サノフィ
サノフィ(フランス語: Sanofi S.A.)は、フランス・パリを本拠とする製薬・バイオテクノロジー企業である。医薬品(処方箋医薬品)販売では世界有数の規模を持つ[1]。ユーロネクスト・パリ、フランクフルト証券取引所、ロンドン証券取引所、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しており(Euronext: SAN 、FWB: SNW、LSE: 0O59、NYSE: SNY)、ユーロネクスト・パリではCAC 40の採用銘柄となっている。
ワクチン事業部門として、サノフィパスツール(Sanofi Pasteur =フランス・リヨン)、動物薬事業部門として、メリアル(Merial =アメリカ・ジョージア州)という子会社を有する。
Contents
沿革
設立まで
- サノフィ・サンテラボ
1999年、サノフィ社とサンテラボ社の合併によってパリに設立された。サノフィ社はフランスのエネルギー大手、トタル社の子会社であり、サンテラボ社は同じく化粧品大手、ロレアル社の子会社であった。
- アベンティス
1999年、フランスのローヌ・プーラン・ローラー(RPR)社と、ドイツのヘキスト・マリオン・ルセル(HMR)社[2]との合併によって設立され、フランス東部のストラスブールを本拠としていた。ヘキスト・マリオン・ルセル社は、ヘキストグループの医薬品メーカーであり、1995年にヘキスト社とルーセル・ウラア社(Roussel Uclaf =フランス)、マリオン・メレル・ダウ社(Marion Merrell Dow =アメリカ合衆国、ダウ・ケミカル元子会社でヘキストが買収)との合併によって誕生していた。
設立以降
現在のサノフィは2004年[3]、フランスの製薬会社大手、サノフィ・サンテラボ社が、同アベンティス社を吸収合併した結果として設立された。2011年2月、アメリカのバイオ医薬品企業であるジェンザイムを買収の上吸収合併[4]、2018年1月、血友病治療薬を扱い、バイオジェンからのスピンオフ企業である、アメリカのバイオヴェラティブの買収を[5]、またベルギーの抗体医薬メーカーであるアブリンクスの買収を、それぞれ発表した[6]。
主な製品
- アマリール(グリメピリド)
- クレキサン(エノキサパリン)- 日本では科研製薬が販売。
- アンカロン(アミオダロン)
- プラビックス(クロピドグレル)
- タキソテール(ドセタキセル)
- エルプラット(オキサリプラチン)- 日本ではヤクルト本社が製造販売。
- マイスリー(ゾルピデム)- 日本ではアステラス製薬が製造販売。
- アレグラ(フェキソフェナジン) - スイッチOTC薬として「アレグラFX」が久光製薬から発売。
- インタール(クロモグリク酸ナトリウム)
- ランタス(インスリン グラルギン)
- アピドラ(インスリン グルリジン)
- Tritace(ラミプリル)
- Copaxone(グラチラマー)
- アバプロ(イルベサルタン) - 日本では大日本住友製薬が製造販売。
- ソフラチュール(硫酸フラジオマイシン)
- マーロックス(水酸化アルミニウムゲル)
- ラシックス(フロセミド)
- アクトネル(リセドロネート)- 日本ではエーザイが製造販売。
- アクトヒブ(Hibワクチン)- 日本では第一三共が販売。
- プロクトセディル(痔疾治療剤)- 日本ではEAファーマが製造販売。
- オプチクリック(インスリン注入器)
- イタンゴ(インスリン注入器)
日本でのビジネス
サノフィ株式会社
サノフィの日本法人は、サノフィ株式会社である。本社は、東京オペラシティタワー(東京・初台)に所在する。
会社設立は2006年(平成18年)1月1日、サノフィ・サンテラボ株式会社(2000年1月1日の日本サノフィ株式会社とサンテラボ薬品株式会社の統合会社)と、アベンティスファーマ株式会社(2000年7月1日のヘキスト・マリオン・ルセル株式会社とローヌ・プーランローラー株式会社の統合会社)との合併によって誕生した。合併当初の社名は「サノフィ・アベンティス株式会社」であったが、2012年10月1日を以て「サノフィ株式会社」に社名変更している[7]。
2013年(平成25年)7月1日には、ワクチンの製造を行っていたサノフィパスツール株式会社を吸収合併[8]、2016年(平成28年)7月1日には、ジェンザイム・ジャパン株式会社を吸収合併した[9]。
合弁会社
2010年(平成22年)5月28日には日医工株式会社との合弁により、日本国内でのジェネリック医薬品事業を担う日医工サノフィ・アベンティス株式会社(現在の日医工サノフィ株式会社)を設立[10]。
