「サバナ気候」の版間の差分

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[[File:Koppen World Map Aw.png|thumb|400px|サバナ気候 (Aw) の分布図]]
 
[[File:Koppen World Map Aw.png|thumb|400px|サバナ気候 (Aw) の分布図]]
'''サバナ気候'''(サバナきこう)とは[[ケッペンの気候区分]]における気候区のひとつで[[熱帯]]に属する。[[亜熱帯高圧帯]]の南北移動を原因とする[[雨季]]と[[乾季]]の明確な分化が特徴である。'''サバンナ気候'''、'''サヴァナ気候'''とも呼ばれる。記号は'''Aw'''でAは熱帯、wは冬に乾燥(wintertrocken)を表す。
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'''サバナ気候'''(サバナきこう)
  
[[サバナ (植生)|植生]][[疎林]]と[[イネ科]]の植物からなる[[草原]]となる。乾季には樹木は落葉し、草原も枯れる。[[日照時間]]が長く肥沃な土壌であり、[[コーヒーノキ|コーヒー]]、[[サトウキビ]]、[[綿花]]などが栽培される<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%83%8A%E6%B0%97%E5%80%99-69504 |title=サバナ気候 |publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2017-09-10}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%8A%E6%B0%97%E5%80%99-677952 |title=サバンナ気候 |publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2017-09-10}}</ref>。
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[[熱帯気候]]の一つで,年間のうち[[乾季]]と[[雨季]]が明瞭に区別され,気温の年較差が大きい気候。熱帯夏雨気候,熱帯原野気候,熱帯サバナ気候ともいう。[[ウラジーミル・P.ケッペン]]の気候区分では最乾月の降水量が 60mm以下の気候である。夏には[[熱帯収束帯]]の影響を受け雨季となり,冬には亜熱帯高気圧の影響で乾季となる。イネ科の草を主体とする草原が特徴で,肉牛の放牧が行なわれるが,乾季には疎林は落葉し草は枯れて褐色となる。赤道よりやや高緯度側にあたり,南アメリカのギアナ・ブラジル高地,コンゴ流域を除くアフリカの大部分がその代表的な地域である。
 
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== 特徴 ==
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* [[南回帰線]]から[[北回帰線]]の間の多くの地域に分布。
 
* 夏は[[赤道低圧帯]](熱帯収束帯)に入り多雨、冬は[[亜熱帯高圧帯|中緯度高圧帯]]に入り、乾燥するため一年の間で[[雨季]]と[[乾季]]がはっきりと分かれている。なお夏に乾季をむかえる地域もごく僅かながら存在しており、その場合記号はAwではなくAsを用いる。なおAsは[[熱帯夏季少雨気候]]と呼ばれるが、{{要出典|範囲=分布域が非常に狭いので通常はサバナ気候に含めることが多い|date=2018年1月}}。
 
* 気温の年較差は少ない。
 
* 乾燥に強い樹木がまばらに生える草原、[[サバナ (地理)|サバナ]](Savanna、サバンナとも言う)が広く分布し気候区の名前の由来にもなっている。
 
* 土壌は主に[[ラトソル]](ラテライト)や赤黄色土からなる。
 
* [[焼畑]]のほか様々な農業形態がとられている。
 
* [[高床式住居]]を利用
 
 
 
== 条件 ==
 
{{Climate chart
 
| [[ブラジリア]]
 
| 17.4|26.9|241.4
 
| 17.4|26.7|214.7
 
| 17.5|27.1|188.9
 
| 16.8|26.6|123.8
 
| 15|25.7|39.3
 
| 13.3|25.2|8.8
 
| 12.9|25.1|11.8
 
| 14.6|27.3|12.8
 
| 16|28.3|51.9
 
| 17.4|27.5|172.1
 
| 17.5|26.6|238
 
| 17.5|26.2|248.6
 
| source =World Weather Information Service [http://worldweather.wmo.int/136/c00290.htm]|accessdate=2013-01-13&cityname=Brasília-Brazil
 
| float=right
 
| clear=none
 
}}
 
* 最寒月平均気温が18℃以上([[ヤシ]]が生育できること)。
 
* 年平均降水量が[[ケッペンの気候区分#乾燥限界 r (mm/樹木生育に必要な最低降水量)の計算|乾燥限界]]以上。
 
* 最少雨月降水量が60mm未満かつ(100-0.04×年平均降水量)mm未満。
 
上記3つの条件を全て満たしていて下記の条件も満たす場合のみAs(熱帯夏季少雨気候)となり、上記3つの条件は全て満たしているが下記の条件を満たさない場合は'''Aw'''(狭義のサバナ気候)となる。
 
