トヨタ・ビスタ

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ビスタ (Vista) は、トヨタ自動車1982年から2003年まで生産していた乗用車。「ビスタ」は日本国内専用の名称であった。

また、この項目では以下のモデルについても記述する。

概要

1982年4月に、前輪駆動化され同年3月から販売開始されていたV10型カムリ姉妹車として登場する。トヨタ自動車の5番目の販売チャンネルとして1980年4月に新設されたトヨタビスタ店[2]で販売していた。

歴史

初代 V1#型(1982年 - 1986年)

  • 1982年4月、カムリの姉妹車として登場。ボディーバリエーションは、当面はカムリ同様1.8L 4ドアセダン5速MTのみの設定。グレードはVC/VL/VE/VXの4機種であった。輸出用はグリル下部のVISTAがTOYOTAとなり、「カムリ」として販売。VEとVXにはパワーウインドウも付いた。当時の日本車としては非常に珍しい後席3点式シートベルトが付く。ちなみに、各グレード名のVとは、Vistaの頭文字のことである。テレビCM出演者は前期型は多岐川裕美松平健で、後期型はビートたけし[3]だった。
  • 1982年8月、ファストバックセダンの5ドアリフトバックが発売された。前年の東京モーターショーに参考出品された「F120」の市販化モデルでもあった[4]。室内の広いセダンに比べ5ドアはルーフが低く、ヘッドクリアランスは小さかった。同時に、既存の1.8L車に4速ATと2000EFI(2S-ELU型・120PS)も追加される。2000EFIのAT車は、電子制御式が採用された。
  • 1983年8月、1.8Lターボディーゼル(1C-TL型・80PS)追加
  • 1984年6月、マイナーチェンジで3S-GELU型スポーツツインカムエンジンがラインナップに加えられた(グレードは2.0VSツインカムおよび2.0VXツインカム)。なお、日本車初の横置き前輪駆動DOHC搭載車でもあった。1.8Lガソリンエンジン車のエンジン燃料供給がCi(電子制御シングルポイントインジェクション)化された。また、特別仕様車であったVLエクストラがカタログモデルに昇格した。VEと特別仕様車のVEエクストラはVFに統合された。
  • 1985年3月、ビスタ店5周年特別仕様車「グランドエクストラ」が4ドア・5ドア双方に設定された。
  • 1985年8月、ターボディーゼルが2.0L化された。


2代目 V2#型(1986年 - 1990年)

  • 1986年8月登場。市場で人気を得られなかった先代の反省から車格感の向上と車種構成の見直しを主眼としたモデルチェンジとなった。姉妹車のカムリと同様の、2.0Lにハイメカツインカムを初搭載した。先代で不人気だった5ドアリフトバックを廃し、代わりにビスタ店の顔となる日本専用モデルとして当時流行していた4ドアピラードハードトップを加えた。4ドアハードトップのスタイリングは、同時期のカリーナEDマークIIの影響を受けたものだった。
4ドアセダン・4ドアピラードハードトップというラインナップは、その後5代目でステーションワゴンのアルデオに切り替わるまで2代目から4代目の3世代に渡って販売され続けた。スポーティモデルとして「GT」を設定し、スポーツツインカムエンジンの3S-GE型を搭載した。ボディカラーは「スーパーホワイトII」「グレーメタリック」「ダークレッドマイカ」「ライトベージュメタリック」「ブラウンメタリック(セダンのみ)」「グレイッシュブルーメタリック(ハードトップのみ)」「ブルーマイカ」「アーバンシルエットトーニング」と呼ばれるシルバーとガンメタのツートンカラー(ハードトップのみ)、「パールフレグランストーニング」と呼ばれるホワイトパールのツートンカラーの計8色から選べた。このうち同時期のGX71マークIIで流行したマルーンの内装色はスーパーホワイトIIとダークレッドマイカで選択可能であった。
国外仕様は「カムリ」名義であったが、意匠はビスタのセダンと共通であった。国外仕様の車種構成についてはトヨタ・カムリ#歴史参照。ハードトップは日本専用となる。
  • 1987年8月、VLエクストラをベースに、パワーウィンドウと集中ドアロックを装備したETOILE(エトワール)を追加。
  • 1987年10月、初の2.0L 四輪駆動車が登場。VRとVLエクストラの5速MTに設定される。
  • 1988年8月、マイナーチェンジが行われた。フロントバンパーとグリル、リアテールの意匠変更。1.8L車もハイメカツインカム(4S-Fi型・105PS)に変更、四輪駆動車に4速ATが追加された。ボディカラーは新設定の「シルバーメタリック」と「ブラキッシュブルーマイカメタリック」と「パールフレグランストーニングII」と呼ばれるホワイトパールのツートンカラーと「サイレントブルートーニング」と呼ばれるブラキッシュブルーとシルバーのツートンカラー(ハードトップのみ)の4色を含む「スーパーホワイトII」「グレーメタリック」「レッドマイカ」「ライトベージュメタリック」の計8色から選べた。
  • 1989年5月、特別仕様車 ETOILE V(エトワール ブイ)を発売。
  • 1989年6月、最上級 グレードVXに、特別仕様車VXリミテッドを設定した。
  • 1990年1月、特別仕様車 ETOILE V(エトワール ブイ)とVXリミテッドを一部改良。


