マネタリズム

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monetarism

ケインズ学派の財政金融政策を批判して 1960年代に登場した学派で,その主唱者はシカゴ学派の総帥 M.フリードマンである。この学派の人々をマネタリスト monetaristと呼ぶ。マネタリズムの核心は,物価や名目国民所得の変動を左右する主たる要因が貨幣量 (貨幣供給量すなわちマネー・サプライ ) の変動にあるとする理論で,新貨幣数量説 new quantity theory of moneyとも呼ばれる。この観点から,経済政策のなかで貨幣供給量を重視する貨幣政策が経済安定のために最も重要であるとされる。ケインズ学派とマネタリズムの論争点を概括すると次のとおりである。ケインズ学派は,市場機構だけでは経済の安定化は達成できないとして裁量的経済政策 (財政金融政策) を重視して,政府の経済への介入が必要であると主張する。これに対してマネタリズムは,私企業の経済活動は全面的に市場機構にゆだねるべきであるとし,政府の経済政策は長期的な産出量成長率に見合った一定増加率での貨幣供給に限定して行われるべきで,ケインズ学派の財政金融政策による経済への介入は望ましくないと主張する。 (→貨幣数量説 )