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|英名 = Pacific saury
 
|英名 = Pacific saury
 
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'''サンマ'''([[wikt:秋刀魚|秋刀魚]]、[[学名]]:''Cololabis saira'') は、[[ダツ目]]-[[ダツ目#ダツ上科|ダツ上科]]-[[ダツ目#サンマ科|サンマ科]]-[[サンマ属]]に分類される、海棲[[硬骨魚綱|硬骨魚]]の1[[種 (分類学)|種]]。[[太平洋|北太平洋]]に広く生息する。
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'''サンマ'''([[wikt:秋刀魚|秋刀魚]]、[[学名]]:''Cololabis saira'') は、[[ダツ目]]-[[ダツ目#ダツ上科|ダツ上科]]-[[ダツ目#サンマ科|サンマ科]]-[[サンマ属]]に分類される、海棲[[硬骨魚綱|硬骨魚]]の1[[種 (分類学)|種]]。
  
食材としても重宝されて、特に[[日本]]では[[秋]]の味覚を代表する大衆魚である。
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体は側扁して細長く,全長 40cm内外。歯は小さく,下顎がやや突き出ている。背鰭,尻鰭それぞれの後方に5~6個の離れ鰭がある。外洋の表層に群泳し,秋季産卵のため沿岸に回遊する。千島列島から九州にかけて分布する。塩焼などにして賞味される。
 
 
== 呼称 ==
 
=== 学名 ===
 
{{栄養価 | name=さんま 皮つき、生<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =1241| water=57.7 g| protein=17.6 g| fat=23.6 g| satfat=4.06 g| monofat = 10.01 g| polyfat =4.39 g| opt1n=[[コレステロール]] | opt1v=65 mg| carbs=0.1 g| sodium_mg=130| potassium_mg=190| calcium_mg=26| magnesium_mg=26| phosphorus_mg=170| iron_mg=1.3| zinc_mg=0.8| copper_mg=0.12| Manganese_mg=0.02| selenium_ug =30| vitA_ug =16| vitD_ug=14.9| vitE_mg =1.7| vitK_ug=1| thiamin_mg=0.01| riboflavin_mg=0.27| niacin_mg=7.1| vitB6_mg=0.51| vitB12_ug=15.4| folate_ug=14| pantothenic_mg=0.70| opt2n=[[ビオチン|ビオチン(B<sub>7</sub>)]] | opt2v=7.1 µg| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]] 「[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]」</ref>。別名: さいら
 
廃棄部位: 頭部、内臓、骨、ひれ等(三枚下ろし)  | right=1 }}
 
{| class="wikitable" style="float:right; clear:right"
 
|+サンマ(生、100g中)の主な[[脂肪酸]]の種類<ref name=mext>[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/002.htm 五訂増補日本食品標準成分表]</ref><ref>[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031801.htm 五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編]</ref>
 
|-
 
! 項目 !! 分量(g)
 
|-
 
| [[脂肪]]総量 || 24.6
 
|-
 
| [[脂肪酸]]総量 || 19
 
|-
 
| [[飽和脂肪酸]] || 4.2
 
|-
 
| [[一価不飽和脂肪酸]] || 10
 
|-
 
| [[多価不飽和脂肪酸]] || 4.6
 
|-
 
| 18:2(n-6)[[リノール酸]] || 0.27
 
|-
 
| 18:3(n-3)[[α-リノレン酸]] || 0.21
 
|-
 
| 20:4(n-6)[[アラキドン酸]] || 0.096
 
|-
 
| 20:5(n-3)[[エイコサペンタエン酸]] (EPA) || 0.21
 
|-
 
| 22:6(n-3)[[ドコサヘキサエン酸]] (DHA) || 1.7
 
|}
 
属名 '''''Cololabis''''' は、[[ギリシア語]]の「kolos(コロス、意:short、短い)」と[[ラテン語]]「labia(ラビア、意:lip、[[唇]])」を合成したもの。種小名 '''''saira''''' は、[[日本語]]での一古称であり[[紀伊半島]]の[[方言]]名である「'''サイラ'''(佐伊羅魚)」に由来している。
 
 
 
=== 各国語名 ===
 
[[和名]]「サンマ」の由来については、2つの有力な説がある。「サ(狭、意:狭い、細い〉」に起源があるとして「細長い魚」を意する古称「サマナ(狭真魚)」が「サマ」 - 「サンマ」と変化したとする説が一つ、大群をなして泳ぐ習性を持つことから「大きな群れ」を意する「サワ(沢)」と「魚」を意する「マ」からなる「サワンマ」が語源となったという説が一つである。
 
