京都市美術館

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京都市美術館(きょうとしびじゅつかん)は京都府京都市左京区岡崎岡崎公園にある美術館。1933年(昭和8年)開館。1928年(昭和3年)に京都で行われた昭和天皇即位の礼を記念して計画が始まったため、当初は大礼記念京都美術館という名称であった。本館の設計は前田健二郎。敗戦後駐留軍により接収されていた。1952年(昭和27年)の接収解除時に京都市美術館に改称[1]。館長は潮江宏三

概要

公立美術館としては東京都美術館に次ぎ日本で二番目。東京都美術館同様に公募展の貸し会場となったほか、独自のコレクションを形成し常設展も開始した。2000年(平成12年)には公募展などの増加に対応するため、別館を開館している。

コレクションは明治以降~1990年(平成2年)頃にまで至る日本画、洋画、工芸作品などが中心。主な展覧会はこれらコレクションを年数回テーマを変えて展示換えする常設展のほか、各種公募展、大学の卒業展などがある。また、新聞社主催の大規模展覧会が集客の核になっている。

2019年に新館建設などリニューアルを実施するのに合わせ、京都市は2016年9月1日から30日にかけ、費用の獲得と愛称を決める目的で命名権の募集を実施したが、市民団体有識者などからは「公共の文化財に一企業の名称が被るのは相応しくない」などの異論が出ている[2][3]。同年10月6日、京都市は同市伏見区に本社を置く京セラ[4]に命名権を売却すると発表、再オープン後は「京都市京セラ美術館」の名称となる。 再オープン時から50年契約の総額50億円(消費税別)[5]で、2017年度から2019年度に3回に分けて支払われる。これによりリニューアルにかかる整備事業費のおよそ半額が賄われる。[6]

ファイル:Kyoto Municipal Museum of Art.JPG
京都市美術館の看板 大禮記念 という文字が消されている。

主な収蔵品

  • 浅井忠 - 『グレーの柳』1901年、『漁村の少女』
  • 梅原龍三郎 - 『秋山烟景』1959年
  • 岡田三郎助 - 『満州記念』1933年
  • 小磯良平 - 『踊りの前』1934年
  • 里見勝蔵 - 『舞妓』1921年、『女』1925年、『橄らん』1960年 - 1962年、『不動像』1944年、『あじさい』『人物(顔)』
  • 須田国太郎 - 『早春』1934年、『村』1937年、『隼』1940年、『葛城山』1940年 - 1961年、『石組(保国寺後庭)』1944年、『八幡平』1954年、『三輪の山なみ』1961年
  • 藤島武二 - 『神戸港の朝陽』1935年
  • 三尾公三 - 『夢幻の刻』1987年
  • 安井曽太郎 - 『栗田口風景』1905年、『自画像』1906年
  • 和田三造 - 『按摩さん』1936年
  • 池田遥邨 - 『南禅寺』1926年、『雨の大阪』1935年、『寂』1970年、『囁』1972年、『雪田』1979年、『葦風』1981年
  • 伊藤小坡 - 『夏』1920年
  • 上村松園 - 『待月』1926年、『晴日』1941年、『春日長』
  • 宇田荻邨 - 『太夫』1920年、『港』1921年、『栗』1935年、『御塩殿』1944年、『清水寺』1957年
  • 小野竹喬 - 『南島四季のうち春秋』1913年、『冬日帖』1928年、『夕雲』1965年、『沼』1970年、『海』1974年
  • 甲斐庄楠音 - 『青衣の女』1919年、『母』1927年
  • 梶原緋佐子 - 『若き日』1916年、『赤前掛』1916年、『よもやま話』1916年、『暮れゆく停留所』1918年、『ねがい』1919年、『古着市』1920年、『旅の楽屋』1925年、『娘義太夫』1925年、『姉妹』、『暖』、『帰郷』、『白絹』、『いでゆの雨』1931年、『機』1933年
  • 金島桂華 - 『叢』1918年、『芥子』1925年、『紅蜀』1934年、『画室の客』1954年、『野牛』1958年
  • 菊池契月 - 『赤童子』1926年、『経政』1926年、『敦盛』1927年、『南波照間』1928年、『少女』1932年、『友禅の少女』1933年、『散策』1934年、『交歓』1938年、『小楠公弟兄』1943年、『供燈』
  • 北澤映月 - 『娘』1935年、『明裳』1940年、『ある日の安英さん』1967年
  • 北野恒富 - 『浴後』1912年、『いとさん、こいさん』1936年、『真葛庵之蓮月』1942年
  • 小林柯白 - 『那智滝』1939年、『竜安寺の庭』1941年、『馬を洗う』1942年
  • 竹内栖鳳 - 『芙蓉』1882年、『年中行事』1886年、『池塘浪静』1887年、『雲龍』1887年、『遊鯉』1887年、『宇野老人像』1895年、『渓山秋月』1899年、『散華』1910年、『散華』1910年、『熊』1910年、『雨』1911年、『絵になる最初』1913年、『金魚の句』1913年、『潮沙永日』1922年、『酔興』1924年、『馬に乗る狐』1924年、『うな辺』1926年、『雷公』1930年、『松』1932年、『水村』1934年、『風竹野』1934年、『風竹』1934年、『驟雨一過』1935年、『静閑』1935年、『雄風』1940年、『色紙十二ヶ月』1926年 - 1941年、『八功徳水』、『冬瓜にねずみ』
  • 土田麦僊 - 『朝顔』1929年、『平牀』1933年
  • 堂本印象 - 『水郷欲雨』1935年、『婦女』1948年、『無礙』1958年
  • 徳岡神泉 - 『麦』1934年、『流れ』1954年、『筍』1963年
  • 冨田渓仙 - 『宇治川之巻-宇治橋・伏見』1915年、『雲ケ畑の鹿』1930年、『雪中鹿』1930年、『伝書鳩』1934年、『大津絵絵巻』
  • 中村大三郎 - 『ピアノ』1926年、『女人像』1934年
  • 西村五雲 - 『海驢』1934年、『園裡即興』1938年
  • 橋本明治 - 『浄心』1937年
  • 福田平八郎 - 『菊』1928年、『白梅』1934年
  • 前田青邨 - 『観画』1936年
  • 村上華岳 - 『阿弥陀』1916年、『翠巒飛鷺』1932年、『飛天光図』
  • 山口華楊 - 『草』1941年、『霽』1968年、『鶏頭の庭』1977年

施設概要

  • 本館 - (前田健二郎設計、1933年(昭和8年)竣工)
  • 別館(旧・京都市公会堂東館、京都会館別館) - (京都市建築課設計、1931年(昭和6年)竣工)

交通アクセス

脚注

  1. http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/kmma/about/index.html
  2. 京都市美術館 命名権募集 19年度リニューアル開館 50年で50億円 /京都 毎日新聞 2016年9月6日
  3. 京都市美術館 京都市○○○美術館? 命名権売却先を募集 市、50年50億円希望/「公共の文化財」異論も 毎日新聞 2016年9月30日
  4. なお、京セラは本美術館とは別に自社の運営による「京セラ美術館」を本社に併設する形で保有している。
  5. 京都市が行った同様の長期的な命名権売却として、50年契約を行ったロームシアター京都がある。
  6. 命名権を売却、「京都市京セラ美術館」に 総額50億円 - 朝日新聞、2016年10月7日

外部リンク