* 最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満。
 
また「最少雨月降水量が(100-0.04×年平均降水量)mm未満」という条件から「100-0.04×年平均降水量」の値が正である必要があるため、この気候に属する地域の年平均降水量は2,500mm未満になる。
 
 
 
== 分布 ==
 
=== 分布地域 ===
 
[[File:Candidasa Lagoon 200507-2.jpg|thumb|[[バリ島]]のラグーン]]
 
[[File:Elefanter i Masai Mara.jpg|thumb|[[ケニア]]の[[サバナ (植生)|サバンナ]]]]
 
典型的なサバナ気候(Aw)は、[[熱帯雨林]]の周辺に発達し、[[太陽]]の回帰にともない、赤道低圧帯の影響を受ける雨季(夏)と[[亜熱帯高圧帯]]の影響を受ける乾季(冬)に分かれる。主な分布地域は以下の通りである。
 
 
 
* ブラジル高原
 
* インドシナ半島内陸部
 
* インド亜大陸のデカン高原 - ベンガル湾沿岸部
 
* [[オーストラリア]]北部
 
* [[バリ島]]
 
* [[西インド諸島]]
 
* [[中央アフリカ]]沿岸
 
* アフリカ中部の熱帯雨林周辺部
 
* アフリカ東部のインド洋沿岸
 
* 台湾南西部 
 
 
 
夏が乾季となるAs(熱帯夏季少雨気候)は極めて珍しく、[[ハワイ諸島]]の一部などごく限られた地域にのみ分布する。
 
 
 
===日本の分布地域===
 
[[東京都]]([[小笠原諸島]]の南部)が該当する。
 
 
 
'''サバナ気候に属する観測地点が存在するのは以下の市町村である。'''(かっこ書きは[[気象庁]]・[[アメダス]]の設置点):
 
 
 
* [[小笠原村]]([[南鳥島]]
 
 
 
=== 典型的な都市 ===
 
* [[ホーチミン市|ホーチミン]]([[ベトナム]])<ref name="新詳29">{{Cite book ja-jp
 
|author    = 帝国書院編集部
 
|year      = 2017
 
|title      = 新詳高等地図
 
|publisher = 帝国書院
 
|isbn      = 978-4-8071-6208-6
 
}} 平成29年度版</ref>
 
* [[バンコク]]([[タイ王国|タイ]])<ref name="詳解29">{{Cite book ja-jp
 
|author    = 二宮書店編集部
 
|year      = 2017
 
|title      = 詳解現代地図
 
|publisher = 二宮書店
 
|isbn      = 978-4-8176-0397-5
 
}} 平成29年度版</ref>
 
* [[デンパサール]]([[インドネシア]] [[バリ島]])
 
* [[ダーウィン (ノーザンテリトリー)|ダーウィン]]([[オーストラリア]])<ref name="新詳29" />
 
* [[ヌーメア]]([[ニューカレドニア]])
 
* [[ムンバイ]]([[インド]])
 
* [[コルカタ]](インド)<ref name="新詳29" /><ref name="詳解29" />
 
* [[ダルエスサラーム]]([[タンザニア]])
 
* [[キンシャサ]]([[コンゴ民主共和国]])
 
* [[ヤウンデ]]([[カメルーン]])
 
* [[ブラジリア]]([[ブラジル]])<ref name="詳解29" />
 
* [[フォルタレーザ]](ブラジル)
 
* [[カラカス]]([[ベネズエラ]])
 
* [[ハバナ]]([[キューバ]])
 
* [[サントドミンゴ]]([[ドミニカ共和国]])
 
* [[テグシガルパ]]([[ホンジュラス]])
 
* [[メリダ (ユカタン州)|メリダ]]([[メキシコ]])
 
* [[キーウェスト]]([[アメリカ合衆国|アメリカ]][[フロリダ州]])
 
* [[ポートモレスビー]]([[パプアニューギニア]])
 
* [[リオデジャネイロ]]([[ブラジル]])
 
* [[三亜市|三亜]]([[中華人民共和国]][[海南島]])
 
* [[高雄市|高雄]]([[台湾]])
 
 
 
== 気候の特徴 ==
 
[[File:Mumbai-rains.jpg|thumb|モンスーンの激しい雨、[[ムンバイ]]]]
 
