「敵の武力進行から国家を防衛し、平和統一を支援し、地域的な安定と平和に寄与する」と定められている。韓国全軍の最高指揮官は憲法63条3項において[[大統領 (大韓民国)|大統領]]とされており、「国軍を統帥する最高指揮官」であり、朝鮮半島の統一について憲法上の義務を負っている。
 
 
 
韓国軍は陸海空の三軍体制であり、2014年10月時点の[[大韓民国国防部|国防部]]長官は韓民求、合同参謀本部議長は崔潤喜であるが、ほぼ陸軍大将の指定職となっている。現有総兵力は約63.5万人、うち陸軍約50万、海軍約7万人(海兵隊2.9万人含む)、空軍6.5万人、予備役380万人である。さらに[[在韓米軍]]2万8,500人が駐在する。[[朝鮮戦争]]以来の米韓同盟にて[[アメリカ軍]]との制度と運用面での緊密な連携があり、しばしば共同軍事演習を実施している。平時の作戦統制権は韓国軍が単独行使するが、有事の際の戦時作戦統制権は[[米韓連合司令部]]が掌握している。韓国軍への戦時作戦統制権の返還が議論されてきたが複数回にわたり延期を繰り返し、少なくとも2020年代半ばまでは米韓連合司令部が戦時作戦統制権を司ることが決定している<ref name="chiezo2010">[http://kotobank.jp/word/%E6%88%A6%E6%99%82%E4%BD%9C%E6%88%A6%E7%B5%B1%E5%88%B6%E6%A8%A9%E7%A7%BB%E7%AE%A1%E3%81%AE%E7%B1%B3%E9%9F%93%E5%90%88%E6%84%8F 戦時作戦統制権移管の米韓合意] 知恵蔵2010</ref><ref name="tousei2015"/><ref name="sankei2014">[http://www.sankei.com/world/news/141024/wor1410240038-n1.html 米韓、戦時作戦統制権移譲を再延期 韓国国防相「20年代半ば」]、産経ニュース 2014年10月24日</ref>。
 
 
 
大韓民国海軍は1973年から[[大韓民国海兵隊]]を隷下に持つ。さらに、正規軍以外に[[予備役]]([[大韓民国郷土予備軍]])や[[民防衛隊]]という軍事組織がある。
 
 
 
アメリカの軍事専門家でアメリカ国務省・国防総省のコンサルタントでもあるJames F. Dunniganは2003年の自身の著書において韓国の軍事力を米中露に次ぐ4位に位置付けた<ref>James F. Dunnigan著『How to Make War (Fourth Edition): A Comprehensive Guide to Modern Warfare in the Twenty-first Century』Harper Perennial、2003年</ref>。アメリカのGlobal firepower.comによる2017年の軍事力ランキングにおいて、韓国は12位である<ref>[https://www.globalfirepower.com/countries-listing.asp 2017 Military Strength Ranking]</ref>。
 
イギリス王立合同軍事研究所(Royal United Services Institute)は2002年に核戦力を除いた軍事力ランキングを発表し、韓国を米中露仏英に次ぐ6位に位置付けた<ref name=breaking>[http://www.breaknews.com/new/sub_read.html?uid=41489%C2%A7ion=sectio]</ref>。同報告書において韓国の軍事力を陸海空別にみると、陸軍4位、空軍8位、海軍10位であり、陸軍に偏った戦力の不均衡が伺える<ref name=breaking/>。
 
 
 
=== 陸軍 ===
 
{{Main|大韓民国陸軍}}
 
 
 
=== 海軍 ===
 
{{Main|大韓民国海軍}}
 
 
 
=== 空軍 ===
 
{{Main|大韓民国空軍}}
 
 
 
=== 海兵隊 ===
 
{{Main|大韓民国海兵隊}}
 
 
 
== 軍事予算 ==
 
[[ファイル:F-15K arrives at Nellis AFB.jpg|240px|thumb|F-15K]]
 
韓国国防部の年間予算は1990年度に約6兆6千億[[大韓民国ウォン|ウォン]]、2002年度に約16兆3千億ウォン、2011年度に約31兆4千億ウォンと急増している。2012年度の国防部から企画財政部への概算要求予算は33兆4800億ウォンで前年比6.6%の増額要求である<ref>[http://www.yonhapnews.co.kr/economy/2011/07/07/0301000000AKR20110707180100043.HTML 공군 스텔스급 전투기 도입 40대로 축소]、聨合ニュース 2011年7月24日</ref>。
 
 
 
予算の拡大に伴って[[玄武 (ミサイル)|玄武-3]][[巡航ミサイル]]、天竜巡航ミサイル、[[玄武 (ミサイル)|玄武-2]][[弾道ミサイル]]、[[ATACMS]]弾道ミサイル、KGGB GPS誘導滑空爆弾、[[F-15E (航空機)#韓国|F-15K戦闘爆撃機]]、[[世宗大王級駆逐艦]]、[[独島級揚陸艦]]、[[K2 (戦車)|K2戦車]]、新型対空・対地ミサイルなど、各種兵器の開発、導入を積極的に進めている。
 
 
 
また、[[ストックホルム国際平和研究所]]の調査によると、韓国は[[核兵器]]や[[化学兵器]]など[[大量破壊兵器]]を除く全世界の通常兵器取引で、世界第4位の兵器輸入国である<ref>{{cite news |title=韓国は世界4位の兵器輸入国 |newspaper=[[朝鮮日報]] |date=2013-3-19 |url=http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/19/2013031900342.html |accessdate=2013-3-19}}</ref>。
 
 
 
== 職業軍人 ==
 
階級は幹部職といわれる[[少尉]]からスタートし、将軍級の[[大将]]までのものと、下級幹部である、副士官(下士官)に大きく分かれる。
 
 
 
