「シソ」の版間の差分

提供: miniwiki
移動先:案内検索
(1版 をインポートしました)
 
21行目: 21行目:
 
}}
 
}}
  
[[Image:Green shiso perilla.jpg|thumb|200px|right|青紫蘇(アオジソ)の葉(大葉)]]
+
'''シソ'''('''紫蘇'''、[[学名]]:''Perilla frutescens'' var. ''crispa''
[[画像:W siso4091.jpg|thumb|200px|赤紫蘇(アカジソ)の実と花]]
 
{{栄養価 | name=しそ 葉 生<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =155| water=86.7 g| protein=3.9 g| fat=0.1 g| satfat=0.01 g| polyfat =0.01 g| carbs=7.5 g| opt1n=[[食物繊維|水溶性食物繊維]]| opt1v=0.8 g| opt2n=[[食物繊維|不溶性食物繊維]]| opt2v=6.5 g| fiber=7.3 g| sodium_mg=1| potassium_mg=500| calcium_mg=230| magnesium_mg=70| phosphorus_mg=70| iron_mg=1.7| zinc_mg=1.3| copper_mg=0.20| Manganese_mg=2.01| selenium_ug =1| betacarotene_ug=11000| vitA_ug =880| vitE_mg =3.9| vitK_ug=690| thiamin_mg=0.13| riboflavin_mg=0.34| niacin_mg=1.0| vitB6_mg=0.19| folate_ug=110| pantothenic_mg=1.00| opt3n=[[ビオチン|ビオチン(B<sub>7</sub>)]] | opt3v=5.1 µg| vitC_mg=26| opt4n=[[硝酸イオン]]| opt4v=0.1 g| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]] 「[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]」</ref>。試料: 青じそ(別名 : 大葉)
 
廃棄率: 小枝つきの場合 40 %  | right=1 }}
 
'''シソ'''('''紫蘇'''、[[学名]]:''Perilla frutescens'' var. ''crispa'')は、[[シソ科]]シソ属の[[植物]]。芳香性の1年生[[草本]]{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}。かつては[[エゴマ]]をこれと同属異種の植物(''P. ocymoides'')と分離したが、現在の[[遺伝子学]]研究で両者を同種「[[エゴマ]](''Perilla frutescens'')」の変種とすることが確定している。
 
  
なお、シソには品種が多く、それらの総称を「広義のシソ」、基本品種である ''P. frutescens'' var. ''crispa'' f. ''crispa'' (チリメンジソ)や代表的な品種であるアカジソ ''P. frutescens'' var. ''crispa'' f. ''purpurea'' を「狭義のシソ」という場合がある。本稿において特に明記しない限り「紫蘇」または「シソ」とは、「広義のシソ」の意味である。
+
[[シソ科]]シソ属の[[植物]]。中国原産。昔から食用に栽培されている。高さ約 50cmの直立する茎は四角で多数分枝する。紅紫色の葉は卵形でとがり,鋸歯があって,対生する。葉にはチアニジン配糖体が含まれ,梅干の色づけに用いる。9月頃,枝先の葉腋に総状花序を直立し,細かな紫紅色の花を開く。栽培品種が多く葉の表面だけが緑色がかったものをカタメンジソと呼び,両面とも鮮かな緑色で軟らかな葉のものをアオジソと呼ぶ。アオジソは花が白く,特に芳香が強いので,薬味などに用いる。葉全体に皺の多いチリメンジソなどもある。植物分類学的にはこれらのシソはすべて,日本や東アジアの山地に野生するエゴマ <i>P. frutescens </i>var. <i>japonica</i>の同一種内の変種関係とみなされている。
 
+
== 和名の由来 ==
+
{{テンプレート:20180815sk}}
伝説では[[後漢]]の末期、[[洛陽]]の若者が[[カニ|蟹]]の食べすぎで食中毒を起こし死にかけたときに、名医・[[華佗]]がシソの薬草を煎じ、紫の薬を作った。薬を用いたところ、若者はたちまち回復した{{要出典|date=2015年5月}}。もしくは、蟹を食べて食中毒にかかってしまって死にかけた子供に、紫のシソの葉を食べさせたところ蘇ったという{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}}。それからこの草を「紫蘇」と呼ぶようになったと伝えられている{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}}。
 
 
 
