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{{Otheruses|'''無業者'''|その他の「ニート」と呼称するもの|ニート (曖昧さ回避)}}
 
'''ニート'''({{Lang-en-gb|'''N'''ot in '''E'''ducation, '''E'''mployment or '''T'''raining, '''NEET'''}})とは、[[教育|就学]]・[[労働|就労]]・[[職業訓練]]のいずれも行っていないことを意味する用語である。[[日本]]では、15〜34歳までの非労働力人口のうち通学・家事を行っていない者を指しており、「'''若年無業者'''」と呼称している<ref>{{Cite web |url=http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/12.html |title=若者雇用関連データ|厚生労働省 |accessdate=2018-01-08 |archiveurl=https://archive.is/H4PPZ |archivedate=2013-09-21}}</ref>。
 
  
== 概要 ==
+
'''ニート'''({{Lang-en-gb|'''N'''ot in '''E'''ducation, '''E'''mployment or '''T'''raining, '''NEET'''}})
{{節stub}}
 
元々は[[イギリス]]の労働政策において出てきた用語で、[[1999年]]に同国の[[行政機関|政府機関]]・{{仮リンク|社会的排除防止局|en|Social Exclusion Unit}}が作成した調査報告書『{{lang|en|Bridging the Gap}}』の中にある一文「{{lang|en|Bridging the Gap: New Opportunities for 16-18 years olds not in education, employment or training}}」([[日本語]]訳「ギャップを埋める:教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者に対する新しい機会」)の「{{lang|en|not in education, employment or training}}」という部分の[[頭字語|頭文字]]を取り、『{{lang|en|NEET}}』と略したものが始まりである<ref name="AttewellNewman2010">{{cite book|author1=Paul Attewell|author2=Katherine S. Newman|title=Growing Gaps:Educational Inequality around the World: Educational Inequality around the World|url=http://books.google.com/books?id=QNwgeC_OqycC&pg=PT181+|accessdate=3 February 2013|date=5 November 2010|publisher=Oxford University Press, USA|isbn=978-0-19-973218-0|pages=181-}}</ref><ref name="Kraus2008">{{cite book|author=Katrin Kraus|title=Work, Education and Employability|url=http://books.google.com/books?id=wG8rNpJR1PIC&pg=PA188+|accessdate=3 February 2013|date=30 December 2008|publisher=Peter Lang|isbn=978-3-03911-294-4|pages=188-}}</ref><ref>{{PDFlink | [http://www.partnershipforyounglondon.org.uk/data/files/1419/bridging_the_gap_seu_1999.pdf "Bridging the gap: New opportunities for 16-18 year olds not in education, employment or training"] |2.53&nbsp;MB}}. [[Social Exclusion Unit]]. July 1999. Accessed 25 August 2011. [http://www.webcitation.org/61D9JIx7d Archived] 25 August 2011.</ref><ref>Furlong, Andy. [http://wes.sagepub.com/content/20/3/553.short "Not a very NEET solution representing problematic labour market transitions among early school-leavers"] {{subscription}}. ''[[Work, Employment & Society]]'' '''20''' (3): 553–569. September 2006.</ref>。
 
  
=== 「ニート」という用語について ===
+
15歳以上 34歳以下で,どの学校にも通学しておらず,ふだん収入を伴う仕事をしていない独身の若年無業者 (内閣府) 。 Not in Education,Employment or Trainingの略称で,1999年にイギリス政府の調査報告書『Bridging the Gap』で使われた。内閣府の調査では,2002年時点の若年無業者は 213万人。そのうち約 129万人が仕事を探している「求職型」であるのに対し,就業を希望しながら仕事を探していない「非求職型」約 43万人と,就業すら希望していない「非希望型」約 42万人の合計 85万人にニートが多く含まれると推定された。また,厚生労働省『労働白書』では,2002~05年のニートの数は各年 64万人と発表された。不安定でもなんらかの収入を得ている[[フリーター]]と異なり,読み・書き・話すの基礎的スキルや生活行動の面で苦手意識が強く,そのために自信や意欲を喪失して社会や職場との関係が築けなくなり,親に依存した状態にある場合が多い。 2007年の厚生労働省の調査によると,家の暮らし向きは「ふつう」が 47.1%,学歴は高卒者が 77.0%,1ヵ月以上就労した経験者は 79.0%で,ニートの期間は1年以下が 41.1%,5年超が 11.5%,「学校でいじめられた」 55.0%,「ひきこもり」「精神科や心療内科で治療を受けた」の経験者が各 49.5%といった実態も浮き彫りになった。
日本では、2003年に[[厚生労働省]]所管の[[特殊法人]]である日本労働研究機構(略称:JIL、現在の[[労働政策研究・研修機構]])が若者就業支援政策の国際比較研究の中で「ニート」という用語を用いて、イギリスにおける若者支援政策を紹介している<ref>[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/h19-2/html/3_1_3.html ユースアドバイザー養成プログラム 第3章支援対象者の理解 第1節若者を取り巻く現状 3雇用・就労をめぐる現況 (3)不就労]</ref>。翌2004年、JIL研究員で[[東京大学社会科学研究所]](社研)[[准教授|助教授]](いずれも当時の肩書)の[[玄田有史]]が、[[ジャーナリスト]]・曲沼美恵との共著で『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』を上梓すると瞬く間に話題となり、マスメディアで「ニート」という言葉が多用されるに至った。
 
  
一方、[[東京大学大学院教育学研究科・教育学部|東京大学大学院教育学研究科]][[教授]]で、著書『「ニート」って言うな!』を上梓した[[本田由紀]]は、「ニート」という言葉そのものが不適切であり、用語を広めた玄田有史及び玄田の書籍などを厳しく批判している。なお、本田はJILや社研で玄田と同僚であった。本田によると、[[産経新聞]]が2004年5月17日付の記事で「働かない若者『ニート』10年で1・6倍 就業意欲なく親に”寄生“」と題してこの書籍を取り上げたことや、テレビ番組に「ニート」として取材を受けた男性が「働いたら負けかなと思っている」などと嘯いていたことが、[[インターネット]]上を中心に話題となり、これ以後、日本における「ニート」の概念やイメージが『働く気のない怠け者』『無気力』『心を病んでいる』『親に寄生して生活している』([[パラサイトシングル]])などといったネガティブなものに色濃く定まってしまい、現在では「ニート」という用語が罵倒語、もしくはそれに準ずる形で用いられているとしている。このことで問題の本質が覆い隠されてしまい、経済や社会の構造的な要因が大きいにも関わらず、「若者の側に問題がある」かのように語られるという問題が起きていると述べており、また、「若者の内面に問題があるから矯正しなければならない」といった政策のミスリードを懸念している<ref>{{Cite web|date=2006-01-09 |url=http://www.tbs.co.jp/radio/stand-by/attack/20060109.html |title=現場にアタック 『「ニート』って言うな!』〜本田由紀さんインタビュー |publisher=[[TBSラジオ&コミュニケーションズ|TBSラジオ]]『[[森本毅郎・スタンバイ!]]』 |accessdate=2015-01-13}}</ref><ref>{{cite web | date =2008-05-13 | url =http://www.futoko.org/special/special-02/page0513-121.html | title =本田由紀さんインタビュー【08年5月特集-なぜ若者は不安定化したのか】 | publisher =不登校新聞『Fonte』 |accessdate=2015年5月6日 }}</ref>。
 
