「国鉄C12形蒸気機関車」の版間の差分

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{{機関車情報表
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| 車両名    = 国鉄C12形蒸気機関車
 
| 背景色    = #000
 
| 文字色    = #fff
 
| 画像      = C12_chino.jpg
 
| 画像幅    =
 
| 画像説明  = [[茅野駅]]東口広場のC12 67
 
| 運用者    = [[鉄道省]]→[[日本国有鉄道]]
 
| 製造所    = [[日立製作所]]、[[三菱重工業]]<br/>[[川崎重工業車両カンパニー|川崎車輛]]、[[汽車製造]]<br/>[[日本車輌製造]]
 
| 製造年    = [[1932年]] - [[1947年]]
 
| 製造数    = 282両
 
| 引退      =
 
| 愛称      =
 
| 運用範囲  =
 
| 軸配置    = 1C1
 
| 軌間      = 1,067 mm
 
| 全長      = 11,350 mm
 
| 全幅      =
 
| 全高      = 3,900 mm
 
| 機関車重量 = 50.05 t
 
| 動輪上重量 = 32.00 t(運転整備時)
 
| 炭水車重量 =
 
| 総重量    =
 
| 固定軸距  =
 
| 先輪径    =
 
| 動輪径    = 1,400 mm
 
| 軸重      = 10.90 t(第3動輪上)
 
| シリンダ数 = 単式2気筒
 
| シリンダ  = 400 mm × 610 mm
 
| 弁装置    = [[ワルシャート式弁装置|ワルシャート式]]
 
| ボイラ    =
 
| ボイラ圧力 = 14.0 kg/[[平方センチメートル|cm<sup>2</sup>]]
 
| 大煙管    = 127 mm×3,200 mm×16本
 
| 小煙管    = 45 mm×3,200 mm×68本
 
| 火格子面積 = 1.30 m<sup>2</sup>
 
| 全伝熱面積 =  73.3 m<sup>2</sup>
 
| 過熱伝熱面積 = 19.8 m<sup>2</sup>
 
| 全蒸発伝熱面積 = 53.5 m<sup>2</sup>
 
| 火室蒸発伝熱面積 = 7.4 m<sup>2</sup>
 
| 煙管蒸発伝熱面積 = 46.1 m<sup>2</sup>
 
| 燃料      = 石炭
 
| 燃料搭載量 = 1.50 t
 
| 水槽容量  = 5.5 [[立方メートル|m<sup>3</sup>]]
 
| 制動装置  = [[自動空気ブレーキ]]
 
| 最高運転速度 = 75 km/h
 
| 設計最高速度 =
 
| 最大出力  = 592 [[馬力|PS]]
 
| 定格出力  =
 
| 動輪周出力 = 505 PS
 
| シリンダ引張力 = 8,290 kg
 
| 粘着引張力 =
 
| 備考      =
 
}}
 
[[ファイル:C12 Boiler.JPG|thumb|160px|C12の罐]]
 
'''国鉄C12形蒸気機関車'''(こくてつC12がたじょうききかんしゃ)は、[[日本国有鉄道]](国鉄)の前身である[[鉄道省]]が製造した過熱式の[[タンク機関車|タンク式]][[蒸気機関車]]である。
 
 
 
[[活荷重|軸重]]制限のある[[線路等級|簡易線規格]]路線用の小型軽量な機関車として設計され、本形式から[[テンダー機関車|テンダー式]]の[[国鉄C56形蒸気機関車|C56形]]が派生した。
 
 
 
== 誕生の背景 ==
 
[[昭和|昭和時代]]に入り主要[[幹線]]の整備が一通り終わると、大きな需要の見込めない閑散[[支線]]の建設が進められた。しかし折からの[[昭和恐慌|経済恐慌]]が深刻化し、建設費を低く抑えるため簡易線が数多く建設された。このような路線には軸重が軽く、運転コストの低い新形の小型機関車が要求されたため、C12形が製造されることになった。
 
 
 
== 製造 ==
 
[[ファイル:Wakasa sta08s4592.jpg|thumb|240px|right|[[若桜駅]]構内のC12 167(後方より)]]
 
鉄道省(国鉄)向けとしては[[1932年]](昭和7年)から[[1940年]](昭和15年)まで、および[[1947年]](昭和22年)に282両が製造されている。製造メーカーは[[川崎重工業車両カンパニー|川崎車輛]]、[[汽車製造|汽車製造会社]]、[[日立製作所]]、[[日本車輌製造]]、[[三菱重工業]]の5社である。火室は深く設計され焚火(ふんか)しやすく、38号機以降は、アーチ管を増設して伝熱面積を増加し、蒸発量を増やす改良が行なわれている。
 
