合弁事業

提供: miniwiki
移動先:案内検索


合弁事業(ごうべんじぎょう、英語: Joint Venture)は、複数の異なる組織(国家企業など)が共同で事業を興すこと、およびその事業を指す。

概要

国家や企業が新規分野に取り組む場合において、単一組織で実施すると様々なリスクを抱えることから、複数の組織が共同で取り組み、お互いの弱点を補うことでリスクの分散を図ると共に事業の成功の確度を増す効果がある。

企業活動における合弁事業は主に新規プロジェクトへの参入や海外に新規進出する場合の足場造りに多く用いられる。いずれの場合も特定の目的を達するために複数の企業が出資する新たな企業(合弁企業合弁会社とも)を設立し、出資者の間で出資比率や収益の分配方法、企業統制の方法(どの企業が代表取締役を出すか、等)の取り決めを行い、これに基づいて実施される。合弁企業が株式会社であっても、外部からの新規出資者を募ることは極めて少ない。

いわゆる合併や単なる業務提携と異なるのは、合弁により行われる事業が特定の目的に特化していることであり、別の分野では引き続きライバル関係にある事業者同士が手を組むケースがあることである。

主な合弁事業の例

将来的な経営統合を目指した包括的業務提携に基づくものは割愛する。

日本電気 (NEC)
元々は岩垂邦彦がアメリカのウェスタン・エレクトリック(現・アルカテル・ルーセント)との合弁により設立した電機メーカー。日本初の合弁企業であり外資系企業でもある[1]
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
ソニー(日本)とエリクソン(スウェーデン)の合弁による携帯電話メーカー。かつてはそれぞれが単独で携帯電話の製造販売を行っていたが、双方の事業の効率化と世界戦略を視野に入れて合弁事業に移行した。2012年にソニーがエリクソンの保有株式を買い取った上で合弁を解消、完全子会社とし社名をソニーモバイルコミュニケーションズに変更した[2]
NEC三菱電機ビジュアルシステムズ
日本電気 (NEC) と三菱電機によるパソコン用ディスプレイ専門の合弁事業。現在は三菱電機が撤退し、NECディスプレイソリューションズとなる。
サハリン2
ロイヤル・ダッチ・シェル三井物産三菱商事の三者合弁によるロシアサハリン州での石油天然ガス開発プロジェクト。後にロシア政府の干渉もあって、ガスプロムとの四者合弁となった。
マルチ・ウドヨグ
スズキインド政府の合弁により設立された自動車メーカー。2002年(平成14年)にスズキが出資比率を引き上げて子会社化した後、2006年(平成18年)12月にインド政府が株式を売却し、完全民営化(合弁解消)。翌2007年(平成19年)にマルチ・スズキ・インディアに社名変更。
ロック開発
大和ハウス工業イオンの合弁によるショッピングセンター開発を行うデベロッパー。イオン本体もデベロッパー事業(イオンショッピングセンターなど)を行っており、出資企業の本業と合弁事業が直接的に競合していた珍しい例。2011年(平成23年)にイオンが大和ハウスの株式を全て買い取ってイオンの完全子会社となり、イオンタウンに社名変更した。
アストモスエネルギー
三菱商事出光興産の合弁による液化石油ガス (LPG) 事業会社。両者のLPG事業子会社(三菱液化ガスと出光ガス&ライフ)及び三菱商事本体のLPG部門の吸収分割により誕生。三菱商事は子会社による石油小売りも手がけており(三菱商事エネルギー)、石油小売りの分野では引き続きライバル関係にある。
ジェイ・バス
日野自動車いすゞ自動車の合弁によるバス車両製造メーカー。合弁準備会社に、両者の部門子会社(日野車体工業及びいすゞバス製造)を合併させて設立した。商用貨物車(トラック)は引き続き両者が別々に製造を行う。
キャタピラージャパン
アメリカの大手建設機械メーカーであるキャタピラー社が、三菱重工業と合弁で日本法人「キャタピラー三菱」として設立、三菱重工業の建設機械子会社を統合して「新キャタピラー三菱」となった後に出資比率の変更により現社名に。三菱重工業も1/3を出資していたが、2012年にすべての株式を譲渡して合弁を解消。
住友ナコフォークリフト
住友重機械工業(日本)とハイスター・エール・グループEnglish版(アメリカ、合弁会社設立当時はイートン社)が日本国内におけるフォークリフト分野での事業提携により合弁で設立した会社。
三井石油開発
当時の三井グループ複数社が当時の特殊法人石油公団の資本介入により、日本国外の石油開発を目的に合弁設立。旧財閥系としてもトップクラスの資本力と実績を持つ。2010年にメキシコ湾で発生した油田原油の流出事故の舞台となったメキシコ湾岸油田に同社が(間接的に)関与していた関係で、支配株主である三井物産と共に巨額の損失を出した。
大阪テレビ放送
1956年に開局した、朝日新聞社朝日放送毎日新聞社・新日本放送(現・毎日放送)の4社合弁による西日本初(日本で3局目)の民放テレビ局郵政大臣の勧告により、3年後の1959年に毎日放送が出資分を朝日放送が引き受け、後に朝日放送と合併(その後毎日放送は独自にテレビ局を開局)。
合弁出資バス事業者
1960年代に道路整備等により長距離バス参入希望社が相次いだ時に競合による過当競争を防ぐため、その路線を運行するための沿線のバス事業者が出資して多くの合弁バス事業者が誕生した。しかし、鉄道の整備やマイカーの増加等により乗客が減少すると、出資者が多岐にわたるため迅速な対応ができず、多くの路線が廃止されるとその時点で会社解散、また存続した路線も資本の一本化が図られ(東北急行バス等)、現在存続するのは東日本急行など僅かになっている。その後、2010年代に入り「新高速バス制度」施行に伴い旧高速ツアーバスを催行していた旅行代理店が自社系列のバス会社を新設する必要が生じたため、旅行代理店と運行委託事業者との共同出資という形で久方ぶりに合弁出資バス事業者が増加した[3]

注釈

  1. “NECの歩み ひと目でわかるNEC” (プレスリリース), 日本電気株式会社, (2016年3月20日), https://jpn.nec.com/profile/corp/history.html . 2016閲覧. 
  2. “ソニー、ソニー・エリクソンの100%子会社化を完了” (プレスリリース), ソニー株式会社, (2012年2月16日), http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201202/12-025/index.html . 2012閲覧. 
  3. WILLER EXPRESSでは、新制度に先立ち主な運行委託事業者であった6事業者との合弁出資でWILLER EXPRESS東北(南部バス)及び北信越(アリーナ)・ニュープリンス高速バス(ニュープリンス観光)・ベイラインエクスプレス(中日臨海バス)・大阪さやま交通(さやま交通)・日本高速バス(日本観光)の計6社が設立された。WILLER GROUP以外では、武元重機と日本案内通信による合弁出資会社サンシャインエクスプレスなどがある。

関連項目