 
しかしながら本田の思いとは裏腹に、今日において「ニート」は各方面で批判や差別の対象となっている([[#ニートに関する発言・見解]])。ただ、テレビ視聴者の一部からは、そうした批判に対して懐疑的な見方もなされており、[[放送倫理・番組向上機構]](BPO)などには“ニートバッシング”を批判する意見も寄せられている。<ref>放送倫理・番組向上機構(BPO)
 
 
* [http://www.bpo.gr.jp/?p=377 2006年4月に視聴者から寄せられた意見]
 
* [http://www.bpo.gr.jp/?p=560 2006年5月に視聴者から寄せられた意見]
 
* [http://www.bpo.gr.jp/?p=610 2006年8月に視聴者から寄せられた意見]
 
* [http://www.bpo.gr.jp/?p=6650 2013年7月に視聴者から寄せられた意見]
 
* [http://www.bpo.gr.jp/?p=6841 2013年8月に視聴者から寄せられた意見]</ref>。また、「ニート」と称してテレビ出演している者については「[[やらせ]]」も疑われている<ref>{{cite web
 
| date =2005-04
 
| url =http://www.bpo.gr.jp/better/b-giji0504.html
 
| title =番組委員会議事のあらまし 2005年4月(2005年度第1回)
 
| publisher =BPO
 
|accessdate=2011年9月27日
 
}}</ref><ref>{{cite web
 
| date =2005-06
 
| url =http://bpo.gr.jp/better/b-giji0506.html
 
| title =番組委員会議事のあらまし 2005年6月(2005年度第3回)
 
| publisher =BPO
 
|accessdate=2011年9月27日
 
}}</ref>。
 
 
その後玄田は、『ふだんずっと一人でいるか、家族としか一緒にいることのない』という生活を送る20〜59歳の未婚無業者(通学中を除く)を「'''[[スネップ]]'''」(SNEP、孤立無業者)と定義し、その実態把握と対策の必要性を2012年頃から主張し始めたが<ref> {{Cite news |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1700V_X10C13A2CR8000/ |title=「孤立無業者」162万人 働き盛りの未婚男女、11年 |newspaper=日本経済新聞 |accessdate=2013-02-19}}</ref>、この用語についても新たな偏見や差別を招くとして、批判が起きている([[スネップ#用語に対する批判]]参照)。
 
 
==== 呼称変更の取り組み ====
 
[[大阪府]]では複数のNPO法人が中心となり、働く意思を持っていて就職活動に至っていないニートの若者を「'''[[レイブル]]'''」(レイトブルーマーの略で遅咲き、大器晩成の意)と言い換える取り組みが2011年に開始した<ref>{{cite web | date = | url =http://osaka1gan.jp/ | title =レイブル応援プロジェクト | publisher =大阪一丸 |accessdate=2013年6月4日 }}</ref><ref>{{cite web | date =2012-01-15 | url =http://www.j-cast.com/2012/01/15118710.html?p=all | title =ニートを「レイブル」呼称変更 大阪府が提唱、どう変わる? | publisher =[[J-CASTニュース]] |accessdate=2013年6月5日 }}</ref>が、[[Yahoo!ニュース]]が「この呼称変更策は効果があると思うか?」という意識調査を実施したところ、「効果はある」「ある程度の効果はある」との回答が6%に止まり、「まったく効果はない」だけでも72.7%、「あまり効果はない」も18.2%に上った。「効果はない」と回答した者からは、「名前を変える以外にやることがあると思う」「働く意思のある奴はどんな呼称だろうと動く」「むしろ、もっと恥ずかしいネーミングが良い」「呼び方を変えるだけで効果が上がるなら、こんな簡単な話はない」などの冷ややかなコメントが寄せられた<ref>{{cite web | date = | url =http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/other/7483/result | title =「ニート」の呼称を「レイブル」に変更、効果は? | publisher =[[Yahoo!ニュース]] 意識調査 |accessdate=2013年6月5日 }}</ref><ref>{{cite web | date =2012-01-24 | url =http://news.ameba.jp/20120124-357/ | title =ニートをレイブルに名称変更 9割以上が「効果ない」 | publisher =アメーバニュース |accessdate=2013年6月5日 }}</ref>。
 
 
これとは逆に、ニートの存在に憤る保守派など批判者からは「ニート」の呼称を言い換えるべきとの提言もなされている<ref>[http://www.sankei.com/west/news/130619/wst1306190052-n1.html 【浪速風】「ニート」と呼ぶのはやめた方がいい(6月19日) 2013年6月19日産経WEST]</ref>。
 
 
== 日本における定義 ==
 
日本における若年無業者(ニート)の算出方法は、[[厚生労働省]]『特定調査票集計』の中の「詳細集計」([[総務省]]の[[労働力調査]])に基づいており、そのうち、15〜34歳の'''非労働力人口'''<ref>{{Cite web|date= |url=http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.htm |title=統計データ>労働力調査 |publisher=[[総務省統計局]] |accessdate=2015-01-03}}</ref>の中から、[[専業主婦]]を除き、求職活動に至っていない者と定義している。いわゆる「'''[[家事手伝い]]'''」については、現在の厚労省の定義ではニートに含めていない([[#厚労省と内閣府による二重基準問題|下記]])<ref name="mhlw-pdf1">{{Cite web|date=2010-12-03 |url=http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010bg4-att/2r98520000010c1n.pdf |title=勤労青少年を取り巻く現状について |format=PDF|publisher=厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室 |accessdate=2015-01-03}}</ref><ref name="zuroku-suii">{{Cite web|date=2013-09-24 |url=http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3450.html |title=フリーター数・ニート数の推移 |publisher=社会実情データ図録 |accessdate=2015-01-03}}</ref>
 
 
;フリーターや失業者との区別
 
:厚労省の定義では、[[失業|失業者]]は'''労働力人口'''の「失業者数」に分類されており、そのうち[[正社員]]及び[[労働者派遣事業|派遣社員]]での就労を希望する者であれば、たとえ具体的な求職活動に至っていない無業者であっても「ニート」には分類しないこととしている。その一方で、[[アルバイト]]及び[[パートタイマー]]など一部[[非正規雇用]]での就労希望者の場合には扱いが少々異なる。これらの雇用形態で就労を希望する無業者のうち、求職活動に至っていない者であれば「ニート」、具体的な求職活動に至っている者であれば「'''[[フリーター]]'''」に分類している<ref name="mhlw-pdf1" />。この差異の理由については明らかではない。
 
 
;引きこもりとの重複
 
:厚労省が別途に実施した調査では、いわゆる「'''[[引きこもり]]'''」の状態にある者(20〜49歳)が全国でおよそ32万世帯いると推定されており、同省ではこれらの者たちをニートの「就業希望を有しない者」に含めている。つまり、引きこもりを「ニート」として扱っているわけである<ref name="mhlw-pdf1" />。しかしながら、[[内閣府]]が2010年に実施した初の引きこもり全国実態調査(15〜39歳対象)では、引きこもりに該当する者は69.6万人おり、さらに「予備軍」がおよそ155万人いると推計された<ref>{{Cite web|date=2010-07-26 |url=http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/kosshi.pdf#page=1 |title=若者の意識に関する調査(ひきこもり調査)骨子 |format=PDF|publisher=[[内閣府]] |accessdate=2015-01-03}}</ref>。これは前述の厚労省統計によるの「ニート」に含まれている引きこもりの数を大きく上回っているものだが、厚労省研究班班長として引きこもり新ガイドラインを作成した齊藤万比古は、この数値に異論を唱えている<ref>{{Cite web |date=2010-11-18 |url=http://diamond.jp/articles/-/10116 |title=内閣府推計70万人、厚労省推計25万5000人? 引きこもり実態調査の謎(1) |publisher=[[ダイヤモンド社|ダイヤモンド・オンライン]] |accessdate=2015-01-03}}</ref>。
 