 
 
サンマは古くは「サイラ(佐伊羅魚)」「サマナ(狭真魚〉」「サンマ(青串魚)」などと読み書きされており、また、[[明治]]の文豪・[[夏目漱石]]は、[[1906年]](明治39年)発表の『[[吾輩は猫である]]』の中でサンマを「三馬(サンマ)」と記している。これらに対して「'''秋刀魚'''」という[[漢字]]表記の登場は遅く、[[大正]]時代まで待たねばならない。現代では使用されるほとんど唯一の漢字表記となっている「秋刀魚」の由来は、秋に[[旬]]を迎えよく獲れることと、細い柳葉形で銀色に輝くその魚体が[[刀]]を連想させることにあり、「'''秋に獲れる刀のような形をした魚'''」との含意があると考えられている。[[1922年]](大正10年)の[[佐藤春夫]]の詩『秋刀魚の歌』で、広くこの漢字が知れわたるようになった<ref>[http://www.tv-asahi.co.jp/syokusai/contents/contents/0051/ テレビ朝日・食彩の王国第50回]</ref>。ただし、迪宮裕仁親王(後の[[昭和天皇]])の幼少期のエピソードから、「秋刀魚」の表記は明治後期に流布していたとみなすこともできる。生後間もなく[[川村純義]][[海軍]][[中将]]の元に里子に出されていた親王は、川村邸では「アキガタナ」と呼ばれていたサンマを好んだという。現在{{いつ|date=2014年10月}}では[[日本語]]のほか、[[中国語]]でも同じ漢字で記して「qiūdāoyú<!-- ?(シゥタオユ)? -->」と読まれている。
 
 
 
他に[[朝鮮語]]では「꽁치(kkongchi)」、[[ロシア語]]では「{{lang-ru|[[:ru:сайра|сайра]]}}(saira)」、英語では「{{sname||Pacific saury}}」と称する。
 
 
 
== 生物的特徴 ==
 
体は細長く、上下顎はくちばし状で下顎は上顎より突出した形状。背鰭の後方に6個程度、尻鰭の後方に7個の程度の小離鰭を有する。体の背部は暗青色、腹部は銀白色。胃が無く短く直行する腸が肛門に繋がる<ref name="sanma"/>。腸が短いため摂食した餌は、20分から30分程度の短時間で消化され体外に排出される。
 
 
 
[[鱗]]が小さい上にはがれやすく、棒受け網で漁獲されたものは漁船から水揚げされる際にほとんどの鱗がはがれ落ちてしまうため、状況によっては水揚げの直前に自ら多くの鱗を呑み込んで内臓に溜める個体が少なくない(すなわち、内臓を食べようとして多くの鱗を含む場合があるのは、サンマが捕食した小魚の鱗ではなく、サンマ自らの鱗であるということ)。
 
 
 
=== 分布 ===
 
[[太平洋|北太平洋]]に広く生息し、[[日本海]]を含む日本近海から、[[アメリカ大陸]]沿岸の[[アラスカ州|アラスカ]]および[[メキシコ]]までの海域に分布する。季節によって広い範囲を[[回遊]]する魚として知られるが回遊経路は十分に解明されていない<ref name="sanma"/>。かつて分布群は北西太平洋系群、中央太平洋系群、東部太平洋系群の3系統が考えられていたが、分布に明瞭な境界が無く連続して分布し、また遺伝子解析の結果からも明瞭な差がないとされている<ref name="sanma">{{Cite web|url=http://www.samma.jp/sanma.htm|title=さんま|accessdate=2013-10-02|publisher=全国さんま漁業協会|archiveurl=http://web.archive.org/web/20130621172134/http://www.samma.jp/sanma.htm|archivedate=2013-06-21}}</ref>。
 
 
 
日本近海の群れは、太平洋側では黒潮の暖流域で孵化し海流とともに北上する、夏季は[[オホーツク海]]方面で回遊し成長する。成魚になると秋に産卵のために[[寒流]](親潮)に乗って太平洋側では[[東北地方|東北]]、[[関東地方|関東]]沖を通過し、[[近畿地方|近畿]]・[[九州地方|九州]]沖までに南下する。日本海側でも同様に山口県沖の対馬海流の暖流域で産卵し[[新潟県]]沖など[[日本列島]]を囲むように南下を行う<ref name="snm66">[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.66.304 サンマの回遊と漁場形成(日本水産学会漁業懇話会)] 日本水産学会誌 Vol.66 (2000) No.2 P304-305</ref><ref name="suisan.31.799"/>。
 
