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{{複数の問題
 
|出典の明記=2014年3月
 
|単一の出典=2014年3月
 
|独自研究=2014年3月
 
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[[ファイル:Roop jp 01.gif|thumb|勾配緩和用ループ線]]
 
[[ファイル:Roop jp 01.gif|thumb|勾配緩和用ループ線]]
 
[[ファイル:Roop jp 02.gif|thumb|終端用ループ線(ラケット型ループ線)]]
 
[[ファイル:Roop jp 02.gif|thumb|終端用ループ線(ラケット型ループ線)]]
'''ループ線'''(ループせん)とは、急勾配を緩和するため[[線路 (鉄道)|線路]]もしくは[[道路]]を螺旋状に敷設した[[線形 (路線)|線形]]のことである。英語では'''Spiral'''、'''Loop'''、'''Spiral loop'''などと呼ばれる。
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'''ループ線'''(ループせん)
  
[[路面電車]]や[[トロリーバス]]、[[新交通システム]]の起終点駅などにおいて、車両の折り返しや方向転換のため線路を環状に敷設した施設は、'''ラケット状ループ線'''、'''ラケット型ループ線'''と呼ばれる。英語ではこの施設を'''Loop'''(''[[:en:Balloon loop|Balloon loop]]'')と呼ぶ。
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環loopのように山を回りながら登る鉄道線路の敷き方。山に登る場合に、ぐるぐる回りながら登れば、距離は伸びても勾配(こうばい)が緩くなる。勾配区間で力の落ちる蒸気機関車には、ことに必要な配慮だった。日本では1909年(明治42)に開通した九州肥薩(ひさつ)線の大畑(おこば)―矢岳間にあるのが古く、勾配はループ部分のほとんどが25‰(パーミル)で、一部は30‰である。1931年(昭和6)に全通した上越線清水トンネルは両出口にループ線をもっている。南口を湯檜曽(ゆびそ)ループ、北口を松川ループと称し、勾配は20‰と比較的緩く、開通時から電化されていたので高速運転が実現できた。アルプスの国スイスでは、国鉄サン・ゴタール・トンネルの南口ジョルニコ付近に二巻きのループ線が、私鉄レーティッシェ鉄道のプレダ付近には三巻きのループ線があり、勾配も35‰もある。なお、土木技術の進歩で長大トンネルが増えているため、ループ線は今後ふえることはない。
 
 
== 鉄道のループ線 ==
 
[[ファイル:RhB ABe 4-4 III Kreisviadukt Brusio.jpg|thumb|ブルージオのループ線(レーティッシュ鉄道ベルニナ線)]]
 
鉄道は急勾配に弱く、山間部に鉄道を建設する場合には急勾配を避ける必要がある。鉄道の創業期から[[第二次世界大戦]]後まもなくまではループ線は[[スイッチバック]]と並んで、勾配緩和として有効な方法として採用された。第二次世界大戦後の急速な土木技術の発達により、山間部における橋梁、高架橋、長大トンネルの建設が可能となった。例えば、[[上越線]]では単線のループ線区間を複線化した際、新線はループ線を採用せず長距離トンネルでループ線の地下深くを直進している。ただ、[[北陸本線]]のように旅客列車より勾配制限のきつい[[貨物列車]]を運行する都合で、新線側にループ線を採用した事例も存在する。
 
 
 
=== 折り返し用・環状運転用のループ線 ===
 
[[ファイル:Tokadaihigashi-sta-loop.jpg|thumb|旧桃花台新交通桃花台東駅のラケット型ループ線]]
 
[[路面電車]]や[[トロリーバス]]、[[新交通システム]]の起終点駅などにおいて、車両の折り返しや方向転換のために環状に線路を敷設したものもある。日本では少数ながら、ループ線の全体が駅の構内に存在する[[埼玉新都市交通伊奈線]]の[[大宮駅 (埼玉県)|大宮駅]]といった例があるが、ヨーロッパやアメリカなどの路面電車の起点・終点の電停では多く使われている。こうした区間で用いられる路面電車車両では常に一方向への運行を前提として、運転席や[[扉|乗降扉]]は片側にしかないものが多い。
 
 
 
[[放射線・環状線#鉄道|環状線]]、あるいは[[環状運転]]の一形態としてのループ線もある。ループ線区間では複数の駅を経由する。この例としては[[山万ユーカリが丘線]]などがある。
 