== 徴兵制度 ==
 
[[徴兵制度|徴兵制]]と[[志願兵|志願兵制]]を併用している。徴兵制は建国当初の[[軍備]]上の制約<ref>当時韓国軍は[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の援助なくして組織を維持できなかったが、アメリカは[[北進統一]]政策を唱える[[李承晩]]政権が[[北朝鮮]]への軍事行動をとる可能性を憂慮し、援助の条件として韓国軍の定員の上限を国境警備と国内の治安維持に必要な最小限の兵力と考えられる10万人にするよう韓国側へ求めていた。</ref>から1950年3月に一旦廃止されていたが、[[朝鮮戦争]]最中の1951年5月25日に復活して以降は一貫して維持されている<ref>{{Harvnb|韓洪九|2003|p=271-272}}</ref>。
 
 
 
[[徴兵制度|兵役]]は[[大韓民国憲法]]で定められた国民の[[義務]]であり、[[兵役法 (大韓民国)|兵役法]]([[1949年]][[8月6日]]公布)に基づいて実施される。全ての[[男性]]に21月以上の兵役義務があり、満18歳から満19歳までの間に徴兵検査(適性検査)を受け、身体・学力の基準に達すると陸・海・空軍のいずれかに入隊させられる。入隊期間は所属する軍によって異なり、陸軍21月、海軍23月、空軍24月である。基本的に本人の希望によって陸軍・海軍・空軍へと振り分けられるが、本人が特に希望しない場合は自動的に陸軍へ入隊することになっている。徴兵後は[[二等兵]]から[[一等兵]]、[[上等兵]]、[[兵長]]までそれぞれ3か月・7か月・7か月の経過で[[進級]]する。[[良心的兵役拒否]]は一切認められていないが、徴兵検査不合格や、その年度の予算不足のため免除や短縮勤務となる者もいる。
 
 
 
除隊後も兵役義務は続き、除隊から8年間は[[大韓民国郷土予備軍|郷土予備軍]]([[予備役]])、40歳までは[[民防衛隊]]に所属しなければならない。この間、日常生活を送りつつも一定の日数に亘って軍事訓練を受ける必要があるため、韓国国籍の男性が軍と関わらなければならない期間は長期に及ぶ。
 
 
 
昔は芸能人や政府関係者、富裕層などがコネなどを行使して兵役を逃れた事があったが、今は厳しく管理され兵役逃れは厳罰に処分されている。2013年夏までは、芸能兵(国防広報支援員)という芸能関係の為の役職があったが、相次ぐ不祥事発覚のため制度廃止になった。また、軍隊の代わりに官公庁に勤務する公益勤務要員制度がある(徴兵検査で現役不合格になった者)。
 
 
 
この徴兵制度だが、2018年11月の入隊者を以って服務期間が、18ヶ月に短縮される事が決定した。<ref>{{cite news | url = http://m.yna.co.kr/kr/contents/?cid=AKR20180502167500014&site=hl1 | title = 2020년 11월 입대자부터 軍복무기간 18개월로 단축 추진 | newspaper = [[聯合ニュース]] | date = 2018-05-03 | accessdate =2018-05-03 }}</ref>
 
 
 
== 歴史 ==
 
韓国軍は[[連合軍軍政期 (朝鮮史)|アメリカ軍政下]]の[[1946年]]に発足した[[南朝鮮国防警備隊]]を前身とし、[[1948年]]の大韓民国成立により、正式に国軍となった。当時の兵力は微弱なものだったが、[[1950年]]に勃発した[[朝鮮戦争]]により急激に膨張し、60万人規模に達した。この兵力規模は冷戦体制下の南北対峙の局面で現在まで維持されている。
 
 
 
朝鮮戦争中に[[ダグラス・マッカーサー]]率いる国連軍(実態は[[多国籍軍]])に、韓国軍の作戦指揮権は委譲された<ref name="chiezo2010"/>。その後[[1953年]]の[[米韓相互防衛条約]]が結ばれる。[[1961年]]の[[5・16軍事クーデター]]以後は[[独裁]]による[[軍事政権]]が続き、韓国軍将官や士官出身者は社会のエリートとして政界や経済界で主要な位置を占めた。
 
 
 
[[ベトナム戦争]]においては、ROK(Republic of Korea)Armyと呼ばれた韓国軍は[[アメリカ軍]]に次ぐ規模の西側派遣外国軍であった。アジア圏における共産主義の拡大に危機感を募らせていた[[朴正熙]]政権は、1965年夏、アメリカ軍の軍事援助のもとベトナムへの派兵を決定。兵力は延べ37万名、最盛期には5万の兵力を[[南ベトナム]]に展開した。具体的部隊としては陸軍首都師団(猛虎部隊)、第9師団(白馬部隊)、海兵隊第2旅団(青龍部隊)でいずれも韓国軍最強の部隊である。
 
 
 
[[1978年]]11月、[[韓国軍]]と[[在韓米軍]]を統合・指揮する軍事機関である[[米韓連合司令部]]が設置される。作戦統制権は国連軍から米韓連合司令部が継承することとなる。なお1993年に平時における作戦統制権は、韓国軍へ移管された。
 
 
 
[[1979年]]に朴が[[暗殺]]されると、軍情報部隊である保安司令官・[[全斗煥]]少将が[[粛軍クーデター]]によって実権を掌握、[[1980年]]には軍部隊を投入して民主化を求める一般市民を虐殺する[[光州事件]]を起こした。
 
 
 
新軍部によって軍部独裁は継続したが、[[1993年]]に[[金泳三]]政権が成立すると、[[軍閥]]解体が断行され、軍部の政治関与はなくなった。[[2004年]]にはアメリカの要請により約3千名の[[ザイトゥーン部隊]]を[[イラク]]北部に派遣している。
 
 
 
== 現状 ==
 
[[ファイル:South Korean guard in DMZ.jpg|thumb|大韓民国国軍の[[憲兵]](MP)]]
 
朝鮮半島は[[世界]]で唯一の[[国連軍]]の監視下にある地域である。韓国においては、有事の際は米韓連合司令部が戦時作戦統制権を行使して作戦を遂行する。1994年12月までは平時の作戦統制権も米韓連合司令部が掌握していた。
 
 
 
