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{{Infobox 国軍
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{{テンプレート:20180815sk}}
|国 = パキスタン
 
|名前 = パキスタン軍
 
|各国語表記 = {{lang|ur|پاک مسلح افواج}}
 
|画像 = [[File:State_emblem_of_Pakistan.svg|150px]]
 
|画像説明 = パキスタン軍のエンブレム
 
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|画像説明2 = パキスタン三軍の合同軍事パレード
 
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|[[画像:Flag of the Pakistani Army.svg|22px]] 陸軍<br>[[画像:Naval Jack of Pakistan.svg|22px]] 海軍<br>[[画像:Air Force Ensign of Pakistan.svg|22px]]空軍<br>沿岸警備隊<br>その他の[[準軍事組織]]<br>戦略軍
 
|本部 = [[ラーワルピンディー]]
 
}}
 
<!-- 指揮官 -->
 
|最高司令官 = [[w:Zubair Mahmood Hayat|Zubair Mahmood Hayat]]
 
|最高司令官名 =  [[:en:Chairman Joint Chiefs of Staff Committee|統合参謀本部議長]]
 
|国防大臣 = [[w:Khawaja Muhammad Asif|Khawaja Muhammad Asif]]
 
|国防大臣名 = [[w:Minister of Defence (Pakistan)|国防大臣]]
 
|司令官 = [[:en:Qamar Javed Bajwa|カマル・ジャビド・バジュワ]]<br>[[:en:Sohail Aman|Sohail Aman]]<br>[[:en:Muhammad Zakaullah|Muhammad Zakaullah]]
 
|司令官名 = [[:en:Chief of Army Staff (Pakistan)|陸軍参謀総長]]<br>[[:en:Chief of Air Staff (Pakistan)|空軍参謀総長]]<br>[[:en:Chief of Naval Staff (Pakistan)|海軍参謀総長]]
 
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|参謀長名 =
 
<!-- 総人員 -->
 
|徴兵制度 =
 
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|情報年度  2007<br />兵役適齢  16-49歳<br />徴兵制度  志願制<br />適用年齢  16-49歳<br />適齢総数  39,028,014<br />女性適齢総数  36,779,584<br />実務総数  29,428,747<br />女性実務総数  28,391,887<br />年間適齢到達人数  1,969,055<br />年間女性適齢到達人数  1,849,254<br />現役軍人数  646,000<br />順位数  7
 
}}
 
|国内活動 =
 
|国外活動 =
 
<!-- 財政 -->
 
|軍事費 = $78億ドル
 
|軍事費/GDP = 4.5(2006年)
 
<!-- 産業 -->
 
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<!-- 関連リンク -->
 
|歴史 =
 
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|[[第一次印パ戦争]]<br />[[第二次印パ戦争]]<br />[[第三次印パ戦争]]<br />[[バングラデシュ独立戦争]]<br />[[カシミール紛争]]<br />カルギル紛争<br />[[湾岸戦争]]<br />[[不朽の自由作戦]]<br />[[ワジリスタン紛争]]
 
}}
 
|順位 =
 
}}
 
'''パキスタン軍'''(パキスタンぐん、[[英語]]:Pakistan Armed Forces、{{lang-ur|پاک مسلح افواج}}、[[ラテン文字]]転写:Musalah Afwaj-e-Pakistan)は、[[パキスタン]]の[[軍隊]]。
 
 
 
陸軍総兵力は646,000人とされており、これは世界第7位の規模である。地上兵力55万人、[[作戦機]]400機、艦船29隻を有し、これ以外に302,000名の[[準軍事組織]]と515,000名の[[予備役]]部隊がある。[[徴兵制度]]は採用されておらず、いずれも[[志願制度|志願兵]]である。
 
 
 
こうした世界有数の規模の通常兵力に加えて、[[核兵器]]を保有している。
 
 
 
== 概要 ==
 
[[File:Mike Mullen reviews Pakistani troops.jpg|right|thumb|250px|[[アメリカ軍]]高官の閲兵を受けるパキスタン陸軍儀仗隊。]]
 
