タリーズコーヒー

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タリーズコーヒーTully's Coffee Corporation)は、アメリカワシントン州シアトルを本拠とするコーヒーチェーン店。アメリカ国外では、ブランドライセンス供与の形で日本韓国に出店している。

概説

1992年に、シアトル不動産会社を営むトム・タリー・オキーフ(: Tom Tully O'Keefe)が開業し、2006年に初の純益を計上した。アメリカ西海岸を中心に約200店舗のコーヒーショップを運営し、スターバックスに続いて全米2位の売り上げを誇る。日本では別法人による店舗展開を行っている。

同じシアトル系コーヒーショップということでスターバックスとは現在でこそライバル関係であるが、スターバックスと同じことをしよう、という名目のもとでオープンしたコーヒーショップであることを忘れてはならない。以前はシアトルの本社施設も向かい合わせに存在した(現在はタリーズの本社が移転した)。タリーズコーヒーは、このように対立するスターバックスに隣接して店舗を開く拡大戦略をとっていたことでよく知られる。シアトルでは、「タリーズコーヒーを探す最も簡単な方法は、スターバックスの前に立ち、あたりを見回すことだ」というジョークがよく言われる。同様にライバル関係であったシアトルズベストコーヒーがスターバックス傘下に入ったことで、ますます競争は激化している。

そうした競争の激化から、2012年10月連邦倒産法第11章を申請し、事実上の倒産。2013年1月4日競売の結果、米俳優パトリック・デンプシーが47店舗を920万ドルで落札した。デンプシーはアメリカのドラマ「グレイズ・アナトミー」のデレク・シェパード医師役で知られており、同ドラマの舞台であるシアトルを第2の故郷のように思っているため、タリーズコーヒーの名前と従業員を守るために入札したという。なお、日本におけるタリーズコーヒーは、タリーズコーヒージャパンが、2005年にライセンス権をアメリカ法人から買い取り、以後アメリカ法人とは独立していたため、アメリカ法人倒産の影響を受けなかった。

2013年4月よりプリペイドカード「タリーズカード」による支払いが可能になった。

日本におけるタリーズコーヒー

伊藤園 > タリーズコーヒー

ファイル:Tully6859.JPG
京都三条通り店(京都市中京区)

日本における営業は、伊藤園の子会社タリーズコーヒージャパンが行っている。

創業社長の松田公太がシアトルのローカルコーヒー店(当時5店舗)の「タリーズ」と出会い、日本での営業権を交渉。1997年1月にタリーズコーヒーの日本での1年間の独占契約権を得て、8月7日に東京都中央区銀座にタリーズコーヒー1号店を開業。

1998年5月にタリーズコーヒージャパン株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。

2001年にナスダック・ジャパン(現・ジャスダック)に株式を上場し、2002年に持株会社体制に移行(フードエックス・グローブ株式会社)。

2004年にフードエックス・グローブをMBOにより非上場化し、2005年に日本における「Tully’s」商標権を完全取得。

2006年に320店舗に成長し、日本におけるスペシャルティコーヒーチェーン2位に成長したタリーズジャパンを伊藤園に譲渡。

2016年現在、店舗数は630店舗となる。

特徴

若い女性を日本での主なターゲットとしている[1]スターバックスよりも、やや上の、コーヒーの味へのこだわりが強い25歳以上に客層ターゲットを設定している[2]。このため、内装はクレマと呼ばれるエスプレッソ表面の泡のような色に壁面を統一し、カントリー風の椅子を組み合わせるなどの工夫をしている。知名度向上のため創業直後の1997年11月にインパクトのある緑色のストローを導入したところ、直後にスターバックスも同じ色のストローを採用するなど、イメージ戦略で両社は競合している。なおタリーズでも、スターバックスと同様にタンブラーやマグを持参すると値引きするサービス(タリーズは30円、スターバックスは20円の値引き)を実施している。もちろん、タリーズで売っているタンブラーやマグでなくても、同様のサービスが受けられる。[1]

メニュー面では、使用するコーヒー豆は高品質のアラビカ種のみで一杯一杯手動マシンを使っているという「スペシャルティ」にこだわっていること、アイスクリームや食事メニュー・期間限定メニューが豊富であることが特徴として挙げられる。ちなみに、社会貢献のために2003年から絵本作品を毎年募集し、優秀な作品を本にして店舗内で販売している。

また全店が完全禁煙制のスターバックスと違い、喫煙席を持つ店舗がある。喫煙席は「喫茶店で喫煙する日本的な文化」を尊重した形で、かつコーヒーの香りや居心地に影響を与えないように完全分煙されており、喫煙者用にガラスで仕切られた小部屋が用意されている。

日本のほとんどの店舗で公衆無線LANサービスのアクセスポイントを設置しており[3]、NTTドコモのdocomo Wi-Fi、NTT東日本・NTT西日本のフレッツスポット、およびNTTコミュニケーションズのホットスポットが利用可能である。

店舗数・出店方針

2006年4月3日麻布十番店をもって300店舗を達成し、最後の進出県である鳥取県も2014年4月30日に全国で555店舗目となる鳥取大学医学部附属病院店を外来ホールに開店し、全都道府県への出店を達成した[4]。

また、コーヒーチェーン業界の先駆けとして取り組んだ病院内店舗では2004年4月に好仁会東大病院店がオープンし、現在も積極的に出店している[5]。また、自動車ショールームや旅行会社、証券会社などの異業種店舗への共同出店(「シナジー店舗」と呼ばれる)や企業内など特別な環境にも積極的に出店している。その他、航空会社のスターフライヤーと提携し、機内サービスのコーヒーを提供している。

2017年10月に紅茶メニューを拡充したコンセプトショップ「タリーズコーヒー &TEA」の1号店を横浜元町に、2号店を2018年5月に六本木に出店した。[4]

特徴的な店舗の例

脚注

  1. そのため、フラペチーノが売上を占める割合が多い。
  2. 「坂井直樹のデザイン経営談義」日経デザイン、2006年2月号、P.74-77、日経BP
  3. 公式サイトのショップ情報を参照の事。LANのアイコンが表示されている店舗はアクセスポイントが設置されている。
  4. 「タリーズコーヒー &TEA」2号店が六本木に - 紅茶メニューを拡充、「ティースムージー」も新登場

関連文献

  • 松田公太 『すべては一杯のコーヒーから』 新潮社、2002年。ISBN 4-10-454601-1

関連項目

外部リンク

テンプレート:コーヒーチェーン店