== 特徴 ==
 
[[ヒマラヤ山脈|ヒマラヤ]]や[[ミャンマー|ビルマ]]、[[中国]]中南部などが原産で、広く栽培されている{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}。日本には中国から伝わったとされている。古名をイヌエといい、イヌは似て非なるものの意味で、エとはエゴマのことを指し、エゴマに似るがエゴマとは異なる植物という意味で呼ばれたものと考えられている{{sfn|田中孝治|1995|p=180}}。葉の色によって赤ジソ・青ジソに大別され、葉のしわが多いものはチリメンジソとよんでいる{{sfn|田中孝治|1995|p=180}}。
 
 
 
[[一年草]]で、茎は四角形で直立し高さ1&nbsp;m程になる。[[葉]]は対生につき、長い柄があり、広卵形で先端は尖り、縁には鋸歯があって緑色または赤みを帯びる。品種によっては葉が縮れる場合もある。花序は[[総状花序]]で、白から紫色の[[花]]を多数つける。
 
 
 
芳香のない[[エゴマ]]は近縁種で、互いに交雑しやすい{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}。
 
 
 
独特の香りのため本来は虫がつきにくいが、[[ハスモンヨトウ]]や[[ベニフキノメイガ]]などの幼虫は葉を好んで食べるため、栽培に当たっては注意が必要<ref>[http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/00/08/0827.html 甘い!?香り強い葉 シソ]、[[所さんの目がテン!]]、[[2000年]][[8月27日]]放送</ref>。また、[[ハダニ]]や[[バッタ]]も天敵となる。
 
 
 
== 品種・栽培品種 ==
 
シソには多数の[[品種]]や[[栽培品種]]がある<ref>[http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_srch_easy.php?any_field=&family=&species=Perilla+frutescens&capital=0&family_order=0&family_disp_type=1&spec_order=0&list_type=0&search=%E6%A4%9C%E7%B4%A BG Plants 和名−学名インデックス(YList)]</ref>
 
* チリメンジソ f. ''crispa'' (Thunb.) Makino - 縮緬紫蘇。狭義のシソ。基本品種。葉は両面とも赤色でやや縮れる。
 
* マダラジソ f. ''rosea'' (G.Nicholson) Kudô - 斑紫蘇。葉の表面は緑色、裏面は赤色で縮れない。
 
* アカジソ f. ''purpurea'' (Makino) Makino - 赤紫蘇。単にシソとも呼ばれることがある。全体に赤紫色をしており葉の両面とも赤色で縮れない。
 
* アオジソ f. ''viridis'' (Makino) Makino - 青紫蘇。葉の両面とも緑色で縮れない。
 
* カタメンジソ 'Discolor'(栽培品種) - 片面紫蘇。葉の表面は緑色、裏面は赤色。
 
* チリメンアオジソ 'Viridi-crispa'(栽培品種) - 縮緬青紫蘇。葉の両面とも緑色で縮れる。
 
 
 
栽培は、日当たりの良いところで栽培された優良品種から採取した種子が春に蒔かれ、自然に落下した種子から発芽する{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}。
 
 
 
== 食材 ==
 
[[ファイル:akasiso.JPG|thumb|280px|[[梅干し]]と混ぜた赤シソ]]
 
通常、食用にするのはアオジソとアカジソである。[[ペリルアルデヒド]]に由来する特有の香りと辛味がある和風ハーブの代表格で、刺身や手巻き寿司、冷奴など料理の香味付けや{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}}、魚の臭み消しなどに使われる{{sfn|小池すみこ|1998|p=67}}。
 
 
 
; 青紫蘇:日本では[[葉]]や[[花]]を香味[[野菜]]として[[刺身]]のつまや[[天ぷら]]などにする。青紫蘇の若葉を摘んだものは「大葉(おおば)」、花穂のつぼみの開き初めに摘んだものを「穂じそ」とよび{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}}、薬味として用いられることも多い。西日本の一部では「青蘇(せいそ)」とも。
 
