埼玉りそな銀行

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株式会社埼玉りそな銀行(さいたまりそなぎんこう、Saitama Resona Bank, Limited)は、りそなホールディングス傘下の日本都市銀行。本店を埼玉県さいたま市浦和区に置く。

概要

かつての埼玉銀行の流れから埼玉県さいたま市および、県下の大半の市町村指定金融機関とされている[注 1]。 こうしたことから、一部市区町村役所・役場には埼玉りそな銀の最寄支店職員が常駐する出納窓口があるほか、多くの埼玉県内の市区町村役所・役場やその周辺には同行ATMが設置されている。

本店は埼玉県さいたま市浦和区に所在する、さいたま営業部である[注 2]。同営業部は、もともと埼玉銀行本店営業部であった所以から、営業室(窓口・ロビー)の延べ床面積は他メガバンクの本店営業部と同等の規模を誇る。建物は1977年BCS賞を受賞している。

店舗は東京支店やあさひ銀行時代に新設されたさいたま新都心支店などを除いて埼玉銀行時代に設置された土地建物を使用しているため、協和銀行と合併してあさひ銀行となっていた旧:埼玉銀行が創業地へ戻ってきた恰好となっている[注 3]。なお、本社の一部機能はりそなホールディングス東京本社内に設置している。

旧あさひ銀行のうち埼玉県内拠点の取引先のみを分割継承したため、住宅ローン等の個人向け融資の割合が上昇した関係もあり貸出金に占める不良債権比率が少なく、発足当初の自己資本比率は7%台後半を示していた(2009年(平成21年)度中間期決算時は10.78%)。事実上国有化されたりそなグループの中では唯一の優良行とされる。

旧埼玉銀行が都市銀行であり、BANCS加盟であることなどから、都市銀行扱いになるが、金融庁の銀行分類では「地域銀行/その他」に区分けされており、他の都市銀行5行が金融庁の直接の監督を受けるのに対し、当社は地方銀行と同様に関東財務局の監督を受ける[1]

りそなグループの他社と違い[注 4]、埼玉県のマスコット「コバトン」を現金用封筒や社員の名刺、及び生体認証ICキャッシュカード(個人顧客の「普通預金口座」に限って発行)などに使用している。

りそな銀行特別金融支援時の影響

2003年(平成15年)5月りそな銀行は、小泉内閣に対して預金保険法102条1号措置に基づく予防的資本注入の申請を行い、1兆円規模の公的資金を同行株式の取得によって注入され、実質国有化に置かれた。

しかし、この措置はりそな銀行単独であった事から、埼玉新聞全国紙の地域(埼玉県)版では県内経済への打撃を懸念する趣旨の記事は少なく、逆に経済記事での金融アナリストや業界関係者がりそなグループからの売却[2]や独立の可能性を憶測するコメント[3]や、埼玉県の指定金融機関の鍵を握る土屋義彦埼玉県知事(当時)が、2003年(平成15年)5月20日の定例記者会見で「(※前身のあさひ銀時代からの りそな銀を親に見立てて)もう成人したのだから独立しても良いのでは」との発言がなされた。

しかし、適用申請後間もない2003年(平成15年)5月末に、りそなホールディングスの川田憲治社長は、りそなホールディングス傘下の各銀行社員の賃金3割カット、人員削減というリストラ策を盛り込んだ経営健全化計画を政府へ提出した。「りそなグループ全体の経営方針について国の監視下に置かれると認識している」と発言し、経営面での大きな動きが無いことを示し、独立をめぐる憶測を牽制した。

同年8月に預金保険機構が取得したりそな銀行普通株式の株式交換によって、親会社のりそなホールディングスの筆頭株主となり実質国有化されている。

地域密着型金融への取り組み

2003年(平成15年)11月には上田清司埼玉県知事と相川宗一さいたま市長(当時)らが、今後のりそなグループ再編に備え、りそなホールディングスから埼玉りそなの株式を取得の上「県民銀行」化する構想を提唱[4]したが、公金使用の是非を巡る意見や県内地銀である武蔵野銀行の統合の是非などから、構想は宙に浮いた状態である。

りそなショック後に埼玉りそなが打ち出した「リレーションシップバンキング機能強化計画」と「地域密着型金融の推進への取り組み」により、埼玉県内在住の個人を対象とした住宅ローンの条件優遇や、中小企業向けの融資のラインナップ拡充など地域に着眼した独自のサービスを提供している。2010年(平成22年)度に限れば、教育ローンについてはキャンペーン金利として、りそな銀行よりも貸出金利を引き下げている。

また、銀行のディスクロージャー情報に加えて埼玉県に纏わる話題を掲載した「埼玉りそなNOW」という小冊子や、投資信託年金保険商品の宣伝および著名人の対談・エッセイ掲載したセカンドライフ情報誌「彩5L(サイ ファイブエル 編集:ライフエンタテイメント)」をそれぞれ季刊で発行している。

店舗

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浦和中央支店(旧:武州銀行浦和支店跡・埼玉銀行前本店)

