南丹市
南丹市(なんたんし)は、京都府中部の丹波地方に位置する市である。
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概要
2006年1月1日に船井郡園部町・八木町・日吉町、北桑田郡美山町が合併して誕生。京都府内では2004年の京丹後市以来となる新市の発足であり、南丹市の後には2007年に木津川市が発足している。なお、南丹とは「丹波の南部」が語源で、市内における市役所以外の施設として京都府の機関である南丹保健所や南丹土木事務所がある。しかし、同じく京都府の南丹広域振興局や京都府立南丹高等学校は亀岡市内にある。気象庁による区分では、京都府南部地方とされている。
また、八木地区(亀岡MA、市内局番20〜59)とそれ以外の区域(園部MA、市内局番60〜89)間相互通話は市外扱い(隣接区域)になるため、市外局番 (0771) が必要である。
南丹市では、合併に伴う主要プロジェクトとして園部地区で実施してきたCATV(ケーブルテレビ)を全市域に拡大し、2007年(平成19年)4月からは日吉地区で、2008年(平成20年)4月からは八木・美山両地区でFTTHによるCATVサービスを提供している。なお、園部地区はHFC(内林地内の一部地域を除く)によるCATVサービス提供となっている。
地理
市域は東西に長く、京都府を南北に区切るような形をしている。日本海に注ぐ由良川と、太平洋に流れる桂川の分水界がある。京都府下では京都市に次ぐ面積を持つ。美山地区は豪雪地帯である。三国岳(959m)山麓の由良川源流域には、京都大学芦生研究林の広大な自然林が広がる。
- 山
- 紫雲山
- 三国岳
- 渓谷
- 河川
隣接する自治体・行政区
福井県・滋賀県・大阪府・兵庫県の自治体と接している。4つの都道府県と接する自治体は、南丹市以外には岐阜県高山市と埼玉県秩父市のみである。
歴史
南丹市の中心部園部は江戸時代、園部藩・小出氏の城下町であった。元和5年(1619年)、小出吉親が園部に封じられ、園部藩が立藩した。以後幕末に至るまで小出氏がこの地を治めた。歴代藩主は桂川の治水に尽力し、園部藩の発展に尽くした。吉親の祖先の小出吉政は豊臣秀吉の従兄弟という豊臣家の親族であったが、園部藩からは徳川幕府の幕閣も輩出している。
沿革
当市域は古い歴史を持つ。異説もあるが八木地区に丹波国府が置かれたり、今では地名となっている氷室があったりするなど、古くから中央律令政府とつながりが深かった。それは恐らく桂川水運が深く関係しているのだろうと思われる。室町時代にも守護細川家の守護所として八木城が築かれ丹波一円の政務を総覧し、丹波国政の中心地となった。
戦国時代には、八木に守護代内藤氏、園部に武名の名高い荒木氏綱、美山地区に秦氏の末裔とされる川勝氏が割拠した。キリシタン大名として名高い内藤如安は、この守護代内藤氏の末裔である。八木城は内藤氏が滅ぼされた後は廃城となった。江戸時代は、小出氏が園部に入部し、園部城を改築、園部藩を形成した。この家は明治維新までこの地の領主だった。
廃藩置県後は園部県、のち京都府に編成される。
- 2001年8月9日 - 京都府中部の1市8町で「京都中部地域行政改革推進会議」を設立。
- 2004年4月1日 - 後に南丹市となる4町が参加した「園部町・八木町・日吉町・美山町合併協議会」が発足。会長に園部町長の野中一二三(のなか かずみ)が就任。
- 2005年
- 2006年1月1日 - 南丹市が発足。
行政
市長
西村良平(にしむら りょうへい) - 2018年(平成30年)4月30日に就任。任期満了日は2022年4月29日。
歴代市長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 2006年(平成18年)2月20日 | 2006年(平成18年)3月22日 | 就任の1か月後、公職選挙法違反の疑いで逮捕され、辞職した。 | |
2 | 2006年(平成18年)4月30日 | 2018年(平成30年)4月29日 | 旧4町の首長陣、野中広務らの推薦を受けるなか、2006年4月30日に初就任。3期務めた。任期満了日は2018年(平成30年)4月29日。無所属。園部町出身。旧職は園部町収入役。 | |
3 | 2018年(平成30年)4月30日 |
役所
市役所は旧園部町役場を使用。本庁の庁舎・駐車場は1998年(平成10年)までは園部町立園部小学校校舎・体育館・運動場だった。小学校の移築に伴い空き校舎となり一時は老人福祉施設として活用され、その後、園部町役場として使用される。