3代目 V3#型(1990年 - 1994年)

  • 1990年7月11日発表・発売。ボディはV20と同様にセダンとハードトップの2種類であった。全般的にはキープコンセプトであったが、前年に登場したセルシオの設計思想やノウハウが生かされ、なめらかな曲線を採用したフラッシュサーフェイスボディとなり洗練度が大幅に向上しただけでなく、バブル期に開発されたモデルなので内外装の品質・耐久性・装備の充実度など全てにおいて歴代最高のクオリティと高級さを持っているのが最大の特徴。キャッチコピーは「時代は「快」へ。DRIVING AMENITY」。煌びやかな豪華さや数百馬力のパワーなど、表に見えるものだけが品質じゃない、オーナーの優しく包み込むようなクルマを目指した。具体的な装備品には「車速感応型4WS」、「4輪ABS」、「運転席エアバッグ」、「パワーシート」、「エレクトロニックディスプレイメーター」、「ワイヤレスドアロック」、「運転席助手席シートベルトバックル照明」、「フルコンシールドワイパー」、「超音波雨滴除去機能付き電動格納式リモコンドアミラー」、「チルト&スライド電動式ガラスムーンルーフ」、「オートドライブ(クルーズコントロール)」、の採用などであり、現在のクルマでは当たり前となった装備をビスタが先駆けて装備したものもあれば、逆に廃止になってしまった装備も多い。4ドアハードトップボディと、4ドアセダンボディをラインアップする。エンジンは直列4気筒の3S-FE型2Lハイメカツインカムと3S-GE型2Lスポーツツインカム、4S-FE型直列4気筒1.8Lハイメカツインカム、2L-TE型ディーゼルターボの4種類が用意される。ミッションは4速ATと5速マニュアルの2種、フルタイム四輪駆動の設定もある。車速感応型4WSは低速時は前後逆方向に、高速時は同方向へ舵を取り、小回りと走行安定性を向上させた。グレードは上から「GT」、「VX」、「VR」、「etoile」、「VE」、「VL」。当時のハードトップブームとバブル景気に乗り、ファミリー層・熟年層を中心に好調な売れ行きを示した。ボディカラーは「スーパーホワイトII」「アメジストシルバーメタリック」「ダークブルーイッシュグレーマイカ」「レッドマイカメタリック」「ミディアムターコイズオパール」「グレーシャスパールトーニング」と呼ばれるホワイトパールとゴールドのツートンカラー、「ドレッシーナイトトーニング」と呼ばれる濃い紫のツートンカラーの計7色。
  • 1991年5月、VXに本革シートがオプション設定された。
  • 1991年12月、特別仕様車「VXリミテッド」が登場。
  • 1992年7月、マイナーチェンジが実施され、フロントバンパー・グリル・テールランプ・シートモケット生地の意匠が変更された。またVXに新デザインの14インチ樹脂ホイールキャップが採用。3S-GE型スポーツツインカムエンジン搭載のGTは廃止され、GTの後継として3S-FEハイメカツインカムエンジン搭載のVXツーリングパッケージが設定された。その他、側面衝突時の安全対策としてサイドドアビームを全車に標準装備したほか、代替フロン使用のオートエアコンを標準装備した。ボディカラーは大幅に差替えが行われ、「グレイッシュグリーンメタリック」、「ダークグリーンマイカ」、「グレイッシュパープルメタリック」、「ライトベージュメタリック」、「オリーブブリーズトーニング」と呼ばれるグレイッシュグリーンとガンメタのツートンカラーの5色が新たに設定され計8色となった。
  • 1994年1月、特別仕様車「VXリミテッド」が復活。