[[盧泰愚]]政権時代に、戦時における作戦統制権の移管要求が高まった<ref name="chiezo2010"/>。アメリカ政府は当初、韓国軍にその能力がないと否定的であったが、反米左派的な[[盧武鉉]]大統領(当時)が「自主国防」を掲げて戦時作戦統制権の返還を推進するにつれ積極姿勢に転じ、2006年10月の米韓定例安保協議会(SCM)において、2009年から2012年の間に返還することで合意に達し<ref>『[http://app.yonhapnews.co.kr/yna/basic/articleJapan/new_search/YIBW_showSearchArticle.aspx?contents_id=AJP20061021000600999 統制権移譲時期に合意、韓米安保協議会共同声明発表]』、聯合ニュース、2006年10月21日。</ref>、2007年2月の米韓防衛首脳会談で2012年4月17日に委譲することで両国が合意した<ref>『[http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_detail.htm?No=26708 戦時作戦統制権の韓国への返還 2012年で韓米が合意]』、KBSワールドニュース、2007年2月24日。</ref>。この移譲について、両国政府はともに問題ないと説明したが、歴代の陸軍参謀総長を含む一部の韓国軍関係者や専門家は国防能力に大きな問題が生じると指摘をしていた<ref>『[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2006/08/08/20060808000052.html 「韓国軍は本当に自主国防できるのか?」]』、朝鮮日報、2006年8月8日。</ref>。この動きには、盧武鉉政権を筆頭として国民レベルで高まる反米感情や、それに起因したアメリカ軍訓練施設の不足などが影響していると言われた<ref>『[http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/08/12/20060812000000.html 【統制権】韓国で高まる反米感情も米側の積極姿勢の一因]』、朝鮮日報、2006年8月12日</ref>。韓国政府が2008年に行った[[韓国陸軍士官学校]]新入生に対する意識調査では、韓国の敵対国家の第1位はアメリカであるという回答が寄せられ、一般の新兵に対する調査結果では75%が反米感情を表していた<ref>[http://www.chosunonline.com/article/20080420000016 「韓国の敵は米国」に衝撃受け教科書執筆(上)] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090620084247/http://www.chosunonline.com/article/20080420000016 |date=2009年6月20日 }} 朝鮮日報 2008/04/20</ref>。 しかし[[李明博]]政権に移行し[[北朝鮮の核実験 (2009年)|2度目の北朝鮮の核実験]]や[[天安沈没事件]]が相次いで発生すると、米軍主導の防衛体制の維持が必要として、2010年6月の米韓首脳会談で戦時作戦統制権の委譲を2015年12月1日まで延期させることを決定した<ref name="tousei2015">[http://sankei.jp.msn.com/world/news/110127/kor11012721550068-n1.htm 戦時作戦統制権の委譲延期 米韓首脳合意 北を牽制、協調アピール]、産経ニュース 2010年6月27日</ref>。2014年10月にはさらに延期することを米韓は合意した。韓国国防相は20年代半ばをめどにするとしている<ref name="sankei2014" />。
 
 
 
これらの事態や対北朝鮮有事を視野に、近年先述の玄武-3巡航ミサイル、天竜巡航ミサイル、玄武-2弾道ミサイル、ATACMS弾道ミサイル、K2戦車、世宗大王級駆逐艦([[イージス艦]])、F-15K戦闘爆撃機などの比較的最新の装備を譲っている。しかし西側の新しい標準的[[戦術データ・リンク]]である[[リンク 16]]に接続できる装備([[統合戦術情報伝達システム|JTIDS]]や[[多機能情報伝達システム|MIDS]])を備えているのが世宗大王級とF-15K、[[早期警戒管制機]](AEW&C)、[[烏山市]]の中央防空統制所(MCRC)のみであったため、[[ネットワーク中心の戦い|NCW]]対応について不十分な点が指摘されていた。しかし、韓国国防科学研究所とサンヨン情報通信社により、2011年度に[[韓国軍のC4Iシステム#TDL-K|韓国型JTDLS(合同戦術データリンク)]]NMS(ネットワーク管理システム)の基礎段階が完成し、2012年末に完了する予定となっている。2011年に韓国空軍にAEW&Cの1号機が、2012年に2~4号機が配備されるようになり、徐々に解決しつつある。しかし、稼働率の低さや予算不足による改良のペースの遅さ、空中給油機導入計画の遅延などがネックとなっている。
 
 
 
韓国では、現在、[[少子化]]が進んでおり、生産年齢人口は2017年、総人口も2031年より減り始めるため、韓国軍は、2005年に近代化を進めつつ兵員を減らす計画を発表している。2006年時点で68万人だった兵員は、2013年で61万人に削減され、2020年には52万人まで減らす予定である<ref>{{cite news |title=北朝鮮兵士が投降、鉄条網・地雷原すり抜け 韓国に衝撃 - 国際 |newspaper=[[朝日新聞]] |date=2013-6-30|url=http://www.asahi.com/international/update/0630/TKY201306300030.html | accessdate=2013-6-30}}</ref>。
 
 
 
== 対日本政策 ==
 
{{See also|対日外交戦争}}
 
第二次世界大戦後の創設当初は[[日本軍|旧日本軍]]、[[満州国軍]]出身者が幹部のほとんどを占めていた影響により、今なお旧日本軍式の習慣が残存しているという。そのため「[[班長]](반장)」「巡検(순검)」「昨日」「内務班」など、旧日本軍の軍隊用語が韓国軍でもそのまま定着している。
 
 
 