 
 
このほか鉄道省以外に納入され、[[戦時買収私鉄|戦時買収]]などにより鉄道省に引き継がれ、C12形に編入された同形車が11両 (C12 265 - 275) あるため、ラストナンバーはC12 293となっている。
 
 
 
なお、基本的には[[除煙板|デフレクター]]を装備していないが、[[国鉄C11形蒸気機関車|C11形]]と同型のデフレクターを装備した車両も少数だが存在した。
 
 
 
製造年次ごとの番号と両数は次のとおりである。
 
* 1932年 - C12 1 - 5(5両)
 
* [[1933年]] - C12 6 - 45, 54 - 58,66 - 68(48両)
 
* [[1934年]] - C12 46 - 53, 59 - 65, 69 - 98(45両)
 
* [[1935年]] - C12 99 - 127(29両)
 
* [[1936年]] - C12 128 - 138(11両)
 
* [[1937年]] - C12 139 - 166(28両)
 
* [[1938年]] - C12 167 - 204(38両)
 
* [[1939年]] - C12 205 - 234(30両)
 
* 1940年 - C12 235 - 264(30両)
 
* 1947年 - C12 276 - 293(18両)
 
 
 
製造会社別の番号と両数は次のとおりである。
 
* 汽車製造(44両)
 
** C12 1 - 11(製造番号1182 - 1192)
 
** C12 54 - 65(製造番号1213 - 1224)
 
** C12 84 - 89(製造番号1248 - 1253)
 
** C12 107 - 109(製造番号1337 - 1339)
 
** C12 148 - 154(製造番号1463 - 1469)
 
** C12 157 - 161(製造番号1485 - 1489)
 
* 川崎車輛(56両)
 
** C12 12 - 26(製造番号1417 - 1431)
 
** C12 46 - 53(製造番号1463 - 1470)
 
** C12 78 - 83(製造番号1488 - 1493)
 
** C12 106(製造番号1610)
 
** C12 114 - 135(製造番号1611 - 1614, 1618 - 1627, 1689 - 1696)
 
** C12 144 - 147(製造番号1771 - 1774)
 
* 日立製作所(55両)
 
** C12 27 - 31(製造番号468 - 472)
 
** C12 38 - 41(製造番号496 - 499)
 
** C12 66 - 68(製造番号517 - 519)
 
** C12 90 - 94(製造番号567 - 571)
 
** C12 99(製造番号625)
 
** C12 110 - 113(製造番号683 - 686)
 
** C12 136 - 138(製造番号734 - 736)
 
** C12 235 - 264(製造番号1262 - 1291)
 
* 日本車輌製造(110両)
 
** C12 32 - 34(製造番号270 - 272)
 
** C12 42, 43(製造番号286, 287)
 
** C12 69 - 72(製造番号296 - 299)
 
** C12 100 - 102(製造番号339 - 341)
 
** C12 139 - 143(製造番号470 - 474)
 
** C12 155, 156(製造番号480, 481)
 
** C12 162 - 234(製造番号482 - 485, 568 - 593, 649 - 661, 724 - 753)
 
** C12 276 - 293(製造番号1478 - 1495)
 
* 三菱重工業(17両)
 
** C12 35 - 37(製造番号120 - 122)
 
** C12 44, 45(製造番号123, 124)
 
** C12 73 - 77(製造番号136 - 140)
 
** C12 95 - 98(製造番号151 - 154)
 
** C12 103 - 105(製造番号158 - 160)
 
 
 
=== 鉄道省以外向けの同形機 ===
 
小型軽量で軸重が軽いC12形は、国鉄規格の車幅が特認を要するものの地方私鉄や[[産業]]用鉄道向けにも最適で、同形機が[[外地]]を含む全国各地の[[私鉄]]や[[専用鉄道]]などに37両が製造・供給されている。このうち11両は、[[台湾総督府鉄道]]および[[樺太庁鉄道]]向けに製造されたものである。鉄道省向けの製造は1940年(昭和15年)で一段落しているが、民間向けの製造はそれ以後に行なわれたものが多い。
 
 
 
これらのうち、樺太庁鉄道に納入された4両は南樺太の[[内地]]化により、[[播丹鉄道]](現在の[[加古川線]])に納入された1両、[[相模鉄道]](現在の[[相模線]]部分)に納入された2両、[[小倉鉄道]](現在の[[日田彦山線]])に納入された4両は戦時買収により鉄道省籍に編入され、国鉄の番号を与えられた。
 
 
 
