品封

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品封(ほんぷ)とは、親王内親王に対し、その品位に応じて支給される封戸である。

8世紀初頭の大宝令によって初めて導入され、親王は禄令の規定額、内親王(ただし、天皇后妃になった場合は例外)はその半分が支給された。9世紀の『延喜式民部省式によれば、支給対象者が死亡した場合には、その翌年に収公されることになっていた。大同3年6月29日808年7月26日)以降、令では支給の対象にならなかった無品親王・内親王にも一律200戸が授けられることになったが、翌4年6月23日809年8月7日)に内親王については他の品位内親王と同様に半減されることになった(『類聚三代格』)[1]。大同4年の規定はそのまま、『延喜式』の規定とされた。だが、この頃になると十分な支給が困難となり、寛平元年(889年)以降、遅くても延長3年(925年)頃には、位封・品封・位禄の1/4削減が定制化され、『拾芥抄』に見られる数字になったと考えられている[2]

品封の変遷(単位:戸)[3]
品位 大宝令養老令 慶雲3年制[4] 大同3年制・延喜式 拾芥抄
一品 800 800 800 600
二品 600 600 600 450
三品 400 400 400 300
四品 300 300 300 225
無品 規定なし 規定なし 200 150

脚注

  1. 四品内親王は原則150戸であったが、大同3年の規定では無品内親王から四品内親王に叙せられると反対に50戸の削減になってしまう矛盾が生じていた。
  2. 山下信一郎「平安時代の給与制と位禄」(初出:『日本歴史』第587号/増補所収:山下『日本古代の国家と給与制』(吉川弘文館、2012年) ISBN 978-4-642-04601-5)
  3. 国史大辞典』「位封」項目(執筆者:水野柳太郎)所収“品封・位封表”及び『平安時代史事典』「位封」項目(執筆者:阿部猛)所収“品封・位封支給戸数”を基に作成。
  4. 慶雲3年制では、位封の変更のみが行われた(異説あり)が参考図表に従って便宜上掲げる。

参考文献

  • 水野柳太郎「品封」(『国史大辞典 13』(吉川弘文館、1992年) ISBN 978-4-642-00513-5)
  • 阿部猛「位封」/宮原武夫「品封」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-040-31700-7)