 
 
=== 生態 ===
 
寿命は1年から2年程度であり、通常2年で全長35cm程度まで、まれに40cmを超える大きさに成長する。28cm未満は、0歳魚と考えられる。成魚は[[海|海洋]]の表層近く(昼間の成魚の分布水深は表層から10-15m程度、仔魚は昼夜に無関係で少なくとも水深20cm以浅)を大群をつくって泳ぐ。千島列島沖で群れが形成される際は表面水温10℃から18℃で水深25mの温度が8℃の等温線に沿って分布するとする研究がある<ref name="suisan.66.304"/>。[[捕食|捕食者]]から逃げるときには[[トビウオ]]のように水面から飛び出して[[飛翔|滑翔]]することもある。動物性[[プランクトン]]・[[甲殻類]]・小魚・魚の卵などを食べる<ref>堀田秀之、小達和子:[http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010843860 サンマの食餌構成とその摂餌行動に就いて] 東北海区水産研究所研究報告 (7), 60-69, 1956-03</ref>。
 
 
 
=== 産卵と孵化 ===
 
海域によって産卵時期は異なり[[ニシン]]の様な特定の季節に集中した産卵ではなく、一定の大きさを超え成熟した個体が産卵するが、「年2回のピークを持った産卵」とする説と「冬を産卵期」とする説があり解明されていない<ref name="HUSCAP62">[http://hdl.handle.net/2115/35565 夏季の中部北太平洋におけるサンマの成熟と日齢] 日本水産学会誌 1996年 5月15日発行 62巻 3号p.361-369</ref>。また、一度に全ての卵を産卵するのか、あるいは複数回に分けて産卵するのか等も不明である<ref name="HUSCAP62"/>。たとえば、日本列島の南側の産卵場は、黒潮本流のやや南側の海域とされる<ref name="suisan.66.304"/>が、日本海側では5月から6月に山口県沖<ref name="suisan.31.799">[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.31.799 隠岐島近海におけるサンマ'''Cololabis saira''' (BREVOORT) の産卵についてI 1962年春期北上サンマの産卵について] 日本水産学会誌 Vol.31 (1965) No.10 P799-803</ref>。人工照明下で昼夜を擬似的に再現した環境下での産卵は8時から13時の時間帯に多く、少数ながらも深夜1時台にも観察された。強い照度変化が産卵誘発の要因として示唆される<ref> [http://dx.doi.org/10.11233/aquaculturesci.57.339 飼育下で観察されたサンマの産卵時間帯] 水産増殖 Vol.57 (2009) No.2 p.339-340</ref>。
 
 
 
卵は1.7 - 2.2mmと大型で付属糸を有し、同じダツ目の[[メダカ]]の卵によく似ている。メスはこの卵を[[流れ藻]]などに産着させる。卵は水温10℃から25℃の範囲で孵化することが確認されており,この範囲では水温が高いほど孵化日数が短く、20℃では10日前後となる。
 
 
 
== 人間との関わり ==
 
=== 食材 ===
 
秋のサンマは脂肪分が多く美味であり、特に[[焼き魚|塩焼き]]は日本の「秋の味覚」の代表とも呼ばれる。日本では、塩焼きにして[[カボス]]や、[[スダチ]]、[[ユズ]]、[[レモン]]、[[ライム]]などの搾り汁や[[ポン酢]]、[[醤油]]などをかけ、[[大根おろし]]を添えて食べることが多い。サンマは餌を食べてから排出する時間が30分程度と短いため、内臓に独特のクセはあるがえぐみは少なく、塩焼きのはらわたを好んで食べる人も多い。日本各地でサンマ祭りが行われる(一例として「[[目黒のさんま#さんままつり]]」)。
 
 
 
[[蒲焼き]]の[[缶詰]]は水産物缶詰のなかでも人気が高い。近年では[[刺身]]としても流通しており、脂の乗り切らない初秋が食べ頃とされ、他の青魚と同様に[[きずし|酢じめ]]して食べる事もある。また、押し寿司としても利用される。
 