日本は同じ[[自由主義]]陣営国であるため、[[冷戦]]終了までは友好国として接していたが、一方の韓国では初代大統領[[李承晩]]が極度の[[反日]]主義者で[[竹島 (島根県)|竹島]]、[[対馬]]の領有権を主張し、[[李承晩ライン]]を引き、数々の外交問題を引き起こしている。その後[[日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約|日韓基本条約]]の締結まで日韓の間に正式な外交関係を築けなかった。現在も国民の間の根強い反日感情や[[竹島 (島根県)|竹島(韓国名:独島)問題]]を反映して韓国軍は日本の自衛隊との衝突を想定した訓練も行っており、韓国軍では日本を[[仮想敵国]]として想定しているとする説もある<ref>[http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=75666&servcode=200 「韓日独島紛争時は勝利を壮語できない」ホ・ピョンファン陸軍所長]中央日報2006.05.12 18:11:20</ref><ref>[http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2006070341728 「日本巡視船出現」5分で、武装態勢完了]東亜日報2006 03:28</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20061106143918/http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200610240179.html 【韓国】 1000キロの巡航ミサイル試験発射に成功 韓国「射程約千キロは韓国南部から北朝鮮の北東部も射程圏内とし、日本の東京も圏内となる」] 中日新聞2006年10月24日(2006年11月6日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref>[http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=88779&servcode=200 「韓国、F-15追加導入を見直すべき」「日本がF-22を保有する場合、韓国のF-15追加導入計画は見直さなければならない」]中央日報2007.06.27 15:19:32</ref><ref>[http://www.konas.net/article/article.asp?idx=11906 我が国の領土「独島」を守ろう「韓国海軍の前司令官、対馬島占領計画も同時に立案すべき」]Korean National Security Net(朝鮮語)(2007/07/13 09:19)</ref><ref>[http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91543&servcode=400&sectcode=400 “軽空母級”独島艦、西海を進む「この機動艦隊は済州島~インドネシアのマラッカ海峡間の海上輸送路を保護し、中国、日本の海軍に対立して北東アジア戦略の均衡を維持するのに活用される」]中央日報2007.10.01 13:20:24</ref><ref>[http://economy.hankooki.com/lpage/industry/200803/e2008030409415670260.htm 【韓国】現行計画の海軍戦力では海自と戦えぬ。東海(日本海)の制海権掌握のため、イージス艦の追加建造を]ソウル経済(朝鮮語)(2008/03/04 09:41)</ref><ref>[http://www.konas.net/article/article.asp?idx=15198 「独島防衛のため原子力空母と原潜を建造すべき。予算が不足なら独島防衛税の新設を」… 韓国海軍元司令官]Korean National Security Net(朝鮮語)(2008/07/15 09:50)</ref><ref>[http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2008/07/21/0900000000AJP20080721002800882.HTML 今年の「独島防御訓練」、7月下旬と11月に実施の計画]聯合ニュース2008/07/21 17:07 KST</ref><ref>[http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/07/28/0200000000AJP20080728003500882.HTML 独島問題で声高める軍当局、逆効果の懸念も]聯合ニュース2008/07/28 18:49 KST</ref><ref>[http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2008/07/28/0800000000AJP20080728003200882.HTML 2008年国防白書、独島領有権明示する表現増やす]聯合ニュース2008/07/28 17:19 KST</ref>。<!--リンク切れ
 
[http://www.chosunonline.com/article/20080728000012 独島:国防白書に「独島防衛」を明記へ]朝鮮日報2008/07/28 08:45:55<br/>独島:韓日もし戦わば[http://www.chosunonline.com/article/20080727000007 (上)][http://www.chosunonline.com/article/20080727000008 (中)][http://www.chosunonline.com/article/20080727000009 (下)]朝鮮日報2008/07/27 09:28<br/>
 
[http://www.chosunonline.com/article/20060103000013 空軍参謀総長、自らF-15Kを操縦して独島に出動]朝鮮日報2006/01/03 09:36:10<br/>[http://news.naver.com/news/read.php?mode=LSD&office_id=081&article_id=0000072453§ion_id=100&menu_id=100 独島領空守護心配するな!]ソウル新聞 2006-01-03 08:42<br/>
 
[http://www.yonhapnews.co.kr/news/20060221/040301000020060221112048K3.html 『韓国軍を独島防衛に出す』~金寛容亀尾市長]連合ニュース(朝鮮語)2/22{{リンク切れ|date=2009年5月}}<br/>
 
[http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006041513122625080 「日本の独島海域調査船を撃沈せよ」「義烈団員の募集を行なう」]ニューシス/Yahoo!Koreaニュース(朝鮮語)(2006-04-15 13:12)<br/>
 
[http://www.chosunonline.com/article/20060420000011 【海洋調査】軍艦艇を増派、哨戒機の監視も強化]朝鮮日報2006/04/20 09:09:02<br/>[http://www.dailyseop.com/section/article_view.aspx?at_id=44617 【韓国軍】「東海中心の防衛計画を樹立しなければならない」]デイリー・ソプライズ(朝鮮語)(2006-04-21 18:21)<br/>
 
[http://www.chosunonline.com/article/20060518000009 「東アジア最強」F-15K、20機を追加導入へ「周辺国の主な地域を行動半径に入れている。独島上空まで進出しても約30分は空中戦を行うことができる。」]朝鮮日報2006/05/18 08:36:36<br/>[http://www.worldtimes.co.jp/kansok/kan/soc/060526-2.html 「日本の独島挑発など海洋紛争を効果的に統制するための大洋海軍建設は重要な問題だ」(イ・サンヒョン世宗研究所安保研究室長)]韓国速報{{リンク切れ|date=2009年5月}}<br/>[http://news.naver.com/news/read.php?mode=LSD&office_id=056&article_id=0000047784 海軍が東海(トンヘ)海上で大規模な海上演習「有事の際に日本の挑発を沮止する事が出来る海軍の東海支配力を見せてくれました」]NAVER/KBS-TV(朝鮮語)<br/>[http://app.yonhapnews.co.kr/yna/basic/articleJapan/new_search/YIBW_showSearchArticle.aspx?contents_id=AJP20060622000200999 「日本の挑発に備えた防御能力必要」盧武鉉大統領 ]聯合ニュース2006.06.22<br/>
 