[[インド・パキスタン分離独立|独立]]以来、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]との協力・同盟関係を維持しながら、[[カシミール]]問題で激しく争う[[インド]]に対抗したり、[[アフガニスタン]]への[[ソビエト連邦|ソ連]]・[[ロシア]]の南下を警戒したりするのがパキスタンの一貫した[[外交政策]]である。インドという共通の相手をもつ[[中華人民共和国]]とも緊密な軍事協力を行っている。これを反映して、カシミール地方の帰属や[[バングラデシュ]]の独立問題などをめぐって、インドとの間には1948年以来[[印パ戦争|3度の全面戦争]]を経験しているほか、カシミール地方の軍事境界線においては武力衝突が常態化している。一方、[[親米]]路線は堅持され、アメリカからの軍事援助も盛んであるが、[[アフガニスタン紛争 (2001年-2014年)|アメリカのアフガニスタン侵攻]]以後は、この方針への反発から、国内において[[イスラム過激派]]勢力の活動が活発化。これに対する[[対反乱作戦]]も続けられている。
 
 
 
これらの情勢を背景として、パキスタン国内において軍の政治的・社会的影響力は極めて強い。独立以来、[[クーデター]]も度々起きている。例えば、[[パルヴェーズ・ムシャラフ]]前大統領も、1999年の無血クーデターで[[ナワーズ・シャリーフ]]首相(当時)から実権を掌握し、2001年の民政移管でそのまま[[パキスタンの大統領|大統領]]に横滑りした人物である。
 
 
 
司法に関与することもあり、2017年4月にはパキスタン最高裁判所が、[[パナマ文書]]問題でシャリーフ首相に対して、軍や[[連邦捜査局]]による合同[[捜査]]を命じた<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM20H7Y_Q7A420C1FF2000/|title=パキスタン首相を捜査へ|work=|publisher=[[日本経済新聞]]朝刊|date=2017年4月21日}}</ref>。
 
 
 
その一方、インドとのパワー・バランスは、国力の差を反映してパキスタンに不利なものとなっている。通常兵器のみが使われた過去の戦争において、パキスタンはいずれも劣勢を余儀なくされている。このため[[核兵器]]とその運搬手段である[[弾道ミサイル]]の開発に力を入れ、1998年にはインドに対抗して[[核実験]]を実施。核保有を公式に宣言した。
 
 
 
創成期のパキスタン軍は、人材の多くが旧宗主国である[[イギリス]]の植民地軍の出身者によって占められていた。このため、軍制は多くをイギリスに準じたものとなっているが、兵器体系は非常に多彩である。イギリスをはじめとする[[ヨーロッパ|欧州]]諸国、アメリカ、ロシア、中国などからの輸入や技術導入による各種兵器が配備されており、兵器の国産化も進められている。
 
 
 
== 統合参謀本部 ==
 
統合参謀本部([[:en:Joint Chiefs of Staff Committee, Pakistan|Joint Chiefs of Staff Committee]])は、パキスタン軍の最高意思決定機関であり、陸海空の各軍参謀総長と、統合参謀本部議長からなる。
 
 
 
統合参謀本部議長(''CJCSC'': [[:en:Chairman Joint Chiefs of Staff Committee (Pakistan)|Chairman Joint Chiefs of Staff Committee]])は統合参謀本部の議長であり、原則としては、パキスタン軍の最高位の軍人となる。しかし実際には、得てして実権は陸軍参謀総長(''COAS'':[[:en:Chief of Army Staff (Pakistan)|Chief of Army Staff]])に握られており、また、兼務となっていることも多い。
 
 
 
== 陸軍 ==
 
{{see also|[[:en:Pakistan Army]]}}
 
パキスタン陸軍は、550,000名の常備軍と500,000名の予備役部隊を擁している。陸軍司令部は[[ラーワルピンディー]]に所在しており、陸軍軍人の最高位は陸軍参謀総長 (COAS) である。陸軍参謀総長は統合幕僚会議を構成するとともに、陸軍の作戦指導に責任を負っており、陸軍一般参謀長(''CGS'':Chief of General Staff)や陸軍兵站参謀長(''CLS'':Chief of Logistics Staff)の補佐を受ける。
 
 
 
=== 編制 ===
 
[[File:Pakistan Army Structure.png|thumb|450px|パキスタン陸軍の平時における戦闘序列。]]
 
