名取駅
名取駅(なとりえき)は、宮城県名取市増田二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)・仙台空港鉄道の駅である。かつては増東軌道線が接続していた。
乗り入れ路線
JR東日本・JR貨物(旅客営業を行うJR東日本が第一種鉄道事業者、貨物営業を行うJR貨物が第二種鉄道事業者)の東北本線と、仙台空港鉄道の仙台空港線が乗り入れている。
仙台空港線は当駅が起点であるが、すべての列車が東北本線に直通して仙台駅まで運転される。仙台空港線は、この東北本線への直通区間を合わせて仙台空港アクセス線の愛称で案内されており、当駅がJR東日本と仙台空港鉄道の管轄区間の境界(分界)駅となっている。
また、東北本線岩沼駅を終点とする常磐線の列車も乗り入れているため、列車運行上は前述2路線を加えた合計3路線4方面の列車が乗り入れている。[1]
JR東日本が発行するフリーきっぷのうち、「週末パス」は仙台空港線への使用ができない。逆に「仙台まるごとパス」は使用できる。
歴史
- 1888年(明治21年)10月11日 - 日本鉄道の増田駅(ますだえき)として開業。一般駅。
- 1906年(明治39年)11月1日 - 日本鉄道が国有化。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定、東北本線所属駅となる。
- 1926年(大正15年)11月21日 - 増東軌道が駅前に乗り入れ。
- 1939年(昭和14年)9月19日 - 増東軌道廃止。
- 1963年(昭和38年)5月25日 - 名取駅に改称。
- 1971年(昭和46年)11月30日 - 専用線発着を除く貨物の取り扱いを廃止。
- 1978年(昭和53年) - 鉄筋コンクリート製の駅舎に改築。
- 1985年(昭和60年)3月14日 - 荷物の取り扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR東日本・JR貨物の駅となる。
- 1989年(平成元年)
- 2003年(平成15年)
- 2007年(平成19年)3月18日 - 仙台空港線の当駅 - 仙台空港駅間が開業。
- 2012年(平成24年)3月17日 - 当駅発着の貨物列車の設定が廃止。名取オフレールステーションが開設され、コンテナ輸送がトラック代行化される[2]。
- 2016年(平成28年)9月 - 名取オフレールステーション営業終了。JR貨物の駅からトラック便も含めた定期便の設定がなくなる[3]。
- 2018年(平成30年)6月1日 - 業務委託化(JR東日本東北総合サービスへ委託)[4]。
国鉄時代は特急列車・急行列車、一部の普通列車(丸森線直通列車)が通過していた。
駅構造
単式ホーム1面1線、島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームと下り貨物列車が旅客列車待避に使う副本線を持つ地上駅。
単式ホームの1番線(東北上り本線)が東北・常磐線上り・仙台空港線空港方面、島式ホームの2番線(仙台空港本線)が仙台空港線専用、3番線(東北下り本線)が東北本線下りである。仙台空港線は東北本線の上下線の間に敷設され、名取駅の南側で高架線となって東方の空港方面へ延びる。線路は駅北側で上下線と接続、南側で上り線から空港線への渡り線が1本ある。
東西自由通路を併設した橋上駅舎を備える。JR東日本・仙台空港鉄道の共同使用駅で改札は分離されていない。またJR東日本社員のみ配置で、JR貨物・仙台空港鉄道の社員は配置されていない。
JR東日本東北総合サービス運営の業務委託駅で、仙台駅が当駅を管理する。みどりの窓口(営業時間 6時 - 21時)、自動券売機2台、指定席券売機1台、Suica対応自動改札機、自動精算機が設置されている。なお、仙台空港線区間完結の定期券は、仙台空港鉄道所属の各駅では対応せず(Suicaの販売も行わない)、当駅のみどりの窓口が一括して担当している(なお、仙台空港鉄道線から仙台市地下鉄を含めた連絡定期を購入する場合も当駅のみどりの窓口に限定されている)。