[http://www.chosunonline.com/article/20060717000017 盧大統領「日本とは対決しなければならない」]朝鮮日報2006/07/17 11:00:42<br/>[http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20060817/20060817-00000291-fnn-int.html 【韓国】竹島海域で韓国軍が19日から射撃訓練]FNN[2006年8月17日14時42分更新]<br/>[http://www.yonhapnews.co.kr/news/20060930/030000000020060930110029K9.html 建軍58周年 … 「戦作権」単独行使する国軍の未来像(2)「独島(訳注:竹島の韓国名)で軍事的紛争が発生した場合にも、従来では想像もできなかった、空軍の最新鋭F-15Kなどを利用した、空中給油なしでの迅速・円滑な作戦が可能になる。」]聯合ニュース(朝鮮語)(2006/09/30 11:00){{リンク切れ|date=2009年5月}}<br/>
 
[http://www.chosunonline.com/article/20061025000027 「韓国、巡航ミサイルを実戦配備中」…東京・北京も射程内]朝鮮日報2006/10/25 11:55:08<br/>[http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?NEws_id=522006111001300 海洋水産部長官「独島問題など海洋領土をめぐる紛争が常に存在する中、海洋大国には海軍力増強が不可欠」]聯合ニュース2006/11/10{{リンク切れ|date=2009年5月}}<br/>[http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200611251526 【韓国】ボーイング社の空中警戒管制機を4機導入を正式決定…総額1900億円の大型発注「竹島(韓国名:独島)など朝鮮半島外での独自の空中作戦能力も持つことも可能となる。」]Technobahn 2006/11/25 15:26<br/>[http://www.chosunonline.com/article/20070314000035 韓国海軍、7000トン級イージス艦6隻建造へ「離於島・独島(日本名竹島)で発生し得る中国や日本との海上衝突や、海底資源をめぐる海洋紛争に備える意味もある。」]朝鮮日報2007/03/14 12:01:35<br/>[http://www.chosunonline.com/article/20070423000063 独島:日本の「侵奪6段階シナリオ」とは?]朝鮮日報2007/04/23 19:00:18<br/>
 
[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/87541/ 【やばいぞ日本】第3部心棒を欠いている(4)■韓国の仮想敵に見なされた]iza<br/>
 
[http://www.chosunonline.com/article/20071104000016 【コラム】過熱する北東アジアの宇宙開発競争]朝鮮日報2007/11/04 14:31:03<br/>[http://news.mk.co.kr/newsRead.php?sc=30100008&cm=&year=2007&no=650533&selFlag=sc&relatedcode=&wonNo=&sID=301 海洋強国の夢~海洋力の強化に錨あげた2012世界博覧会麗水誘致「日本・中国と衝突不可避]毎日経済」(朝鮮語)2007.11.28<br/>
 
[http://www.donga.com/fbin/output?f=f_s&n=200803070092&main=1 【日韓】海上保安庁は平和憲法の足枷に縛られた海自の代わりとなる”第4の軍”だ]東亜日報2008.03.07<br/>
 
[http://news.hankooki.com/lpage/politics/200807/h2008071817310691040.htm 韓国の政治家「独島有事の際、日本のイージス艦を阻めるのか?国軍を駐屯させて備えよ」]韓国日報(朝鮮語)2008.07.18<br/>[http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/inte_news3.html?now=20080719142837 「独島には韓国の軍隊がいる。私たちの領土だ」 在米韓国人がニューヨークで抗議活動]ANN 2008年7月19日16時9分更新<br/>[http://s03.megalodon.jp/2008-0721-1459-43/news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3904930.html “警察力”をより強力な“軍事力”に! 竹島に海兵隊投入へ]TBS2008/07/21<br/>-->
 
自国の艦艇に日本を意識した艦名を命名することが多い<ref>もっとも、アメリカ合衆国も、同盟国であるイギリスや日本との戦争に由来する艦名を使用しており、これを反日感情によるものと断定するのは早計である</ref>。竹島の韓国名である[[独島]]を[[強襲揚陸艦]]に命名したのをはじめ、対馬を侵略した[[世宗 (朝鮮王)|世宗大王]]、朝鮮出兵に参戦した[[李舜臣]]および彼を抜擢した[[柳成龍]]、[[任那]]を征服した[[好太王|広開土王]]が歴代主力艦に命名されている。さらに[[伊藤博文]]を暗殺したテロリスト[[安重根]]の名を潜水艦に命名している。実際、2005年10月に韓国政府は韓米定例安保協議会においてアメリカに対し日本を仮想敵国と表現するように要求していたとする説もある(もちろん日本と最重要レベルの同盟関係にあるアメリカ側がこの要求を受けるはずがなく、即時拒否したということになっている)<ref>『[http://megalodon.jp/?url=http%3A%2F%2Fjapanese.yna.co.kr%2Fservice%2Farticle_view.asp%3FNews_id%3D712006101802200&date=20061020020232 「日本を仮想敵国に」、韓国政府が米国に要請?]』、聯合ニュース、2006年10月18日</ref>。
 
 
 
韓国空軍は、日本の[[防空識別圏]]の直前まで南下し、[[航空自衛隊]]による[[スクランブル]]発進の直前で反転する飛行訓練を常に行っている。韓国海軍の艦船は他国の同クラス艦船に比べ[[CIWS|近接防御火器システム]]がかなり充実している。これは対ソ戦を念頭に強化されてきた[[F-2 (航空機)|F-2]]を初めとする自衛隊の対艦攻撃能力への対抗策ではないかと考えられる。
 
 
 
近年では、射程距離500 km 以上の国産[[巡航ミサイル]]「天龍」を軸に、射程距離165-300 km のアメリカ製ミサイルATACMS、射程距離180-300 km の国産玄武I、II、などの[[地対地ミサイル]]部隊を新たに統括するミサイル司令部が新設された。また、誤差約5メートル以内の精密さと1,000 km の射程を誇る国産巡航ミサイル玄武IIIBの実戦配備が2004年、2005年から進められており、中国の沿岸部や北京、北海道と東北地方の一部を除く日本全域が射程に収められている。射程1,500 km の玄武IIICも2010年7月に実戦配備されていることが複数の韓国メディアで報じられている。
 
 
 
