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[[File:Flag of JGSDF reserve candidate.svg|thumb|260px|予備自衛官補標旗<ref>{{PDFlink|[http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/f_fd/2002/fz20020425_00151_000.pdf] 予備自衛官補標旗の取扱いについて(通達)}}(防衛省 情報検索サービス)</ref>]]
 
'''予備自衛官補'''(よびじえいかんほ、Reserve Candidate)とは、 [[陸上自衛隊]]及び[[海上自衛隊]]において採用している[[官職]]である。一般国民より公募され、教育訓練終了後は非常勤公務員の[[予備自衛官]]となり、有事・訓練等の際は召集され、陸上自衛隊における各任務に就く。RCの略称は徽章のデザインにもなっている。
 
  
== 概要 ==
+
'''予備自衛官補'''(よびじえいかんほ、Reserve Candidate)
[[自衛隊]]勤務未経験の一般[[国民]]を対象に公募され、試験を経て採用される。[[身分]]は非常勤の[[防衛省職員]]([[国家公務員|特別職国家公務員]])・[[自衛隊員]]であり、防衛省職員の定員外の扱いである。所定の教育訓練を修了した後、[[予備自衛官]]に[[任官]]する。なお、予備自衛官補を経て予備自衛官になった者は'''公募予備自衛官'''といい、自衛官退職者たる(狭義の)予備自衛官とは区別される。
 
  
教育訓練招集に応招する義務のみを有し、 教育訓練招集手当がある。予備自衛官補制度は平成13年(2001年)に創設され、平成14年度(2002年度)から[[陸上自衛隊]]で採用されている。予備自衛官補には[[自衛隊の階級|階級]]が存在せず、その[[官職]]名をもって称される。但し、予備自衛官任官後は技能試験による任用であればそれぞれの領域において定められた階級、一般の予備自衛官としての任用であれば[[士_(自衛隊)|予備2等陸士]]の階級に指定される(予備自衛官任用後の職種・階級については、[[予備自衛官#公募予備自衛官|公募予備自衛官]]の項参照。ちなみに任官後については、勤務成績により昇進の機会がある。
+
陸上自衛隊が導入している予備自衛官制度の区分の一つ。自衛官未経験者を対象に公募する非常勤の自衛官。教育訓練のみを受け、修了後に予備自衛官として任用される。後方地域で警備や支援を行う一般コースと、医療・語学・情報処理などの専門技術を生かす技能コースがある。平成14年(2002)に陸上自衛隊が導入。
  
この制度の目的は、一般国民が自衛隊に接して理解を深める機会を設け、予備自衛官への門戸を広く開放すること、および優れた専門技能を持つ民間人の力を防衛力に組み込むことにある。また最近では、一般大学に通う[[幹部候補生学校]]を目指す学生が、きたる自衛官生活への適応・馴致や士気向上などのために志願するケースが目立っている。予備自衛官補には一般公募と技能公募があり、それぞれ筆記試験・口述試験・適性検査・身体検査が科せられる。
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
== 陸上自衛隊予備自衛官補(一般公募) ==
 
18歳以上34歳未満で自衛官であった期間が1年未満(未経験含む)の者が受験でき、3年間で合計50日の教育訓練に出頭し、修了後に予備自衛官に任用される。
 
 
 
陸上自衛隊では、任用後は後方地域での警備要員等になるため、現職自衛官の新隊員教育とほぼ同じ教育課程を修了する必要がある。具体的には基本教練(隊列行進や[[敬礼]]など)から始まり、歩哨・[[斥候]]、[[野戦築城]]、長距離行進、武器の分解結合、戦闘訓練、射撃訓練等が行われる。
 
 
 
現職新隊員教育より訓練期間が短いため、体力練成は各自が招集期間以外に自主的に行うことが推奨されている。
 
 
 
== 陸上自衛隊予備自衛官補(技能公募) ==
 
陸上自衛隊における技能公募予備自衛官補は語学、医療、車両整備等の専門技術者たる予備自衛官になることを目的とする。
 
 
 
=== 受験資格及び必要な資格免許・実務経歴等 ===
 
18歳以上で自衛官であった期間が1年未満(未経験含む)かつ所定の資格に応じ53~55歳未満。(下表参照)
 
 
 
平成25年度より弁護士・司法書士(法務)、臨床心理士(衛生甲)が追加されている。
 
{|class="wikitable" border="1"
 