 
 
[[関西]]、南紀、熊野、志摩等、[[紀伊半島]]、[[志摩半島]]の一部において「'''サイラ'''」と呼び(学名はここから取られた)、[[秋刀魚寿司]]や開きにして一夜干しにしたものを焼いて食べるのが一般的。志摩では[[天岩戸]]の[[神饌]]の一つ。11月23日には岩戸の前でサンマを焼いて食べる。
 
 
 
伊豆や紀州、北陸などでは脂の落ちたサンマを[[丸干し]]に加工することもある。特にサンマの若魚を丸干しにしたものは「針子(ハリコ)」、鈴鹿ではカドと呼ぶ。
 
 
 
サンマには、[[血液]]の流れを良くするといわれる[[エイコサペンタエン酸]]が含まれており、[[脳梗塞]]・[[心筋梗塞]]などの[[病気]]を予防する効果があるとされている。また、[[ドコサヘキサエン酸]]も豊富に含まれており、体内の悪玉[[コレステロール]]([[LDL]])を減らす作用、[[脳]]細胞を活発化させ、頭の回転を良くする効果もあるとされている。
 
 
 
生のサンマの鮮度の見極めは
 
* 尾を持ちサンマの頭を上に向けたとき、体が曲がらずにできるだけまっすぐに立つもの
 
* 目が濁っていないもの
 
* 口先がほんのり黄色いこと
 
などと言われている。おいしいサンマは口先だけでなく尾も黄色く、極まれに全身が黄色のサンマも獲れる。これらは高級魚として高値で取り引きされる。サンマが黄色くなる理由はいまだ解明されていない。
 
 
 
サンマの内臓には小さく赤い[[ミミズ]]のような虫が含まれていることがあるが、これはラジノリンクス (''Rhadinorhynchus selkirki '') という名の[[寄生虫]]である。気味は悪いが、人体に寄生することはなく、無害である<ref>{{cite web|url=http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/musi/25.html |title=ラジノリンクス (''Rhadinorhynchus'')| publisher=東京都福祉保健局|accessdate =2009-09-09}}</ref>。一方で、[[アニサキス]]が寄生している場合もあり、生食やそれに近い調理方法には注意が必要とする<ref>[https://mainichi.jp/articles/20170509/k00/00m/040/080000c 食中毒アニサキス生の魚介類で猛威] 毎日新聞(2017年5月8日)2017年5月9日閲覧</ref>。
 
 
 
焼き魚として調理する場合、取り除くべき大きな[[鱗]]を持たず、内臓や[[えら]]を取り出すことも少ないので[[包丁]]を必要とせずに扱いやすく、料理書で入門用鮮魚とされることがある。
 
 
 
沿岸漁業でサンマが獲れる地域が日本近海に限定されるため、サンマを食べる習慣があるのは日本とロシアの[[サハリン州|サハリン]]と[[カムチャツカ半島]]周辺に限られていたが、{{いつ範囲|近年|date=2016年11月22日 (火) 15:33 (UTC)}}では中国などでも和食ブームでサンマを出す日本食レストランが増え、人気が高まっている。ロシアでは焼いた物に[[スメタナ]]をつけたり、生の切り身を[[マリネ]]にするなどして食べる。初競りの際には1匹で万単位の価格が付くこともあり、この時だけ超高級魚の扱いを受けるという。
 
 
 
<gallery>
 
File:Sanma-2.jpg|thumb|[[目黒のさんま]]祭り(2010年9月5日撮影)
 
ファイル:Shin sanma shioyaki by ayustety in Morishita, Tokyo.jpg|[[大根おろし]]が添えられた、サンマの塩焼き
 
ファイル:ShichirinSanma Japan.JPG|[[七輪]]とサンマ
 
ファイル:Pacific saury dried overnight.jpg|サンマの[[丸干し]]
 
File:Sanmateishoku in Kesennuma.JPG|焼きサンマとサンマの[[刺身]]<br>[[宮城県]][[気仙沼]]直売所レストランにて2012年9月
 
</gallery>
 
 
 