パキスタン陸軍は10個の軍団を編成している。このうち、戦略軍団は核戦力を担当し、それ以外の9個軍団(第1,2,4,5,10,11,12,30,31軍団)はそれぞれの管区の警備を担当する。これらのナンバー軍団は、通例、2〰3個師団と、場合により独立旅団を有している。
 
 
 
基本的な戦略単位は[[師団]]であり、パキスタン陸軍には9個歩兵師団、2個機械化歩兵師団、2個機甲師団、2個砲兵師団が編成されている。これらは陸軍少将によって指揮されており、通常、3個旅団(歩兵、砲兵、工兵)と若干の師団直轄部隊(戦車など)によって編成される、諸兵科混成部隊である。
 
 
 
[[旅団]]長は[[准将]]であり、通例は3個大隊より編成される。また、師団の隷下にはない独立旅団も編成されており、師団内旅団と同様に准将の指揮を受ける。基本戦術単位は[[大隊]]で、これは中佐の指揮下に600名から900名の兵員を擁する。<ref name="definations">{{cite web| url=http://www.fotw.net/flags/pk%5Eard.html| title=" Subdivisions of the army"| accessdate=2007-01-21| archiveurl=https://web.archive.org/web/20061116031246/http://www.fotw.net/flags/pk%5Eard.html| archivedate=2006年11月16日| deadurldate=2017年9月}}</ref>
 
 
 
尚、陸軍には[[Special Services Group]]という特殊部隊がある。
 
 
 
=== 装備 ===
 
[[File:Alzarrar.jpg|thumb|250px|59式戦車の近代化改修型であるアル・ザラール戦車。]]
 
陸軍の兵器体系は、非常に国際的な顔ぶれとなっている。
 
 
 
主力小銃は[[ドイツ]]製の[[H&K G3]]であるが、ロシアあるいは中国で生産された[[AK-47]]シリーズも使用されている。[[汎用機関銃]]は[[ラインメタルMG3]]が主力だが、[[擲弾筒]]としては[[RPG-7]]あるいはその中国版が多い。また、ロシア製の新しい対戦車火器である[[RPG-29]]の配備もはじまっている。
 
 
 
主力戦車は多くが中国製または共同開発であり、最新鋭の[[90-II式戦車|アル・ハーリド戦車]] 600両をはじめとして、[[85式戦車]] 300両、[[69/79式戦車]] 400両が運用されている。また、1997年より、[[ウクライナ]]製の[[T-80]]UD も320両が導入された。一方、これらに随伴する装甲兵員輸送車や自走砲は多くがアメリカ製で、[[M113装甲兵員輸送車]]が1100両以上、[[M109 155mm自走榴弾砲]]が265両就役している。牽引砲の口径も非常に多彩で、ロシア系の[[:en:85 mm divisional gun D-44|85mmカノン砲]]、122mm榴弾砲、[[M-46 130mmカノン砲|130mmカノン砲]]、アメリカ系の105mm榴弾砲および155mm榴弾砲が運用されている。
 
 
 
[[ヘリコプター]]戦力もやはり多国籍となっており、輸送ヘリコプターはベストセラーである[[Mi-8 (航空機)|Mi-8]]、攻撃ヘリコプターは[[AH-1 (航空機)|AH-1]]、軽多用途ヘリコプターとしては[[ユーロコプター フェニック]]、[[シュド・エスト SE.3130]]、[[SA 316 (航空機)|SA 316]]が運用されている。
 
 
 
== 海軍 ==
 
[[File:Pakistan Navy Ship (PNS) Shahjahan & Tippi Sultan.jpeg|thumb|250px|[[アメリカ海軍]][[フリゲート]]と艦隊行動を行なうパキスタン海軍フリゲート]]
 
{{see also|[[:en:Pakistan Navy]]}}
 
{{see also|パキスタン海軍艦艇一覧}}
 
パキスタン海軍は総人員31,000人、予備役5,000人。艦船は29隻を有し、その内訳は、潜水艦×8隻、フリゲート×6隻、ミサイル艇×4隻、哨戒艇×2隻、掃海艇×3隻、測量艦×1隻、補給艦×1隻、給油艦×4隻。また、航空機は33機を有し、その内訳は、艦載の哨戒ヘリコプターが15機と地上基地発進の固定翼機が18機である。
 
