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{{出典の明記|date=2018年6月18日 (月) 07:36 (UTC)}}
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[[ファイル:九重山.jpg|サムネイル]]
{{山系
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'''九重山'''(くじゅうさん)または'''九重連山'''(くじゅうれんざん)
|名称=九重(くじゅう)連山
 
|画像=[[ファイル:Makinoto Pass - 01.jpg|300px]]
 
|画像キャプション = 牧ノ戸峠展望台から見た九重(くじゅう)連山。右が三俣山
 
|所在地=[[大分県]]
 
|座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|33|05|09|N|131|14|56|E|type:mountain_region:JP|display=inline,title}}
 
|上位山系 =
 
|最高峰 = [[中岳 (九重山)|中岳]]
 
|標高 = 1,791
 
|延長 =
 
|幅 =
 
|種類 =主に[[溶岩ドーム]]からなる火山群
 
|地図 = {{Embedmap|131.2489|33.0858|300}}<small>九重山の位置</small>{{日本の位置情報|33|05|09|131|14|56|中岳|33.0858,131.2489|中岳}}
 
}}
 
[[File:Kuju Volcano Relief Map, SRTM-1.jpg|thumb|300px|九重山の地形図]]
 
'''九重山'''(くじゅうさん)または'''九重連山'''(くじゅうれんざん)は、[[大分県]][[玖珠郡]][[九重町]]から[[竹田市]]久住町北部にかけて広がる[[火山]]群の総称である。最高峰は[[九州]]本土最高峰でもある[[中岳 (九重山)|中岳]] (1,791m) 。[[日本百名山]]の一つに数えられ、一帯は[[阿蘇くじゅう国立公園]]に指定されている。
 
  
== 名称: 九重と久住 ==
+
[[大分県]],[[熊本県]]境付近に噴出した[[火山]]群の総称。[[活火山]]で,[[常時観測火山]]。主峰の[[久住山]](1787m)を中心に,東の黒岳(1587m),[[大船山]](1786m),三俣山(1744m)から北西部の[[湧蓋山]](1500m)に連なる山群。このうち中岳(1791m)が九州島最高峰。九重連山などとも呼び,[[阿蘇くじゅう国立公園]]に属する。火山の形態は輝石安山岩の[[成層火山]]の大船山を除いて,すべて角閃石安山岩からなる火山であり,北東方の[[由布岳]](1583m),[[鶴見岳]](1375m)とともに,日本最大の[[溶岩円頂丘]]群を形成している。1995年に星生山(1762m)の東山腹で噴火があり,降灰が観測された。北麓に[[飯田高原]],南麓に[[久住高原]]が広がる。[[高山植物]]も多く,[[コケモモ]]群落および大船山の[[ミヤマキリシマ]]群落は国の[[天然記念物]]となっている。[[筋湯温泉]],牧ノ戸温泉,星生温泉,七里田温泉,[[長湯温泉]]などの温泉地もあり,登山客は年間数十万人にも達する。
この地域の名称としては、「'''九重'''」(くじゅう、ここのえ)と「'''久住'''」(くじゅう)の2通りの表記及び読みが用いられてきた。
 
  
その起源は、[[延暦]]年間(800年頃)にこの地に九重山白水寺と久住山猪鹿寺の2つの寺院が開かれたことにさかのぼる。近代に入ると、山群の北麓に[[九重町]](ここのえまち)、南麓に[[久住町]](くじゅうまち、現・竹田市久住町)が誕生したことから、それぞれの表記が特定の地域に結びつくことになり、地域全体を指す時にどちらの表記を用いるかという問題が大きくなった。
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
現在では、火山群や周辺地域全体を指す場合に「九重山」や「九重連山」を用い、その主峰である単独の山を指す場合に「[[久住山]]」を用いるのが一般的である。
 
 
 
また、近年では、混乱を避けるためにひらがなの「くじゅう」を用いることも多い。例えば、「阿蘇国立公園」にこの地域の名称を加えて改名する際には、「九重」と「久住」のどちらかにするかで長らく論争が続いたが、「[[阿蘇くじゅう国立公園]]」とすることで決着した。また、[[坊ガツル]]・[[タデ原]]の[[ラムサール条約]]への登録名も「[[くじゅう坊ガツル・タデ原湿原]]」とされている。
 