[[File:Coffee Plantation.jpg|thumb|大規模なコーヒーのプランテーション農園、ブラジル・[[ミナスジェライス州]]]]
 
[[File:CaiMonVillage.jpg|thumb|ベトナムの水田]]
 
サバナ気候にあたる地域では夏は[[赤道低圧帯]]に入るため湿った空気が流れ込みやすく、対流性・地形性・低気圧性の雨(降雨)が多い[[雨季]]となる。しかし冬は一転して[[亜熱帯高圧帯|中緯度高圧帯]]に入るため、乾燥した空気が長く居座り雨がほとんど降らない[[乾季]]が続く。一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれており、[[モンスーン]]の影響が非常に大きい地域である。
 
 
 
なお、ごく限られた地域では夏に高い[[山脈]]によって雲が遮られて[[雨蔭]]となるなどして夏が乾季、冬が雨季となるが、夏が雨季となる地域に比べて年間降水量は少ない。
 
 
 
雨季の降水量が少なければ[[旱魃]]、多ければ[[洪水]]となるため、どちらにしても農作物や水をはじめとして生活全般に大きな影響が及ぶ。
 
 
 
== 土壌と植生の特徴 ==
 
植生は丈の高い草原の中に乾燥に強い[[バオバブ]]などの樹木がまばらに生える、[[サバナ (地理)|サバナ]]とよばれる熱帯草原が多く見られる。夏にはこれらの植物が生い茂っているが冬では樹木が落葉、草原は枯れ種や根に姿を変えるため赤茶けた大地となる。アフリカでは、この気候帯に多くの野生動物が生息している。但し、[[ナイロビ国立公園]]の至近の街[[ナイロビ]]は[[温帯夏雨気候]]に分類され、[[カラハリ砂漠]]のように乾燥帯の土地もあり([[中央カラハリ動物保護区]]は世界第二位の広さの動物保護区)、野生動物はこの気候より低温や乾燥した気候でも多くみられる。降水量の比較的多い地域([[インドシナ半島]]など)では乾季に[[落葉広葉樹林|落葉する広葉樹林]]([[雨緑林]])も見られる。
 
 
 
土壌は[[ラトソル]](ラテライト)と[[赤黄色土]]が多く分布し、熱帯雨林ほどではないが痩せた土壌で農業にはあまり適さない。しかし、一部肥沃な土壌(ブラジル高原の[[テラローシャ]]や[[インド]][[デカン高原]]の[[レグール土]])が分布する地域もある。
 
 
 
== 産業の特徴・その他 ==
 
農業では、乾季に森林を燃やし雨季に作物を栽培する[[焼畑]]農業が多く見られる。[[プランテーション]]、[[自給的農業]]も多い。主な農産物は[[コーヒー豆]]、[[サトウキビ]]、[[天然ゴム]]、[[綿花]]、[[バナナ]]、[[茶]]、[[カカオ]]などである。
 
 
 
[[ガンジス川]]河口の[[バングラデシュ]]や[[メコン川]]流域([[メコン・デルタ]])の[[ベトナム]]南部・[[カンボジア]]、[[チャオプラヤ川]]流域の[[タイ王国|タイ]]などでは[[米]]の二期作が行われており、生産量も多い。
 
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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{{ケッペンの気候区分}}
 
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+
{{テンプレート:20180815sk}}
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{{DEFAULTSORT:さはなきこう}}
 
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[[Category:気候区分]]
 
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[[Category:熱帯地方]]
 
[[Category:熱帯地方]]
 
[[Category:草原]]
 
[[Category:草原]]

2018/9/29/ (土) 16:43時点における版

サバナ気候 (Aw) の分布図

サバナ気候(サバナきこう)

熱帯気候の一つで,年間のうち乾季雨季が明瞭に区別され,気温の年較差が大きい気候。熱帯夏雨気候,熱帯原野気候,熱帯サバナ気候ともいう。ウラジーミル・P.ケッペンの気候区分では最乾月の降水量が 60mm以下の気候である。夏には熱帯収束帯の影響を受け雨季となり,冬には亜熱帯高気圧の影響で乾季となる。イネ科の草を主体とする草原が特徴で,肉牛の放牧が行なわれるが,乾季には疎林は落葉し草は枯れて褐色となる。赤道よりやや高緯度側にあたり,南アメリカのギアナ・ブラジル高地,コンゴ流域を除くアフリカの大部分がその代表的な地域である。


脚注

関連項目




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