! colspan="3"|資格免許・実務経歴一覧(予備自衛官補(技能公募)募集要項(平成23年度)より抜粋)
 
|-
 
! 技能区分!! 国家免許資格等!! 年齢
 
|-
 
| rowspan="2" | 衛生(甲)
 
| [[医師]](経験年数12年以上)<br/>[[薬剤師]](経験年数16年以上)
 
| 55歳未満
 
|-
 
| 医師(経験年数12年未満)<br/>薬剤師(経験年数16年未満)
 
| 54歳未満
 
|-
 
| 衛生(乙)
 
| [[理学療法士]]<br/>[[作業療法士]]<br/>[[診療放射線技師]]<br/>[[臨床検査技師]]<br/>[[看護師]]<br/>[[救急救命士]]([[准看護師]]の資格を併せて保有する者)<br/>[[栄養士]]<br/>准看護師<br/>[[歯科技工士]]
 
|rowspan="11"| 53歳未満
 
|-
 
| 語学(英語)
 
| 外国語[[短期大学]]等以上卒業者(※1)又は[[実用英語技能検定]](英検)準1級以上<br/>若しくはこれと同等以上の能力(※2)を有する者
 
|-
 
| 語学(ロシア語)
 
|rowspan="3"| 外国語短期大学等(※1)以上卒業者又はこれと同等以上の能力(※2)を有する者
 
|-
 
| 語学(中国語)
 
|-
 
| 語学(朝鮮語)
 
|-
 
| 整備
 
|一級大型又は小型[[自動車整備士]]<br/>一級又は二級二輪自動車整備士<br/>二級ガソリン自動車整備士<br/>二級ジーゼル自動車整備士
 
|-
 
|情報処理
 
|[[システムアナリスト]]<br/>
 
[[プロジェクトマネージャ (資格)|プロジェクトマネージャ]]<br/>
 
[[アプリケーションエンジニア]]<br/>
 
[[プロダクションエンジニア]]<br/>
 
[[第一種情報処理技術者試験|第一種情報処理技術者]]<br/>
 
[[ソフトウェア開発技術者試験|ソフトウェア開発技術者]]<br/>
 
[[ネットワークスペシャリスト試験|ネットワークスペシャリスト]]<br/>
 
[[データベーススペシャリスト試験|データベーススペシャリスト]]<br/>
 
[[システム運用管理エンジニア]]<br/>
 
[[テクニカルエンジニア試験|テクニカルエンジニア]]
 
* テクニカルエンジニア(データベース)
 
* テクニカルエンジニア(システム管理)
 
* [[テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験|テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)]]
 
* テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)
 
[[上級システムアドミニストレータ]]<br/>
 
[[情報セキュリティアドミニストレータ試験|情報セキュリティアドミニストレータ]]<br/>
 
[[第二種情報処理技術者試験|第二種情報処理技術者]]<br/>
 
[[基本情報技術者試験|基本情報技術者]]<br/>
 
[[システム監査技術者]]<br/>
 
[[応用情報技術者試験|応用情報技術者]]<br/>
 
[[ITストラテジスト試験|ITストラテジスト]]<br/>
 
[[システムアーキテクト試験|システムアーキテクト]]<br/>
 
[[エンベデッドシステムスペシャリスト試験|エンベデッドシステムスペシャリスト]]<br/>
 
[[情報セキュリティスペシャリスト試験|情報セキュリティスペシャリスト]]<br/>
 
[[ITサービスマネージャ試験|ITサービスマネージャ]]
 
|-
 
| 通信
 
|第一級[[総合無線通信士]]<br/>
 
第二級総合無線通信士<br/>
 
第三級総合無線通信士<br/>
 
第一級[[陸上無線技術士]]<br/>
 
第二級陸上無線技術士<br/>
 
[[電気通信設備工事担任者|工事担任者]]
 
* AI第一種
 
* アナログ第一種
 
* DD第一種
 
* デジタル第一種
 
* AI・DD総合種
 
* アナログ・デジタル総合種
 
|-
 
| 電気
 
|第一種、第二種又は第三種[[電気主任技術者]]
 
|-
 
| 建設
 
|一級又は二級[[建築士]]<br/>[[測量士]]<br/>[[測量士補]]<br/>1級又は2級[[建設機械施工技士]]
 
|-
 
| 放射線管理
 
|第一種又は第二種[[放射線取扱主任者]]
 
|-
 
|colspan="3"|※1 外国における大学の卒業者等を含む。<br/>
 
※2 [[国際連合公用語英語検定試験]]A級以上、通訳技能検定試験または[[通訳案内士]]試験合格者等
 
|}
 
訓練日数は2年間で合計10日である。訓練内容は一般公募に比べて少ないが、基本教練から射撃まで最低限必要なことは一通り行われる。
 
 
 