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== 道路のループ線 ==
 
[[ファイル:Kawazu roopbridge01.JPG|200px|thumb|[[河津七滝ループ橋]]]]
 
[[ファイル:Saitama raiden todoroki bridge2.jpg|200px|thumb|[[滝沢ダム]]のループ橋]]
 
道路は鉄道よりも勾配に対する制約は少ないが、非常に高低差の大きい区間に建設する場合に採用されている。山地の高低差を克服する場合以外に、川や海で船舶の通航を可能にするために、両端の陸地部分をループ状にして水面からの高さを確保する場合がある([[千本松大橋]]など)。例えば、2010年に開通した[[首都高速道路]][[大橋ジャンクション]]では、一周約400m、4層構造という大規模な二重ループ線となっている。
 
 
 
[[名古屋高速2号東山線]]には吹上連絡路という終端用ループ線が設けられていた。[[名古屋高速5号万場線|5号万場線]]方面から[[名古屋高速3号大高線|3号大高線]]方面への通行は、現在は[[名古屋高速都心環状線|都心環状線]]を用いるが、都心環状線が完成するまでの間は暫定的な措置としてループ線を設けていた。
 
 
 
[[ノルウェー]]、[[ドランメン]]郊外にあるスピラルン・トンネルは、全長1,649mの6重のループトンネルとなっている<ref>[https://www.cnn.co.jp/fringe/35095077-6.html 圧巻のスケールと技術力、世界の巨大トンネル10選] CNN(2017年3月25日)2017年5月14日閲覧]</ref>。
 
 
 
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== 鉄道における採用路線・区間 ==
 
=== 日本国内 ===
 
[[ファイル:大畑駅付近航空写真1976-001.jpg|thumb|大畑駅付近のスイッチバックとループの航空写真。<br />画面左上から上ってきてトンネルを抜け、画面右の大畑駅に入る。スイッチバックして、ループに入り、画面下に抜ける。{{国土航空写真}}]]
 
[[File:Tunnel114.jpg|thumb|台湾 [[:zh:獨立山 (嘉義縣)|zh:独立山]]<br />3連螺旋式のスパイラルループ線]]
 
[[File:巡道工出品 photo by Xundaogong——关角B门 - panoramio.jpg|thumb|[[青蔵鉄道]]関角ループ線]]
 
* [[上越線]]
 
** [[越後中里駅]]→[[土樽駅]](上り線のみ・上り勾配。通称・松川ループ線)
 
** [[土合駅]]→[[湯檜曽駅]](上り線のみ・下り勾配。通称・湯檜曽ループ線)
 
;;; ※[[清水トンネル]]も参照。
 
* [[ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線]]
 
** [[芝浦ふ頭駅]] - [[お台場海浜公園駅]](複線・海浜公園方へ上り勾配・[[レインボーブリッジ]]の登坂)
 
* [[北陸本線]]
 
** [[敦賀駅]]→[[新疋田駅]](上り線のみ・上り勾配。通称・鳩原ループ線)
 
* [[土佐くろしお鉄道中村線]]
 
** [[若井駅]] - [[川奥信号場]] - [[荷稲駅]](単線・荷稲方へ下り勾配。ループ途中の川奥信号場で[[四国旅客鉄道株式会社|JR四国]]・[[予土線]]が分岐。通称・川奥ループ線)
 
* [[肥薩線]]
 
** [[人吉駅]] - [[大畑駅]] - [[矢岳駅]](単線・矢岳方へ上り勾配、ループ途中の大畑駅は[[スイッチバック]]併用。通称・大畑ループ線)
 
* [[山野線]](1988年2月1日廃止)
 
** [[久木野駅]] - [[薩摩布計駅]](単線・薩摩布計方へ上り勾配、通称・大川ループ線)
 
 
 
==== 折り返し用・環状運転用のループ線 ====
 
* [[山万ユーカリが丘線]]
 
** [[公園駅]] - [[中学校駅]] - 公園駅(単線・一方通行・環状運転用)
 
* [[神戸新交通ポートアイランド線]]
 
** [[中公園駅]] - [[みなとじま駅]] - [[市民広場駅]] - [[中埠頭駅]] - 中公園駅(市民広場駅 - 中埠頭駅 - 中公園駅間単線・一方通行・環状運転用)
 
* [[埼玉新都市交通伊奈線]]
 