なお、国鉄籍のC12形には[[お召し列車]]牽引の記録がないが、島原鉄道の4 (→ C1205) は購入後間もない[[1949年]](昭和24年)5月25日に牽引にあたっている。
 
 
 
* [[大井川鐵道|大井川鉄道]] - 1両(私鉄の[[建築限界]]に収めるため車幅を狭めた設計になっている)
 
** '''121''' - 1936年(昭和11年)・日本車輛製造(製造番号387) → [[1950年]](昭和25年)[[同和鉱業片上鉄道]]に譲渡'''C12-202'''([[1966年]]〈昭和41年〉10月1日廃車)
 
 
 
* 三菱石炭油化工業(樺太){{Refnest|group="注釈"|大正10年9月4日運行開始<ref>[{{NDLDC|1184231/112}} 『地方鉄道及軌道一覧:昭和18年4月1日現在』](国立国会図書館近代デジタルライブラリー)</ref>。}} - 1両
 
** '''C122''' - 1940年・川崎車輛(製造番号2392)
 
 
 
* 小倉鉄道 - 4両(1943年国有化)
 
** '''C1211''' - 1941年・日本車輛製造(製造番号959) → '''C12 267'''
 
** '''C1212''' - 1941年・日本車輛製造(製造番号968) → '''C12 268'''
 
** '''C1213''' - 1941年・日本車輛製造(製造番号969) → '''C12 269'''
 
** '''C1214''' - 1941年・日本車輛製造(製造番号970) → '''C12 270'''
 
 
 
* [[日窒コンツェルン|日本窒素]]海南興業石碌鉄道([[海南島]]) - 2両
 
** '''C121''' - 1941年・日本車輛製造(製造番号971)
 
** '''C122''' - 1941年・日本車輛製造(製造番号972)
 
 
 
* [[じょうてつ|定山渓鉄道]] - 1両
 
** '''C121''' - 1942年・日本車輛製造(製造番号1069) → 1957年、日本鉱業[[豊羽鉱山]]専用鉄道に譲渡
 
 
 
* 相模鉄道 - 2両(1944年国有化) → [[相模鉄道の蒸気機関車#20形・C12形]]も参照されたい。
 
** '''21''' - 1942年・日本車輛製造(製造番号1070) → '''C12 274'''
 
** '''22''' - 1942年・日本車輛製造(製造番号1071) → '''C12 275'''
 
 
 
* [[関東鉄道|常総鉄道]] - 1両(飽和式で大煙管を装備せず)
 
** '''51''' - 1942年・日本車輛製造(製造番号1075)
 
 
 
* 播丹鉄道 - 1両(1943年国有化)
 
** '''C12 266''' - 1944年・日立製作所(製造番号1782。鉄道省向けのものを割譲。買収後完成し、直接省籍に編入)
 
 
 
* [[鹿児島交通|南薩鉄道]] - 3両
 
** '''12''' - 1944年・汽車製造(製造番号2352:角形の蒸気ドーム被い、砂箱を装備)
 
** '''13''' - 1948年・日本車輛製造(製造番号1499)
 
** '''14''' - 1949年・日本車輛製造(製造番号1522)
 
 
 
* [[同和鉱業片上鉄道]] - 1両
 
** '''10''' - 1944年・日立製作所(製造番号1781) → '''C12-201'''(1968年10月29日廃車)
 
 
 
* [[土佐電気鉄道]] - 1両
 
** '''C12001''' - 1948年・日本車輛製造(製造番号1496) → 1952年、[[雄別鉄道|雄別炭礦尺別鉄道]]に譲渡。1970年廃車
 
 
 
* [[島原鉄道]] - 5両
 
** '''1''' - 1948年・日本車輛製造(製造番号1497) → 1952年改番'''C1201'''
 
** '''2''' - 1948年・日本車輛製造(製造番号1498) → 1952年改番'''C1202'''
 
** '''3''' - 1949年・日本車輛製造(製造番号1519) → 1952年改番'''C1203'''
 
** '''4''' - 1949年・日本車輛製造(製造番号1520) → 1952年改番'''C1205'''
 
** '''5''' - 1949年・日本車輛製造(製造番号1521) → 1952年改番'''C1206'''
 
 
 
* [[日本炭礦専用鉄道|日本炭鉱]] - 2両
 
** '''C1201''' - 1949年・日立製作所(製造番号1859)
 
** '''C1202''' - 1952年・日立製作所(製造番号12071)
 
 
 
* [[台湾総督府鉄道]]→[[台湾鉄路管理局]] - 7両
 
** '''C12 1 - 5''' - 1936年・日本車輛製造 → '''CK121 - CK125'''
 
** '''C12 6, 7''' - 1942年・日本車輛製造 → '''CK126, CK127'''
 
 
 