 
=== 厚労省と内閣府による二重基準問題 ===
 
かつて採用されていた[[内閣府]]による定義では、[[1956年]]から総務省(1956年当時は[[自治省|自治庁]])がほぼ3年毎、1982年以降は5年毎に実施している『就業構造基本調査』を根拠にしており、[[2005年]]に内閣府が実施した『[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/shurou/shurou.html 青少年の就労に関する研究調査]』においては、独身であり、普段[[収入]]になる仕事をしていない、15歳以上35歳未満の個人」と定義していた。この点は前述した厚労省のそれと差異は無いが、決定的に違うのは'''“家事手伝いの女性”を含めていた点'''である<ref name="zuroku-suii" />。これは、同研究調査の企画分析委員長だった前述の玄田有史が定義したもので、その理由として「女性の若年無業者が家庭外での社会参加活動をしていない場合、自らの現状を表す言葉に窮し、『家の手伝いをしている』と回答する者が多く見受けられたため」だとしている<ref>{{Cite web|date=2005-07 |url=http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/shurou/pdf/2-1-1.pdf |title=就業構造基本調査 第1章 若年無業者の実情(玄田有史) |format=PDF|publisher=内閣府政策統括官(共生社会政策担当) |accessdate=2015-01-03}}</ref>。同年の内閣府による調査では、家事手伝いや病気・ケガで療養中の者などを含めて、ニートの数はおよそ80万人と推計していた<ref>田中秀臣 『経済政策を歴史に学ぶ』 ソフトバンククリエイティブ〈ソフトバンク新書〉、2006年、30頁。</ref>。
 
 
[[フリーター]]についても、厚労省と内閣府が二重に統計していたが、[[2006年]]3月22日の[[参議院]][[経済産業委員会]]において、[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]の[[山根隆治]]参議院議員(当時)から、「ニートとフリーターの数について、[[日本国政府|政府]]で統一をして頂きたい」との要望がなされ、当時の同省・職業安定局次長が答弁で「この政策(ニート及びフリーターの支援等)に私どもが責任を持っており、政府全体の基本的見解としては、私ども厚生労働省の試算値を政府内で取っているというふうに理解をし、そのように取り扱っている」と回答した<ref>{{cite conference
 
|url=http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/164/0063/16403220063003a.html
 
|date=2006-03-22
 
|title=参議院経済産業委員会
 
|volume=3
 
|conference=第164回国会
 
|quote=今お答えをいただいたんですけれども、その統計の取り方によって、定義によって、政府でも内閣府と厚生労働省、違うようであります。(以下略)
 
}}</ref>。これを受けて、内閣府によるフリーター及びニートの推計調査は、2005年に行った『若年無業者に関する調査』を最後に実施されなくなった<ref name="zuroku-suii" />のだが、前述のように、内閣府は現在も引きこもりに関する全国実態調査などを別個に実施している。
 
 
== 実態に関する調査 ==
 
=== 推移 ===
 
{| class="wikitable" border="1" style="font-size:90%;"
 
|+'''厚生労働省の定義による若年無業者(ニート)の総数(単位:万人)'''
 
|- style="background:#efefef;"
 
! 年 !! 2000 !! 2001 !! 2002 !! 2003 !! 2004 !! 2005 !! 2006 !! 2007 !! 2008 !! 2009 !! 2010 !! 2011 !! 2012
 
|- style="text-align: right;"
 
!style="font-weight:bold;" | 総数
 
| 44 || 49 || 64 || 64 || 64 || 64 || 62 || 62 || 64 || 63 || 60 || 61 || 63
 
|}
 
 
{|class=wikitable
 
|+年齢別(5歳階級、単位:万人)
 
<tr><th rowspan=2>年<th colspan=4>年齢
 
!15〜19歳!!20〜24歳!!25〜29歳!!30〜34歳
 
|-align=right
 
|2002||12||17||18||17
 
|-align=right
 
|2003||11||16||18||18
 
|-align=right
 
|2004||10||18||19||18
 
|-align=right
 
|2005||9||16||20||19
 
|-align=right
 
|2006||10||17||18||18
 
|-align=right
 
|2007||9||16||18||18
 
|-align=right
 
|2008||9||16||18||19
 
|-align=right
 
|2009||10||16||18||18
 
|-align=right
 
|2010||9||15||17||17
 
|-align=right
 
|2011||9||15||18||19
 
|-align=right
 
|2012||9||17||18||18
 
|}
 
* 資料出所:[[総務省統計局]]「労働力調査(基本集計)」
 
* 資料出所:2010年12月3日付・厚生労働省 [[職業能力開発局]] キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」<ref name="mhlw-pdf1"/>
 
* 資料出所:2013年3月25日付・厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」<ref>[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000015362.pdf 2013年3月25日付・厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」]</ref>
 
 
「総数」の表を見ると、若年無業者人口は[[2002年]]に前年の49万人から64万人へと急増している。これは、[[2005年]]以降の労働経済白書でニートの定義に「家事を行わない既婚者」やいわゆる[[不登校]]の状態にある学生を新たに加え、過去の数値についても訂正したからである。従って、2002年以前の数値にはこれらの者が含まれていない。
 
 
=== 最終学歴 ===
 
{|class=wikitable
 
|+年齢別(5歳階級、単位:人/100人)
 
<tr><th rowspan=2>年齢(歳)<th colspan=3>学歴
 
|-
 
!中学卒!!高校卒!!大学卒
 
|-align=right
 
|15〜19||16||9.3||-
 
|-align=right
 
|20〜24||10.5||4.5||1.9
 
|-align=right
 
|25〜29||9||3.3||1.3
 
|-align=right
 
|30〜34||8.6||2.4||1.1
 
|-align=right
 
|35〜39||8.7||2||0.8
 
|-align=right
 
|40〜44||10.4||1.8||0.9
 
|}
 
* 資料出所:「平成19年版就業構造基本調査」労働政策研修・研究機構による再集計
 
* 資料出所:2010年12月3日付・厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」<ref name="mhlw-pdf1"/>
 
 
 
最終[[学歴]]は高校の[[退学|中退]]を含めた中学校卒(中卒)が最も多い。特に学歴が中卒の場合、職業の選択肢が狭まるだけでなく、専門学校や[[教習所]]・[[職業訓練施設]]などへの入学も制限されることと、[[普通自動車免許]]などを除き中卒でも取得可能な[[免許]]・[[資格]]が制限されるため、無業者に陥る割合が高くなる様子が窺える。
 
 
=== 求職活動をしない(できない)理由 ===
 
{|class=wikitable
 
|+理由別(単位:人/100人)
 
<tr><th rowspan=2>理由<th colspan=6>学歴・就業経験
 
|-
 
!合計||中学卒||高校卒||大学卒||就業経験あり||就業経験なし
 
|-align=right
 
|align=left|探したが見つからなかった
 
|7.8||6.9||7.8||6.6||8.4||6.9
 
|-align=right
 
|align=left|希望する仕事がありそうにない
 
|7.2||8.6||6.5||7.2||6.9||7.7
 
|-align=right
 
|align=left|知識・能力に自信がない
 
|11.1||11.5||12.4||9.1||10.9||11.5
 
|-align=right
 
|align=left|病気・けがのため
 
|28.7||26.1||29.1||29.7||32.3||22.8
 
|-align=right
 
|align=left|育児や通学のため
 
|0.6||0.3||0.9||0.4||0.8||0.3
 
|-align=right
 
|align=left|家族の介護・看護のため
 
|0.8||0.1||1.2||0.8||1.1||0.3
 
|-align=right
 
|align=left|急いで仕事に就く必要がない
 
|6.1||5.1||6.5||6.2||7.1||4.5
 
|-align=right
 
|align=left|進学や資格取得などの勉強中
 
|12.3||5.6||9.2||20.4||11.7||13.3
 
|-align=right
 
|align=left|その他
 
|25.3||33.2||26||19.6||20.8||32.7
 
|}
 
* 資料出所:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状-平成19年版「就業構造基本調査」特別集計-」
 