 
 
== 主要峰 ==
 
10数個の火山体が東西13km、南北10kmの範囲に集まっている。標高にして1,700m前後のものが多い。西部には久住山をはじめとする久住山系の山々が連なり、広い'''[[坊ガツル|坊がツル]]'''の草原をはさんだ東側の対面に大船山を中心とする大船山系の山々が並ぶ。
 
* 久住山系 (西側)
 
** [[久住山]] (1,787m)- [[溶岩ドーム]] (主峰)
 
** [[中岳 (九重山)|中岳]] (1,791m) - 九州本土最高峰
 
** [[稲星山]] (1,774m) - 溶岩ドーム
 
** [[星生山]] (1,762m) - 溶岩ドーム
 
** [[三俣山 (大分県)|三俣山]] (1,745m) - 溶岩ドーム
 
** [[漁師山]] (1,423m) - 溶岩ドーム
 
 
 
* 大船山系 (東側)
 
** 黒岳 (<small>高塚山</small> 1,587m) - 最新の溶岩ドーム
 
** [[大船山 (大分県)|大船山]] (1,786m) - 成層火山
 
** [[北大船山]] (1,706m) - [[火砕丘]]群
 
** [[平治岳]] (1,643m) - 成層火山
 
*** 二つの峰があり、九重でも指折りの[[ミヤマキリシマ]]の群落がある。
 
 
 
== 火山活動 ==
 
九重火山は、約20万年前に形成された宮城火砕流堆積物より上位の活動と定義される、[[安山岩]]~[[デイサイト]]を主体とする火山群である<ref>鎌田 (1997)による</ref>{{Full citation needed|date=2018年6月18日 (月) 07:36 (UTC)|title=鎌田(1997)の書誌情報が記事内に載ってないと思われる。}}。宮城火砕流堆積物より下位の周辺の活動としては、30万~60万年前に[[野稲火山群]]、40万~100万年前に[[涌蓋火山群]]、60万~90万年前に[[時山火山群]]、80万~100万年前に[[猪牟田カルデラ]]が存在する。これらの火山も以前は九重火山として含まれていた<ref>納富 (1920)による</ref>{{Full citation needed|date=2018年6月18日 (月) 07:36 (UTC)|title=納富(1920)の書誌情報が記事内に載ってないと思われる。}}。
 
 
 
活動の初期に比較的大きな火砕流を3回噴出<ref>地層下位から宮城火砕流、下坂田火砕流、豊後渡火砕流</ref>しているが、[[カルデラ]]を形成した形跡は無い。約5.4万年前にも飯田火砕流、九重第1降下軽石などを噴出する大きな噴火(7.2 DRE km<sup>3</sup>)が発生した<ref>{{PDFlink|[https://www.gsj.jp/data/openfile/no0613/50Kujusan.pdf 九重火山] 産業技術総合研究所, 2015年2月11日閲覧}}</ref>。現在見られる山々のうち西側の久住山・星生山・三俣山などがある久住山系は13万年前から活動していたが、東の大船山系はそれより新しく2万5千年前から噴火を始めた。九重連山で最も東側にある黒岳は約1600年前の噴火によって形成されたもので、噴出量が1 DRE km<sup>3</sup>を越えるイベントの中では最新の山体である。山中には現在も噴気による立ち入り禁止箇所がある。
 
 
 
[[火山噴火予知連絡会]]によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山に選定された<ref>{{Cite web |url = http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/47volcanoes.pdf|title = 火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山|publisher = 気象庁|accessdate = 2016-02-25}}</ref>。
 
 
 
この一帯は[[地熱]]地帯で、筋湯温泉の近くには火山の熱エネルギーを利用して[[地熱発電]]する[[八丁原発電所]]、[[大岳発電所]]がある。
 
 
 