; 赤紫蘇:[[アントシアン]]系の[[シアニジン]]という色素成分含み、日本では[[梅干し]]をつくる際に、梅の成分である[[クエン酸]]によってシアニジンが分解されることで、梅干し特有の色づけに使う{{sfn|田中孝治|1995|p=181}}。また葉を乾燥させたものは[[ハーブ]]や[[香辛料]]として(特に[[京都]]で)[[七味唐辛子]]に配合されることもあるほか、[[ふりかけ]]などにも用いられる。また、熟さない実を付けた「穂じそ」、花が開き掛けの「花穂じそ」は刺身のつまに用いる。湯で煮て砂糖を加えシソジュースにする利用法もある。(日持ちはしないので一週間以内で飲みきることが望ましい)
 
; 実:箸または手指で茎からこそげ落として使用する。日本では[[萼]]ごと食用とし、乾燥させて[[茶漬け]]などの風味付けに用いたり、塩や醤油で[[漬物]]にしたり、穂ごと[[天ぷら]]にしたりする。赤紫蘇のプチプチした食感と独特の風味がある。
 
 
 
=== 栄養価 ===
 
[[カロテン]]、[[ビタミンB]]群、[[ビタミンC]]、[[カルシウム]]、[[鉄]]、[[食物繊維]]、[[カリウム]]などの栄養素を非常に多く含み{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}}、特に[[β-カロテン]]の含有量は、野菜の中でトップクラスである。また、紫蘇特有の香りの元である[[精油]]成分[[ペリルアルデヒド]]は、臭覚神経を刺激して胃液の分泌を促し{{sfn|小池すみこ|1998|p=67}}、食欲を増進させる他、健胃作用や[[食中毒]]の予防にも効果がある。
 
 
 
=== シソ油 ===
 
シソ科シソ属の[[エゴマ]]の種から得られた精油も、「シソ油」と呼ばれることがある。
 
 
 
[[種子]]からはシソ油が取れる。シソ油には抗酸化作用のある[[α-リノレン酸]]を多く含む{{sfn|小池すみこ|1998|p=67}}。このため最近では[[健康食品]]としても注目されている。リノレン酸は[[酸化]]され易いため、同食用油の開封後は早めに消費する事が勧められる。また[[2004年]]には[[国民生活センター]]が、また[[2008年]]に[[日本即席食品工業協会]]が[[発泡スチロール|スチロール]]製容器を使用する[[カップ麺]]に入れた場合、容器が溶ける事があるとして注意を呼びかけている<ref>[http://www.famic.go.jp/public_relations_magazine/kouhoushi/question_and_answer_of_food/qa75.html 農林水産消費安全技術センター] (2004年5月)</ref><ref>[http://www.instantramen.or.jp/news/081028/_01.html ニュース|インスタントラーメン ナビ_一般社団法人 日本即席食品工業協会] (2008年10月)</ref>
 
 
 
=== 防腐・細菌の増殖抑制・殺虫効果 ===
 
シソの香り成分にもなっている[[精油]]は、[[ペリルアルデヒド]]を約55%含み、この成分が強い防腐作用と殺菌作用を持っている{{sfn|田中孝治|1995|p=181}}。
 
防腐効果は、5–10%の[[食塩]]との併用によって得られると報告されている<ref>栗田啓幸、小池茂、[http://doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.55.43 紫蘇と食塩の食品防腐作用における相乗効果について] 日本農芸化学会誌 Vol.55 (1981) No.1 P43-46</ref>。この性質を利用して[[梅干し]]が作られる。そのまま使用した場合には、防腐効果や食中毒原因細菌の増殖抑制効果は無い<ref>宮川豊美、川村一男、[http://ci.nii.ac.jp/naid/110000472201/ 食中毒菌に対する香味野菜の発育阻止作用] The journal of Wayo Women's University 29, 13-19, 1989-03-31, {{ISSN|0916-0035}}</ref>。
 
 
 
刺身などの生もの料理にシソが添えられているのは、昔から続いている食べ合わせの経験の知恵に基づいたものである{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}}。
 
近年の研究で、[[カツオ]]や[[アジ]]などの青魚に寄生している線虫[[アニサキス]]に対する殺虫作用があることもわかっており、昔から刺身を食べる際は青ジソの葉や穂ジソなどを薬味として用いているが、アニサキスが胃壁などに絡みつくために起こる胃痛を防ぐという効果もあったことを示している{{sfn|田中孝治|1995|p=181}}。
 
 
 