なお、韓国軍は自国の士官候補生などから学生を選抜し[[防衛大学校]]に長期留学生を派遣している。留学生は本科学生と同様の扱いを受けるが、卒業後は日本の幹部候補生学校に行くことはなく、本国に戻ることになる。日本も防衛大学校の学生を1年間留学させるなど交流がある。
 
 
 
=== 竹島問題関連 ===
 
[[2005年]]韓国空軍は[[F-15E (航空機)|F-15K]]戦闘爆撃機を導入したが、その導入に際して韓国政府は、両国が領有権を争っており、現在韓国側が実効支配している[[竹島 (島根県)|竹島]]の防衛任務に就かせると発表した。
 
 
 
一方、韓国海軍は、将来的に創設される予定の「[[外洋海軍|大洋艦隊]]」の旗艦として建造した[[強襲揚陸艦]]に、竹島の韓国名である「独島」と名づけた。日本の抗議に対し、韓国政府は「不当な要求には断固とした対処をする」とはねつけた。
 
 
 
[[潜水艦]]については、将来的に、日本(16隻が定数だが現在延命させ22隻に増強)より多い18隻を就役させるとし、費用がかかるイージス艦よりも潜水艦によるプレゼンスを重視すると発表した。朝鮮半島周辺海域だけなら18隻体制は過剰であり、日本との有事の際に日本の[[シーレーン]]を封じ込めることを念頭に置いた政策と見る軍事専門家もいる。2006年現在、[[佐世保市|佐世保]]に比較的近い[[済州島]]に新たに海軍基地を建設中であり、「独島艦」と最新鋭潜水艦をそこに集中配備する計画である。
 
 
 
陸軍では、[[2006年]]5月に韓国『国防日報』に、ホ・ピョンファン陸軍戦闘発展団長が寄稿文を寄せ、自衛隊の能力を高く評価した上で、竹島守備のために最新兵器を確保する必要性を強調した。必要とされる装備については、低コストで効率の良い非対称的武器体系を構築しなければならないとし、[[鬱陵島]]と竹島、日本海沿岸に、自衛隊の監視システムと[[ミサイル]]・[[魚雷]]を組み合わせた複合打撃システムを構築すべしとした。
 
 
 
2006年6月22日、盧武鉉大統領は「日本が挑発しても『利益よりも損害のほうが多い』と思わせるくらいの防御力を持つことが重要である。日本との戦闘については政治に任せてほしい」と発言した。
 
 
 
[[2006年]]4月21日付の[[ワシントンポスト]]は、[[盧武鉉]]政権が、海上保安庁の竹島周辺海域海洋調査を阻止するため、日本政府への具体的な圧力として、『[[島根県]]内の[[防衛庁]]施設』に対する軍事攻撃<ref>他国に対する軍事攻撃は[[大韓民国憲法]](第1章「総則」)第5条「大韓民国は国際平和の維持に努力し、'''侵略戦争'''を否認する」に違反する。</ref>を検討していたと報道した。また、同年7月11日に行われたウリ党指導部と統一外交通商委員会所属議員との晩餐会の席上、盧武鉉は「米国は友邦だが、日本とは対決しなければならない。」と発言したと、韓国各紙が報道した。また韓国大統領府がアメリカに対し、日本への[[核の傘]]の撤廃、並びに日本を仮想敵国とするように要請し、アメリカ政府が即座に拒否したとも報道されている。だが、こういった日韓関係の緊張を助長しかねない動きに、(特に先述の日本に対する軍事攻撃が実際に行なわれた場合、自衛隊との交戦だけでなく国際問題にも発展し、韓国の国際的信用失墜及び経済制裁等の経済的打撃を受けかねなかっただけに)韓国国内からも憂慮の声が強く上がっている。
 
 
 
2006年9月、韓国政府はアメリカ合衆国政府に対して、[[無人偵察機]][[RQ-4|RQ-4 グローバルホーク]]の韓国への販売を許可するように求めていることが明らかになった。一度はMTCRの規制を理由に販売を断られたが、現在は両国政府とも売買に向けて、前向きに検討中であることが明らかになっている。韓国政府が進めている「自主防衛」のために必要であるとの趣旨だが、これを報道した9月11日の[[朝鮮日報]]によると、無人偵察機導入のあかつきには、北朝鮮や中国以外にも、『日本全土』に対する[[偵察]]任務に当てる見込みであることが明記されている。
 
 
 
[[2007年]]7月、[[金成萬]](キム・ソンマン)前韓国海軍司令官は、対馬軍事侵攻計画を立案すべきと韓国政府に求める内容の寄稿文を著した<ref>[http://www.konas.net/article/article.asp?idx=11906 {{Lang|Ko|우리 땅 '독도'를 지키자}}(わが島「独島」を守ろう)] Korean National Security Net 2007-07-13</ref>。
 
 
 
== 問題・不正 ==
 
=== 兵役逃れの問題 ===
 
近年は[[兵役逃れ|徴兵逃れ]]のために国外へ移住したり、国籍出生地主義を採用している国で出産し、[[二重国籍]]を取らせて兵役年齢に達すると韓国籍を放棄するという徴兵忌避がある他、[[政治家]]の子弟や俳優、スポーツ選手など、軍幹部への働きかけや金銭により徴兵をのがれている者もあり、社会的地位やある種の報奨としての徴兵免除はたびたび社会問題となっている。
 
 
 
軍に入営すると、新聞や雑誌、携帯電話の個人的保有は認められず、外出の自由もなく、現代の若者にとり大きな負担であり、徴兵を嫌悪する者は多い。例えば恋人などがいても、徴兵期間の間にほとんどの交際が消滅するという。また、大部分が徴兵検査後に大学に入学し、それから休学、入隊という形を取っているため、必然的に大卒者の平均年齢が高くなる。
 
 
 
徴兵後に都市部の[[戦闘警察|警察隊]]への配置となった場合、比較的自由があるが、これは一部の成績優秀者か、[[コネ]]のある金持ちの子弟のみである。
 
 
 