* 資料出所:2010年12月3日付・厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」<ref name="mhlw-pdf1"/>
 
 
全階級を通じて、病気や怪我など健康上の理由や親の介護などで就労に向けての各種活動を行えないと回答する者が3割前後を占めている。学歴別だと、「探したが見つからなかった」「希望する求人がありそうにない」が中卒で最も多く、「知識・能力に自信がない」も高卒に次いで2番目に多い。一方大卒では、「知識・能力に自信がない」とする理由が最も少ない半面、キャリアアップに向けて「進学や資格取得などの勉強をしている」とする者が他の学歴と比して突出している。
 
 
=== 生活状況 ===
 
2007年に厚生労働省委託により実施された調査『ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究』
 
によると、出身家庭の経済状況について、3.3%が「余裕がある」、10.8%が「やや余裕がある」、47.1%が「ふつう」、28%が「やや苦しい」、8.9%が「非常に苦しい」と回答。就業経験については、過去に連続1か月以上就労した経験がある者は79%で、就労回数は平均2.6回となっている。就職活動については、75.8%が[[公共職業安定所|ハローワーク]]に通ったことがあり、68.2%が面接を受けるため企業に問い合わせた経験がある他、64.8%が実際に面接を受けている。メンタル面では、49.5%が現時点で引きこもりで、49.5%が[[精神科]]または[[心身医学|心療内科]]を受診した経験があるという<ref>{{Cite web |date=2007-03 |url=http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/06/dl/h0628-1b.pdf#search='%E8%AA%AD%E5%A3%B2%E6%96%B0%E8%81%9E+%E8%8B%A5%E8%80%85%E8%87%AA%E7%AB%8B%E5%A1%BE+%E8%B2%A0%E6%8B%85' |title=ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書|format=PDF |publisher=財団法人 社会経済生産性本部|accessdate=2013-06-02 }}</ref>。
 
 
== ニートに対するイメージ ==
 
=== 就労意欲 ===
 
2008年4月に[[横浜市]]の「こども青少年局」が市内在住のニートや引きこもり状態にある15〜34歳までの若年無業者およそ750人を対象に実態調査したところ、8割を超す者が就労を希望すると回答した。内訳は、「正社員の就労を希望」との回答が46.6%、「パート・アルバイト・派遣社員などの就労を希望」が1.7%、「就労希望だが不安が残る」が34.5%で、合計すると8割を超えた。一方、「就労希望だが今は休みたい」が1.7%、「就労を希望していない」も1.7%で、現状で就労意欲の無いのはごく僅かであることが分かったが、同市が市内の企業(約1,000社中、316社が回答)に対して実施したアンケートによると、雇用する意向のある企業は14.2%に止まった一方、83.3%の企業が「就労困難な若年無業者を雇用する意向はない」と回答しており、ニートの社会参加が非常に厳しい現実を表す結果となった<ref>[[神奈川新聞]] 2008年4月28日付記事「就労希望者8割、採用消極的企業も8割/横浜市「ニート」調査」</ref>。
 
 
=== 『ネット右翼』との関連性 ===
 
インターネット上で[[保守]]・[[右翼]]的な主張をする「[[ネット右翼]]」について一部では、ニートや引きこもりなどの無業者や低所得層といった「[[勝ち組|負け組]]」ではないか、との主張がなされている<ref>{{Cite news
 
| url = http://www.j-cast.com/2011/10/04109057.html?p=all
 
| title = 小林よしのり「フジデモ」痛烈批判 「ネトウヨ」は年収200万円以下の下層でしょ?
 
| agency = J-CASTニュース
 
| date = 2011-10-04
 
| accessdate = 2011-10-22
 
}}</ref>。しかし、「ネット右翼の代表」を自称する[[政治活動家]]の[[瀬戸弘幸]]は、ネット右翼をニートや引きこもりと関連付ける言説は[[左翼]]の決め付けであり、彼ら(ネット右翼)は全く普通の会社員や学生であると反論している<ref>[http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/51500124.html ネット右翼について] - せと弘幸Blog『日本よ何処へ』</ref>。また、ジャーナリストの[[安田浩一]]は、「攻撃的引きこもりと揶揄されることもある」と主張しつつも、自著『[[ネットと愛国|ネットと愛国』在特会の「闇」を追いかけて]] 』の中で、保守系市民団体の[[在日特権を許さない市民の会]]を追跡したところ、デモ運動などの参加者には会社員や学生も多いことを記している。
 
 
[[評論家]]の[[古谷経衡]]も自ら調査し、ネット右翼の中心層が年齢は平均38.15歳。学歴に関しては63.3%が「四大卒(中退含む)」以上で同年代(2010年国勢調査における35〜39歳の「四大卒以上」は23.14%)と比べても3倍近く差があり、年収も大体平均400万円台後半、恋愛経験も自己申告だがほぼ一般的なレベル。住んでいる場所は4割が首都圏で、「大都市に住む[[ミドルクラス]]」というのが、ネット右翼と呼ばれる層の実相であるなど、これまで語られたネット右翼のイメージが事実と大いに異なることを明らかにした<ref>[http://www.j-cast.com/2013/09/07182928.html?p=all 「ネトウヨは低学歴でニート」は大嘘 その正体は30~40代の中流層だ『ネット右翼の逆襲』著者・古谷経衡さんに聞く2013年9月7日 J-CASTニュース]</ref>。
 
 
== 対策・支援 ==
 
{{節stub}}
 
詳細はリンク先を参照。
 
 
;[[厚生労働省]]
 
* [[地域若者サポートステーション]]
 
* [[若者自立塾]](委託、2010年3月31日に事業終了)
 
* [[私のしごと館]]([[雇用・能力開発機構]]が設置運営、後に委託、2010年3月31日に事業終了)
 
* [[ヤングジョブスポット]](雇用・能力開発機構が設置運営、2008年3月31日までに事業終了)
 
* [[鳥居徹也]](2005・06年度厚生労働省[[委託]]事業「フリーター・ニートになる前に受けたい授業」講師)
 
;[[経済産業省]]
 
* [[ジョブカフェ]](所管)
 
;[[文部科学省]]・民間([[企業]]・[[特定非営利活動法人|NPO法人]]など)
 
* [[キャリア教育]]
 
;[[内閣官房]]
 
* [[再チャレンジ]](再チャレンジ担当室・[[内閣府特命担当大臣]])
 
;起業
 
* [[NEET (企業)]]
 