== 漢方 ==
 
[[漢方薬|漢方医学]]では、主に夏ごろに採取して干して乾燥させた赤紫蘇の葉を蘇葉(そよう)または紫蘇葉(しそよう)といい{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}、理気薬(気が停滞している状態を改善する薬物、精神を安定させる目的もある{{sfn|小池すみこ|1998|p=66}})として[[神秘湯]]、[[半夏厚朴湯]]、[[香蘇散]]などに配合される。[[日本薬局方]]では、'''チリメンジソ'''(狭義のシソ、[[学名]]:''P. frutescens'' var. ''crispa'' f. ''crispa'')の葉及び枝先を「蘇葉」としている。
 
 
 
また秋に採取した花穂から採取した熟した種子だけを集めたものを紫蘇子(しそし)または蘇子(そし)といい、茎は蘇梗(そこう)という{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}{{sfn|田中孝治|1995|p=181}}。葉・種子・茎ともに、解熱、鎮痛、鎮静、[[咳嗽|咳]]、[[気管支喘息|喘息]]、[[便秘]]、嘔吐、食欲不振などの治療に用いる{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}。紫蘇葉または紫蘇子5–15&nbsp;[[グラム|g]]ほどを500&nbsp;[[立方センチメートル|cc]]の水で半量まで煎じた液を食間1日3回に分けて服用したり、神経痛や腰痛、冷え性には浴湯料として茎葉が用いられる{{sfn|馬場篤|1996|p=61}}{{sfn|田中孝治|1995|p=181}}。
 
 
 
シソの[[葉]]は[[ロズマリン酸]]、葉と[[実]]には[[ルテオリン]]([[フラボノイド]]・[[酵素]])という成分を含み、アレルギー疾患に有用として健康食品としても利用されている。[[サバ]]などの魚による[[じんましん]]や風邪のひき初めには、蘇葉の粉末さじ1杯または刻んだシソを、湯のみに熱湯を注いだ「しそ湯」を飲用するとよいといわれている{{sfn|田中孝治|1995|p=181}}{{sfn|小池すみこ|1998|p=67}}。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite book |和書 |author=小池すみこ |date=1998-04-23 |title=体に効く野菜 |publisher=[[法研]] |pages=66-67|ISBN=4-87954-228-8|ref=harv}}
 
* 白井祥平著 『沖縄園芸植物大図鑑 3 有用植物』 沖縄教育出版、1980年、134頁。
 
* {{Cite book|和書|author =田中孝治|title =効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法|date=1995-02-15|publisher =[[講談社]]|series=ベストライフ|isbn=4-06-195372-9|pages=180-181|ref=harv}}
 
* 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第2巻 栽培植物』 新星図書出版、1979年、68-69頁。
 
* {{Cite book|和書|author = 馬場篤|others = 大貫茂(写真)|title = 薬草500種-栽培から効用まで|date = 1996-09-27|publisher = [[誠文堂新光舎]]|series = |isbn = 4-416-49618-4|page = 61|ref=harv}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Perilla frutescens}}
 
* [[エゴマ]]
 
* [[イラクサ]]
 
* [[北條シソ]]、神奈川県の一部で栽培される品種。
 
* [[セージ]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{hfnet|169}}
 
{{Herbs & spices|state=collapsed}}
 
 
{{DEFAULTSORT:しそ}}
 
{{DEFAULTSORT:しそ}}
 
[[Category:シソ科]]
 
[[Category:シソ科]]

2018/11/1/ (木) 01:16時点における最新版


シソ紫蘇学名Perilla frutescens var. crispa

シソ科シソ属の植物。中国原産。昔から食用に栽培されている。高さ約 50cmの直立する茎は四角で多数分枝する。紅紫色の葉は卵形でとがり,鋸歯があって,対生する。葉にはチアニジン配糖体が含まれ,梅干の色づけに用いる。9月頃,枝先の葉腋に総状花序を直立し,細かな紫紅色の花を開く。栽培品種が多く葉の表面だけが緑色がかったものをカタメンジソと呼び,両面とも鮮かな緑色で軟らかな葉のものをアオジソと呼ぶ。アオジソは花が白く,特に芳香が強いので,薬味などに用いる。葉全体に皺の多いチリメンジソなどもある。植物分類学的にはこれらのシソはすべて,日本や東アジアの山地に野生するエゴマ P. frutescens var. japonicaの同一種内の変種関係とみなされている。



楽天市場検索: