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{{出典の明記|date=2018年5月}}
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'''一次方程式'''(いちじほうていしき、{{lang-en|first-degree polynomial equation, linear equation}}
[[数学]]における'''一次方程式'''(いちじほうていしき、{{lang-en|first-degree polynomial equation, linear equation}})は[[多項式の次数|一次多項式]]の[[多項式の根|根]]を求めるものである。
 
  
== 一変数の場合 ==
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 未知数の次数が1である代数方程式をいう。たとえばx、y、zを未知数、a、bなどを定数とするとき、ax+b=0、ax+by+c=0、ax+by+cz=0(ただし未知数の係数はゼロでないとする)は一次方程式である。未知数の個数が1、2などに応じて一元、二元などと形容する。前記の例はそれぞれ一元、二元および三元の一次方程式である。
''a'', ''b'' は[[実数]]の定数とするとき、
 
: <math>ax+b=0</math> または <math>ax=b</math>
 
後者の形の場合は、''a'' &ne; 0 ならば(''a''<sup>&minus;1</sup> = 1&frasl;''a'' が存在するから)一意的に解けて ''x'' = ''b''&frasl;''a'' がその解である。''a'' = 0 のとき、''b'' &ne; 0 ならば不能、''b'' = 0 ならば不定である。
 
  
[[file:Linear Function Graph.svg|thumb|right]]
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 一元一次方程式は、式変形によって標準の形ax+b=0になる。この方程式の根(解)は、-b/aである。a≠0の条件を除けば、a=0、b≠0のとき不能または根が存在せず、a=b=0のときは不定または根が無数にある。
== 二変数の場合 ==
 
{{main|一次函数}}
 
一般形は
 
: <math>ax+by+c=0</math>
 
で、これは {(''x'', ''y'') | ''ax'' + ''by'' + ''c'' = 0} なる集合、つまり[[平面]]上の直線を表すと考えられる。が
 
: <math>y=mx+b</math>
 
なる形で扱われることも多い。これはふつう、''x'' を自由変数とし ''y'' を ''x'' の従属変数とみるとき、[[一次函数]]と呼ばれるものである。
 
  
[[file:Affine_subspace.svg|thumb|right]]
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 一般に二元以上の複数個の一次方程式において、同じ文字の未知数は同じ値をとるものとするとき、これら方程式の組を連立一次方程式という。たとえば
== 三変数および更に多変数の場合 ==
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  ax+by+c=0, a′x+b′y+c′=0
{{main|超平面}}
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の組は連立二元一次方程式である。これら方程式をともに成り立たせる未知数の値の組を連立方程式の根(解)という。この例でab′-a′bがゼロでないとき、根は1組だけ存在し、ゼロのときは根が存在しないか、または無数に存在する。このことは、二元一次方程式を直線の方程式とみて、グラフ表示すれば直観的に明らかになる。連立一次方程式の解法には等置法、加減法および代入法などがある。また一般の連立一次方程式の根の考察には、行列および行列式の理論が用いられる。
三変数の場合
 
: <math>ax+by+cz=d</math>
 
はユークリッド空間 '''R'''<sup>3</sup> における平面(空間平面)を表す。これは、ベクトル '''n''' := (''a'', ''b'', ''c'') に直交し、平面上の一点 '''x'''<sub>0</sub> が与えられれば
 
: <math>\mathbf{n}\cdot(\mathbf{x}-\mathbf{x}_0)=0</math>
 
なる形に書きなおせる([[平面における直線の標準形|平面の場合]]の「点・傾き標準形」の一般化)。ただし、左辺はベクトルの[[点乗積]]である。このベクトル方程式は一般の ''n''-次元で考えれば、'''R'''<sup>''n''</sup> 内の[[超平面]](余次元 1 の[[アフィン部分空間]])を表す。すなわち ''n''-変数の一次方程式
 
: <math>a_1 x_1+\cdots +a_n x_n = b</math>
 
は超平面の方程式である。一次形式
 
: <math>L\colon (x_1,\ldots,x_n)\mapsto a_1x_1+\cdots+a_nx_n</math>
 
は[[線型汎函数]]で、「点・傾き標準形」は
 
: <math>\{(x_1,\ldots,x_n)\mid a_1 x_1+\cdots +a_n x_n = b\}=x_0+\ker L</math>
 
の形に書くこともできる。
 
  
== 更なる一般化 ==
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{{テンプレート:20180815sk}}  
一次方程式の理論は係数や解を(実数や[[複素数]]のような数に限らず)一般の[[斜体 (数学)|(非可換)]]体としてもそのまま成り立つ。特に、係数が(非可換)体 ''K'' であるような一次方程式が拡大体 ''L''/''K'' で解を持つならば、既に ''K'' において解を持ち、''K'' における一般解がそのまま ''L'' における一般解になる。
 
 
 
{{see also|線型方程式系}}
 
''A'' が行列、''x'' がベクトル値の変数、''b'' を定ベクトルとするとき、一次方程式
 
: <math>Ax=b</math>
 
は ''A'' が正則ならば解くことができて ''x'' = ''A''<sup>&minus;1</sup>''b'' となる。
 
 
 
より一般に、集合 ''X'' に作用素の集合 ''T'' が与えられているとき、''X''-値の変数 ''x'' に対して作用 &tau; &isin; ''T'' および定元 ''b'' &isin; ''X'' を与えれば、方程式
 
: <math>\tau x = b</math>
 
は意味を持ち、&tau; の逆作用素 &tau;<sup>&minus;1</sup>が存在すれば ''x'' = &tau;<sup>&minus;1</sup>''b'' となる。特に ''T'' が群 ''G'' で ''X'' が[[群上の加群|''G''-加群]] ''M'' のとき、
 
: <math>gx + b = 0\quad (g\in G, b\in M)</math>
 
なども意味を持つ。
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[線型性]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{MathWorld|urlname=LinearEquation|title=Linear Equation}}
 
 
 
{{代数方程式}}
 
  
 
{{DEFAULTSORT:いちしほうていしき}}
 
{{DEFAULTSORT:いちしほうていしき}}

2019/5/7/ (火) 22:29時点における最新版

一次方程式(いちじほうていしき、英語: first-degree polynomial equation, linear equation

 未知数の次数が1である代数方程式をいう。たとえばx、y、zを未知数、a、bなどを定数とするとき、ax+b=0、ax+by+c=0、ax+by+cz=0(ただし未知数の係数はゼロでないとする)は一次方程式である。未知数の個数が1、2などに応じて一元、二元などと形容する。前記の例はそれぞれ一元、二元および三元の一次方程式である。

 一元一次方程式は、式変形によって標準の形ax+b=0になる。この方程式の根(解)は、-b/aである。a≠0の条件を除けば、a=0、b≠0のとき不能または根が存在せず、a=b=0のときは不定または根が無数にある。

 一般に二元以上の複数個の一次方程式において、同じ文字の未知数は同じ値をとるものとするとき、これら方程式の組を連立一次方程式という。たとえば   ax+by+c=0, a′x+b′y+c′=0 の組は連立二元一次方程式である。これら方程式をともに成り立たせる未知数の値の組を連立方程式の根(解)という。この例でab′-a′bがゼロでないとき、根は1組だけ存在し、ゼロのときは根が存在しないか、または無数に存在する。このことは、二元一次方程式を直線の方程式とみて、グラフ表示すれば直観的に明らかになる。連立一次方程式の解法には等置法、加減法および代入法などがある。また一般の連立一次方程式の根の考察には、行列および行列式の理論が用いられる。



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