シーカ (企業)
シーカ(ドイツ語: Sika AG)は、スイス・ツーク州・Baarに本拠を置き、世界70カ国以上で建設物や工業製品用途の化成品を扱うメーカー。スイス証券取引所上場企業(テンプレート:SWX)。日本法人は日本シーカ株式会社。
沿革
1910年、カスパー・ウィンクラー(Kaspar Winkler)によって設立されたKaspar Winkler & Co.(カスパー・ウィンクラー社)に端を発する[1]。現在の社名は、同社が登記したシーリング材の名称に由来する[2]。建設用化学製品を取り扱い、創業後に第一次世界大戦が勃発し苦境に陥るが1918年、ゴッタルド鉄道のトンネル向けのモルタル防水剤で成功を収めた[1]。1921年に南ドイツに子会社を設立して以降、イギリスなどヨーロッパ各地へ進出し、1931年にはアジア初の拠点として日本進出を果たした。
第二次世界大戦中にはノルマンディー上陸作戦で使われたコンクリート船などにシーカの技術が使用され、売上を大きく伸ばした[1]。1960年代まで企業規模の拡大が続いたもののその後経営状況が悪化、1968年に新たな看板製品となる1成分形弾性ポリウレタンシーリング材、「シーカフレックス」の生産を開始、同シリーズがベストセラーとなったことにより不況を克服した[1]。1974年にスイス証券取引所に上場した。1980年代にはBMWのシーカフレックス採用を契機に、建設用途以外の工業製品分野にも進出、1990年代以降はアジア諸国やアメリカ合衆国でも売上が増加し、今日シーカの売上の4割以上はヨーロッパ外に拠っている[1]。
日本シーカ
1927年、シーカ製品が日本に初輸入、1931年に日本法人(日本シーカ工業社)が大阪で設立された[3]。設立当初から防水工事に参与し、阪急電鉄、近畿日本鉄道、富士製鐵などで実績をあげたため、1934年に日本シーカ製造株式会社と改称の上、本社を東京に移転し、建築・土木分野で活動を開始した[3]。1955年に現名称の日本シーカ株式会社(Sika Ltd.)となり、1969年に平塚市に工場を新設、当時は本社機能も平塚に置かれた[3]。その後日本でも、建設用化成品からシーリング材や接着剤などの工業用製品に対象を拡大し、アジア地域への製品輸出も行っている[4]。
2017年現在は、東京(品川インターシティ)に本社を置き、平塚、大阪、小野市、周南市に拠点を有している。
関連会社に株式会社ダイフレックス、林シーカ・オートモーティブ株式会社がある。