ローマ法大全

提供: miniwiki
移動先:案内検索

(ローマほうたいぜん、ラテン語: Corpus Iuris Civilis)

ユスチニアヌス1世の編纂した3法典,『法学提要』『学説彙纂』『勅法彙纂』とその後に編集された『新勅法』を一体化した総称。これらの法令集はそれぞれ各種の写本を通じて後世に伝えられ,特に 11世紀後半にボローニャでローマ法学が復興して以来,皇帝の権威に基づいた法典として注釈や注解の対象とされ,広く流布した。その名称は 16世紀にフランスの D.ゴートフレドゥスがこれら4法令集を一体として出版するにあたって,『教会法大全』 Corpus Iuris Canoniciに対抗して,12世紀頃からローマ法学者の間で慣用化していたこの名称を用いたことに始る。『ローマ法大全』は古典期のローマ法およびユスチニアヌス帝時代のローマ法を知るための最良かつほとんど唯一の史料として,かつ 11世紀以降のヨーロッパの法生活を支配した法源として,聖書に匹敵する歴史的意義をもつだけでなく,法律学上の法的思惟ないしは法的技術の宝庫として今日なお重要な地位を占めている。