 
=== 課題・問題点 ===
 
{{節stub}}
 
==== 「ニート利権」問題 ====
 
著書『「ニート」って言うな!』を上梓した本田由紀は、ニートの支援に関連する諸々の対策が[[利権]]の温床となっており、上に挙げたような、各[[省庁]]や[[地方公共団体]]、支援に携わる[[特定非営利活動法人]]等の民間団体や企業までもが「ニートの自立支援」を名目とした[[予算]]の争奪戦を繰り広げている現状があると指摘している。本田は、「これまで引きこもりへの支援を細々と行っていたような団体が、ニートへの支援を謳い始めた途端にお金が降りて来るというような現象が起きている」と指摘、これらの者が従来行っていた“引きこもり対策”を“ニート対策”にシフトさせて利権を拡大させたと分析している<ref name="iuna.honda">{{Cite |和書|author=本田由紀|author2=内藤朝雄 |author3=後藤和智|year=2006 |title=「ニート」って言うな!  |publisher=[[光文社]]([[光文社新書]])|pages=57-58 }}</ref>。実際に、[[経済産業省]]所管の就業支援事業『[[ジョブカフェ]]』において、同省からの孫請けで事業を行っていた、[[リクルート]]、[[東京リーガルマインド]]、[[日本マンパワー]]の民間企業3社が、スタッフ1日当たりの人件費として、プロジェクトマネジャーが120,000円、コーディネーターが90,000円、キャリアカウンセラーが75,000円、事務スタッフが50,000円という極めて高額な賃金を計上していることが、2007年に発覚している<ref>{{Cite web|date=2007-11-25 |url=http://blog.goo.ne.jp/shaoling-online/e/84c36072cbc559da1ae436e5ae8d1385 |title=スクープとりました! |publisher=小林美希の取材日記(つぶやき) |accessdate=2015-01-03}}</ref><ref>[[朝日新聞出版]]『[[AERA]]』2007年12月3日号「官業 日給12万円の『異常』委託費 - ジョブカフェ内部文書入手、「高額人件費」のからくり」</ref><ref>[[岩波書店]]『[[世界 (雑誌)|世界]]』2008年10月号「誰のための『[[再チャレンジ]]』だったのか - 若者就労支援政策で儲けた人々」</ref>。この問題は、[[社会民主党 (日本 1996-)|社民党]]の[[福島瑞穂]]参議院議員が参議院[[厚生労働委員会]]において、厳しく追及した
 
<ref>{{cite conference
 
|url=http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/168/0062/16812250062012a.html
 
|date=2007-12-25
 
|title=参議院厚生労働委員会
 
|volume=12
 
|conference=第168回国会
 
|quote=最後に、ジョブカフェの問題、先ほど櫻井委員からもありましたが、その点についてお聞きをします。(以下略)
 
}}</ref>。
 
 
この他にも、若年無業者の相談窓口の1つである『[[地域若者サポートステーション]]』の運営・指導・研修などを委託されている[[公益財団法人]]・[[日本生産性本部]]は、[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]政権時代の事業仕分けにおいて、厚生労働省からの[[天下り]]が27人いると指摘されている。若者サポートステーション事業の予算は、2014年1月の[[第2次安倍内閣|安倍政権]]の[[事業仕分け (行政刷新会議)|事業仕分け]]において、厚労省の若者支援事業に「わかものハローワーク」や「ジョブカフェ」などの類似した事業が多いことを理由に一旦はゼロになったが、同省が補正予算で「若者育成支援事業」と名称を変えて35億円の予算を復活させていたことが判明した<ref>{{Cite web |date=2014-02-25 |url=http://www.news-postseven.com/archives/20140225_242815.html |title=厚労省若者育成担当者「ニートと呼ばれる人働けば景気回復」 |publisher=NEWSポストセブン |accessdate=2015-01-03}}</ref>。
 
 
==== 高額な料金負担 ====
 
2009年度まで実施されていた厚労省委託の自立支援事業『[[若者自立塾]]』では、常に利用者数が募集枠を大幅に下回り、その後の利用実績も伸びなかったが、その大きな要因として「利用料金の高さ」が挙げられていた。団体によって異なっていたが、補助金から支給される運営費は要支援者1人につきおよそ300,000円(3か月分)で、これとは別に施設側が提示した「食費」や「宿泊費」の費用160,000〜300,000円(3か月分)を入所者側が負担しなければならなかった。高額な料金負担を問題視した同省は、2008年5月以降に[[生活保護]]受給世帯の若者が入塾する際、費用の大半を負担する制度を導入したが、一方で“生活保護を受けていない低所得世帯”の若者はこの恩恵に与れなかった<ref name="kaakami">{{Cite web |date=2014-02-25 |url=http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/since2001koki/waseda08/084nenkawakami.htm |title=若者自立塾からみるニート支援 |publisher=川上貴弘 |accessdate=2015-01-03}}</ref><ref>[[読売新聞]] 2008年11月19日付記事「ニート自立塾 利用伸び悩む」</ref><ref>{{Cite news |title=県内関係者、継続求める 政府の「若者自立塾」廃止方針 |newspaper=[[琉球新報]] |date=2009-11-14 |author= |url=http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-152806-storytopic-5.html |accessdate=2015-01-03}}</ref>。なお、若者自立塾を取材し調査を行った人物は、「このような施設に通うことが出来る人は比較的問題が少なく、経済的に恵まれている家庭の人であると思う」との見解を示している<ref name="kaakami" />。
 
 
現在厚労省委託により実施されている地域若者サポートステーションでも、やはり高額な料金負担が問題視されている。サポートステーションでは社会復帰に向けて「職場体験」や「就労訓練」などが行われているが、原則として[[賃金]]は得られない<ref>{{Cite web |date=2014-08-21 |url=http://diamond.jp/articles/-/57935?page=2 |title=“60万円払って無給労働”が国の就労支援? ブラックすぎるサポステの信じられない実態 (2) |publisher=ダイヤモンド・オンライン |accessdate=2015-01-03}}</ref>。そればかりか、逆に料金の負担(出典先のケースでは50〜60万円)を求められる。ある支援団体のケースでは、利用者が給与の支払いを求めると、「働かせて頂いてるんだから、(賃金を)受け取ろうとするほうが間違っている」「仕事がしたいんなら、どうぞハローワークへ行って、勝手に仕事探してください」などと切り捨てられ、賃金の支払いには応じてくれなかったという。サポートステーションでの無償就労について[[労働基準監督署]]は、「時間拘束や指揮命令などの労働者性があれば、一般的には労働と考えられる」と指摘し、[[労働基準法]]違反に当たる可能性も示唆している<ref>{{Cite web |date=2014-08-21 |url=http://diamond.jp/articles/-/57935?page=3 |title=“60万円払って無給労働”が国の就労支援? ブラックすぎるサポステの信じられない実態 (3) |publisher=ダイヤモンド・オンライン |accessdate=2015-01-03}}</ref>が、現在までに行政処分を受けた支援団体はない。なお、サポートステーション事業委託先の1つである『[[「育て上げ」ネット]]』の担当者は、この高額な料金負担の必要性・正当性を説いており、「サポートプログラムや職業訓練等にはある程度お金が掛かるので、出来れば(親の)定年前の金銭的余裕があるうちに相談に来られる方がよい」などとサポートプログラムへの参加を呼び掛けている<ref>{{Cite web |date=2013-06-23 |url= http://m.news-postseven.com/archives/20130623_194827.html |title=働かない子供に「お前はこれからどうするつもりだ」はタブー |publisher=NEWSポストセブン |accessdate=2015-01-03}}</ref>。
 