== 海上自衛隊予備自衛官補(技能公募) ==
 
平成28年(2016年)より海上自衛隊でも予備自衛官補の技能公募での採用を開始している。対象は、国家海技士資格保有者である。
 
 
 
== 予備自衛官補の教育訓練 ==
 
予備自衛官補の教育訓練は一般公募(陸上自衛隊のみ)が50日間(3年以内)<ref name="reserve">防衛省陸上幕僚監部人事教育部人事教育計画課予備自衛官室『RESERVE 予備自衛官等制度パンフレット』2017年4月1日刊行</ref>、技能公募(陸上自衛隊および海上自衛隊)が10日間(2年以内)<ref name="30yobihoginouy">[http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/pdf/y/30yobihoginouy.pdf 平成30年度 予備自衛官補募集要項(技能公募)] 防衛省 2018年1月25日閲覧</ref>となっており、これらは「タイプ」と呼ばれる連続5日間の訓練課程に細分化されている(陸上自衛隊の場合)<ref name="reserve" />。予備自衛官および[[即応予備自衛官]]の訓練招集とは異なり5日間の教育訓練には分割出頭は認められておらず、体調不良や本業の都合などで途中離隊した場合は、原則として同一タイプの訓練に改めて5日間連続出頭する必要がある。
 
 
 
=== 陸上自衛隊 ===
 
;一般公募(A〜Jまでの10タイプ)<ref name="reserve" />
 
:第1段階:A・B・C・Dタイプ(計20日間)
 
:第2段階:E・F・G・Hタイプ(計20日間)
 
:第3段階:I・Jタイプ(計10日間)
 
※第1段階のC・Dタイプ、第2段階(E〜Hタイプ)は順番に関係なく履修可能<ref name="reserve" />
 
 
 
;技能公募(技1と技2の2タイプ)<ref name="reserve" />
 
:第1段階:技1(5日間)
 
:第2段階:技2(5日間)
 
 
 
また、教育訓練部隊および教育訓練場所は各方面隊ごとに下記の部隊・駐屯地と決められている<ref name="reserve" />(例えば東部方面隊管内在住であれば、新潟県在住であっても神奈川県の武山駐屯地で教育訓練を受けることになる)。
 
 
 
;[[北部方面隊]]管内:[[北部方面混成団]]
 
:第120教育大隊([[真駒内駐屯地]])
 
 
 
;[[東北方面隊]]管内:[[東北方面混成団]]
 
:第119教育大隊([[多賀城駐屯地]])
 
 
 
;[[東部方面隊]]管内:[[東部方面混成団]]
 
:第117教育大隊([[武山駐屯地]])
 
 
 
;[[中部方面隊]]管内:[[中部方面混成団]]
 
:第109教育大隊([[大津駐屯地]])
 
 
 
;[[西部方面隊]]管内:[[西部方面混成団]]
 
:第118教育大隊([[久留米駐屯地]])
 
:第113教育大隊([[国分駐屯地]])
 
 
 
=== 海上自衛隊 ===
 
;技能公募(第1回と第2回)<ref name="30yobihoginouy" />
 
:第1回(5日間)
 
:第2回(5日間)
 
 
 
また、海上自衛隊の場合、教育訓練部隊および教育訓練場所は下記の通りである<ref name="30yobihoginouy" />。
 
 
 
;[[大湊地方隊]]警備区内
 
:函館基地隊([[函館基地]])
 
 
 
;[[横須賀地方隊]]警備区内
 
:横須賀教育隊([[横須賀基地]])
 
 
 
;[[舞鶴地方隊]]警備区内
 
:舞鶴教育隊([[舞鶴基地]])
 
 
 
;[[呉地方隊]]警備区内
 
:呉教育隊([[呉基地]])
 
 
 
;[[佐世保地方隊]]警備区内
 
:佐世保教育隊([[佐世保基地]])
 
 
 
== 予備自衛官補の宣誓 ==
 
予備自衛官補は、自衛隊法第五十三条及び自衛隊法施行規則第四十一条の三に則り、入隊時に以下のような文章の記された宣誓文に署名捺印をする事が義務付けられている。
 
 
 