=== 隊内でのいじめの問題 ===
 
苛烈ないじめや体罰は、自殺者や徴兵逃れの増加の理由の一つであり、また、韓国では主に男性[[教員]]による学校での体罰が問題となっているが、これも軍隊生活で体罰や私的制裁を受けた影響と考えられる。さらに、海外進出した韓国[[企業]]での韓国人[[管理職]]による部下への暴力が、進出先の国で問題となることがある。
 
 
 
現在、韓国全軍は「過酷行為」と言われる暴力などを部下に行使しないよう、国防部から命令として暴力禁止を掲げており、多少の改善は見られるものの根本的な解決には至っていない。[[2005年]]1月には、陸軍の中隊長が[[便所]]の水を流していない訓練兵らに立腹し、全員を集めて指を[[糞|大便]]につけるよう強要し、それでも誰も自首しなかったため大便つきの指を口に入れるよう命令した「[[韓国陸軍訓練所食糞事件|食糞事件]]」が起こり(被害を受けた訓練兵が友人宛に送った手紙から事件全容が明らかになった)、さらに同年6月19日には北朝鮮との[[軍事境界線 (朝鮮半島)|DMZ]]([[非武装地帯]])に隣接する最前線警戒所で任務に当たっていたGP(Guard Post)部隊所属の22歳の兵士が、日常的な上官からの言葉の暴力に耐えかね、[[手榴弾]]を投げ爆破させた後に[[大宇財閥|大宇]]K1A[[自動小銃]]計1個44発を乱射し、同僚兵士8人を射殺・爆殺(うち5人は就寝中に襲撃され、その後それぞれ兵舎に戻る最中に居合わせた中尉と水を飲んでいた兵士に向かって発砲し即死、1名が病院で死亡した)するという「[[漣川軍部隊銃乱射事件]]」(その後の裁判で、この兵士に対して「社会から永遠に隔離せざるを得ない」という理由により[[死刑]]判決が下された)などが起こっており、国民に対して不信感を植え付ける結果となった。職業軍人たちは、徴兵制度で来る兵士達が[[自殺]]、他殺、自傷、他傷などの軍事事故を起こした場合に[[懲戒免職]]される規定があり、軍隊生活は幹部達にとっても過酷である。
 
*2005年 [[韓国陸軍訓練所食糞事件]]
 
*2005年 [[漣川軍部隊銃乱射事件]]
 
*2011年 [[江華島海兵隊銃乱射事件]]
 
*2014年 [[江原道高城郡兵長銃乱射事件]]
 
*2014年 [[漣川後任兵暴行致死事件]]
 
 
 
=== 性的暴力事件 ===
 
人権活動家らは韓国軍内部での女性兵士に対する性的暴行は絶える事がないとして問題視している<ref name="cxrecs"/>。2016年に議会に提出された資料では、5年間に111人の女性兵士が上官から性的暴行を受けたと報告されている<ref name="cxrecs"/>。2017年には上官からの性的暴行を苦に女性将校(大尉)が自殺した<ref name="cxrecs">[http://www.afpbb.com/articles/-/3129644?cx_tag=pc_sns&cx_position=3#cxrecs_s 韓国海軍の女性将校が自殺、上官から性的暴行か] AFP BB NEWS 2017年05月26日 08:10配信 2017年6月13日閲覧</ref>。
 
 
 
=== ベトナム戦争での問題 ===
 
{{Main|タイビン村虐殺事件|ゴダイの虐殺|フォンニィ・フォンニャットの虐殺|ハミの虐殺|ライダイハン}}
 
[[ベトナム戦争]]における韓国軍は勇猛と評され{{誰|date=2016年3月}}、アメリカの新聞にダイハン(韓国軍)の特集が組まれたほどである{{要出典|date=2016年3月}}。また、韓国軍と北ベトナム軍の損害比は36:1であり(アメリカ軍と北ベトナム軍の損害比は12:1)、北ベトナム軍司令官{{誰|date=2016年3月}}が「韓国軍との戦闘は、できるだけ避けるように」と通達したほどであった{{要出典|date=2016年3月}}。また、アメリカ軍と同様に民間人の虐殺を行った([[タイビン村虐殺事件]]・[[フォンニィ・フォンニャットの虐殺]]・[[ハミの虐殺]]など)が、その内容は女性や子供を井戸に生きたまま落とし助けを求める声を聞きながら手榴弾を投げこむ、強姦した後生きている女性の胸をえぐる等極めて残虐なものであった。そしてベトナムへ進出した韓国人労働者や兵士とベトナム人女性との間に、混血児『[[ライダイハン]]』が約2000人<ref>『コリアン世界の旅より』 {{要ページ番号|date=2015年6月22日}}</ref>生まれ、韓国軍撤兵後もそのまま現地に残されることとなった。彼らはその出自によってベトナム国内において差別され、一部の児童たちが極貧の生活を余儀なくされている<ref>[[ハンギョレ新聞]]出版の「ハンギョレ21」[[1999年]]5月26日号など</ref>。
 
 
 
これら一連の韓国軍のベトナム戦争中の国際法に反する複数の集団強姦を伴う虐殺行為([[ハミの虐殺]]・[[タイビン村虐殺事件]])は、第二次大戦終結後に発生した組織的虐殺の中でも、[[ユーゴスラビア紛争]]時の民族浄化行為と共に、村落ごと皆殺しにするなど、その残虐性が際立っており、重大な人権侵害が伴う大規模なジェノサイド行為である[http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150629-00000016-pseven-kr]。虐殺の発生自体は複数の国際調査機関によって確認されているが、犠牲者数については両国政府の意見が食い違っており、特に虐殺当事者の[[韓国政府]]が正式な謝罪及び賠償を拒否している為、現在でも国際NPO団体による現地での聞き取り調査などが実施されており、正確な犠牲者数を認定するための科学的検証が続いている。
 
 
 