 
==== 強引なアプローチ・実力行使 ====
 
若年無業者(引きこもり・ニート)を立ち直らせる方法を巡っては、「家から叩き出せばよい」などと実力行使を主張する者が少なからず存在し、賛否両論がある<ref>{{Cite news |title=25歳ニート息子追い出した父親 「立派」なのか「責任放棄」なのか |newspaper=[[J-CASTニュース]] |date=2011-02-19 |author= |url=http://www.j-cast.com/2011/02/19088438.html?p=all |accessdate=2015-01-03}}</ref><ref>{{Cite web |date=2014-12-15 |url= http://npn.co.jp/article/detail/33250062/ |title=松本人志 “大人のひきこもり”対策「期限切って、どつく」 |publisher=[[リアルライブ|内外タイムス]] |accessdate=2015-05-06}}</ref>。支援団体の中にも、若年無業者宅へ出向いて自立訓練などへの参加を促す「[[アウトリーチ]]」(訪問)を行っている団体が多く存在しており、NPO法人『ニュースタート事務局』が実施する「[[レンタルお兄さん|レンタルお姉さん]]」は、マスコミでも度々取り上げられ、地域若者サポートステーションのモデル事業にも組み込まれた<ref>{{Cite web|date= |url=http://www.newstart-jimu.org/profile/ayumi.html |title=活動年表(2008年7月参照) |publisher=ニュースタート事務局 |accessdate=2015-01-03}}</ref>。しかし、こうした手法については、若年無業者の自宅に押しかけて本人の同意も得ずに強引に連れ出し、寮に入所させて集団生活を強いる団体が訴訟を起こされたり<ref>{{Cite news |title=不登校の歴史 第349回 |newspaper=[[全国不登校新聞社|不登校新聞]] |date=2013-07-19 |author=shiko |url=http://futoko.publishers.fm/article/13/ |accessdate=2015-01-03}}</ref>、同じく強制的に寮に入所させられた引きこもり状態の青年が、スタッフやその意を受けた他の若年無業者らに身体拘束されたり、暴行を受けるなどして死に至った事件<ref>{{Cite web|date=2006-07 |url=http://www.ctv.co.jp/realtime/sp_kikaku/2006/07kisha/0728/index.html |title=記者の目「アイメンタルスクール事件 入寮者死亡の裏に何が…」 |publisher=[[中京テレビ放送|中京テレビ]] |accessdate=2015-01-03}}</ref><ref>{{Cite web|date= |url=http://ponchi-blog.cocolog-nifty.com/blog/npocolumbus.html |title=コロンブスアカデミー事件簿 |publisher=[[勝山実]]ブログ 鳴かず飛ばず働かず |accessdate=2015-01-13}}</ref>、精神的に不安定だった引きこもりの入所者が[[自殺]]に至ったトラブルなども多く発生している<ref>{{Cite news |title=「突発的で防げず」と戸塚校長 ヨットスクールで女性死亡 |newspaper=[[47NEWS]] |date=2009-10-19 |author=[[共同通信社|共同通信]] |url=http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101901000534.html |accessdate=2015-01-13}}</ref><ref>{{Cite news |title=戸塚ヨットで入校生また飛び降り 「死にたい」と遺書 |newspaper=[[47NEWS]] |date=2012-01-09 |author=[[共同通信社|共同通信]] |url=http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012010901001235.html |accessdate=2015-01-13}}</ref>。
 
 
==== ニートの親への家庭訪問 ====
 
ニート本人が支援機関に訪れる事はほぼ無いため、支援機関側からニートの側へ近づく必要があるという考え方もある。もちろんニート本人には歓迎されない客である事を理解した上で、まずはその両親への訪問を行い交流を続け、その様子をニート本人に観察させ、警戒心を解く事が必要とされる<ref>{{Cite web |url=https://shuroushien.com/%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E8%A8%AA%E5%95%8F%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%81%B2%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%88%E6%94%AF%E6%8F%B4 |title=家庭訪問によるひきこもり・ニート支援 |publisher=ひきこもり自立支援センター |accessdate=2017-11-3}}</ref>。
 
 
== ニートに関する発言・見解 ==
 
{{節stub}}
 
 
=== 批判 ===
 
* 衆議院議員の[[小沢一郎]]は、「本人たちは『誰の迷惑にもなっていない』と言うかもしれないが、親の稼ぎで食わせて貰って、公的なサービスも享受している。病気でもないのに他人に[[寄生]]して生きているなど、とんでもない話だ」と不快感を示し、続けて「彼ら自身も問題だが、何よりも厳しくせずにただ甘やかしている親たちが問題だ。親鳥はヒナが大きくなるまでは一生懸命に世話をするが、一定の時期が来ると冷たく突き放して巣立ちさせる。それが出来ないニートの親は動物にも劣るといっても過言ではない」などの持論を展開した。また、当時政府[[与党]]が準備していた対策などについても、「政府は今後ニートの就職支援に本腰を入れるそうだが、僕に言わせれば対策は簡単だ。一定の猶予を与えて、親が子供を家から追い出せばいい。追い詰められれば、彼らも必死に考えて行動するはずだ。それでも働きたくないというなら、親には一切頼らず、他人に迷惑もかけず、公的なサービスも受けないことだ。[[無人島]]で生活すればいい」などと切り捨てた<ref>{{Cite web
 
| url =http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/fuji/2005/fuji20050419134025.html
 
| title =夕刊フジ連載 剛腕コラム バックナンバー
 
| publisher =小沢一郎ウェブサイト
 
| accessdate=2011年2月12日
 
| archiveurl = http://web.archive.org/web/20060813162152/http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/fuji/2005/fuji20050419134025.html
 
| archivedate = 2006-08-13
 
}}</ref>。
 
* 国会議員や[[東京都知事]]を歴任した作家の[[石原慎太郎]]は、「ニートの問題というのは、国家の緊張感の問題に関係があると思う。例えば、[[大韓民国|韓国]]には徴兵制度がある。[[開発途上国|途上国]]には[[貧困]]や食糧の問題がある。そうした色々な問題が緊張感を生んでいる」という持論を述べた<ref>{{cite web
 
| url =http://news.nicovideo.jp/watch/nw64383
 
| title =石原慎太郎×田原総一朗(5) 「大手出版社のアニメエキスポ震災でパーになった。ざまあみろ」
 
| publisher =[[ニコニコニュース]]
 
|accessdate=2011年5月24日
 
}}</ref>。続けて、「結局、これは私たち大人の責任で、社会全体が子供たちを甘やかしすぎた。([[動物行動学]]者の)[[コンラッド・ローレンツ]]は、子供の時に([[虐待]]ではない)肉体的な苦痛を味わわなかった子供は、大人になって非常に不幸な人間になると言っている。我慢するといった作業の中でこらえ性が身に付くのだ。日本の子供はこらえ性がないから結局ニートになってしまう。」などと批判した<ref name="bigtalk">{{Cite web
 
| url =http://www.metro.tokyo.jp/POLICY/TOMIN/GIRON/eif85100.htm
 
| title =平成17年度第1回「〜東京ビッグトーク〜石原知事と議論する会」議事概要
 
| publisher =[[東京都]]
 
|accessdate=2011年2月12日
 
}}</ref>。
 
* [[登山家]]の[[野口健]]は、「僕が登山のために訪れた[[チベット]]には貧しい人が沢山いる。仕事をしなければ食べていけない。僕の仲間が『(チベットの)彼らには“ニート”という発想が無いだろう』と言っていたが、その通りだと思う。日本は親がニートにご飯を食べさせているから、そういう意味ではもっと厳しくていい」などと批判した<ref name="bigtalk" />。
 