== 植生 ==
 
『[[坊がつる讃歌|坊がつる賛(讃)歌]]』に詠われた[[ミヤマキリシマ]]は、初夏に大船山や平治岳の斜面を赤く染める。そのほかにも[[イワカガミ]]、[[シャクナゲ|ツクシシャクナゲ]]、ツクシドウダン、[[コケモモ]]、[[マツムシソウ科|マツムシソウ]]、[[リンドウ]]などが山中のあちこちに次々に咲く。
 
 
 
== 登山口 ==
 
[[阿蘇市]]と[[別府市]]を結ぶ[[やまなみハイウェイ]]沿線にある[[長者原]](バス停:くじゅう登山口)や[[牧ノ戸峠]]が登山口となる。九重山の北側に位置する長者原からは坊ガツル経由で大船山、久住山等へ、西側に位置する牧ノ戸峠からは久住山等への登山道が整備されている。
 
 
 
== 周辺 ==
 
九重山の北や南は緩やかに波打つ広大な草原となっており、酪農が盛ん。またこの特徴を利用した観光牧場も多い。
 
 
 
* [[飯田高原]] - 九重山北麓。温泉に富む。
 
* [[久住高原]] - 九重山南麓。
 
 
 
== 温泉 ==
 
九重山中にある[[法華院温泉]]は、標高1,303mの高さにある一軒宿、交通手段は徒歩のみ。<ref>ただし、荷物の輸送には[[軽トラック]]が[[大船林道]]経由で使用される。</ref>九重山の中腹を通るやまなみハイウェイ沿いには、[[寒の地獄温泉]]、[[星生温泉]]などの一軒宿が点在する。少し離れた[[筋湯温泉]]は『打たせ湯』で有名だが、立派な宿泊施設が立ち並ぶ。
 
 
 
== 関連画像 ==
 
<div class="thumbinner"><div class="overflowbugx" style="overflow:scroll;">
 
<imagemap>
 
File:Kuju Mountains from Mt.Yufudake 01-2.jpg||x250px||center
 
rect 286 258 746 362 [[祖母山|祖母山系(そぼさんけい)]]
 
rect 1980 384 2444 482 [[大船山 (大分県)|大船山系(たいせんさんけい)]]
 
rect 3134 390 3592 482 [[久住山系|久住山系(くじゅうさんけい)]]
 
rect 4182 482 4390 590 [[長者原|長者原(ちょうじゃばる)]]
 
poly 1744 198 1772 284 2134 134 2106 62 [[天狗岩|天狗岩(てんぐいわ)]]
 
poly 2292 62 1938 214 1962 276 2318 130 [[高塚山|高塚山(たかつかやま)]]
 
poly 2526 40 2170 192 2198 250 2556 108 [[大船山 (大分県)|大船山(たいせんざん)]]
 
poly 2828 20 2396 180 2434 256 2852 92 [[北大船山|北大船山(きたたいせんざん)]]
 
poly 3038 16 2762 132 2780 174 3060 66 [[平治岳|平治岳(ひいじだけ)]]
 
poly 3166 28 2794 172 2824 238 3188 92 [[稲星山|稲星山(いなぼしやま)]]
 
poly 3250 60 2938 192 2968 252 3278 122 [[中岳 (九重山)|中岳(なかだけ)]]
 
poly 3444 52 3076 206 3108 272 3480 120 [[久住山|久住山(くじゅうさん)]]
 
poly 3754 22 3390 166 3410 232 3778 86 [[三俣山 (大分県)|三俣山(みまたやま)]]
 
poly 3834 62 3470 210 3494 272 3860 138 [[星生山|星生山(ほっしょうさん)]]
 
poly 4338 138 3972 286 4000 350 4364 206 [[沓掛山|沓掛山(くつかけやま)]]
 
poly 4588 128 4164 288 4202 366 4616 198 [[牧ノ戸峠|牧ノ戸峠(まきのととうげ)]]
 
poly 4758 144 4388 290 4412 350 4784 210 [[黒岩山 (大分県)|黒岩山(くろいわやま)]]
 
poly 5404 196 5024 344 5056 410 5434 266 [[一目山|一目山(ひとめやま)]]
 
