「京浜工業地帯」の版間の差分

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[[ファイル:京浜工業地帯.jpg|サムネイル]]
[[File:Chidori Canal.jpg|thumb|300px|川崎市[[川崎区]][[千鳥運河]]の夕景]]
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'''京浜工業地帯'''(けいひんこうぎょうちたい)
'''京浜工業地帯'''(けいひんこうぎょうちたい)は、[[東京都]][[大田区]]、[[神奈川県]][[川崎市]]、[[横浜市]]を中心に、[[東京都]]、[[神奈川県]]、[[埼玉県]]に広がる[[工業地帯]]である。かつては名前の通り、東'''京'''から横'''浜'''までの[[東京湾]]西岸、[[京浜運河]]に広がる埋め立て工業地帯であったが、次第に範囲が東海道沿いの[[藤沢市]]・[[茅ヶ崎市]]・[[平塚市]]や、内陸の[[相模原市]]・[[さいたま市]]・[[川口市]]・[[八王子市]]・[[立川市]]にまで拡大していった。[[三大工業地帯]]のひとつで、[[太平洋ベルト]]の中核であり、日本有数の工業地帯である。
 
  
また、東京湾沿岸に[[千葉県]]へ伸びて[[京葉工業地域]]を形成、さいたまから[[東北自動車道|東北道]]沿いに[[北関東工業地域]]を形成している。
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東京都,川崎市,横浜市を中心とした日本最大の工業地域。狭義には東京湾西岸の東京都区部,川崎市,横浜市一帯をさすが,一般には北は[[上尾市]],南は[[横須賀市]],西は[[八王子市]],南西は[[平塚市]]に及ぶ地域をさす。この工業地帯の萌芽は,すでに江戸時代の職人町の形成にみられるが,明治末期以降,川崎を中心とする臨海地域の埋立てが進行するとともに,次第に重化学工業が集中,さらに昭和期に入って軍需産業の伸展とも関連して工業地域化の波は内陸部へも及んでいった。このような工業地域の拡大とともに,大気汚染,騒音などの公害が社会問題となるとともに,経済の高度成長に伴い,縁辺地域への伸展が近年著しくなり,現在では,東京湾東岸の京葉工業地域をも含め,東京,神奈川,千葉,埼玉の1都3県の南関東を広義の京浜工業地帯ということがある。総合的工業地域ではあるが,特に機械工業の占める比率が高い。公害に対しては,地下水汲上げの制限・禁止や大気汚染,水質汚濁,騒音などの厳重な検査を行なっている。
  
== 概要 ==
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{{テンプレート:20180815sk}}
[[File:Tokyo Kawasaki.jpg|thumb|京濱工業地帯(写真右部分)]]
 
[[中京工業地帯]]・[[阪神工業地帯]]・[[北九州工業地帯]]と比較した場合、事業所数・従業員数・付加価値額で見た規模は1位であった。しかし、1999年、製造品出荷額の規模は中京工業地帯に次いで2位となった。2006年には製造品出荷額で30兆5099億円となり阪神工業地帯(31兆1028億円)に逆転され3位に転落した。現在の製造品出荷額は30兆8394億円である。(工業統計2007年)
 
* 東京都・[[神奈川県]]
 
*: 事業所数(従業員4人以上の事業所)は2万9504ヶ所、従業者数80万6973人、製造品出荷額は約30兆8394億円、付加価値額は約10兆6320億円。
 
* 東京[[特別区|23区]]・川崎市・横浜市
 
*: 事業所数(従業員4人以上の事業所)は約2万2千ヶ所、従業者数40万8856人、製造品出荷額は約13兆2272億円、付加価値額は約4兆8858億円。
 
(いずれも工業統計表、2004年 2006年 2007年発表)
 
 
 
巨大な消費市場と原料・製品の輸出入に便利な[[港湾]]([[東京港]]・[[川崎港]]・[[横浜港]])を有する。鉄鋼・機械・化学などの[[重化学工業]]、食品・繊維などの[[工業|軽工業]]ともに発達しているが、重化学工業の割合が多く、印刷・出版や雑貨工業の発達が特徴的である。(日本最大の印刷工場が東京にある)また、中小規模の工場が多いことも特徴である。
 
 
 
京浜工業地帯は、阪神工業地帯より遅れて工業地帯となった。しかし、沿岸部のみならず、内陸にまで工業地帯を広げ、機械工業などの都市型工業を立地させ、発展してきた。
 
 
 