* [[樺太庁鉄道]]・[[恵須取鉄道]] - 4両(1943年鉄道省に編入)
 
** '''C12 1''' - 1941年・日立製作所(製造番号1411) → '''C12 265'''(1943年省籍編入。鉄道省向け(C12 265を予定)だったが、恵須取鉄道向けに割譲され、樺太庁鉄道恵須取工事事務所に配属)
 
** (C12 2, C12 3)  - 1943年・日立製作所(製造番号1556, 1557) → '''C12 271, C12 272'''(恵須取鉄道向け。完成が遅れ、直接省籍に編入)
 
** (C12 4)  - 1942年・日本車輛製造(製造番号1068) → '''C12 273'''(恵須取鉄道向け。完成が遅れ、直接省籍に編入)
 
 
 
* 樺太人造石油→[[帝国燃料興業]] [[帝国燃料興業会社内淵線|内淵鉄道]] - 1両
 
** '''11''' - 1941年・日立製作所(製造番号1459)
 
 
 
== 外地に渡ったC12形 ==
 
=== 軍の要請による供出 ===
 
[[ファイル:Old vietnamese steam locomotive.jpg|thumb|160px|right|ベトナムのダラット駅に保存されている元C12形]]
 
C12形はC56形とともに軽量小型を買われ、戦時中の作戦に用いるため軍部の徴発を受けることになった。1938年(昭和13年)から1939年(昭和14年)にかけて60両が1m[[軌間]]に改造され、北支([[中国|中国大陸]])の[[華北交通]]へと送られている。[[中華人民共和国]]成立後は、プレ51形、その後PL51形と改称され、そのうち一部はのちに[[ベトナム]]に送られ、PL131型として専用線で健在である。
 
 
 
1943年(昭和18年)には2両が供出され、1,067 mm軌間のまま[[ジャワ島|ジャワ]]に送られている。戦後はインドネシア国鉄に編入され、C32形 (C3201, C3202) となって、1970年代まで使用された。
 
 
 
本形式の特別廃車(供出)の状況は次のとおりである。
 
* 1938年(40両) - C12 101 - 140(5月に15両、8月に20両、11月に5両)
 
* 1939年(20両) - C12 141 - 160(3月に全部)
 
* 1943年(2両) - C12 94, 168(11月および12月に各1両)
 
 
 
=== 南樺太のC12形 ===
 
[[樺太庁鉄道]]に納入された同型機1両 ('''C12 1''') は[[1943年]](昭和18年)[[4月1日]]、樺太庁鉄道が鉄道省に編入されたため'''C12 265'''となり、さらに建設中の[[恵須取鉄道]]([[未成線]])向けに3両の増備車 (C12 2 - 4) が製作されていたが、こちらは編入後に落成し、直接鉄道省籍 (C12 271 - 273) となった。このほかにも、民間工場の専用線用に2両が製造されている。これらは、[[1945年]](昭和20年)、日本が[[太平洋戦争]]に[[敗戦]]するとともに[[ソビエト連邦]]に[[鹵獲|接収]]され、以後の消息は明らかでない。
 
 
 
=== 台湾のC12形 ===
 
[[ファイル:TRA CK124 SL 01.jpg|thumb|240px|right|台湾のCK124]]
 
日本が領有していた[[台湾]]の[[台湾総督府鉄道]]向けに7両が日本車輌製造で製造され、同じく'''C12形''' ('''C12 1 - 7''') として使用された。台湾のC12形には日本のC56形と同様の[[除煙板|デフレクター]]が装備され、日本のC12形と印象が異なっている<ref group="注釈">C12 199など、内地(日本)にはC11と同型のデフレクターを装備したC12形がごく少数ながら存在した。</ref>。
 
 
 
太平洋戦争後は[[台湾鉄路管理局]]が引き継ぎ、'''CK120形''' ('''CK121 - CK127''') と改称され、引き続き支線区で使用されていたが、[[1979年]]6月の西部幹線電化に伴い廃車され、[[台湾鉄路管理局CK124号機|CK124]]のみ[[新北投線 (台湾鉄路管理局)|新北投線]]の[[新北投駅]]で静態保存されたが、他の6両は解体された。
 
 
 
CK124は、[[1988年]]の新北投線廃止と[[台北捷運淡水線]]の工事開始に伴い、[[北投駅]]に隣接していた職員訓練施設に移送の上引き続き展示されたが、[[2001年]]に動態復元が決定し、台北工場で整備ののち、同年6月9日に復活運転を果たした。現在は、[[彰化扇形庫]]を基地に、不定期ながら台湾各地で運転されている。
 