4代目 V4#型(1994年 - 1998年)

  • 1994年7月登場。バブル崩壊後の設計であったため実用とコスト本位の設計思想に転換され、至れり尽くせりであった30系に比べ装備も「TEMS」、「テレスコピックステアリング」、「超音波雨滴除去ドアミラー」、「シートベルトバックル照明」、「フルコンシールドワイパー」が廃止されたほか、内外装の質感もやや低下した。その代わりにホイールベースを50ミリ延長させたことにより定評の室内空間の広さはさらに増した。ボディバリエーションはハードトップをメインに据えセダンはαX(アルファエックス)に集約された。装備系ではTRCを新設定。また「エレクトロニックディスプレイメーター」に代わって「オプティトロンメーター」をVX系に新設定した。最初で最後の2.2Lディーゼルターボ(3C-T型)に四輪駆動車が40系のみ存在。ボディカラーは「スーパーホワイトII」「シルバーメタリック」「ライトグレージュメタリック」「ダークグリーンマイカ」「ダークブルーマイカメタリック」「シルキーパールトーニング」と呼ばれるホワイトパールのツートンカラー、「マジェスティックグレートーニング」と呼ばれるダークブルーイッシュグレーとガンメタのツートンカラーの計7色。
  • 1996年5月、マイナーチェンジが行われ外観をリフレッシュし、カムリと完全に同一となった。同時期にデビューしたイプサムに合わせ4S-FE型(1.8L)および3S-FE型(2.0L)の各ガソリンエンジンが改良を受け、ピストンおよびコンロッドの形状見直しよりドライバビリティが向上した。また、インテリア等の品質も見直された。ボディカラーは「スーパーホワイトII」「シルバーメタリック」「フラクセンマイカメタリック」「ダークグリーンマイカ」「ダークブルーマイカグラファイト」「シルキーパールトーニング」と呼ばれるホワイトパールのツートンカラー、「マジェスティックグレートーニング」と呼ばれるダークブルーイッシュグレーとガンメタのツートンカラーの計7色。


5代目 V5#型(1998年 - 2003年)