支所一覧
- 園部支所(2007年7月31日廃止、事務は8月1日組織再編により本庁に統合)
- 八木支所
- 日吉支所
- 美山支所
警察
※美山町は2006年4月1日まで京北警察署の所轄であったが、京都府警察の警察署再編計画により京北警察署は廃止され、美山町は園部警察署の所轄に編入された。同時に南丹警察署に署名変更。
消防
- 京都中部広域消防組合園部消防署
その他の公的機関
- 京都中部総合医療センター
- 園部区検察庁
- 園部税務署
- 園部労働基準監督署
- 美山文化ホール
立法
市議会
- 定数:22名
- 任期:平成26年2月19日〜平成30年2月18日
京都府議会
- 定数:1名(南丹市・船井郡選挙区)
- 任期:2015年(平成27年)4月30日 - 2019年(平成31年)4月29日
国会議員
- 衆議院小選挙区では、京都市右京区・西京区、亀岡市、船井郡京丹波町と共に京都府第4区を構成する。
司法
地域
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、4.13%減の35,220人であり、増減率は府下26市町村中15位、36行政区域中24位。
南丹市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
市勢
- 人口: 35,102人
- 男性: 16,967人
- 女性: 18,135人
- 世帯数: 12,560世帯
- 人口密度: 56.95人/km2
(2010年1月1日現在)[1]
教育
大学
専修学校
高等学校
- 府立
- 私立
- 京都聖カタリナ高等学校 看護科5年一貫課程
- 京都美山高等学校の美山町の校舎は閉鎖。現在は京都市内にインターネット通信制の校舎がある。
中学校
小学校
特別支援学校
経済
本社を置く主な企業
市内に事業所を置く主な企業
金融機関
郵政グループ
姉妹都市・提携都市
国外
- 姉妹都市
国内
- 兵庫県の旗 丹波市(兵庫県)
- 2014年(平成26年)5月9日 丹波災害時相互応援協定締結
- 兵庫県の旗 篠山市(兵庫県)
- 2014年(平成26年)5月9日 丹波災害時相互応援協定締結
- 福知山市(京都府)
- 2014年(平成26年)5月9日 丹波災害時相互応援協定締結
- 亀岡市(京都府)
- 2014年(平成26年)5月9日 丹波災害時相互応援協定締結
- 綾部市(京都府)
- 2014年(平成26年)5月9日 丹波災害時相互応援協定締結
- 京丹波町(京都府)
- 2014年(平成26年)5月9日 丹波災害時相互応援協定締結
交通
鉄道路線
市の中心となる駅:園部駅
路線バス
道路
- 高速道路
- 一般国道
- 主要地方道
- 京都府道12号綾部宮島線
- 京都府道19号園部平屋線
- 京都府道25号亀岡園部線
- 京都府道34号綾部美山線
- 京都府道38号京都広河原美山線
- 京都府道50号京都日吉美山線
- 京都府道54号園部能勢線
- 京都府道78号佐々江下中線
- 京都府道80号日吉京丹波線
- その他の府道
- 京都府道363号宮ノ辻神吉線
- 京都府道364号中地日吉線
- 京都府道368号和泉宮脇線
- 京都府道369号八原田上弓削線
- 京都府道370号佐々里井戸線
- 京都府道408号郷ノ口室河原線
- 京都府道441号八木停車場線
- 京都府道442号園部停車場線
- 京都府道443号佐々江京北線
- 京都府道445号富田胡麻停車場線
- 京都府道451号吉富八木線
- 京都府道452号長谷八木線
- 京都府道453号大河内口八田線
- 京都府道454号竹井室河原線
- 京都府道455号八木東インター線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- るり渓(園部町大河内、瑠璃渓、日本の音風景100選)
- るり渓温泉(国民保養温泉地は、るり渓高原温泉という源泉の名前)
- かやぶきの里・北村(美山町北、重要伝統的建造物群保存地区)
- 田原の御田(重要無形民俗文化財)
- 道の駅スプリングスひよし
- 道の駅丹波マーケス
- 大野ダム(美山町樫原) - 京都府景観資産(2012年登録)、桜・紅葉の名所
- 日吉ダム
- 生身天満宮(園部町美園町) - 日本最古の天満宮
- 春日神社(園部町高屋) - 本殿は国の重要文化財
- 大山祇神社(園部町大河内)