=== 防衛装備に関する汚職 ===
 
2014年から2015年に掛けて韓国軍全体に渡る複数の防衛装備汚職事件が発覚している。2015年7月の防衛事業不正合同団の中間報告段階において、海軍6件、陸軍3件、空軍3件の合わせて12件の汚職について、2人の元海軍参謀総長、元[[大韓民国国家報勲処|国家報勲処長]]、現役の[[予備役]]将軍10人を含む67人が起訴されている。また[[時効]]により起訴はされなかったが、これ以外にも複数の汚職が発覚したという<ref>[http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=079&aid=0002730658&date=20150715&type=1&rankingSeq=2&rankingSectionId=100 방산비리 수사 7개월…육·해·공 넘나든 광범위한 비리 '복마전'] CBS 2015年7月15日</ref>。
 
 
 
例えば、海軍の救助艦「[[統営]]」に関する汚職では、納入業者が救助艦用の[[ソナー]]の代金の41億ウォンを国から受け取りながら、実際には2億ウォン(約2160万円)のマグロ漁船用の[[魚群探知機]]を納入したとして問題になった。この際、当時[[防衛事業庁]]に所属していた海軍中佐が、魚群探知機を扱う会社の社員から、自社製品を海軍軍艦に採用してほしいと頼まれ、約5億1千万ウォン(5500万円)の賄賂を受け取っていた。また、この中佐は他の業者から統営艦のウインチ納入に関して1億ウォン(1080万円)の賄賂を受け取っていた<ref name="sankei15504">[http://www.sankei.com/smp/west/news/150503/wst1505030017-s.html 止まらぬ軍事汚職は「韓国のコンプレックス」の現れ?…国産兵器にこだわり業者と癒着、摘発の“大なた”も効果のほどは] 産経新聞(2015.5.3)[http://megalodon.jp/2015-0504-1732-48/www.sankei.com/smp/west/news/150503/wst1505030017-s.html web魚拓]</ref>。
 
 
 
陸軍の野戦用の防寒服に関する汚職では、納品を巡り特定業者に便宜を図ったとして、防衛事業庁の大佐と部長が逮捕された。部長は部下の反対を無視して出身高校の先輩が役員をしている企業と10億ウォン(約1億800万円)の取引をしていた<ref name="sankei15504"/>。
 
 
 
2011年には、砲兵部隊用の4GBのUSBメモリー(当時市価1万ウォン=約1080円)を、特定の生産業者から95万ウォン(約10万2600円)の高値で660個も購入していたことも発覚している<ref name="sankei15504"/>。
 
 
 
=== 敵前逃亡 ===
 
朝鮮戦争では、上官と部下が揃って逃げる韓国軍の実態が問題となった<ref name="thkowa"/><ref name="nigeru"/>。韓国軍は中国軍によって戦線の遙か後方にまで駆逐され<ref name="thkowa"/><ref name="nigeru"/>、その度にアメリカ軍から供与された高価な装備品を簡単に放棄することを繰り返した<ref name="thkowa"/><ref name="nigeru"/>。武器を放り出して敵前逃亡するのは韓国軍の常とされ<ref name="nigeru"/>、国連軍を率いた[[マシュー・リッジウェイ]]将軍は自伝にその憤りを綴っている<ref name="thkowa"/>。中国軍もそれを悟り、イギリス軍やトルコ軍、アメリカ軍の担当区域ではなく<ref name="thkowa"/>、常に韓国軍の担当区域を最初に攻撃するようになった<ref name="thkowa"/>。韓国軍はすぐに総崩れになり逃げだすために他に国連軍部隊にも危険が及び<ref name="thkowa"/><ref name="nigeru"/>、彼らもまた後退を余儀されたとリッジウェイ将軍は語っている<ref name="thkowa"/><ref name="nigeru"/>。全ての韓国軍を一度前線から撤退させ<ref name="thkowa"/><ref name="nigeru"/>、再訓練することも検討された<ref name="thkowa">Matthew B. Ridgway THE KOREAN WAR 1986年3月 ISBN 9780306802676</ref><ref name="nigeru">[http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/160425/wor16042516000009-n1.html 岡田敏彦「韓国守る必要なし」トランプ氏に喝采送る米有権者、かつて「敵前逃亡」した韓国軍に“根深い”不信] 2016年5月5日閲覧</ref>。
 
 
 
==脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考書籍 ==
 
* ミリタリーバランス2004-2005
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[軍隊における階級呼称一覧#韓国軍の階級呼称|韓国軍の階級呼称]]
 
* [[韓国軍のC4Iシステム]]
 
* [[防衛兵]]
 
* [[大韓民国護国軍]]
 
* [[大韓民国兵役名門家]]
 
* [[朝鮮人民軍]]
 
* [[在韓米軍]]
 
* [[韓国光復軍]]
 
* [[独立軍 (朝鮮)]]
 
* [[徴兵制度]]
 
* [[ベトナム戦争の混血児問題|韓越混血児問題]]
 
* [[保導連盟事件]]
 
* [[軍服 (朝鮮半島)]]
 
* [[慰安所]]
 
* [[ライタイハン]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.mnd.go.kr/ 国防部公式サイト](英語、朝鮮語)
 
* [http://www.army.mil.kr/ 韓国陸軍公式サイト](朝鮮語)<!--英語版のリンクが見つかりませんでした。無いのでしょうか-->
 
* [http://www.navy.mil.kr/ 韓国海軍公式サイト](英語、朝鮮語)
 
* [http://www.airforce.mil.kr/ 韓国空軍公式サイト](英語、朝鮮語)
 
* [http://www.globalsecurity.org/military/world/rok/index.html Globalsecurity.org/ROK](英語)
 
* [http://www.vetkor.com/vietkor.html 韓国軍のベトナム参戦](朝鮮語)
 
* [http://www6.atwiki.jp/namacha/ @Wiki日本周辺の軍事兵器(韓国・北朝鮮)](日本語)
 
 
 
{{朝鮮}}
 
{{大韓民国軍}}
 
{{東アジアの軍隊}}
 
{{アジアの軍隊}}
 
 
 
{{DEFAULTSORT:たいかんみんこくこくくん}}
 
[[Category:大韓民国国軍|*]]
 
[[bn:দক্ষিণ কোরিয়া#সামরিক বাহিনী]]
 

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