2012年(平成24年)7月2日には、久光製薬株式会社と合弁で、一般向けアレルギー関連治療薬のマーケティング事業を担う久光-サノフィ株式会社を設立した[11]。
サノフィ・ジャパングループ
2009年にアメリカで動物用医薬品事業を担うメリアル社がサノフィ・アベンティス社の100%子会社化したことを受け、日本でもメリアル社の日本法人であるメリアル・ジャパン株式会社がサノフィ・ジャパングループの一員となった。
その後、2017年1月にドイツに本拠を置くベーリンガーインゲルハイム社との間でコンシューマーヘルスケア事業と動物薬事業の戦略的事業交換を実施したことにより、メリアル・ジャパン株式会社はベーリンガーインゲルハイムの日本における持株会社であるベーリンガーインゲルハイムジャパン株式会社の子会社となり、替わって、同社子会社で一般用医薬品事業を担っているエスエス製薬株式会社がサノフィ・ジャパングループの一員となった。
同年12月にはエスエス製薬株式会社の本社がサノフィ株式会社の本社がある東京オペラシティタワーへ移転したことで、サノフィ・ジャパングループ内での本社機能が統合された。
前身となった日本法人
- アベンティスファーマ株式会社[12]
- ヘキスト・マリオン・ルセル(株)と、ローヌ・プーランローラ(株)との合併によって設立 (2000年1月1日)[13]
- 設立: 2000年(平成12年)1月
- 本社所在地: 東京都港区赤坂 2-17-51
- 資本金: 125,000万円
- 社員数: 2,768名(2003年4月1日現在)
- 株主: アベンティス (フランス)
- サノフィ・サンテラボ株式会社[14]
- 日本サノフィ(株)と、サンテラボ薬品(株)との合併によって設立 (2000年1月1日)[13]
- 設立: 1971年(昭和46年)7月12日
- 本社所在地: 東京都千代田区紀尾井町 3-23 文芸春秋新館
- 資本金: 42,980万円
- 株主: サノフィ・サンテラボS.A. (フランス)
- 役員: Hanspeter Spek (会長)、Phillipe Fauchet (社長)
脚注
- ↑ Keller, Greg (2008年9月10日). “Sanofi names Viehbacher as new CEO”. Associated Press (USA Today) . 2010閲覧.
- ↑ 日本では、ヘキストジャパン株式会社の医薬品部門、日本ルセル株式会社、森下ルセル株式会社及びマリオン・メレル・ダウが統合
- ↑ 2004年8月20日
- ↑ “【仏サノフィ】米ジェンザイムを買収‐総額201億ドル(約1兆6800億円)”. 薬事日報 (2011年2月17日). . 2018閲覧.
- ↑ “仏サノフィ、米バイオベラティブを買収へ-約1兆2900億円で”. ブルームバーグ (2018年1月22日). . 2018閲覧.
- ↑ “サノフィ、ベルギーの抗体医薬5200億円で買収 M&A加速”. 日本経済新聞 (2018年1月29日). . 2018閲覧.
- ↑ 「サノフィ株式会社」に社名変更のお知らせ 2012年10月1日
- ↑ サノフィパスツール株式会社の吸収合併に関するお知らせ - サノフィ株式会社 プレスリリース 2013年7月1日(2013年11月20日閲覧)
- ↑ “サノフィ株式会社、ジェンザイム・ジャパン株式会社を吸収合併” (プレスリリース), サノフィ株式会社, (2016年7月1日) . 2017閲覧.
- ↑ “サノフィ・アベンティスグループ、ジェネリック医薬品リーディングカンパニーの日医工と日本におけるジェネリック医薬品事業の共同出資会社設立” (PDF) (プレスリリース), サノフィ・アベンティス株式会社, (2010年5月28日) . 2017閲覧.
- ↑ “一般用医薬品事業(アレルギー関連治療薬)のマーケティングを目的とした合弁会社設立” (PDF) (プレスリリース), 久光製薬、サノフィ・アベンティス(2社連名), (2012年6月12日) . 2017閲覧.
- ↑ アベンティスファーマ株式会社
- ↑ 13.0 13.1 サノフィ・アベンティスの歴史(日本国内) サノフィ・アベンティス株式会社、2010年7月20日閲覧
- ↑ サノフィ・サンテラボ社、大正・サノフィ・サンテラボ製薬株式会社における大正製薬所有株式(49%)をすべて取得 2004年2月4日
関連項目
外部リンク
- サノフィ 日本法人サイト
- Sanofi グローバルサイト (フランス語)(英語)
- (英語)
- SanofiTVen - 公式YouTubeチャンネル(英語)