「国際標準大気」の版間の差分

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'''国際標準大気'''(こくさいひょうじゅんたいき、'''I'''nternational '''S'''tandard '''A'''tmosphere, '''ISA''')とは、[[地球]][[大気]]の[[圧力]]、[[温度]]、[[密度]]、および[[粘性]]が[[高度]]によってどのように変化するかを表した[[モデル (自然科学)|モデル]]。様々な高度における値を記した表と、表に示されていない値を導出するためのいくつかの[[方程式]]で記述される。[[国際標準化機構|ISO]]によってISO 2533:1975.<ref name="ISO 1975"> ISO, ''[http://www.iso.org/iso/en/CatalogueDetailPage.CatalogueDetail?CSNUMBER=7472&ICS1=49&ICS2=20&ICS3= Standard Atmosphere]'', ISO 2533:1975, 1975.</ref>として策定されている。また、独自の拡張や一部の改変を施したものが[[国際民間航空機関|ICAO]]や[[アメリカ合衆国|米国]]政府等の他の[[標準化団体]]によって策定されている。
+
'''国際標準大気'''(こくさいひょうじゅんたいき、'''I'''nternational '''S'''tandard '''A'''tmosphere, '''ISA'''
  
==記述==
+
実際の大気の標準的な状態を定義したもの。大気の鉛直構造をモデル化し、対流圏や成層圏など各領域において定義される。高度計や航空機の性能評価などに用いられる。ISO(国際標準化機構)が定めた国際標準大気において、標準気温・気圧・気温減率はそれぞれ、セ氏15度、1013.25ヘクトパスカル、1キロメートル当たりセ氏マイナス6.5度となる。
国際標準大気のモデルにおいて大気は温度が[[区分線形関数|区分的に線形]]に表される幾つかの層に分けられ、他の値は基本的な物理定数や関係式から導出される。つまり標準は各高度での数値の表と、その数値を導出するための幾つかの方程式で構成される。
 
 
 
たとえば、標準によれば[[海面]]上での気圧は101.3 [[パスカル (単位)|kPa]]で、気温は15 ℃、[[気温減率]]は6.5 K/kmである(すなわち1km上昇することに6.5 Kずつ気温が低下する。気温減率は正の時高度が上がるにつれ降温することに注意)。この状態は高度11 kmまで続き、そこでは気圧は22.632 kPa、気温は-56.5 ℃まで落ち込んでいる。高度12 kmを超えるあたりから気温はほぼ一定となる。
 
 
 
{| class="wikitable"
 
|+ 国際標準大気の各層
 
|-
 
|+ 標準大気 1976
 
! 層
 
! 圏
 
! 基準[[ジオポテンシャル高度]]<br /> ''h'' (in km)
 
! 基準幾何高度<br>''z'' (in km)
 
! [[気温減率]]×(&minus;1) <br />(in K/km)
 
! 基準[[気温]]<br /> ''T'' (in ℃)
 
! 基準[[気圧]]<br />''p'' (in Pa)
 
|-
 
|align=center|0
 
| align=center|[[対流圏]]
 
| align=center|0.0
 
| align=center|0.0
 
| align=center|−6.5
 
| align=center|+15.0
 
| align=center|101,325
 
|-
 
|align=center|1
 
| align=center|[[対流圏界面]]
 
| align=center|11.000
 
| align=center|11.019
 
| align=center|+0.0
 
| align=center|−56.5
 
| align=center|22,632
 
|-
 
|align=center|2
 
| align=center|[[成層圏]]
 
| align=center|20.000
 
| align=center|20.063
 
| align=center|+1.0
 
| align=center|−56.5
 
| align=center|5,474.9
 
|-
 
|align=center|3
 
| align=center|[[成層圏]]
 
| align=center|32.000
 
| align=center|32.162
 
| align=center|+2.8
 
| align=center|−44.5
 
| align=center|868.02
 
|-
 
|align=center|4
 
| align=center|[[成層圏界面]]
 
| align=center|47.000
 
| align=center|47.350
 
| align=center|+0.0
 
| align=center|−2.5
 
| align=center|110.91
 
|-
 
|align=center|5
 
| align=center|[[中間圏]]
 
| align=center|51.000
 
| align=center|51.413
 
| align=center|−2.8
 
| align=center|−2.5
 
| align=center|66.939
 
|-
 
|align=center|6
 
| align=center|[[中間圏]]
 
| align=center|71.000
 
| align=center|71.802
 
| align=center|−2.0
 
| align=center|−58.5
 
| align=center|3.9564
 
|-
 
|align=center|7
 
| align=center|[[中間圏界面]]
 
| align=center|84.852
 
| align=center|86.000
 
| align=center|—
 
| align=center|−86.2
 
| align=center|0.3734
 
|}
 
 
 
==国際標準大気の発展==
 
[[国際標準化機構|ISO]]のTC 20/SC 6 専門委員会によれば、国際標準大気は中[[緯度]]での平均的な状態をもとにしている。国際標準大気は[[20世紀]]半ばから幾度かにわたって改良されてきた。
 
 
 
==その他の標準大気==
 
[[国際民間航空機関|ICAO]]はICAO標準大気(Doc 7488-CD)を[[1993年]]に発行している。これは国際標準大気と同じモデルを持つが、範囲を高度80kmまで拡大している。<ref name="ICAO 1993">[[国際民間航空機関|ICAO]], ''Manual of the ICAO Standard Atmosphere (extended to 80 kilometres (262 500 feet))'', Doc 7488-CD, Third Edition, 1993, ISBN 92-9194-004-6.</ref>
 
 
 
米国標準大気は気温、大気密度、気圧およびその他の値を幅広い高度にわたって定めたモデルである。[[1958年]]に米国標準大気拡張委員会によって発行された最初のモデルは既存の国際標準をもとにしており、その後[[1962年]]、[[1966年]]、および[[1976年]]に改正されている。
 
 
 
米国、ICAO、ならびに[[WMO]]それぞれの標準大気はISOの国際標準大気と高度32 kmまで同じである。
 
 
 
NRLMSISE-00は経験に基づいた地上から[[宇宙]]空間までの全地球的な大気モデルである。このモデルは大気の構成要素の温度や密度を表しており、主に大気の抵抗による人工衛星の軌道の減衰を予測するのに用いられる。
 
 
 
[[標準状態]]は[[化学]]の分野で用いられる気体の温度や密度のモデルである。
 
 
 
== 参照 ==
 
<references/>
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:こくさいひようしゆんたいき}}
 
{{DEFAULTSORT:こくさいひようしゆんたいき}}
 
[[Category:航空]]
 
[[Category:航空]]
 
[[Category:化学]]
 
[[Category:化学]]
 
[[Category:地球の大気]]
 
[[Category:地球の大気]]

2019/4/26/ (金) 23:35時点における最新版

国際標準大気(こくさいひょうじゅんたいき、International Standard Atmosphere, ISA

実際の大気の標準的な状態を定義したもの。大気の鉛直構造をモデル化し、対流圏や成層圏など各領域において定義される。高度計や航空機の性能評価などに用いられる。ISO(国際標準化機構)が定めた国際標準大気において、標準気温・気圧・気温減率はそれぞれ、セ氏15度、1013.25ヘクトパスカル、1キロメートル当たりセ氏マイナス6.5度となる。



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