=== 漁業 ===
 
[[漁獲可能量|TAC制度]](漁獲可能量制度)により資源量が調査され日本における漁獲量は管理されている<ref>[http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_tac/kanren/index.html TAC設定に関する資料(水産政策審議会配布資料等)] 水産庁</ref>。日本付近の主漁場は根室沖 - 三陸沖 - 銚子沖である。日本におけるサンマ漁の漁期は9月から11月で、夏期にオホーツク海や北海道東方沖で成長した個体群は、9月頃から[[親潮]]とともに南下するが、30cm程度に成長し南下する群れを対象として[[流し網]]漁や光に集まる習性を利用する[[棒受け網]]漁によって行われる<ref name="snm66"/><ref name="sanma"/>。棒受け網漁は[[敷き網]]の一種で、一まとめに漁獲しようとする趣旨の漁法である。北海道[[道東]]地方で漁獲されるサンマの多くはこの漁法による(知事許可漁業)<ref>[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.66.307 漁具と漁法の現状と展望(日本水産学会漁業懇話会)] 日本水産学会誌 Vol.66 (2000) No.2 P307</ref>。このほか、[[刺し網]]による漁業も行われている。また、産卵しようと[[流れ藻]]に入り込むサンマを手づかみで捕らえる漁が、日本の[[佐渡島]]や[[北海道]]西岸沿海で行われている。
 
 
 
三陸沖から銚子沖での漁場は、親潮第一分枝の先端や三陸沖暖水塊に巻き込まれた細長い第二分枝、第三分枝の先端に形成される<ref name="suisan.66.304">[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.66.304 為石日出生:サンマの回遊と漁場形成(日本水産学会漁業懇話会)] 日本水産学会誌 Vol.66 (2000) No.2 P304-305</ref>。
 
 
 
[[2006年]](平成18年)の日本の陸揚げ上位漁港は以下の通り<ref>[http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001037877&requestSender=estat 平成18年水産物流通統計年報](2008年12月11日公表)</ref>。単位当たりの[[卸売]]価格は、シーズン初期(8月)の主要陸揚げ港である[[北海道]]・[[道東]]の港で高く、[[三陸海岸]]沖に魚群が南下してくるシーズン中期以降の主要陸揚げ港である[[東北地方]]太平洋側諸港で安くなる傾向がある。ただし、魚群の南下スピードや漁期、市場の[[需要]]と[[供給]]などにより、細かく魚価は変化している。
 
 
 
サンマは太平洋全域に生息するが、日本は主に排他的経済水域内で漁獲し、公海上では少ない(日本の2013年の漁獲量約15万7千トンのうち、公海で取ったのは約8千トン)。一方、2010年代前半から<ref>{{Cite web|url=http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3701/1.html|title=サンマ争奪戦 ~どう守る“日本の秋の味覚”~|accessdate=2018年5月1日|publisher=}}</ref>日本の排他的経済水域の外側公海でサンマ漁をする海外の船の急増が見られ、漁獲の大半は北太平洋の公海で、サンマの群れが日本付近に来遊する前に先取りする。中国、台湾、韓国の漁船は多いときには1つの漁場に50 - 60隻が集まり、日本では見られない1,000トン級の大型船も用いられている。最大の漁獲量を上げているのが台湾で総トン数およそ1,000トンという日本の一般的なサンマ漁船の50倍の大きさの船が台湾全体で90隻以上あるという。台湾の漁獲量はおよそ23万トン(2014年)に達している。
 
 
 
{| class="wikitable sortable" style="text-align: center; font-size:small;"
 
|-
 
!順位<br />
 
!class="unsortable"|[[漁港]]<br />
 
![[都道府県]]<br />
 
!上場水揚量<br />([[トン|t]])
 
!卸売価格<br />([[円 (通貨)|円]]/[[キログラム|kg]])
 
|-
 
|1||[[根室漁港]]||[[北海道]]||style="text-align:right"|56,226||style="text-align:right"|91
 
|-
 
|2||[[女川漁港]]||[[宮城県]]||style="text-align:right"|33,459||style="text-align:right"|58
 
|-
 
|3||[[気仙沼漁港]]||宮城県||style="text-align:right"|29,356||style="text-align:right"|54
 
|-
 
|4||[[釧路漁港]]||北海道||style="text-align:right"|28,438||style="text-align:right"|79
 
|-
 
|5||[[厚岸漁港]]||北海道||style="text-align:right"|26,200||style="text-align:right"|76
 
|-
 
|6||[[大船渡漁港]]||[[岩手県]]||style="text-align:right"|20,894||style="text-align:right"|56
 
|-
 
|7||[[宮古漁港]]||岩手県||style="text-align:right"|16,853||style="text-align:right"|63
 
|-
 
|8||[[銚子漁港]]||[[千葉県]]||style="text-align:right"|13,819||style="text-align:right"|63
 
|-
 
|9||[[小名浜漁港]]||[[福島県]]||style="text-align:right"|3,639||style="text-align:right"|55
 
|-
 
|10||[[釜石漁港]]||岩手県||style="text-align:right"|2,389||style="text-align:right"|51
 
|-class="sortbottom" style="border-top: #aaa double 3px;"
 
|合計||197漁港計||||style="text-align:right"|238,176||style="text-align:right"|70
 
|}
 
 
 
