フォッサ・マグナ

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羅: Fossa magna、意味:大きな溝

日本列島を中部地方で南北に横切る日本の地質構造上重要な地帯。本来は大きな裂け目という意味のことばで,明治に日本の地質を調べたドイツ人エドムント・ナウマンによって命名された。西側は糸魚川-静岡構造線という逆断層で赤石山脈や日本アルプスの高い山々と境され,東側は富士山や八ヶ岳などの新しい火山に覆われるためその境をはっきりと確認しにくいが,関東山地西縁部を通ると考えられている。フォッサ・マグナ地域には,新生代新第三紀中頃の海底の火山噴出物と堆積物が厚く発達し,その両側の山地をつくっている古生代中生代の古い地層を横切って南北に分布する。この地域を境にして,基盤となっている両側の古い地層の帯状構造の方向が折れ曲がるようになり,約 90°の角度をもっている。このように日本列島を西南日本東北日本に二分しているフォッサ・マグナが形成された時期については,中生代から新第三紀の初めにかけて,まず両側の基盤に見られるような運動が起こり,次に新第三紀の中頃に海に覆われて地層がつくられるとともに,両側の境の断層ができたと考えられている。