 
 
パキスタン海軍は、数次に渡る印パ戦争において空海戦を経験している。特に[[第三次印パ戦争]]においては、[[インド海軍]]が空母機動部隊によってパキスタンの後方地域を攻撃することを企図したことから、極めて激烈な交戦が発生しており、インド海軍の[[14型フリゲート]]1隻を撃沈した一方で、駆逐艦2隻および潜水艦1隻を喪失している。また、近年では[[インド洋]]上での[[海上阻止行動]]にも参加しており、[[日本]]の[[自衛隊インド洋派遣]]部隊からの給油も受けている。実際、パキスタン海軍の日本からの受油量は、アメリカ海軍に次いで第2位である。
 
 
 
=== 潜水艦 ===
 
洋上において、パキスタン海軍は、圧倒的なインド海軍の洋上兵力に対して劣勢を強いられている。しかし、インド海軍は、伝統的に[[空母機動部隊]]によってパキスタンの後方地域を攻撃するという戦略を採用する傾向があるため、これを洋上で邀撃する必要性は極めて切迫したものである。
 
 
 
このことから、パキスタン海軍は[[潜水艦]]戦力の拡充に重点を置いている。その艦は多くが[[フランス]]製であり、[[アゴスタ級潜水艦]]を2隻、改良型のアゴスタ90B型が3隻就役しているほか、やや旧式の[[ダフネ級潜水艦]]も4隻が残っている。これらはいずれも、水中発射型対艦ミサイル(アゴスタ90B型のみ[[エグゾセ]]、それ以外は[[ハープーン (ミサイル)|ハープーン]])の運用能力を付与されているほか、アゴスタ90B型は[[非大気依存推進]]システムの追加搭載を行なっている。
 
 
 
パキスタン海軍は2017年1月9日、潜水艦から[[核弾頭]]搭載可能な[[巡航ミサイル]]「バーブル3」(射程450キロメートル)を発射する試験に初めて成功した<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09HAS_Z00C17A1FF8000/|title=パキスタン、潜水艦発射巡航ミサイル実験成功 |work=|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2017年1月10日}}</ref>。潜水艦は陸上発射ミサイルや航空機、水上艦に比べて隠密性や生残性が高く、報復攻撃能力による核[[抑止力|抑止]]や、先制・[[奇襲]]攻撃能力は大幅に高まることになる。
 
 
 
また、特殊作戦及び特殊部隊の運搬用にミゼットサブマリン([[潜水艇]])を保有している。
 
 
 
潜水艦の多くは初期は海外からの供与であったが、現在では設計のみ海外で行ない、実際の建造・修繕はパキスタン国内の造船所で実施できるようになっている。通常潜水艦の建造技術はフランスから、ミゼットサブマリンの建造技術は[[イタリア]]から提供されているとみられる。
 
 
 
=== 水上艦 ===
 
[[File:Tippu Sultan (D 185).jpg|thumb|250px|D-185「[[アヴェンジャー (フリゲート)|ティップ・スルタン]]」。]]
 
また、洋上戦力も、決して弱体なものではない。その主力となっているのが、イギリス海軍を退役した[[21型フリゲート]] 6隻で、パキスタン海軍では[[タリク級駆逐艦]]と呼称している。これらはいずれも、パキスタン海軍による改修を受けており、中国製の[[:en:LY-60 / FD-60 / PL10|LY-60]] [[艦対空ミサイル]]を搭載した防空型と、アメリカ製のハープーン[[艦対艦ミサイル]]を搭載した対水上打撃型とに分けられる。
 
 
 
