反則打球

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反則打球(はんそくだきゅう)とは、野球において、打者バッタースボックスから完全に片足または両足をはみ出した状態でバットに打球を当てる反則行為の名称[1]

概要

打者はバッタースボックスに両足を置いた状態で打撃を行わなければならない。打撃姿勢をとる段階では、両足をバッタースボックスの内に置くことが要求されているが[2]、実際に打撃を行う際には、片足でも完全にバッタースボックスの外に出て打撃を行った場合に、反則打球とみなされる。ここでバッタースボックスを示す白線はバッタースボックスの一部であり[3]、白線を踏んでいる(少しでも足が白線にかかっている)限りは、反則打球とならない。また、反則打球はバットに投球が当たったときにのみ適用され、打球がフェアボールであるかファウルボールであるかは問われない。

本塁を踏んだ状態でバットを投球に当てるとアウトとする処置を見かけるが、これは誤りであり、野球では踵など足の一部がバッタースボックス内または白線上にあれば、同時につま先が本塁を踏んだ状態であっても反則打球にはならない(ソフトボールはアウトになる[4])。

打者が両足をバッタースボックス内に置いた状態から跳び、両足が空中にある間にバットを投球に当てた場合は、着地したときに両足または片足が完全にボックスの外に出ていても反則とはしない運用がなされている[5]

措置

打者はアウトとなる。塁上の走者は進塁できず、投球当時の占有塁に戻らなければならない。打者の最も近くにいる捕手刺殺がつき、補殺は誰にもつかない。

備考

日本では2005年まで、スクイズプレイに伴う反則打球は、公認野球規則7.08(g)(守備妨害)を適用し、「無死または一死の場合は三塁走者がアウト、二死の場合は打者アウトとなり得点は記録されない」とされてきた。この規則は2006年に改正され、打撃が反則打球である場合は打者をアウトにし、三塁走者は三塁に戻されることとなった。(規則7.08(g)に関連する内容については守備妨害も参照のこと)

  • このルール改正の結果、スクイズプレイを守備側に見破られてピッチアウトされそうになった場合、打者はボックスからどれだけ外に出ようがとにかくバットに球を当てさえすれば、自身はアウトになるが三塁走者がアウトになることはなくなった。2005年までの守備妨害を適用する運用はこういったプレイを抑止するためのものだった。

実際に起こった例

  • 第74回全国高等学校野球選手権大会、3回戦・天理高校奈良県代表)対東海大甲府高校山梨県代表)戦(1992年8月21日)の2回裏、東海大甲府高校の攻撃時に、一死満塁から東海大甲府高校の左打者がスクイズを試みて三塁走者が本塁に触れたが、球審は、東海大甲府高校の打者がスクイズプレイの際、バッタースボックスから左足を完全にはみ出しバットに投球を当てた反則打球と判定した。球審は東海大甲府高校の三塁走者にアウトを宣告し、一・二塁走者は投手の投球当時の占有塁へ戻され、東海大甲府高校の打者は元のボールカウントから打ち直しとなった(※当時の規則による)。なお、当時の実況アナウンサーはこの時「不正打球」と表現している。試合は天理高校が 7 - 4 で勝利を収めた[6]
  • 本多雄一は、日本プロ野球2013年シーズンにおいて、反則打球を2度犯している。

脚注

  1. 公認野球規則6.06(a)
  2. 公認野球規則6.03
  3. 公認野球規則6.03【付記】
  4. OFFICIAL RULES OF SOFTBALL 1.48b
  5. 競技者必携【6.00(問16)】
  6. 朝日新聞デジタル 第74回全国高校野球選手権大会・3回戦(天理 7 - 4 東海大甲府)