臨海部([[横浜市]]、[[川崎市]]、[[大田区]]など)では鉄鋼業や化学工業、内陸部([[八王子市]]、[[立川市]]など)では機械工業が発達している。
 
 
 
最近では工場・倉庫の跡地、埋め立てて使われていない土地などを利用して、[[お台場]]・[[お台場海浜公園]]、[[横浜みなとみらい21|みなとみらい]]・[[横浜赤レンガ倉庫|赤レンガパーク]]など、観光施設に整備されている地域もある。
 
 
 
また[[大田区]][[羽田旭町]]の大田区創業支援施設、[[大田区]][[南六郷]]の大田区新産業創造支援施設、[[大田区]][[蒲田]]の大田区産学連携施設、[[横浜市]][[金沢区]]にある[[横浜金沢ハイテクセンター]]、横浜新技術創造館、SOHO横浜インキュベーションセンター、かわさき新産業創造センター、[[かながわサイエンスパーク]]等の、[[イノベーション]]による新産業創出や、[[起業]]を期待されているインキュベート施設や、[[横須賀リサーチパーク]]や[[かわさきマイコンシティ]]等の、[[ハイテク]]企業を集積した産業クラスターもある。
 
 
 
== 歴史 ==
 
[[明治]]30年代から明治40年代にかけて日本の工業は、[[繊維]]・[[製紙]]・[[食品]]などの軽工業から、[[鉄鋼]]・[[造船]]・[[機械]]などの[[重工業]]が中心に取って代わり始める。重工業は軽工業とは違い、広大な敷地や多量の資源が必要となり、それを受け入れ、送り出すための[[港]]も必要になる。
 
 
 
=== 埋め立て ===
 
東京は、明治期に越中島地先、芝田町(現:[[芝 (東京都港区)|芝]]、[[田町 (東京都港区)|田町]])地先、芝車町([[高輪]])など、東京臨海部の埋め立てが始まっていった。
 
[[芝浦]]などの[[隅田川]]河口部や、[[荒川 (関東)|荒川]]河口部なども次次と埋め立てられていき、[[運河]]が掘られていった。
 
 
 
横浜・川崎は、明治期、横浜の[[鶴見区 (横浜市)|鶴見区]]に、京浜工業地帯の生みの親と言われる[[浅野総一郎]]らが「鶴見埋立組合」(後の[[東亜建設工業]])を設立し事業を開始した。
 
大正から[[昭和]]初期にかけて、今の[[神奈川区]]千若町・新浦島町・守屋町、鶴見区[[生麦]]・末広町・安善町、川崎市[[川崎区]]白石町・浅野町など、横浜・川崎地区に人工島を造成され、同時に運河が掘られた(これらを隔てていた運河は後に埋め立てられ、現在では陸続き)その後も土地の不足により、神奈川区出田町・恵比須町・宝町、鶴見区大黒町・末広町が埋め立てられる。埋め立てを行っている間にも様々な企業が集積し、工業地帯として発展を続けていった。
 
 
 
=== 東京から横浜へ ===
 
大正期には[[第一次世界大戦]]の軍需で発展し、戦勝国である日本は好景気になった。この頃から、東京に集中していた工場群が横浜・川崎にも多く進出し始めてきた。その後[[関東大震災]]を契機に、東京から工場が横浜・川崎へ移転し、京浜工業地帯は完全に横浜まで広がった。
 
震災前、三港周辺の工場群は独立していた。そのため横浜の実業家[[原三渓]]などは、鶴見に[[火力発電所]]を作るために投資し、横浜と川崎を工業地帯化させ、次第に今のような工業地帯となっていった。
 
 
 
[[満州事変]]が起こると、軍需産業がさらに成長した。特に造船・[[自動車]]産業は[[日本政府|政府]]に支援され、[[1933年]]には横浜市神奈川区宝町で[[日産自動車]]が創立した。現在[[横浜みなとみらい21|みなとみらい]]となっているところは、かつて[[横浜船渠|三菱重工業横浜造船所]](現・[[三菱重工業横浜製作所]])があった。
 
 
 
=== 戦災と復興 ===
 
[[太平洋戦争]]が起こると、当工業地帯は[[東京大空襲]]・[[川崎大空襲]]・[[横浜大空襲]]によって壊滅的な打撃を受けた。さらに終戦後、[[アメリカ軍|米軍]]により接収が行われ、工業活動が停滞した。現在でも横浜市部には多くの米軍施設が残り、代表的な例では神奈川区の[[瑞穂埠頭]]があり、[[横浜ノースドック]]として接収されたままとなっている。
 