poly 5722 254 5354 392 5376 462 5746 324 [[崩平山|崩平山(くえんひらやま)]]
 
poly 6446 126 6066 266 6092 340 6474 200 [[涌蓋山|涌蓋山(わいたさん)]]
 
desc bottom-left
 
</imagemap>
 
</div><div class="thumbcaption">[[由布岳]]の山頂から見た九重連山。大船山系と九重山系の間の谷に、[[ラムサール条約]]登録湿地である[[坊ガツル]]が広がる。長者原から牧ノ戸峠にかけては、[[やまなみハイウェイ]]の名で親しまれている大分県道11号線が走る。写真左奥の祖母山系は大分・宮崎県境に連なる山塊である。</div></div>
 
{{clear}}
 
<gallery>
 
ファイル:Kuju01.JPG|阿蘇中腹から見た九重連山
 
ファイル:Kuju-san.JPG|星生山(右)と三俣山(左)。中央の噴煙は硫黄山
 
ファイル:Kuju02.JPG|長者原から見た久住山
 
ファイル:Kuju03.JPG|長者原から見た硫黄山
 
ファイル:Kuju04.JPG|長者原から見た星生山と硫黄山
 
ファイル:Kuju Mountains 02.JPG|大船山
 
Mt.Mimata 09.jpg|三俣山
 
ファイル:九重連山遠望.jpg|[[大分市]]街から望む[[残雪]]の九重山群
 
ファイル:Kuju Mountains 03.JPG|くじゅう花公園と九重連山
 
</gallery>
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commons category|Kuju Mountains}}
 
* [[各都道府県の最高峰]](大分県)
 
* [[平治 (犬)]]‐九重連山で「ガイド犬」として親しまれたイヌ。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{PDF|[http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/147467.pdf 九重山の概要]}} - 大分県
 
* 火山関連
 
** [http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/fukuoka/502_Kujusan/502_index.html 九重山] - 気象庁
 
** {{PDF|[http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/souran/main/83_Kujusan.pdf 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 九重山]}} - 気象庁
 
** [https://gbank.gsj.jp/volcano/Quat_Vol/volcano_data/J18.html 日本の火山 九重山] - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
 
* 防災関連
 
** {{PDF|[http://vivaweb2.bosai.go.jp/v-hazard/L_read/83kujusan/83kuju_1h01-L.pdf くじゅう山系火山防災マップ]}} - 防災科学技術研究所
 
** [http://www.pref.oita.jp/site/sabo/volcano.html 火山防災マップ] - 大分県
 
** [http://www.city.taketa.oita.jp/bousai/map/ くじゅう山系火山防災マップ] - 竹田市
 
 
 
{{日本百名山}}
 
{{日本の活火山}}
 
{{Normdaten}}
 
 
 
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[[Category:日本百名山]]
 
[[Category:日本百名山]]

2019/4/28/ (日) 18:29時点における最新版

九重山.jpg

九重山(くじゅうさん)または九重連山(くじゅうれんざん)

大分県熊本県境付近に噴出した火山群の総称。活火山で,常時観測火山。主峰の久住山(1787m)を中心に,東の黒岳(1587m),大船山(1786m),三俣山(1744m)から北西部の湧蓋山(1500m)に連なる山群。このうち中岳(1791m)が九州島最高峰。九重連山などとも呼び,阿蘇くじゅう国立公園に属する。火山の形態は輝石安山岩の成層火山の大船山を除いて,すべて角閃石安山岩からなる火山であり,北東方の由布岳(1583m),鶴見岳(1375m)とともに,日本最大の溶岩円頂丘群を形成している。1995年に星生山(1762m)の東山腹で噴火があり,降灰が観測された。北麓に飯田高原,南麓に久住高原が広がる。高山植物も多く,コケモモ群落および大船山のミヤマキリシマ群落は国の天然記念物となっている。筋湯温泉,牧ノ戸温泉,星生温泉,七里田温泉,長湯温泉などの温泉地もあり,登山客は年間数十万人にも達する。



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