中国の設計による[[ズルフィカル級フリゲート]]の取得も進んでおり、同級の4番艦はパキスタン国内での建造が行なわれている。さらに、アメリカから[[オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート]]の譲渡または売却を受ける計画もあり、同国海軍は6隻を取得したいという意向を示しており、2010年8月31日には[[マッキナニー (フリゲート)|FFG-8「マッキナニー」]]の引渡しを受け、「アラムジル」(''Alamgir'')として再就役させた。<ref>{{Cite journal|和書||author=編集部||year=2010||month=11||title=海外艦艇ニュース||journal=[[世界の艦船]]||issue=第732集||pages=170頁||publisher=海人社}}</ref>また、これらを支援するため、[[中国人民解放軍海軍]]が運用していた福清型補給艦の4番艦を取得し、「ナスル」(Nasr)として運用中である。なお、パキスタン海軍は、1988年から1994年にかけて、アメリカ海軍を退役した[[ブルーク級ミサイルフリゲート]] 4隻を貸与されて運用しており、これによって[[艦対空ミサイル#艦隊防空ミサイル|艦隊防空ミサイル]]の運用経験を積んでいるが、現在アメリカ海軍に在籍するペリー級ミサイルフリゲートは、全艦がミサイル兵装を撤去しているため、パキスタン海軍に貸与される際にどのような装備を行なうかは不透明である。
 
 
 
=== 航空機 ===
 
[[画像:P3 Orion - RIAT 2008 (2681097380).jpg|thumb|200px|特別塗装を施したパキスタン海軍のP-3C]]
 
[[画像:US Navy 100430-N-3436L-003 Gather for a photo during the U.S. Navy and Pakistan Navy P-3C Orion Transfer Ceremony at Naval Air Station Jacksonville.jpg|thumb|200px|P-3Cの引き渡し式]]
 
 
 
パキスタン海軍は、洋上哨戒と対水上打撃を目的とした小規模な航空隊を保有している。
 
 
 
タリク級駆逐艦(21型フリゲート)とズルフィカル級フリゲートはいずれも[[艦載機|艦載ヘリコプター]]の運用が可能であり、タリク級は[[SA 316 (航空機)|SA 319B アルエットIII]]または[[アグスタウェストランド リンクス]]を、ズルフィカル級は[[Z-9 (航空機)|Z-9]]を搭載する。
 
 
 
また、地上基地より発進する[[対潜哨戒機]]として[[アトランティック (航空機)|アトランティック]]2〜3機とアメリカ海軍から購入した中古の[[P-3 (航空機)|P-3C]]×4機、海洋哨戒機として[[フォッカー F27]]を5機運用する。ただし、アトランティックのうちの1機は、1999年に[[インド空軍]]機によって撃墜されている([[:en:Atlantique Incident|アトランティック撃墜事件]])。
 
 
 
なお、対艦攻撃機として[[ミラージュ5 (航空機)|ミラージュ5]]も保有するが、これは空軍によって運用されている。
 
 
 
=== 歩兵戦力 ===
 
パキスタンが保有する海上歩兵部隊としては、[[パキスタン海兵隊]]と[[海軍特殊作戦群 (パキスタン)|Special Services Group Navy]](SSGN)という特殊部隊が挙げられる。
 
 
 
パキスタン海兵隊は1971年から存在していたが、十分な能力を発揮できず1974年に解体された。しかし1990年から海軍参謀総長らの手によって再編され、近接戦闘や[[警備]]の訓練を受け、パキスタン海軍の一翼を担う部隊となっている。
 
 
 
SSGNは[[Navy SEALs]]の指導を受けて1966年に設立され、1971年の第三次印パ戦争に投入されたのを最初に[[バングラデシュ]]の紛争や[[アメリカ同時多発テロ事件]]以降の[[対テロ戦争]]に導入され、2010年に起こったパキスタン大洪水では他の海軍部隊と共に被災者の救助も参加した。
 
 
 
== 空軍 ==
 
[[File:Two JF-17 Thunders.jpg|thumb|250px|パキスタン空軍のJF-17サンダー戦闘機]]
 
{{see also|[[:en:Pakistan Air Force]]}}
 
パキスタン空軍は総人員65,000人、予備役10,000人、航空機700機(うち作戦機450機)を有している。
 
 
 
保有機材はアメリカ機とフランス機が多かったが、近年は中国機の比率が急速に増大している。
 
 
 
戦闘機の数的な主力は中国製の[[J-7 (航空機)|F-7P エアボルト]] 192機で、フランス製の[[ミラージュIII (戦闘機)|ミラージュIII]]の121機、[[ミラージュ5 (航空機)|ミラージュ5]]の60機がこれに次ぐ。また、1980年代には[[第4世代ジェット戦闘機|第4世代機]]となるアメリカ製の[[F-16 (戦闘機)|F-16]]も導入したほか、中国と共同開発した[[FC-1 (航空機)|JF-17 サンダー]]の導入計画が現在では進められており、最終的には250機を取得する予定である<ref>[https://archive.is/20121221081739/www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C11%5C29%5Cstory_29-11-2008_pg5_4 IDEAS 2008 secures orders worth $40m USD - Daily Times]</ref>。
 