 
 
[[朝鮮戦争]]が起こると、停滞していた工業活動も再び動き始め、[[高度経済成長]]の時代に突入。鉄鋼・[[非鉄金属]]・[[エネルギー]]が伸び始め、それに合わせて東京港修築計画等による港湾設備・道路などの産業基盤が整備され、一大工業地帯へと発展した。
 
同時に土地不足も顕在化し、東京都は[[大田区]]地先に[[京浜島]]・[[昭和島]]・[[城南島]]の造成を行い、川崎市は[[扇島]]・[[東扇島]]の造成を行い、横浜市は[[大黒埠頭]]・[[本牧埠頭]]の造成、根岸湾岸の埋め立てを行った。
 
 
 
=== 郊外への拡散 ===
 
[[1960年]]([[昭和]]35年)頃から、工業地帯に工場・人口が集中するのに合わせて、土地の高騰、工業用水の不足、道路の渋滞などの様様な問題が現れ始めた。特に、工場から出る排水・排煙によって起こった[[川崎公害]]などの環境問題が社会問題となった。そこで、工業施設の過度の集積、工場の建て替え・拡張を規制し、公害防止関係法が制定された。これにより、多くの工場が中心部を離れ、埋立地や郊外へ移転した。
 
 
 
== 京浜港の役割 ==
 
* [[東京港]] - 国際貿易港・国内の物流拠点港。客船ターミナル。
 
* [[川崎港]] - 工業港。
 
* [[横浜港]] - 国際貿易港・工業港。客船ターミナル。
 
 
 
外国貿易コンテナ取扱量は、三港で日本の約四割を占める。
 
 
 
==主な研究所==
 
* 東京
 
* 川崎
 
* 横浜
 
 
 
== 主な工業都市 ==
 
* [[東京]] - 精密機械や出版・印刷など
 
* [[横浜市]]・[[横須賀市]] - 造船・自動車
 
* [[日野市]] - 自動車
 
* [[藤沢市]]・[[茅ヶ崎市]] - 自動車
 
* [[相模原市]] - 自動車部品
 
* [[八王子市]] - 綿織物
 
* [[川崎市]] - 鉄鋼(JFEスチール)・石油化学(新日本石油・東燃化学)・うま味調味料(味の素)
 
 
 
== 関連項目 ==
 
[[浅野総一郎]](京浜工業地帯の埋めたて作業の第一人者。)
 
* [[東海道貨物線]]
 
* [[京浜線]]
 
* [[鶴見線]]
 
* [[根岸線]]
 
* [[南武線]]
 
* [[横浜線]]
 
* [[東海道線 (JR東日本)|東海道線]]
 
* [[横須賀線]]
 
* [[京浜急行電鉄]]
 
* [[東京モノレール羽田線]]
 
* [[湘南モノレール江の島線]]
 
* [[中京工業地帯]]
 
* [[阪神工業地帯]]
 
* [[北九州工業地帯]]
 
* [[北関東工業地域]]
 
* [[関東地方]]
 
** [[北関東]]
 
** [[南関東]]
 
* [[三大都市圏]]
 
* [[首都圏 (日本)|首都圏]]
 
* [[東京湾]]
 
 
 
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[[Category:日本の工業地域]]
 
[[Category:日本の工業地域]]

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京浜工業地帯.jpg

京浜工業地帯(けいひんこうぎょうちたい)

東京都,川崎市,横浜市を中心とした日本最大の工業地域。狭義には東京湾西岸の東京都区部,川崎市,横浜市一帯をさすが,一般には北は上尾市,南は横須賀市,西は八王子市,南西は平塚市に及ぶ地域をさす。この工業地帯の萌芽は,すでに江戸時代の職人町の形成にみられるが,明治末期以降,川崎を中心とする臨海地域の埋立てが進行するとともに,次第に重化学工業が集中,さらに昭和期に入って軍需産業の伸展とも関連して工業地域化の波は内陸部へも及んでいった。このような工業地域の拡大とともに,大気汚染,騒音などの公害が社会問題となるとともに,経済の高度成長に伴い,縁辺地域への伸展が近年著しくなり,現在では,東京湾東岸の京葉工業地域をも含め,東京,神奈川,千葉,埼玉の1都3県の南関東を広義の京浜工業地帯ということがある。総合的工業地域ではあるが,特に機械工業の占める比率が高い。公害に対しては,地下水汲上げの制限・禁止や大気汚染,水質汚濁,騒音などの厳重な検査を行なっている。



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