八溝山

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八溝山(やみぞさん)は、茨城県福島県の県境にある標高1,021.8mのである。茨城県の最高峰で、茨城県北ジオパークのジオサイトの一つ。

概要

山頂は福島県東白川郡棚倉町と茨城県久慈郡大子町との境にあり、栃木県との境界から東へ1km未満の距離にある。八溝山地の主峰で北麓には久慈川の源流がある。八合目[1]の南麓には久慈川支流の八溝川の源流である八溝川湧水群があり、水戸光圀が命名したと伝えられる八溝五水(金性水、鉄水、龍毛水、白毛水、銀性水)が名水百選に選ばれている[2]樹木ブナダケカンバカエデミズナラスギなどが自生していて、保護林の八溝山天然林がある(八溝山天然林保存会)。

山頂には日本のを模した展望台(2012年11月現在無料)があり[3][4]、展望台からは阿武隈高地をはじめとして磐梯山奥日光那須連山などの山々を望むことができる。気象条件に恵まれれば筑波山富士山が見えることもある[4]東京スカイツリーは肉眼では見えないものの、撮影に成功した例がある [5]

歴史

古来よりの信仰の山でもあり[3]、山頂に豊作祈願の神[3]である八溝嶺神社(やみぞみねじんじゃ)が、八合目に坂東三十三箇所の二十一番札所である日輪寺(にちりんじ)がある。八溝山の名は八つの谷に分かれた山容から空海(弘法大師)が命名したと伝えられているが[2]、日輪寺の名もまた空海がこの地で邪鬼を退散させた伝説に由来するといわれる[3]

元治元年9月の天狗党の乱では、水戸天狗党の別働隊の田中源蔵ほか300余名が追討軍に追い詰められ、山頂の八溝嶺神社に立て篭もった。しかし、食料不足、情勢から神社前で隊を解散した。田中、隊員たちは下山後、捕縛されほとんどが処刑された。

交通

山頂まで登山道があり、公共交通機関で行く場合は、JR水郡線常陸大子駅から茨城交通バスで蛇穴(じゃけち)まで約45分、蛇穴から山頂まで徒歩で約3時間かかる。

また、山頂まで舗装された林道(八溝林道、および八溝山線林道)と茨城県道248号八溝山公園線が通じており、自動車で山頂付近まで上がることもできる。林道は細く急なカーブの連続[3]、きつい勾配もある[3]。県道248号は2014年3月に開通した。八溝山線林道途中の八合目にある旧参道入口、および山頂に程近い八溝林道と八溝山線林道の交点には駐車場とトイレがある[4][6]

周辺

八溝山の画像

八溝山地空撮。中央のピークが八溝山頂。2008年6月14日撮影  
八溝山山頂の展望台(2012年11月現在無料)。城を模したデザインになっている。  

脚注

  1. 八溝山”. 発見!! いばらき. 茨城県. . 2009閲覧.
  2. 2.0 2.1 八溝川湧水群(やみぞがわゆうすいぐん)”. 環境省選定 名水百選. 環境省. . 2009閲覧.
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 「八溝川湧水群」『栃木と周辺の渓谷散歩と湧水めぐり』 下野新聞社、1999年9月1日、初版、72-75頁。ISBN 4-88286-106-2。
  4. 4.0 4.1 4.2 松倉一夫ほか 「80.八溝山」『日本産百名山登山ガイド』上巻、山と渓谷社、2000-09-15、第3刷、166-167頁。ISBN 4-635-53020-5。
  5. 福島・茨城県境の山頂からスカイツリー撮った!”. 読売新聞社. . 2012閲覧.
  6. 「遊歩道図」『栃木と周辺の渓谷散歩と湧水めぐり』 下野新聞社、1999年9月1日、初版、160頁。ISBN 4-88286-106-2。

関連項目

外部リンク