* [[カメラマン|写真家]]・[[ジャーナリスト]]の[[宮嶋茂樹]]は、「[[税金]]も払わない上に、三十路になっても親がせっせと部屋に“エサ”を運び続け、パソコンに向かってしか他人と会話できん奴をニートと呼ぶそうだが、そんな穀潰しが何十万も生きているのは世界広しと言えども日本だけである」となどと批判し、続けて「[[大韓民国|お隣の半島南半分]]ではサッカー選手から、大統領まで男は全員2年以上の徴兵される。日本でも8ヶ月ぐらいでいい。ニートに対して規律、勇気、[[自己犠牲]]、[[国防]]意識という美徳を自衛隊で徹底的に教育し直すべきである」と述べ、ニート対策として徴兵制度の導入を唱えている<ref>{{Cite journal|和書|author=宮嶋茂樹|year=2006 |month=1 |title=聞けタイゾー 「徴兵制」こそニート対策|journal=[[週刊文春]] |issue=1月19日号|pages= |publisher=[[文藝春秋]] }}</ref>。
 
* [[精神科]]医の[[香山リカ]]は、自身の連載コラムの中で、脱(反)原発運動にのめり込んでいる者の多くが「引きこもり」や「ニート」であるとし、「(反原発派は)病名をつけなければならないとしたら適応障害」「ファンタジーへの逃避で平穏を保ってきた彼らがいま原発問題にこころの平穏を見出している」などと主張した<ref>[http://diamond.jp/articles/-/12955 香山リカの「こころの復興」で大切なこと 「小出裕章氏が反原発のヒーローとなったもう一つの理由」] - ダイヤモンド社書籍オンライン 2011年7月1日付</ref>。その後強い批判を受け、誤解を与えたとして謝罪した<ref>[http://diamond.jp/articles/-/13010 香山リカの「こころの復興」で大切なこと 「前回のコラムについて――お詫びと補足」] - ダイヤモンド社書籍オンライン 2011年7月5日付</ref>。
 
* 元衆議院議員で現在はタレントの[[杉村太蔵]]は、[[女性セブン]]誌上の人生相談において、無職の息子を持つ主婦の相談に「ぐうたらに生きているのなら甘やかしてはいけません。兵糧攻めするぐらいの勢いで、まず食事は作らないこと。さらに厳しく“働かないなら家を出て行ってくれ”ということ。それぐらいしないと気づかないこともありますよ。」などと回答した<ref>[http://www.news-postseven.com/archives/20120627_122638.html  杉村太蔵 25才ニートの母に「メシ作るな、兵糧攻めにしろ」2012年6月27日 NEWSポストセブン]</ref>。また、著書『バカでも資産1億円 「儲け」をつかむ技術』に関する取材の中でも、ニートの中でも単なる怠け者に該当する部類の当事者について「いちばん悪いのは彼らの親です。食べるもの、寝る場所があれば、働かなくても済んでしまうわけです。これは家庭で取り組むべき問題です。親は一切の援助をやめて、子供を社会に放り出すべきです」と述べた<ref>[http://www.news-postseven.com/archives/20141013_281605.html 杉村太蔵 ニート問題に熱く持論「親が社会に放り出せ」2014年10月13日NEWSポストセブン]</ref>。
 
* タレントの[[クリス松村]]は、2014年5月に発生した[[AKB48握手会傷害事件]]の犯人が無職(引きこもりあるいはニート)と報じられたことを受け、ブログで「働くことは[[国民]]の義務のはず」「大体、人を傷つけられるということは健康なわけですから、無職ということ自体おかしい」「こうした事件を起こすほぼ100%が無職です」<ref name="chris20140528-1">{{Cite web |date=2014-05-28 |url=http://ameblo.jp/chris-matsumura/entry-11864080090.html |title=無職 |publisher=クリス松村オフィシャルブログ『夢見る勇気』] |accessdate=2015-12-06}}</ref>などと厳しく非難した。また、「政府は、これから“無職者を無くそう!”というキャンペーンでも打ち出して、実行するべき時です。2020年の東京オリンピックに向けて、急務な課題だと思われます。“美しい国、日本”として」などの持論を展開し、賛否両論を招いた<ref name="chris20140528-1" /><ref>{{Cite news |title=クリス松村 「無職」の甘さを批判 |newspaper=[[デイリースポーツ|デイリースポーツ online]] |date=2014-05-28 |author= |url=http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2014/05/28/0007001089.shtml |accessdate=2015-12-06}}</ref>。その後、「決して無職の方を非難したわけではございません。やむなく現在は無職という方々も多くいらっしゃることは存じておりますが、働かないことで心が病んでしまってはいけない…という内容の文面でした」などと内容の一部について釈明した<ref>{{Cite web |date=2014-05-28 |url=http://ameblo.jp/chris-matsumura/entry-11864292827.html |title=昭和ブルース |publisher=クリス松村オフィシャルブログ『夢見る勇気』] |accessdate=2015-12-06}}</ref>。
 
 
=== 擁護 ===
 
* [[経済学者]]の[[田中秀臣]]は「日本では、ニートはその原因を本人のやる気のなさに求める風潮にあるが、本質は不況による失業問題なのである<ref>田中秀臣 『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』 NHK出版〈生活人新書〉、2009年、48-49頁。</ref>」「ニートが急速に増えたという1997年以降は、ちょうど不況が深刻化した時期である。つまり、ニートの増加は景気に大きく左右されていると考えられる<ref>田中秀臣 『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』 NHK出版〈生活人新書〉、2009年、67-68頁。</ref>」と指摘している。田中は「日本の若者は駄目になったのではまったくなく、そう見えるのは逆に責任をとらない既得権益を丸出しの大人達がいるからである」と指摘している<ref>田中秀臣 『AKB48の経済学』 朝日新聞出版、2010年、221頁。</ref>。また田中は「内閣府の『若年無業者に関する調査』中間報告のニート数約80万人は『数字操作』であり、この拡張版『ニート』は求職意欲喪失者といわれる層を大きく含んで定義している」と指摘している<ref>田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、152頁。</ref>。
 
* 経済学者の[[大竹文雄]]は「日本の[[バブル崩壊]]以降の長期不況によって、若年層の就職が困難な時期が続いた。この経済環境が、若年層を中心に勤勉に対する価値観を崩壊させた可能性がある」と指摘している<ref>大竹文雄 『競争と公平感-市場経済の本当のメリット』 中央公論新社〈中公新書〉、2010年、18頁。</ref>。
 
* 経済学者の[[原田泰]]は、若年失業者の増加は経済情勢を反映したものであり、若者の性格・教育システムが変わったせいではないとしている<ref>[http://www.hitachi-hri.com/research/recommend/b106.html 若者を見殺しにする日本経済]日立総合計画研究所 2014年3月14日</ref>。原田は「現在ニートとなっている若者の中には経済情勢が良ければ、就職し、仕事から自身を見つけ、社会適応力を身につけることができた若者も多いはずである。何もかも構造のせいにするのは、社会問題の解決を妨げる」と指摘している<ref>原田泰 『コンパクト日本経済論(コンパクト経済学ライブラリ)』 新世社、2009年、134頁。</ref>。
 
* 経済学者の[[飯田泰之]]は、高齢者がニートやフリーターら定職に就いていない若者を非難する際、「自分の若い頃は戦争でこんなに大変だった」などといった自己正当化の言葉をぶつけてくるため、反論の余地がなく議論にならないと指摘している<ref>飯田泰之・雨宮処凛 『脱貧困の経済学』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2012年、195頁。</ref>。
 