旧あさひ銀行の埼玉県内の有人店舗のうち、りそな銀行が引き継ぐ目的で合併間際に開設された空中店舗の浦和支店を除く110店舗(旧あさひ銀行の有人店舗総数の約3分の1に相当)と、りそな・マルハビルの大手町中央支店[注 5]、池袋東口支店[注 6]、新宿駅前支店(2004年(平成16年)9月17日閉店)の3店舗を承継した。

埼玉県外の店舗は東京都内設置の1店舗(東京支店)のみであり、埼玉りそな単体での店舗・無人出張所(ATM)拠点数はBANCS提携5行の中では最も少ない地方銀行と同等の水準となっている。なお、当社とりそな銀行の現金自動預払機 (ATM) では、通帳・キャッシュカードを自社(自行)扱いで相互利用できるが、店舗での取引では他社(他行)にあたるため、自社の口座以外では受付不可となっているものもある[注 7]。なお、近畿大阪銀行関西アーバン銀行みなと銀行との取引も、りそな銀行と同様にすべての時間帯で手数料が自社扱いとなる。

2004年(平成16年)より、坂戸市の東坂戸代理店(2007年(平成19年)3月廃止)を除く全店舗で、窓口業務時間を午後5時までに拡大した。

沿革

  • 3月1日 - 株式会社あさひ銀行(同日付で株式会社大和銀行と合併し解散)を分割会社とする吸収分割により営業を承継。
  • 3月3日 - 埼玉りそな銀行としての営業開始。

海外拠点

埼玉県内を主な営業地域としているため、直接の海外拠点は保有していない(りそなグループとして有する拠点についてはりそな銀行#海外拠点参照のこと)。また、旧埼玉銀行が有していた海外拠点(サンパウロ駐在員事務所等)についてはあさひ銀行時代の2001年(平成13年)に東京三菱銀行へ全て売却している。

主な商品サービス

ほとんどのサービスはりそな銀行と共通で、オペレーションなどは共同で運営されている。

総合口座

当社では総合口座を「りそなリテール口座」(「あさひリテール口座」を踏襲)と称しており、『くらしの通帳』と『ゆとりの通帳』の2冊に分かれている。冊子自体は、りそな銀行と同一のものを使用している。

参照: りそな銀行#総合口座

TIMO

参照: りそな銀行#TIMO

りそなダイレクト

インターネットバンキング・テレホンバンキングサービスである。

埼玉りそなクラブ

参照: りそな銀行#りそなクラブ

システム統合

りそなグループ全体のシステムを、旧あさひ銀行のシステムをベースとした「統合システム」に移行した為、りそな銀行の旧あさひ店同様、2005年(平成17年)5月6日から「統合システム」に移行している[5]

関連項目

地元局のスポンサー番組等

あさひ銀行時代から継続されている。

現在

過去

脚注

  1. 比企郡小川町、同嵐山町埼玉縣信用金庫(←旧小川信用金庫)、秩父郡横瀬町武蔵野銀行が指定金融機関とされており、所沢市三菱UFJ銀行(旧:東京三菱)との輪番制である
  2. 埼玉銀行本店 → 旧あさひ銀行浦和営業部 → 旧あさひ銀行さいたま営業部
  3. 埼玉県内の旧大和銀行(りそな銀行)の支店は朝霞台支店しか現存していない。1970年代以降の埼玉銀行のロゴタイプは角字体で、りそなグループのロゴとはフォントが近いものであった。
  4. 他のりそなグループ各社はスタジオジブリ製作の「ひびきが丘物語」廃止後はキャラクターを使用していない。2013年7月に猫の「りそにゃ」がコミュニケーションビジュアルとして登場したが、通帳・カードには使用されていない。
  5. 2009年(平成21年)11月24日に東京都文京区後楽の住友不動産飯田橋ファーストビル7階に移転し「東京支店」に店名変更となる(埼玉りそな銀行店舗移転のお知らせ(りそなホールディングス))(2010年1月13日閲覧)
  6. 2012年(平成24年)6月19日に東京支店に統合される(埼玉りそな銀行店舗統合のお知らせ(りそなホールディングス))(2012年3月31日閲覧)
  7. 例えば、りそなVISAデビットカード(JMB)は2012年1月時点ではりそな銀行でしか販売していないため、埼玉りそなの顧客が利用したい場合は、りそな銀行での口座開設が必要となる(通常、開設希望店舗周辺での在住・在勤・在学者でなければ開設できない)。また、定期預金・投資信託類の預入・解約や各種諸手続きも他社店舗では取扱出来ない。

出典

  1. 金融庁. “銀行免許一覧 (PDF)”. . 2011閲覧.
  2. 2003年5月20日 読売新聞東京本社9面
  3. 2003年(平成15年)5月31日 読売新聞東京本社朝刊3面
  4. 2003年12月23日 読売新聞東京本社埼玉県南版24面
  5. “りそなのシステム障害、原因は日付設定ミス”. 日経コンピュータ. (2005年5月9日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20050509/160513/ . 2014-4-26閲覧. 

外部リンク




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