かつては、上下線の間に中線(待避線)のある一般的な国鉄の地方駅であったが、2005年(平成17年)より仙台空港線の乗り入れ工事に伴い、中線を一旦撤去して、レールとバラストを本線級に格上げした。線路や架線の敷設、仙台空港線用の信号機やATS地上子等の保安装置、分岐器の設置等の工事は2006年(平成18年)秋ごろにほぼ完了した。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■東北本線 | 上り | 白石・福島方面 |
■常磐線 | 亘理・原ノ町・浪江方面 | ||
1・2 | 仙台空港鉄道 仙台空港アクセス線 | 仙台空港方面 | |
2 | 下り | 仙台方面 | |
3 | ■東北本線 (■常磐線含む) |
下り | 仙台・小牛田方面 |
仙台空港アクセス線の列車は原則として上下線とも2番線を使用するが、仙台空港アクセス線同士の行違いがある場合は上り列車が1番線に入る。
貨物取扱
JR貨物の駅は、コンテナ貨物の取り扱い駅であったが、既に貨物列車・トラック便ともに定期便の発着はなくなっている。
本線の西側に沿って北進する側線が1本あり、その終端付近はコンテナの荷役線となっている。コンテナホーム(ヤード)はサッポロビール仙台工場の敷地内に1面設置されている。このため当駅ではサッポロビール発着のコンテナのみを取り扱っている。
かつては、工場の中まで専用線が敷設されており有蓋車による製品輸送が行われていた。これは1989年(平成元年)8月限りで廃止され、専用線の跡地にコンテナホームが設置された。
貨物列車は高速貨物列車が2012年3月17日のダイヤ改正まで、1日1往復仙台貨物ターミナル駅との間で運行されていた。1990年(平成2年)3月10日のダイヤ改正で臨時高速貨物列車が1往復同じ区間に追加されたが、2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正で設定が廃止された。
2012年3月17日のダイヤ改正により、貨物列車の停車設定が無くなった。以降は名取オフレールステーション(略称、名取ORS)が開設され、仙台貨物ターミナル駅との間で1日2往復のトラック便が運行されていたが、これも2016年9月には廃止された[3]。
なお、2017年度の『貨物時刻表』においては、路線図から表記は無くなったものの、時刻表本文には引き続き「コンテナ扱いのみの駅」として表記されている[5]。
利用状況
2017年度の1日平均乗車人員は12,759人(仙台空港鉄道からの直通客が含まれる)である。宮城県内のJRの駅では、仙台駅、あおば通駅に次いで3番目に多い。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 一日平均乗車人員 |
2000 | 6,729 |
2001 | 6,545 |
2002 | 6,496 |
2003 | 6,582 |
2004 | 6,590 |
2005 | 6,719 |
2006 | 6,976 |
2007 | 8,334 |
2008 | 9,745 |
2009 | 10,164 |
2010 | 10,085 |
2011 | 9,063 |
2012 | 10,830 |
2013 | 11,875 |
2014 | 12,059 |
2015 | 12,268 |
2016 | 12,508 |
2017 | 12,759 |
駅周辺
- 名取駅コミュニティプラザ(ウィングプラザ)
- 名取千手観音堂
- 国道4号
- 名取市立増田小学校
- 名取市役所
- 名取郵便局
- 名取増田郵便局
- 名取大手町郵便局
- サッポロビール仙台工場
- 仙台ニコン本社(ニコンの子会社)
バス路線
東口
西口
- 桜交通(なとりん号)
- まちなか循環線
- 県立がんセンター線
- 仙南交通(なとりん号)
- 北目上原線(県立がんセンター経由)
- 相互台線
隣の駅
関連項目
脚注
- ↑ 「鉄道記録帳2003年7月」、『RAIL FAN』第50巻第10号、鉄道友の会、2003年10月1日、 22頁。
- ↑ 鉄道貨物協会『貨物時刻表』において、2012年度版よりオフレールステーションとして記載されている。
- ↑ 3.0 3.1 新たな鉄道コンテナ輸送ニーズについて - 全国通運連盟、4頁、2017年3月6日閲覧。
- ↑ 申16号【駅業務委託の拡大(名取駅・塩釜駅)に関する申し入れ団体交渉】 (PDF)
- ↑ 東北線の貨物駅の数も前年度の『貨物時刻表』から変動なし。
外部リンク