共同浴場

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日本最古の共同浴場といわれる『つぼ湯』(湯の峰温泉

共同浴場(きょうどうよくじょう)とは、主に温泉地に存在する、地元の人々が管理する温泉を利用した浴場。広義では公衆浴場も含まれる。共同湯(きょうどうゆ)や、北陸地方では[1]総湯(そうゆ)[2]といった言い方もある。料金はそれぞれの施設が定めており、主に清掃協力金などの名義で徴収している。露天風呂は、上記の利用形態に準じている場合でも、「共同浴場」と呼ばれることはあまりない。ただし南紀白浜温泉の崎の湯の様に、共同浴場として扱われる露天風呂も存在する。

なお、温泉が存在しない地域でも、銭湯などがない場所では集落の風呂として共同浴場が戦後まで存在した地域もある。ただし、こちらは家庭風呂の普及とともに姿を消している。

概要

古くからの比較的規模の大きい温泉地には、共同湯が必ずといっていいほどあり、観光客や地元の人たちに利用されるなど重要な観光施設の一つとなっている。多くは温泉街の中心にあり、温泉地のシンボルともなっている。なかには複数の共同浴場を持つ温泉地もある。複数共同浴場を持つ温泉地では、外湯巡りを温泉地の名物とするところも多い。例えば共同温泉、協同温泉、市営温泉、外湯などの施設がジモ専(後述)も含めると数百ヶ所もある別府温泉では、それらの施設を88カ所巡って温泉道名人認定を目指す別府八湯温泉道というイベントがある。

施設の管理は、地元の管理組合で行っているものが中心である。野沢温泉ではこの管理組合のことを「湯仲間」と呼ぶ。管理組合に加入している家は、浴場の管理を当番制で担当することが多い。常に管理担当人が常駐できるわけではないので、入浴料金は徴収箱に入れたり、近隣の商店で支払ったりする。管理人不在の場合無銭入湯をされる場合もあり、それを嫌って共同浴場の入り口に鍵をかけ、鍵の貸し出しをもって入浴料徴収を行うケースもある。

規模の大きい共同浴場では、自治体が管理を行ったり、専任の管理組合を設立している。そのような場合、建物は休憩所など様々な設備を備えたものに改装されていることが多く、実態は公衆浴場に近いと言える。

もともとは、自然に湧出する温泉を地元の人が共同で使い、やがて自治会等で管理するようになったものから派生している。名称にそうした経緯を感じさせるものもみられ、温泉都市とも呼ばれる別府市などでは、各町内会で運営されている共同温泉の2階に地区公民館が併設されている所も多く見られる。

歴史のある共同浴場は木造のものも多く、道後温泉本館に代表されるように当該地域の観光のシンボルともなっている。また地元の人たちの交流の場でもあり、山中温泉の総湯である「菊の湯」などは、夕方から夜過ぎに地域の人が続々と温泉に入りに来て一種の社交場と化す。

アニメーション千と千尋の神隠し』の舞台である「油屋」も、そのモチーフの中の1つに共同浴場があると言われる。

ジモ専

共同浴場は温泉地によっては観光施設として組み込まれ、地元観光協会が作成する地図、パンフレットにおいても温泉街の名所のひとつとして記載されていることが多い。しかしながら、あくまで地域住民の施設であり、依然として地域住民のお風呂としての面が強い。温泉地においては、行政の単位が共同浴場単位で構成されている土地もあり、また一般家庭には温泉は引かれていない場合も多く、未だ家庭風呂を持たない家も多い。

そのため、観光客に共同浴場を開放している温泉地があるかたわら、一部の温泉地ではマナーの問題や過剰な混雑発生を嫌って地元の人のみに利用を制限している。そのような浴場の事を、温泉愛好家の間では「ジモ専」(「地元専用」の略語)と呼んでいる。地元の人以外に宿泊客のみに開放する場合、特定の曜日のみ一般開放する場合、なども存在する。また、かつては共同浴場に宿泊客が入ることができるようにするため、住民と旅館の覚書が交わされた地区もある。例えば、湯田中温泉では、9軒の共同浴場のうち一番湯である大湯のみを観光客に開放している。ほかは特定曜日のみ開放する浴場や、通年宿泊客と地元の人にのみ利用を制限した浴場となっている。

各地の共同浴場(ギャラリー)

各地の共同浴場例

脚注

  1. 「総湯」って何ですか? 宝生亭、2016年9月25日(2017年12月22日閲覧)。
  2. 総湯とは コトバンク(デジタル大辞泉・大辞林)、2017年12月22日閲覧。

関連項目