 
 
=== 海南島のC12形 ===
 
海南島にあった日本窒素の工場の専用鉄道に納入された2両があったが、こちらも太平洋戦争後の消息は不明である。
 
 
 
同じく外地に渡ったC56形については戦後の情報も多く、現在でも[[タイ王国|タイ]]で数多く保存され、日本に戻ってきたものもあるのに対して、C12形については日本に戻ってきた例はなく、現地での情報もほとんどない。
 
 
 
=== 参考文献 ===
 
* 頼徳湘・曹志明「台湾鉄路管理局のCK 120形タンク機関車」
 
: 交友社『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』2001年1月号 No.477 p.130 - 131
 
* 都築雅人「ベトナム最後のC12形」
 
: 交友社『鉄道ファン』2002年5月号 No.493 p.128 - 131
 
 
 
== 国内に残ったC12形 ==
 
[[ファイル:JNR C12 41.jpg|thumb|240px|right|[[わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線|足尾線]]を走るC12 41(1970年)]]
 
戦後も国内に残った残存機、および戦後に補充製造された新製機は全国各地の比較的短距離の閑散線区、あるいは入換用として長く使用された。[[気動車]]の進出に伴い1959年から[[廃車 (鉄道)|廃車]]が始まったが、貨物輸送のある簡易線などの需要もあり、後継機の開発の遅れから蒸気機関車の末期まで使用された。
 
 
 
=== 譲渡 ===
 
本形式の払下げは、次の5両のみである。
 
* C12 56 - 1944年相模鉄道→[[茨城交通]]→1957年雄別鉄道→1958年雄別炭礦尺別鉄道。1970年廃車
 
* C12 97 - 1944年[[三井三池炭鉱|三井鉱山]][[三池鉄道|三池港務所]]→[[日本炭礦専用鉄道|日本炭砿高松鉱業所]]C1203
 
* C12 98 - 1944年徳山曹達([[トクヤマ]]){{Refnest|group="注釈"|船舶不足により海上輸送が困難なため専用線([[周防富田駅]]-セメント工場間)を昭和19年10月開通<ref>[http://www.tokuyama.co.jp/company/overview/ebook/index.html 『徳山曹達70年史 道標はるかに』85頁写真掲載 (電子ブック)]</ref>。}}
 
* C12 96 - 1960年雄別炭礦尺別鉄道。1970年廃車
 
* C12 14 - 1962年[[西庶路駅|明治礦業庶路鉱業所]]<ref>澤内一晃・星良助「北海道の専用鉄道車両」『[[鉄道史料]]』No.120、高井薫平『小型蒸気機関車全記録』東日本編、講談社、2012年、40頁</ref>
 
 
 
== 保存機 ==
 
SL末期まで使用された形式にもかかわらず、[[梅小路蒸気機関車館]]には収蔵されなかったが、各地で[[静態保存]]されており、そのうちの2両が動態復元された。現在、動態保存としての運転が行われているのは1両のみである。
 
 
 
=== 動態保存機 ===
 
[[ファイル:Moka Railway C12-66 with Cherry Blossoms and Rapeseed.jpg|thumb|240px|right|真岡鐵道所有の動態保存機C12 66<br />(2018年4月1日 真岡鐵道 北真岡駅 - 西田井駅間)]]
 
 
 
現在、日本国内では[[真岡鐵道]]にC12 66が動態で保存されている。
 
 
 
C12 66は[[1994年]]に復元されたもので、[[福島県]][[川俣町]]の国鉄[[川俣線]](廃線)[[岩代川俣駅]]跡地で静態保存されていたものを復活させた。「[[SLもおか]]」のメイン牽引機だが、1998年12月に[[北海道]]の[[留萌本線]]にて走行実績を持つ。これは、[[日本放送協会|NHK]]の[[連続テレビ小説]]『[[すずらん (テレビドラマ)|すずらん]]』の撮影のためのもので、同時に貸し出された[[高崎運転所|高崎車両センター]]の[[旧型客車]]2両と共に、雪深い北の大地を走り抜けた。[[東日本旅客鉄道株式会社|JR東日本]]乗り入れ用のATS-SNを装備しているが、上記の北海道以外でのJR線での運転は今のところ実績が無い。ただし、例外として定期検査を受け持つ[[大宮総合車両センター]]において、例年5月に開催される[[JRおおみや鉄道ふれあいフェア]]のイベントにも登場している。この際、2014年の開催では大宮工場時代を含め操業120周年を迎えたことから、検査終了間際の時に走行する試験線を利用して高崎車両センターの旧型客車3両及び折り返し用のDE10形を連結して体験乗車を行っている。
 