  • 1998年7月1日、フルモデルチェンジで登場した5代目は、従来モデルから大きく変貌を遂げ、今までのカムリとの姉妹車関係を解消し[6]、完全な日本国内専用の独立した車種となった。アルデオのテレビCMには石塚英彦勝俣州和赤星昇一郎(各「アルデオ星人」名義)の3人がそれぞれ出演し、一方のセダンのテレビCMには中山エミリ(「美・スター姫」名義)が出演していた。カムリが3ナンバーボディとなったのに対し、ビスタは5ナンバーのままであった。ラインナップも主力であった4ドアハードトップが廃止された。代わりに、ステーションワゴンのアルデオをラインナップの中心に据えた。
  • このモデルでは「ビスタアルデオ (Vista Ardeo) 」が設定された。これは歴代のビスタ史上、最初にして最後のステーションワゴンである。全高が1,500mm台に達し、セダン、ワゴン共にコラムシフトを採用するなど、ミニバン市場を意識したかのような造りとなっている。全車4速ATを採用している。ホイールのハブ穴は5穴に変わりはないものの、ホイールのP.C.Dが3代目(V30型)および4代目(V40型)の114.3mmから初代(V10型)および2代目(V20型)と共通の100.0mmに変更となった。センターメーターを採用しており、その中にはマルチインフォメーションディスプレイが埋め込まれている。また、上級グレードにはバーグラフ式のタコメーターが標準装備となる。プラットフォームはトヨタ・MCプラットフォームを採用する。ボディカラーはセダン・アルデオともに「スーパーホワイトII」「シルバーメタリック」「シルバーメタリックグラファイト」「ブラックマイカ」「レッドマイカ」「ダークグリーンマイカ」「ブルーマイカメタリック」の計7色を共通設定。
  • 1998年12月 特別外板色に「エクセレントパールトーニング」と呼ばれるホワイトパールとシルバーのツートンカラーを採用したセダン特別仕様車「ExcellentEdition」が登場。
  • 1998年12月 特別外板色に「スーパーホワイトパールマイカ」を採用したアルデオ特別仕様車「ExcellentEdition」が登場。
  • 1999年1月 エアロをまとったセダン特別仕様車「ActiveSports」が登場。
  • 1999年7月 この頃からCMが切り替えられテレビCMに鶴田真由が出演(ただしアルデオのみ)。「ExcellentEdition」が特別仕様車「ExcellentEditionV」に進化。6人乗り仕様の「マルチパーパスベンチシート」が設定された。
  • 2000年4月、マイナーチェンジ。1.8Lの1ZZ-FE型エンジンが大幅に仕様変更され、若干出力が向上した。また、前後のデザイン・内装の意匠変更が行われた。マルチパーパスベンチシート仕様がセダン、アルデオ共に正式追加された(セダン/アルデオの中間グレードおよび標準グレードに設定)。ボディカラーはセダン・アルデオともに「ダークブルーマイカメタリック」が新設定され、「ブラックマイカ」と「ブルーマイカメタリック」が廃止された計6色の設定となった。
  • 2000年12月 特別外板色に「クリスタルパールトーニングII」と呼ばれるホワイトパールとシルバーのツートンカラーを採用したセダン特別仕様車「ExcellentEdition」が登場。
  • 2000年12月 特別外板色に「スーパーホワイトパールマイカ」を採用したアルデオ特別仕様車「ExcellentEdition」が登場。
  • 2001年8月、一部改良。2.0L・D-4エンジン搭載車のエンジンがこれまでの3S-FSE型から新開発の1AZ-FSE型に換装された。
  • 2001年12月、セダン特別仕様車「エクストラパッケージ」、アルデオ特別仕様車「Sパッケージ」が登場。
  • 2002年4月、一部改良。四輪駆動車の3S-FE型エンジンを1AZ-FSE型・D-4に換装。
  • 2002年9月、最後のセダン特別仕様車「Vパッケージ」・アルデオ特別仕様車「Lパッケージ」が発売された。
  • 2003年9月、生産終了。在庫分のみの対応となる。
  • 2003年10月6日、英国工場製のアベンシスの販売が開始された。これにより、ビスタの販売が終了し、5代21年の歴史に幕が下ろされた。翌年には、同モデルの車名を冠したトヨタビスタ店もネッツ店に統合された。


車名の由来

参考文献

脚注

  1. 初代はシャリオ、2代目はRVR
  2. 専売車種となるビスタは開業当時は存在せず、ビスタの発売まではカムリを販売。また、ビスタ店がなかった沖縄県では、トヨタオート沖縄(のちのネッツトヨタ沖縄)で取扱う。
  3. 後に中期型までの9代目カローラシリーズセダンフィールダー)のCM出演を経て前期型の14代目クラウンシリーズ(ロイヤル、アスリート)のCMに出演した。
  4. 日本向けビスタの5ドアリフトバックは、最初で最後の設定でもあった。純粋なビスタの5ドア車は1998年のステーションワゴン版「ビスタ・アルデオ」まで一時不在になる。
  5. 全体的からすれば、2代目ウィンダムがトヨタ最後の4ドアハードトップにあたる。
  6. 余談だが、旧ビスタ店では、ネッツ店移行後の2017年に10代目カムリの取り扱いが開始された。

関連項目

外部リンク


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