 
=== 提言 ===
 
* 元衆議院議員の[[武部勤]]は、フリーターやニートの状態に置かれている若者に対して、「1度[[自衛隊]]にでも入って([[イラク]]の)[[サマーワ|サマワ]]みたいなところに行って、緊張感を持って活動してみるといい。そうすれば、3か月ぐらいで瞬く間に変わるのではないかと思う」となどと語った<ref>{{Cite news
 
|url = http://www.47news.jp/CN/200412/CN2004120901002189.html
 
|title = サマワに行けば人間性直る 犯罪凶悪化で自民・武部氏
 
|publisher = [[47NEWS]]
 
|accessdate = 2011-02-12
 
}}</ref>。
 
* 衆議院議員の[[稲田朋美]]は、「ニート問題を解決するためには“[[徴農制度]]”を実施すべき。若者に農業に就かせる徴農を実施すれば、ニート問題は解決する」などと持論を述べた<ref>[[産経新聞]] 2006年9月24日付記事「首相主導で「教育再生」</ref>。
 
* 田中秀臣は「ニート対策に効果があるのは、教育・雇用のミスマッチ解消ではなく、景気対策である」と指摘している<ref>田中秀臣 『不謹慎な経済学』 講談社〈講談社biz〉、2008年、82頁。</ref>。田中は「ニート対策として公営・民間の就職相談所の活用、ニート層への課税によって労働・教育を受ける[[インセンティブ (経済学)|インセンティブ]]を促すといった政策が提唱されているが、求職意欲喪失者への対策は景気対策が必要なのであり、税金を課したり、公営の説教を垂れることでは解決しない。このような政策はいたずらに社会的なコストを増やしかねない」と指摘している<ref>田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、153頁。</ref>。田中は「[[聖域なき構造改革|構造改革]]主義者は、ニートが働かないという経済的な非効率性のみに注目している。ニートについて、ミクロ(個人)の問題を効率性一辺倒で捉えるのではなく、マクロの視点に立って社会全体への関心として解消をはかるべきである」と指摘している<ref>田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、154頁。</ref>。
 
 
=== 揶揄===
 
* [[アイドルグループ]]・[[NMB48]]の[[山本彩]]は2011年9月放送の[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の番組『[[なにわなでしこ]]』内でのモノボケ(物を使ってボケて笑いを取る)企画で、[[ドッグフード]]を手に取り「ニートの主食」とボケた。インターネット上を中心に批判の声が上がったが、これを擁護する意見や、「どこが問題なのか?」「バカにされたくなければ働けばいい」などとニートを更に非難する声も多かった。なお、当該シーンは日テレで放送されたが、遅れネットの[[讀賣テレビ放送|読売テレビ]]ではカットされている<ref>{{Cite news
 
|url=http://www.j-cast.com/2011/09/25108082.html?p=all
 
|title=ドッグフードは「ニートの主食」 NMB48キャプテン発言に批判殺到
 
|work=J-CASTニュース
 
|publisher=[[ジェイ・キャスト]]
 
|accessdate=2015-05-16
 
}}</ref>。
 
 
== 世界各国の状況 ==
 
{{更新|date=2015年5月|section=1}}
 
 
=== 欧米 ===
 
{{see also|チャヴ|トウィックスター}}
 
欧米においても「教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない者」は存在するが、日本語でいうような「ニート」あるいは類する語での分類・定義付けはされておらず、その概念も普及していない。その原因の一つは「ニート」という分類が[[1999年]]当時社会問題となっていた「社会参加困難者」(被社会的排除者)の一部にすぎないものであることが挙げられる。欧米における社会参加困難者は[[人種]]・[[宗教]]・[[言語]]による[[差別]]・[[格差]]問題の色が濃く、日本での若年無業者問題と同列に扱うことは困難である。英国の「NEET」の定義付けは将来的な社会参加困難者を予測する分析としての意義はあったが、総合的な[[社会的排除]]対策が行われる中で「NEET」という分類自体は重要視されなかった。
 
 
=== 韓国 ===
 
2007年に[[経済協力開発機構|OECD]]は、[[大韓民国|韓国]]の青年(15〜29歳)の6人に1人が「NEET」で、割合はOECD加盟国の平均を大きく上回っていると指摘した<ref name="chosun">{{Cite news|newspaper=朝鮮日報 |date=2007-12-24 |title=韓国で増えるニート、15-29歳の6人に1人 |url=http://web.archive.org/web/20080303151936/http://www.chosunonline.com/article/20071224000023}}</ref>。同国では前政権下、雇用安定を目的として法的に解雇が大きく制限された。このことによって、企業が若者の新規採用を手控えるという意図せぬ結果を生み出してしまったとされる。OECDは韓国に無業者が多い理由について、「[[徴兵制度|兵役]]で就職が遅れ、大学卒業後にも就職しない若者が多いため」と報告した<ref name="chosun" />が、徴兵制は若者を強制的に社会参加に強いる制度でもあるため、青少年期の[[引きこもり]]状態からそのまま全く社会経験を経ずに家に閉じこもったまま「NEET」に移行していくパターンは、日本より少ない。
 
 
=== 中国 ===
 
{{Main|コウ老族}}
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist|2}}
 
 
==参考文献==
 
* {{Cite book|和書|author=近藤瑠漫・谷崎晃編著|year=2007|month=8|title=ネット右翼とサブカル民主主義 ――マイデモクラシー症候群――|publisher=[[三一書房]]|isbn=978-4-380-07218-5|url=http://www.san-ichi.co.jp/cgi-db/s_db/kensakutan.cgi?j1=ISBN978-4-380-07218-5|ref=近藤&谷崎2007}}
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Wiktionary}}
 
* [http://www.neet-support.net/ ニートサポートネット]
 
* [http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/09555803.2011.597055#.Us0IFmQW0s0/ 海外の研究者によるニート問題の構築に関する学術論文(オープン・アクセス)"'Don't Let Your Child Become a NEET!' The Strategic Foundations of a Japanese Youth Scare"]
 
 
{{ニート}}
 
 
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{{DEFAULTSORT:にいと}}
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 +
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[[Category:社会問題]]
 
[[Category:社会問題]]
 
[[Category:労働問題]]
 
[[Category:労働問題]]

2019/6/27/ (木) 15:59時点における最新版

ニートイギリス英語: Not in Education, Employment or Training, NEET

15歳以上 34歳以下で,どの学校にも通学しておらず,ふだん収入を伴う仕事をしていない独身の若年無業者 (内閣府) 。 Not in Education,Employment or Trainingの略称で,1999年にイギリス政府の調査報告書『Bridging the Gap』で使われた。内閣府の調査では,2002年時点の若年無業者は 213万人。そのうち約 129万人が仕事を探している「求職型」であるのに対し,就業を希望しながら仕事を探していない「非求職型」約 43万人と,就業すら希望していない「非希望型」約 42万人の合計 85万人にニートが多く含まれると推定された。また,厚生労働省『労働白書』では,2002~05年のニートの数は各年 64万人と発表された。不安定でもなんらかの収入を得ているフリーターと異なり,読み・書き・話すの基礎的スキルや生活行動の面で苦手意識が強く,そのために自信や意欲を喪失して社会や職場との関係が築けなくなり,親に依存した状態にある場合が多い。 2007年の厚生労働省の調査によると,家の暮らし向きは「ふつう」が 47.1%,学歴は高卒者が 77.0%,1ヵ月以上就労した経験者は 79.0%で,ニートの期間は1年以下が 41.1%,5年超が 11.5%,「学校でいじめられた」 55.0%,「ひきこもり」「精神科や心療内科で治療を受けた」の経験者が各 49.5%といった実態も浮き彫りになった。




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