 
 
近年では空中早期警戒管制能力の整備も進めており、中国製のKJ-200 4機と、スウェーデン製の[[サーブ 2000]] AEW&C([[エリアイ (レーダー)|エリアイ]]搭載機) 4機の導入が計画されている。
 
 
 
一方、航空輸送戦力としては、半世紀以上にわたるベストセラーの[[C-130 (航空機)|C-130]] 12機が主力となっており、また、[[Il-78 (航空機)|Il-78]]空中給油機も2機保有する。
 
 
 
また、パキスタン軍のSpecial Service Wing(SSW)は、空軍の特殊部隊である。
 
 
 
== 核兵器と弾道・巡航ミサイル ==
 
{{see also|パキスタンの核実験 (1998年)}}
 
1998年、パキスタンは地下核実験を実施し、7番目の[[核兵器#核兵器保有国|核保有国]]となったことを宣言した。この実験にあたっては、[[アブドゥル・カディール・カーン]]博士が主導的な役割を果たしたほか、中国と[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の関与も疑われている。
 
 
 
パキスタンは通常兵力で優勢なインドを核兵器で抑止する戦略をとっている。『アメリカ原子力科学者会報』の推計によると、保有する核兵器はインドより10発多い140発程度で、さらに増やしている。北部クシャブに、核兵器の材料となる[[プルトニウム]]生産用[[原子炉]]がある<ref>遠い和平・印パ独立70年(中)核兵器 果てなき競争『[[読売新聞]]』朝刊2017年8月13日 (国際面)</ref>。将来は米露に続き世界第3位の核保有国になる可能性が指摘されている。パキスタンは、[[戦術核兵器]]レベルである射程距離70km程度の[[短距離弾道ミサイル]](SRBM)「ナスル」<ref>{{Cite web|url=https://mainichi.jp/articles/20170815/ddm/007/030/053000c|title=【印パ独立70年】第2部:核脅威のエスカレーション(中)核使用、低いハードル/パキスタンの応戦、現実味|publisher=『[[毎日新聞]]』朝刊2017年8月15日(国際面)|accessdate=2017-8-17}}</ref>から、[[準中距離弾道ミサイル]](MRBM)、 [[中距離弾道ミサイル]](IRBM)までの各種[[弾道ミサイル]]と[[巡航ミサイル]]を保有または開発中である。このうち「{{仮リンク|ガウリ (ミサイル)|label=ガウリ|en|Ghauri (missile)}}」や「シャーヒーン2」などいくつかの機種については、[[核弾頭]]の搭載が可能ではないかと推測されているか、公式に認められている。パキスタン軍は2017年1月、弾道ミサイル「アバビール」(最大射程2200km)の発射実験に初めて成功した際、「核抑止力の強化につながる」と発表した<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM24H9Z_U7A120C1FF2000/|title=パキスタン、弾道ミサイル実験に成功|work=|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2017年1月24日}}</ref>。 なお「ガウリ」ミサイルは[[朝鮮人民軍]]の「[[ノドン]]」ミサイルの技術が、「シャーヒーン」ミサイルには中国の技術が導入されていると見られている。
 
{{-}}
 
 
 
== 情報組織 ==
 
{{main|軍統合情報局}}
 
'''パキスタン軍統合情報局'''({{Lang-en-short|Directorate for Inter-Services Intelligence}})は、[[パキスタン]]で最大の[[情報機関]](諜報機関)である。短く Inter-Services Intelligence とも呼ばれ、略称の '''"ISI"''' が内外で広く通用している。現在はパキスタンで軍事のみならず政治面でも最強の組織に数えられる。本部は[[イスラマバード]]に所在している。
 
 
 
