「シェル構造」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2013年9月}}
 
[[ファイル:HPシェル.jpg|サムネイル|双曲放物面(HPシェル)構造の屋根]]
 
'''シェル構造'''([[英語]]:shell structure、thin shell structure)は、薄い曲面板からなる建築構造である。
 
曲面板構造、貝殻構造(「シェル」の直訳)とも呼ばれる。
 
自在な曲面を実現するのに適した[[鉄筋コンクリート]]で造られることが多い。
 
  
== 特徴 ==
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'''シェル構造'''([[英語]]:shell structure、thin shell structure)
シェル構造の建築物の形状には、円筒、球面、折板、双曲放物面(HPシェル)など様々なものがある。適切に応力を流す設計を行えば[[]]の少ない大スパン架構ができ、材料を節約できる。また、モニュメンタルで印象的なデザインが可能であるといったメリットがある。薄い材料であっても、加えられた荷重を圧縮軸力に変換する形態をとることで強みを持てるということは、自然界においても[[ニワトリ]]の[[卵]]や[[貝]]類の殻などの例がみられる。しかしこのような構造も、その薄さゆえ曲げには弱く、集中荷重を加えれば(卵を突起物で容易に割ることができるように)崩壊する危険性は高い。
 
  
構造解析は、一般的な[[ラーメン構造]]や、計算手法の確立された[[アーチ]]構造・[[ドーム]]構造などに比べると困難であり、コンピュータ・プログラムを用いて[[有限要素法]]で解決することが多い。
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曲面状の形態をもつ貝の殻 (シェル) や卵の殻が比較的薄い構造にもかかわらず,外力に対し強く,こわれにくい性質をもっていることに着目して考案された建築構造の一種。曲面板構造ともいう。その形状を幾何学的に分類して,球形,円筒形,パラボロイド (放物面) 形,ハイパーボリック・パラボロイド (双曲放物面) 形などのシェルと呼ぶ。薄い板に曲率をもたせた曲面板にすると,平らな板よりも強度が増し,支柱なしで長い張間の屋根を作ることができる。アメリカではシアトルのキング・ドーム (鉄筋コンクリートの球形シェル構造) あるいはニューオーリンズのスーパー・ドーム (鉄骨造の球形シェル構造) など,直径 200m程度のシェル構造が建設されている。屋根のほかに水槽,サイロ,クーリング・タワーなどにも用いられる。
 
 
== シェルの形状 ==
 
古典的なドームに類似する形として、球面・楕円回転面・放物回転面などの回転体形状のシェルがある。また、[[ヴォールト]]に近い形状で、'''円筒シェル'''などがある。
 
 
 
シェル構造独特の形状として代表的なものは、鞍型の'''HPシェル(双曲放物面シェル)'''や'''双曲回転シェル'''が挙げられる。これらは、シェル構造によって初めて実現可能となった形態である。その他にも、これらの組み合わせ、あるいは新奇性のある形態など、さまざまなシェル構造建築物が建造されている。
 
 
 
== 代表例 ==
 
* [[シドニー・オペラハウス]]([[ヨーン・ウツソン]]設計)
 
* [[東京カテドラル聖マリア大聖堂]]([[丹下健三]]設計)
 
* [[ジョン・F・ケネディ国際空港]]第5ターミナル([[エーロ・サーリネン]]設計)
 
* [[クアラルンプール国際空港]]ターミナルビル([[黒川紀章]]設計)
 
[[ファイル:弥生講堂アネックス.jpg|サムネイル|双曲放物線(HPシェル)構造の建築例/東京大学弥生講堂アネックス(東京都文京区弥生)]]
 
 
 
== ギャラリー ==
 
<!--有名どころで、"いかにもシェル" な形状のわかる写真があったものを貼りました-->
 
<gallery>
 
File:SydneyOperaHouse.jpg|シドニー・オペラハウス
 
File:20030702 2 July 2003 Tokyo Cathedorale 1 Tange Kenzou Sekiguchi Tokyo Japan.jpg|東京カテドラル聖マリア大聖堂
 
File:Jfkairport.jpg|ジョン・F・ケネディ国際空港第5ターミナル
 
File:Kresge Auditorium, MIT (view with Green Building).JPG|[[マサチューセッツ工科大学]]の音楽堂(エーロ・サーリネン設計)
 
</gallery>
 
 
 
{{Commonscat|Thin-shell structures}}
 
 
 
{{Architecture-stub}}
 
  
 
{{DEFAULTSORT:しえるこうそう}}
 
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[[Category:建築構造]]
 
[[Category:建築構造]]

2019/4/24/ (水) 10:03時点における最新版

シェル構造英語:shell structure、thin shell structure)

曲面状の形態をもつ貝の殻 (シェル) や卵の殻が比較的薄い構造にもかかわらず,外力に対し強く,こわれにくい性質をもっていることに着目して考案された建築構造の一種。曲面板構造ともいう。その形状を幾何学的に分類して,球形,円筒形,パラボロイド (放物面) 形,ハイパーボリック・パラボロイド (双曲放物面) 形などのシェルと呼ぶ。薄い板に曲率をもたせた曲面板にすると,平らな板よりも強度が増し,支柱なしで長い張間の屋根を作ることができる。アメリカではシアトルのキング・ドーム (鉄筋コンクリートの球形シェル構造) あるいはニューオーリンズのスーパー・ドーム (鉄骨造の球形シェル構造) など,直径 200m程度のシェル構造が建設されている。屋根のほかに水槽,サイロ,クーリング・タワーなどにも用いられる。