 
 
このほか、[[台湾]]にも同形のCK124が動態で残っており、2008年4月、台湾北部の[[平渓線]]で観光列車として月一回の運行が開始された<ref>NHKニュース 2008年4月18日 「台湾で昔の日本製SLを運行」</ref>。
 
また、静態保存機の中でも、[[鳥取県]]の[[若桜鉄道]][[若桜駅]]に現在置かれているC12 167については、駅構内の専用線路での自力走行を可能にするべく整備が行われ、現在は、コンプレッサーによる圧縮空気を動力源として、展示線にて運転が行われている。将来的に火を入れて、本来の動態保存機としての復元に向けて、復元にかかる費用の募金活動が行われている。同様に[[明智駅 (岐阜県恵那市)|明智駅]]展示のC12 244についても、[[リニア中央新幹線]]の開業に合わせて営業運転を行うべく、復元する計画があり、<ref>{{cite news |title=【社会】リニアからSL乗車 岐阜県、明知鉄道結ぶ構想 |newspaper=[[中日新聞]] |date=2014-02-18 |url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014021890085743.html |accessdate=2014-02-18}}</ref>2015年8月10日には明智駅構内を圧縮空気を使用してデモ走行を行った。
 
 
 
=== 過去の動態保存機 ===
 
[[大井川鐵道]]でかつて'''C12 164'''が動態保存されていた。詳細は以下のとおり。
 
: [[1937年]](昭和12年)9月に[[日本車輌製造]]で製造された(製番484)。同年[[9月12日]]に上諏訪機関区に新製配置され、[[1949年]](昭和24年)[[3月1日]]に[[岡山機関区]]に転属してからは、周辺の[[鉄道駅|駅]]や[[車両基地|機関区]]などの構内の入れ換え作業や、[[貨物列車]]に使用された。[[1961年]](昭和36年)[[3月31日]]には厚狭機関区に転属し、[[宇部線]]等で石灰列車に使用された。[[1973年]](昭和48年)3月末に運用を終了し、木曽福島機関区で保管され、同年[[9月20日]]に廃車となったが、同[[9月24日|24日]]に[[静岡県]][[本川根町]](現・[[川根本町]])に引き取られ、千頭駅で展示されていた。大井川鉄道(現・[[大井川鐵道]])で修復され、再び走行が可能となった。[[1976年]](昭和51年)[[7月9日]]よりC11 227を[[動態保存]]している同鉄道で、予備機として使用されることになり、まれにC11 227と[[重連運転|重連]]で運転されたこともある。しかし、[[1984年]](昭和59年)5月に検査切れのために[[休車]]になり、[[千頭駅]]で保管された。その後、本機の復活を目指す団体「[[財団法人|公益財団法人]][[日本ナショナルトラスト]]」が現れたことにより、市民の募金で[[1987年]](昭和62年)に動態復元され、同年7月25日に[[SL急行 (大井川鐵道)|臨時SL急行「トラストトレイン」]](1か月に1回運行)として運転を開始した。しかし、[[自動列車停止装置]] (ATS) 未装備のため、[[2005年]](平成17年)[[4月23日]]をもって運転を休止、同年5月から[[休車]]扱い<ref group="注釈">正式に休車となったのは2008年6月からである。</ref>となった。ATS装置設置費用確保のための募金活動を実施したが、募金総額は半分程度しか集まらず、かつ休車扱いとなってから5年以上が経過してATSの整備だけの問題ではなくなってきていたことから、日本ナショナルトラストは同機の動態保存としての維持を終了し、再度静態保存に移行することを募金協力者に通知した。現在、大井川鐵道が車体の塗装を整備した上で、[[2011年]]に新設した[[新金谷駅]]の[[転車台]]での展示車両として活用中である。[[2016年]](平成28年)[[9月28日]]、大井川鐵道が日本ナショナルトラストと同9月1日付けで[[寄託]]契約を締結し、再び動態保存運転への再復活に向けて乗り出した<ref>{{PDFlink|[http://oigawa-railway.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/09/d9acf5311ac236cb48cd540255bacd89.pdf 鉄道文化財の動態復元に向けて合意のお知らせ]}}</ref>。
 
 
 
: 主要諸元は以下のとおり。
 
:* 全長 - 11.350m
 
:* 全高 - 3.900m
 
:* 全幅 - 2.946m
 
:* 重量 - 50.0t
 
:* 空重量 - 39.00t
 
 
 
=== 静態保存機 ===
 
[[小樽市総合博物館]]をはじめ、全国各地に静態保存機がある。
 
 
 
* 北海道地方
 
** C12 2 - 北海道[[三笠市]]「[[三笠鉄道記念館]]」(旧[[幌内駅]])
 
** C12 6 - 北海道[[小樽市]]「小樽市総合博物館(鉄道・科学・歴史館)」
 
 
 
*東北地方
 
** C12 60 - 福島県[[福島市]]「福祉センター」(旧[[川俣線]]岩代飯野駅前)
 
 
 
* 関東地方
 
** C12 187 - 茨城県久慈郡[[大子町]]「[[常陸大子駅]]前」
 
** C12 49 - 群馬県[[桐生市]]「桐生ヶ岡公園」
 
** C12 29 - 埼玉県[[さいたま市]][[大宮区]]「山丸児童公園」(C12 66復元整備で一部部品の交換を実施)
 
** C12 85 - 埼玉県[[和光市]]「和光市立第四小学校」
 
** C12 287 - 千葉県[[君津市]]「小櫃公民館」
 
 
 
* 中部地方
 
** C12 88 - 新潟県[[糸魚川市]]「[[糸魚川C12SLパーク]]」2014年12月に「[[北陸新幹線]]」開通に先立ち周囲を公園として再整備
 
** C12 5 - 山梨県[[韮崎市]]「[[韮崎中央公園]]」(当初は[[甲府城]]公園に保存されていたが、整備に伴い2000年に現在地へ移転)
 
** C12 67 - 長野県[[茅野市]]「茅野駅東口広場」
 
** C12 171 - 長野県諏訪郡[[下諏訪町]]「青少年広場」
 
** C12 199 - 長野県[[塩尻市]]「奈良井宿駐車場」(権兵衛橋たもと)
 
** C12 164 - 静岡県[[島田市]]・大井川鐵道[[新金谷駅]](日本ナショナルトラスト所有。元動態保存機)
 
** C12 208 - 静岡県[[川根本町]]・大井川鐵道[[千頭駅]](2015年春に[[島田市]]新金谷駅より移転。部品取り用として保管していたが、千頭駅へ移転する際に同社が開催する「トーマスフェア」に合わせて[[きかんしゃトーマス]]に登場するキャラクター「パーシー」へ改造された)
 
** C12 74 - 岐阜県恵那市「[[恵那市中央図書館]]」
 
** C12 163 - 岐阜県加茂郡[[七宗町]]「蒸気機関車館」([[高山本線]][[上麻生駅]]前)
 
** C12 244 - 岐阜県[[恵那市]]「[[明智駅 (岐阜県恵那市)|明智駅]]」(2013年に「明智小学校」より移転)※圧縮空気により可動。
 
** C12 69 - 愛知県[[安城市]]「総合運動公園」
 
** C12 230 - 愛知県[[西尾市]]「西尾公園」
 
 
 
* 関西地方
 
** C12 38 - 大阪府[[大阪市]][[住之江区]] 大阪市住之江区南港中[[アチハ]]株式会社(2016年に共栄興業より、京浜鋼管112号機とともに搬出。今後はD51 827・京浜鋼管112号機とともに圧縮空気で動態保存される予定)
 
 
 
* 中国地方
 
** C12 167 - 鳥取県八頭郡[[若桜町]]「[[若桜鉄道]]・[[若桜駅]]構内」※圧縮空気により可動。(2007年8月7日まで、兵庫県多可郡[[多可町]]加美区「多可町加美地域局」(旧加美町役場)に保存されていた)
 
 
 
* 四国地方
 
** C12 280 - 徳島県[[小松島市]]「[[小松島ステーションパーク]]」(小松島客貨車区跡)
 
** C12 231 - 愛媛県喜多郡[[内子町]]・四国旅客鉄道[[内子駅]]前 2014年12月に「[[鉄道愛好家]]」により修復し今後上屋を設置予定
 
** C12 259 - 愛媛県[[宇和島市]]「和霊公園」
 
 
 
* 九州地方
 
** C12 222 - 福岡県[[北九州市]][[小倉北区]]・九州旅客鉄道[[小倉総合車両センター]](2003年7月1日まで、福岡県[[福岡市]][[東区 (福岡市)|東区]]「和白小学校」内にて保存されていた)
 
** C1201(島原鉄道) - 長崎県[[島原市]]「[[霊丘神社]]」
 
** C12 241 - 熊本県阿蘇郡[[高森町 (熊本県)|高森町]]・南阿蘇鉄道[[高森駅]]前
 
** C12 64 - 宮崎県[[都城市]]・旧[[志布志線]][[今町駅]]跡
 
** C12 225 - 鹿児島県[[霧島市]]「霧島高原国民保養センター」(2008年暮れに解体撤去、解体後にプレートのみをJR九州[[鹿児島総合車両所]]に返却)
 
 
 
* ベトナム<ref>小牟田哲彦 『ダラット高原のミニ列車——林芙美子の小説『浮雲』の舞台』 [[鉄道ジャーナル]]2005年9月号pp.124 - 125</ref>
 
** 131-428 - [[ラムドン省]][[ダラット]]・{{仮リンク|ダラット駅|en|Da Lat Railway Station}}(元の[[鉄道の車両番号|車輛番号]]は不明<ref group="注釈">ダラット駅の説明書きには1936年製造と書かれている。</ref>)
 
 
 
<gallery>
 
ファイル:JNR-C12-2.jpg|C12 2<br />([[三笠鉄道記念館]])
 
ファイル:JNR C12 6.JPG|C12 6<br />([[小樽市総合博物館]])
 
ファイル:C1260_iino.jpg|C12 60<br />([[福島県]][[飯野町 (福島県)|飯野町]]公民館前)
 
ファイル:C1274 Steam locomotives.jpg|C12 74<br />(岐阜県 [[恵那市中央図書館]])
 
File:C12 167.jpg|C12 167<br />([[若桜鉄道]][[若桜駅]]構内)
 
ファイル:C12187 SL.jpg|C12 187<br />([[常陸大子駅]]前)
 
ファイル:JNR-C12-231 in uchiko station square.jpg|C12 231<br />([[内子駅]]前)
 
ファイル:C12 259-1.JPG|C12 259<br />([[愛媛県]][[宇和島市]] 和霊公園)
 
File:C12-280 in Komatsushima Station Park.jpg|C12 280<br />([[徳島県]][[小松島市]] [[小松島ステーションパーク]])
 
File:C12 287.JPG|C12 287<br />([[千葉県]][[君津市]] 小櫃公民館)
 
ファイル:Shimatetu C1201.jpg|C1201<br />(長崎県[[島原市]] [[霊丘神社]])
 
</gallery>
 
 
 
== 脚注 ==
 
=== 注釈 ===
 
{{脚注ヘルプ}}
 
<references group="注釈" />
 
=== 出典 ===
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
{{commonscat|C12 steam locomotives}}
 
* [[臼井茂信]]「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、[[誠文堂新光社]]刊
 
* 臼井茂信「機関車の系譜図 4」1972年、[[交友社]]刊
 
* [[高田隆雄]]監修「万有ガイドシリーズ12 蒸気機関車 日本編」1981年、[[小学館]]刊
 
* [[寺島京一]]「台湾鉄道の蒸気機関車について」レイルNo.23(1988年)プレス・アイゼンバーン刊
 
 
 
{{国鉄の制式蒸気機関車}}
 
{{相模鉄道の車両}}
 
{{播丹鉄道の蒸気機関車}}
 
{{小倉鉄道の蒸気機関車}}
 
{{樺太庁鉄道の蒸気機関車}}
 
{{台湾鉄路管理局の蒸気機関車}}
 
{{真岡鐵道の車両}}
 
{{大井川鐵道の車両}}
 
{{DEFAULTSORT:こくてつC12かたしようききかんしや}}
 
[[Category:日本国有鉄道の蒸気機関車|C12]]
 
[[Category:雄別鉄道|車C12]]
 
[[Category:定山渓鉄道の鉄道車両|蒸C12]]
 
[[Category:真岡鐵道|車C12]]
 
[[Category:関東鉄道の鉄道車両|51]]
 
[[Category:相模鉄道の鉄道車両|C12]]
 
[[Category:播丹鉄道|車C12]]
 
[[Category:同和鉱業片上鉄道|車C12]]
 
[[Category:土佐電気鉄道の鉄道車両|C12]]
 
[[Category:小倉鉄道|車C12]]
 
[[Category:島原鉄道の蒸気機関車|C12]]
 
[[Category:鹿児島交通|車C12]]
 
[[Category:台湾の蒸気機関車]]
 
[[Category:台湾総督府鉄道|車C12]]
 
[[Category:台湾鉄路管理局の鉄道車両]]<!-- CK120 -->
 
[[Category:樺太庁鉄道|車C12]]
 
[[Category:華北交通|車C12]]
 
[[Category:汽車製造製の蒸気機関車]]
 
[[Category:川崎重工業製の蒸気機関車]]
 
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[[Category:三菱重工業製の蒸気機関車]]
 
[[Category:日本車輌製造製の蒸気機関車]]
 
[[Category:1932年製の鉄道車両]]
 
[[Category:車輪配置2-6-2の機関車]]
 
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[[Category:単式機関車]]
 

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