[[アフガニスタン紛争 (1978年-1989年)|ソ連軍のアフガニスタン侵攻]]においては、[[中央情報局]](CIA)とともに[[ムジャーヒディーン]]を大々的に支援したが、このころから[[イスラム原理主義]]の影響が強くなったとされ、[[アフガニスタン紛争 (1989年-2001年)|アフガニスタン紛争]]では最初は[[グルブッディーン・ヘクマティヤール]]率いるヒズベ・イスラーミー(ヘクマティヤール派)の、後には[[ターリバーン]]の後ろ盾になったとされる。[[パキスタンの核実験 (1998年)|パキスタンの核開発]]にも深く関与した。また、アフガニスタンに対するほか、[[インド]]に対する活動も行なっているといわれており、[[ラシュカレ・タイバ]]などのテロ組織の背景にISIの存在があるとの指摘は根強い。一方で国内の[[ワジリスタン紛争]]には関与が消極的とも伝えられる。
 
 
 
== 準軍事組織 ==
 
[[準軍事組織]]には民兵組織で防空などを担当する'''パキスタン国家警備隊'''、[[シンド州]]や[[パンジャブ州]]での国境警備にあたる'''パキスタン・レンジャー'''、シンド州メヘランに拠点を置く'''メヘラン部隊'''、[[カイバル・パクトゥンクワ州]]や[[クエッタ]]、[[ペシャーワル]]および[[バローチスターン州]]内で[[治安]]維持活動をする'''辺境軍団'''(これは各部族の武装集団を起源にもつ)が存在する。
 
 
 
また[[沿岸警備隊]]としては、陸軍と海軍の隷下にそれぞれ組織が設置されている。前者が[[:en:Pakistan Coast Guard|PCG({{Lang|en|Pakistan Coast Guard}})]]で、歩兵部隊と小型舟艇による沿岸防備を主任務としている。一方、後者が[[:en:Maritime Security Agency|PMSA({{Lang|en|Maritime Security Agency}})]]で、こちらは[[哨戒艦艇]]による洋上警備救難を主任務としている。
 
 
 
== 国際連合平和維持活動 ==
 
パキスタン軍は積極的に[[国際連合平和維持活動]](PKO)に参加していることでも知られている。
 
 
 
[[モガディシュの戦闘]]の際には、モガディシュ市内で孤立したアメリカ軍レンジャー部隊を救援するため、米[[第10山岳師団 (アメリカ軍)|第10山岳師団]]や[[マレーシア軍]]とともに市内に突入し、生存者と遺体を回収した。
 
 
 
[[国際連合保護軍]]にも参加しており、[[スレブレニツァの虐殺]]の際には、同じく[[国際連合|国連]]が安全区域として指定していた[[トゥズラ]]市の守備を行なっていた。トゥズラ市そのものが重大な脅威にさらされていたため、スレブレニツァを救援することはできなかったが、スレブレニツァや[[ジェパ]]を脱出した難民たちにとって、トゥズラは唯一の希望となった。このとき、パキスタン軍は5万人の[[難民]]を救助した。
 
 
 
==脚注==
 
{{reflist}}
 
 
 
==外部リンク==
 
{{Commons|Category:Military of Pakistan}}
 
* [http://www.ispr.gov.pk/ Inter Services Public Relations]
 
* [http://www.depo.org.pk Defence Export Promotion Organisation]
 
* [http://www.ideaspakistan.com I.D.E.A.S. Pakistan Defence Exhibition]
 
* [http://www.awc.com.pk/ Pakistan Air weapons complex]
 
* [https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/pk.html#Military CIA World Factbook 2006]
 
* [http://www.paffalcons.com/ PAF Falcons Base]
 
* [http://www.pakdef.info/ Pakistan Military Consortium]
 
* [http://www.globalsecurity.org/military/world/pakistan/index.html Pakistan Military Guide from GlobalSecurity.org]
 
* [http://www.geocities.com/Pentagon/Bunker/1026/jconco.html JCO Ranks]
 
* [http://hemsidor.torget.se/users/k/klix/grader_e.html Rank insignia of the World]
 
* [http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/south_asia/3227709.stm BBC Pakistan Military Through the Ages]
 
* [http://forumpakistan.com/pakistan-armed-forces-f44.html Pakistan Armed Forces]
 
*[http://www.pakistanimedals.com Pakistani Medals Collection]
 
 
 
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