=== 飼育 ===
 
生存したままでの捕獲が極めて難しく、また、養殖の需要もないため、飼育はほとんど行われていない。日本の[[福島県]]にある[[アクアマリンふくしま]] において常設展示用飼育が行われていたが、[[東日本大震災|震災]]により予備飼育施設「水生生物保全センター」が被災したことにより、2012年8月に展示を中止したが、2013年5月、同所にて展示が再開された<ref>[http://www.marine.fks.ed.jp/news/animal/2013/2013sanma.html アクアマリンふくしま生き物情報](2012年8月10日公表)</ref>。上記の通り短命なのと、非常に臆病な魚でパニックをおこしやすいため、当初は1000匹いたのが2014年10月には30匹に減少している。過去には[[しながわ水族館]] 、[[名古屋港水族館]] でも展示されていたことがある。
 
 
 
=== 釣り餌 ===
 
イギリスでは、[[w:Bluey|Bluey]]と呼ばれ、釣り餌として使われている。
 
 
 
[[延縄|マグロ延縄]][[漁船]]では、冷凍サンマが餌に使われている。
 
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
163行目: 27行目:
 
{{Reflist}}
 
{{Reflist}}
  
== 関連項目 ==
+
{{テンプレート:20180815sk}}
{{Commonscat|Sanma}}
 
{{wiktionary|秋刀魚}}
 
* [[魚の一覧]]
 
* [[青魚]]
 
* [[焼き魚]] / [[大根おろし]]
 
* [[秋刀魚寿司]]
 
* [[エイコサペンタエン酸]] / [[ドコサヘキサエン酸]]
 
* [[落語]]「[[目黒のさんま]]」 - 江戸の殿様(ときに[[江戸幕府|徳川]][[将軍]]の場合あり)と大衆魚のサンマを絡めた創作[[wikt:譚|譚]]。
 
* [[目黒のさんま#さんままつり|さんま祭り]]
 
* [[佐藤春夫]] - 代表作として「秋刀魚の歌」がある。
 
* [[明石家さんま]] - サンマの名を持つ日本人[[コメディアン]]。実家が水産加工業を営んでいたことから命名された。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.samma.jp/ 全国さんま棒受網漁業協同組合]
 
* [http://www.ryoushi.jp/gyogyou/okiai_enyou/okiai/08.html サンマ棒受け網漁] 全国漁業就業者確保育成センター
 
* {{PDFlink|[http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_koukan/pdf/20100423_shiryou2.pdf サンマ太平洋北西部系群の生活史と漁場]}}
 
* {{PDFlink|[http://www.hro.or.jp/list/fisheries/marine/att/74-natsume.pdf 北海道東部太平洋で夏期にさんま流し網漁業により漁獲されるサンマの来遊起源について]}}
 
* [http://dx.doi.org/10.2331/suisan.78.1193 生食用サンマ加工食品からのアニサキス幼虫の検出] 日本水産学会誌 Vol.78 (2012) No.6 p.1193-1195
 
  
{{Normdaten}}
 
 
{{DEFAULTSORT:さんま}}
 
{{DEFAULTSORT:さんま}}
 
[[Category:ダツ目]]
 
[[Category:ダツ目]]

2018/9/23/ (日) 13:32時点における版


サンマ秋刀魚学名Cololabis saira) は、ダツ目-ダツ上科-サンマ科-サンマ属に分類される、海棲硬骨魚の1

体は側扁して細長く,全長 40cm内外。歯は小さく,下顎がやや突き出ている。背鰭,尻鰭それぞれの後方に5~6個の離れ鰭がある。外洋の表層に群泳し,秋季産卵のため沿岸に回遊する。千島列島から九州にかけて分布する。塩焼などにして賞味される。

脚注



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