{{Quotation|私は、予備自衛官補たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身を鍛え、教育訓練招集に応じては専心教育訓練に励むことを誓います。}}
 
 
 
== 予備自衛官補制度の今後の動向 ==
 
防衛省内に設置された「防衛力の人的側面についての抜本的改革に関する検討会」が平成19年(2007年)に同省に提出した「防衛力の人的側面についての抜本的改革報告書」では、今後の検討課題として特に医療、語学、情報通信など特殊技能を有する者については予備自衛官補制度の海上自衛隊、航空自衛隊への導入も検討する方針を示し<ref>{{Cite web |date=2007-06-28 |url=http://www.mod.go.jp/j/approach/others/jinji/report4_5.pdf |title=防衛力の人的側面についての抜本的改革報告書 |work=(17)予備自衛官制度の充実 |format=PDF |publisher=[[防衛省]]・[[自衛隊]] |accessdate=2012-04-21}}</ref>、2016年(平成28年)より、海上自衛隊で国家[[海技士]]資格の保有者を対象とした技能公募での予備自衛官補の採用を開始したが、[[全日本海員組合]]の「事実上、民間人の徴用にあたる。」という反対の影響か合格者は僅か1人であった。しかし、2018年(平成30年)度は約20名の募集が行われている<ref name="30yobihoginouy" />。
 
 
 
== 著名な予備自衛官補経験者 ==
 
<!-- 加筆の際には本記事またはリンク先記事に出典が必要です。予備自衛官であることの出典があっても、技能/一般公募である出典がない場合は、自衛官経験者の可能性もあり「予備自衛官補経験者」の出典とはいえません。-->
 
* [[荒木和博]](陸上・技能公募)([[拓殖大学]]教授・特定失踪者問題調査会代表)
 
* [[葛城奈海]](陸上・一般公募)(女優・日本文化チャンネル桜キャスター)
 
* [[佐波優子]](陸上・一般公募)(フリーアナウンサー、日本文化チャンネル桜キャスター、「祖父たちの戦争体験をお聞きする孫の会」代表)
 
* [[谷本進]](陸上・一般公募)(俳優・アーティスト・劇団NEVER LOSE主宰)
 
* [[宮本佳那子]](陸上・一般公募)(歌手・声優)
 
* [[若林亜紀]](陸上・技能公募)(ジャーナリスト)
 
 
 
== 関連書籍 ==
 
* いざ志願! おひとりさま自衛隊(2010年8月文藝春秋刊)
 
** 第4期予備自衛官補一般公募の岡田真理が、予備自衛官補の招集教育訓練についてを記したエッセイ・ルポ
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[自衛官]]
 
* [[予備自衛官]]
 
* [[即応予備自衛官]]
 
* [[予備役将校訓練課程]]
 
* [[海軍予備員|旧海軍予備員]]
 
* [[医官]]
 
* [[歯科医官]]
 
* [[技術曹]]
 
* [[特技兵]]
 
* [[国防義勇軍|イギリス国防義勇軍]] - 非常勤の志願兵から構成される。[[イギリス陸軍]]とは別組織だが、[[総力戦]]時には常備軍に編入される。
 
* [[イギリス海軍予備員]]
 
 
 
== 脚注 ==
 
<references/>
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.mod.go.jp/gsdf/reserve/ 陸上自衛隊 予備自衛官制度ホームページ "Reserve"]
 
* [http://www.mod.go.jp/msdf/formal/recruit/reserve_candidate.html 海上自衛隊の予備自衛官補(技能)募集情報]
 
 
 
{{自衛官の採用区分}}
 
  
 
{{DEFAULTSORT:よひしえいかんほ}}
 
{{DEFAULTSORT:よひしえいかんほ}}
 
[[Category:自衛隊員]]
 
[[Category:自衛隊員]]
 
[[Category:日本の行政官職]]
 
[[Category:日本の行政官職]]

2019/4/27/ (土) 11:24時点における最新版

予備自衛官補(よびじえいかんほ、Reserve Candidate)

陸上自衛隊が導入している予備自衛官制度の区分の一つ。自衛官未経験者を対象に公募する非常勤の自衛官。教育訓練のみを受け、修了後に予備自衛官として任用される。後方地域で警備や支援を行う一般コースと、医療・語学・情報処理などの専門技術を生かす技能コースがある。平成14年(2002)に陸上自衛隊が導入。



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