** [[大宮駅 (埼玉県)|大宮駅]](終端駅での折り返し)
 
* かつては、[[小牧駅]]・[[桃花台東駅]]([[桃花台新交通桃花台線]])、[[大森駅 (東京都)|大森停車場駅]]([[京浜電気鉄道大森支線]])、大師駅(現 [[川崎大師駅]]・[[京急大師線]])、[[京都駅]]前電停([[京都市電]])、宮益坂上-[[渋谷駅|渋谷駅前]]間([[東京都電車|東京都電]]青山線)、[[箕面駅]]([[阪急箕面線]]、設置時は[[箕面有馬電気軌道]])などにも存在していた。
 
 
 
=== 日本国外 ===
 
* [[阿里山森林鉄路]] (台湾、[[:zh:獨立山 (嘉義縣)|zh:独立山]] 3連螺旋式のスパイラルループ線)
 
* [[テハチャピループ線]](米、カリフォルニア、[[ユニオン・パシフィック鉄道]])
 
* [[ベルニナ線]]・[[ブルージオ橋]](スイス、[[レーティッシュ鉄道]])
 
* [[豊真線]](1945年8月、旧[[樺太]]への[[ソビエト連邦]]軍侵攻に伴い喪失、[[ロシア]]国内では1995年頃より休止中)
 
** [[宝台駅]] - [[池ノ端駅]](単線・池ノ端方へ下り勾配。通称・[[宝台ループ線]])
 
 
 
== 日本国内の道路における主な採用区間 ==
 
[[ファイル:浅川ループライン.JPG|thumb|浅川ループライン真光寺ループ橋(長野県長野市)]]
 
[[ファイル:Ebino-loop-road-1.jpg|thumb|えびのループ(2005/12/18)]]
 
[[ファイル:Lupe-kyo.jpg|right|thumb|ループ橋を表す標識]]
 
* [[国道9号]] [[兵庫県]][[養父市]]([[関宮ループ]])
 
* [[国道30号]] [[岡山県]][[玉野市]]([[西谷橋]])
 
* [[国道33号]] [[愛媛県]][[松山市]]〜[[砥部町]]境界付近([[三坂峠]]北麓<ループ橋ではなく、山腹を縫う勾配路自体がループになっている>)
 
* [[国道53号]] [[岡山県]][[奈義町]]([[馬桑橋]])
 
* [[国道140号]] [[埼玉県]][[秩父市]]([[雷電廿六木橋]])
 
* [[国道158号]] [[岐阜県]][[郡上市]]([[白鳥ループ橋]])、[[福井県]][[大野市]]、岐阜県郡上市([[油坂峠道路]])
 
* [[国道167号]] [[三重県]][[鳥羽市]]白木町、[[第二伊勢道路]]との接続道路
 
* [[国道169号]] [[奈良県]][[川上村 (奈良県)|川上村]]([[伯母谷ループ]])
 
* [[国道221号]] [[熊本県]][[人吉市]]([[人吉ループ橋]])、[[宮崎県]][[えびの市]]([[えびのループ橋]])
 
* [[国道263号]] [[福岡県]][[福岡市]][[早良区]](2008年8月12日開通・[[三瀬トンネル]]第2期工事)
 
* [[国道266号]]・[[国道324号]] [[熊本県]][[天草市]]([[天草瀬戸大橋]])
 
* [[国道283号]] [[岩手県]][[釜石市]]([[仙人大橋]])
 
* [[国道292号]] [[長野県]][[山ノ内町]]([[十二沢橋]])
 
* [[国道314号]] [[島根県]][[奥出雲町]]([[奥出雲おろちループ]])
 
* [[国道325号]] [[熊本県]][[上益城郡]][[山都町]]、[[宮崎県]][[西臼杵郡]][[高千穂町]]([[寧静ループ橋]])
 
* [[国道343号]] [[岩手県]][[陸前高田市]]([[笹ノ田大橋]])
 
* [[国道414号]] [[静岡県]][[河津町]]([[河津七滝ループ橋]])
 
* [[国道442号]] [[福岡県]][[筑後市]]([[筑後ループ橋]])
 
* [[国道484号]] [[岡山県]][[高梁市]]([[あたごループ]])
 
* [[国道487号]] [[広島県]][[呉市]]([[音戸大橋]])
 
