セレーネー

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ファイル:Altar Selene Louvre Ma508.jpg
セレーネー、ヘスペロス、ポースポロス(パリルーヴル美術館

セレーネー古希: Σελήνη, Selēnē)は、ギリシア神話女神である。長母音を省略してセレネセレーネとも表記される。ローマ神話ルーナと同一視される。

概要

ヘーシオドスの『神統記』によると、ヒュペリーオーンテイアーの娘でエーオースヘーリオスの姉妹。なお、ゼウスとセレーネーとの間の娘にパンディーアヘルセー、ネメアがいる。また、兄であるヘーリオスとの子供に四季の女神ホーラがいるともいわれる。

輝く黄金の冠を戴き、額に月をつけた絶世の美女で、銀の馬車に乗って夜空を馳せ行き、柔らかな月光の矢を放つ。後にアルテミスヘカテーと同一視された[1]月経と月との関連から動植物の性生活・繁殖に影響力を持つとされた。また、常に魔法と関係付けられた[2]。聖獣は驢馬、白い牡牛

恋物語

セレーネーの神話で一番有名なのは、美青年であるエンデュミオーンとの物語である。セレーネーは彼を愛し、ゼウスに願って彼に不老不死の永遠の眠りを与えたと言われる。セレーネーは夢の中のエンデュミオーンと交わりを重ねて50人の娘・暦月の女神メーネたちを生んだ。

他には、牧神パーンもセレーネーの美貌に魅了され、恋い焦がれたことがあり、純白の羊毛皮を贈ってセレーネーを誘った。

出典

  1. 松村一男/監修 『知っておきたい 世界と日本の神々』43頁。
  2. 高津春繁 『ギリシア・ローマ神話辞典』 岩波書店、143頁。