- 摩氣神社(園部町竹井)
- 荒井神社 (南丹市)(八木町美里)
- 住吉神社(八木町西田山崎)
- 幡日佐神社(八木町氷所中谷山)
- 船井神社(八木町船枝)
- 宗神社(八木町屋賀永寿)
- 西乗寺(美山町下平屋) - 本尊が国の重要文化財
- 九品寺(園部町船阪) - 山門が国の重要文化財
- 徳雲寺(園部町小山東町塩田谷)[2]
- 普済寺(園部町若森庄気谷)[3]
- 曹洞宗 医王山福寿寺・通称 京都帝釋天(八木町船枝志里ノ内)
- 園部城跡(園部藩):京都府指定文化財
- 八木城跡(丹波内藤氏)
- 西光寺[4]
- 池上院[5]
出身有名人
- 芦田讓 - 京都大学名誉教授、NPO法人環境・エネルギー・農林業ネットワーク理事長
- 麻田弁自 - 日本画家、版画家
- 磯部清吉 - 平屋村村会議員・同村長、京都府議会議員を務めた後、昭和3年政友会から衆議院議員に初当選、昭和11年まで3期務めた。道路の守と言われ、道路改修に才能発揮、また小椋池の干拓、京都 - 舞鶴間の道路整備にも尽力。犬養毅元首相と親しく、芦田均元首相に兄と慕われた。京都帝国大学卒。
- 岩井文助 - 天保13年上平屋生。大阪で甥の岩井勝次郎(妹の息子、文助の長女と結婚)と岩井商店を創業(日商岩井を経て現在双日)、ダイセル、富士写真フイルム、関西ペイント、トクヤマ、日新製鋼等を傘下に。
- 木戸たつよし - 日吉町出身の歌手。関西を中心にコンサート、ラジオ、テレビで活躍してた。
- 江村彩子 - オマーンの日本語新聞「サラーム」編集委員
- 川勝寛治 - 幕末の尊攘派志士
- 川勝堅二 - 三和銀行頭取・会長、経団連副会長、国立京都国際会館理事長を歴任
- 川勝秀氏 - 島城(美山町静原)に生まれる。田辺城の戦いに西軍に与して参戦。のちに、徳川旗本となった。
- 川勝昭平 - 青山学院大学名誉教授
- 川勝傳 - 南海電気鉄道会長兼社長、日本民営鉄道協会会長、南海ホークスオーナー、大日本紡績(現: ユニチカ)元社長
- 川勝瀬平 - 明治初期に西谷池開削を指導した篤農家
- 北側勉 - 養豚場の日吉ファームの代表取締役。飼料給与技術の研究開発などにも尽力し、緑白綬有功章、農水大臣賞などを受賞。
- 黒木彰一 - フジテレビチーフプロデューサー
- 小西良輝 - ロードレース選手
- 杉本淳子 - 京都造形芸術大学名誉教授
- 高木文平 - 京都電気鉄道社長
- 竹井功一 - 小倉興産社長
- 田中昌太郎 - 立命館大学学長
- 田中好 - 政治家
- 田中隆久 - マレーシアのプトラ大学教員
- 智蘊 - 蜷川親当。室町幕府の政所代。アニメ『一休さん』に登場する蜷川新右衛門のモデル。旧船井郡を知行したと言われる。
- 内藤如安 - 八木城主。キリシタン大名として知られる。
- 中川泰宏 - 政治家
- 中田慶雄 - 日本国際貿易促進協会前理事長、現副会長。昭和5年平屋村野添生。昭和20年旧満州へ渡り敗戦後ソ連軍に投降、収容所で暮らす。収容所脱出後も中華人民共和国に留まり中国人民大学、復旦大学等で学び中国で活躍。昭和33年帰国し、日中交流に尽力。
- 西田達雄 - 住友商事顧問
- 野中広務 - 政治家(園部町議、園部町長、京都府議、京都府副知事、衆議院議員を歴任)
- 野々村仁清 - 江戸初期の陶工
- 原潔 - 神戸商船大学学長、京都大学監査役(高屋ただし元府議会議員の実弟)
- 廣瀬勉 - 熊本大学教授
- 広瀬寿子 - 児童文学作家
- 藤林益三 - 最高裁長官
- 藤本守 - 前大阪医科大学学長
- 古谷三代吉 - 平屋村内久保出身。明治時代の建築家。
- 馬渕睦夫 - 在キューバ共和国特命全権大使
- 宮本茂 - ゲームクリエイター、任天堂株式会社代表取締役専務・情報開発本部長
- 森良男 - 俳優
- 山名二郎 - 大和証券副社長
- 吉田勝美 - リコー米国会長兼最高経営責任者、リコー常務取締役
- 吉田千恵 - ミュージカル俳優
- 吉田治人
在住有名人
- ブラッキー中島隆章、ウィーラースクールジャパン(自転車教室)主催
脚注
- ↑ 京都府統計データ(人口と世帯の数値)
- ↑ 京都・園部探訪記-徳雲寺-、南丹市:南丹市園部の文化財
- ↑ [1]
- ↑ 南丹市:八木町内の寺院
- ↑ 南丹市:八木町内の寺院
関連項目
外部リンク
綾部市 | おおい町 | 高島市 | ||
京丹波町 | 北 | 京都市 | ||
西 南丹市 東 | ||||
南 | ||||
篠山市、能勢町 | 亀岡市 |