* [[名阪国道]] [[奈良県]][[奈良市]]、[[天理市]]([[福住インターチェンジ|福住IC]] - [[天理東インターチェンジ|天理東IC]]間、[[Ωカーブ]]〈完全なループではない〉)
 
* [[長野県道506号戸隠高原浅川線]] [[長野県]][[長野市]]([[浅川ループライン]])真光寺ループ橋と中曽根大橋の2箇所
 
* [[レインボーブリッジ]]一般道路部分 [[東京都]][[港区 (東京都)|港区]]
 
* [[千本松大橋]] ([[大阪市]][[大正区]] - [[西成区]])、[[新木津川大橋]] ([[大正区]] - [[住之江区]])
 
* [[ヴィーナスブリッジ]]
 
* [[桃花橋]] [[山梨県]][[南アルプス市]]曲輪田
 
* [[青海川跨線橋]] [[新潟県]][[糸魚川市]]
 
* [[千葉県道81号]] [[千葉県]][[鴨川市]]([[天津ループ橋]]・部分開通)
 
* [[すずらん大橋 (北杜市)|すずらん大橋]] [[山梨県]][[北杜市]][[小淵沢町]]
 
* [[首都高速道路]] [[加平出入口]]、[[大橋ジャンクション]]、[[大黒パーキングエリア]]など
 
* [[岐阜県道53号岐阜関ケ原線]] [[大縄場大橋]](長良川左岸側のみ)
 
* [[名古屋高速1号楠線]] [[黒川出入口]](ツインループ構造のランプ)
 
* [[阪神高速3号神戸線]] [[武庫川出入口]](西行き出口のみ)
 
* [[福井県道16号坂本高浜線]] [[福井県]][[大飯郡]][[おおい町]]佐分利地区[[石山坂峠]]
 
* [[瀬戸中央自動車道]] [[与島パーキングエリア]]
 
* 旧[[国道197号]] [[愛媛県]][[八幡浜市]](夜昼峠・千賀居隧道) - 日本最古のループ線のトンネルと推定されている<ref>{{Cite web|url=http://www.jsce.or.jp/committee/hsce/2000/list_whole%20(2000)/38_ehime.htm|title=日本の近代土木遺産 現存する重要な土木構造物2000選 愛媛県|date=2006-03-08|accessdate=2014-11-06|publisher=日本土木学会|format=PDF}}</ref>
 
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist}}
 
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+
{{テンプレート:20180815sk}}
== 関連項目 ==
 
* [[線形 (路線)]]
 
* [[スイッチバック]]
 
* [[放射線・環状線]]
 
* [[環状運転]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
*[http://www.toretabi.jp/history/vol17/01.html 鉄道遺産を訪ねて - 勾配を一周回りで上る「ループ線」] - [[交通新聞社]]
 
 
 
{{rail-stub}}
 
{{Railway track layouts}}
 
 
{{DEFAULTSORT:るうふせん}}
 
{{DEFAULTSORT:るうふせん}}
 
[[Category:鉄道線路]]
 
[[Category:鉄道線路]]
 
[[Category:線形 (路線)]]
 
[[Category:線形 (路線)]]

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勾配緩和用ループ線
終端用ループ線(ラケット型ループ線)

ループ線(ループせん)

環loopのように山を回りながら登る鉄道線路の敷き方。山に登る場合に、ぐるぐる回りながら登れば、距離は伸びても勾配(こうばい)が緩くなる。勾配区間で力の落ちる蒸気機関車には、ことに必要な配慮だった。日本では1909年(明治42)に開通した九州肥薩(ひさつ)線の大畑(おこば)―矢岳間にあるのが古く、勾配はループ部分のほとんどが25‰(パーミル)で、一部は30‰である。1931年(昭和6)に全通した上越線清水トンネルは両出口にループ線をもっている。南口を湯檜曽(ゆびそ)ループ、北口を松川ループと称し、勾配は20‰と比較的緩く、開通時から電化されていたので高速運転が実現できた。アルプスの国スイスでは、国鉄サン・ゴタール・トンネルの南口ジョルニコ付近に二巻きのループ線が、私鉄レーティッシェ鉄道のプレダ付近には三巻きのループ線があり、勾配も35‰もある。なお、土木技術の進歩で長大トンネルが増えているため、ループ線は今後ふえることはない。

脚注



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