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{{Otheruses}}
 
[[ファイル:Cider (lemon-lime drink).jpg|サムネイル|サイダー]]
 
'''サイダー'''({{Lang-en-short|cider}})は、[[甘味]]と[[酸味]]で味付けされ、本来は[[林檎]]系の香味が付く物のみを指すが、2017年現在は[[柑橘類]]の香味が付く物も含めて、[[アルコール]]を含まない無色透明の[[炭酸飲料]]の総称として誤認されている傾向が強い。語源は英語の”cider”だが、その定義は国や地域によって様々である。
 
  
== 呼称 ==
+
'''サイダー'''({{Lang-en-short|cider}}
サイダーの語源は、英語圏でリンゴ酒を意味する[[シードル#イギリス|サイダー]]({{Lang-en-short|[[:en:cider|cider]]}})である。日本ではサイダーが清涼飲料の名前として浸透しているため、リンゴ酒は[[フランス語]]の[[シードル#フランス|シードル]]({{Lang-fr-short|[[:fr:cidre|cidre]]}})が代わりに使われている。英語圏ではレモンライム([[w:lemonlime|lemonlime]])と呼ばれ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは[[レモネード]]([[w:lemonade|lemonade]])と呼ばれる。
 
  
== 日本のサイダー ==
+
ヨーロッパではシードルといい,りんご酒を指す。日本では一般に[[清涼飲料]]の一種で,シャンペンサイダーのうちアルコールを含まないものをいう。砂糖,酒石酸,香料などを炭酸水に溶いてつくる。
近年は飲料の多様化、また茶など無糖飲料の人気が高まっていることから、飲料全体の販売量に占めるサイダーの割合は低下傾向にある。日本における各地の小規模製造業者の製造するサイダーは「[[地サイダー]]」あるいは「ご当地サイダー」のように呼ばれる。
 
 
 
[[File:mitsuya.lemola.jpg|right|300px|thumb|林檎系香味の三ツ矢サイダーに対して柑橘系香味で1967年に発売された「三ツ矢レモラ」<br/>厳密な意味でサイダーではない]]
 
国内で太平洋戦争以前から全国規模で販売されていた無色透明炭酸飲料製品には、[[ビール]]メーカーが製造した[[三ツ矢サイダー]](朝日麦酒←大日本麦酒)、[[リボンシトロン]](サッポロビール←日本麦酒←大日本麦酒)、[[キリンレモン]](麒麟麦酒)の3銘柄があるが、林檎系香味の狭義の「サイダー」は三ツ矢サイダーのみである。後二者は名称が示す通り柑橘系の香味であり、語義矛盾となるので厳密な意味でサイダーではなく、古くは区別されて「シトロン」と呼ばれていたが、2017年現在では「シトロン」の名称は廃れて一般的には「サイダー」と誤認されている。尚、1957年~67年にかけては上記に加えて[[宝酒造]]によるタカラサイダーが販売されていた。
 
 
 
2017年現在は各ビールメーカー(いずれも分社化して清涼飲料水部門は子会社となっている)とも、無色透明炭酸飲料は上記の代表銘柄と、その派生商品のみを製造販売しているが、嘗て1970年代頃までは'''三ツ矢サイダー'''(林檎系)に対して[[アサヒ飲料|'''三ツ矢レモラ''']](柑橘系 1967年発売)、'''リボンシトロン'''(柑橘系)に対して[[サッポロ飲料|'''リボンサイダー''']](林檎系 1967年発売)、'''キリンレモン'''(柑橘系)に対して[[キリンビバレッジ|'''キリンサイダー''']](林檎系 1956年発売)と、各社とも「サイダー」の名称は林檎系香味の製品にしか用いておらず、狭義の「サイダー」と「柑橘系透明炭酸飲料」を厳密に区別して販売していた。しかし、後発商品は販売数が伸びずに淘汰され、現在の様に各メーカーとも一本化された<ref>三ツ矢レモラは、その後2014年にペットボトル入りで限定復刻発売された。</ref>。外資系の[[ペプシコーラ]]でも、以前、1970年代には「[[ペプシコーラ|パティオ]]サイダー」と「[[ミリンダ]]レモンライム」の2本立てだったが、パティオサイダーは短期間で終売となった。
 
 
 
外資系飲料で国内生産された透明炭酸飲料には他に「[[セブンアップ]]」、「[[Dad's |バブルアップ]]」、「[[スプライト (炭酸飲料)|スプライト]]」等があるが、これらはいずれも柑橘系香味で「サイダー」ではない。
 
 
 
=== 歴史 ===
 
[[1853年]]、[[マシュー・ペリー|ペリー]]提督率いる[[黒船]]来航の際、その船員の飲物として炭酸飲料が日本に伝来したという<ref>{{Cite web|url=http://yokosuka.keizai.biz/headline/306/ |title=黒船ペリーにちなんで、地サイダー「横須賀ペリーサイダー」販売 |publisher=横須賀経済新聞 |accessdate=2013-05-28}}</ref>。
 
 
 
日本のサイダーの発祥の地は[[横浜市|横浜]]で、[[1868年]]、外国人居留地で設立されたノース&レー商会(経営者は[[イギリス人]]ノースレー<ref>[http://seiryouken.jp/yomoyama/yomoyama_09.html 清涼飲料よもやま話 第9話「サイダー、シトロン、レモン、ライム等の透明炭酸飲料」]一般財団法人日本清涼飲料検査協会</ref>。またはジョン・ノースとレー・WあるいはW・レイの共同経営という説あり<ref>[http://www.nfk-group.co.jp/track.html 日本フレーバーの軌跡]NIPPON FLAVOUR KOGYO CO.,LTD.</ref><ref>[http://yokohama-now.jp/home/?p=12816 日本のサイダー発祥の地横浜。日本で初めて炭酸飲料の製造・販売を手掛けた坪井食品株式会社 代表取締役 坪井裕平さん]yokohama now</ref>)が製造販売を始めた、パイナップルとリンゴのフレーバーをつけた炭酸飲料である「シャンペン・サイダー」が日本で最初のサイダーとされる。しかし、このシャンペン・サイダーは在留外国人向けの商品だったため、上流階級や特権階級以外の一般の日本人が飲むことはできなかった。
 
 
 
[[1875年]]、横浜扇町の秋本己之助がノース&レー商会に勤める西村甚作の助言で作った「金線サイダー」(当初は「日の出鶴」という商品名だったが[[1889年]]に改称)が発売され、[[1899年]]に登場した[[王冠 (栓)|王冠]]を使用した瓶入りの製品が、日本で本格的に流通した最初のサイダーとなった<ref>[http://blog.nikkeibp.co.jp/nd/news/2010/04/205361.shtml エクスポート、昭和初期の味「横浜ポートサイダー」を発売 - 日経デザイン - 日経BP社]</ref>。このとき、シャンペン・サイダーと異なりパイナップルのフレーバーを用いずリンゴのフレーバーのみとしたことから、シャンペンの名を除いたサイダーという商品名にしたとされている。
 
 
 
また、[[1884年]]発売の三ツ矢平野水とそれをベースにした[[1907年]]発売の[[三ツ矢サイダー]]、および[[1897年]]から[[1899年]]頃発売の[[岐阜県]][[養老郡]][[養老町]]の[[養老サイダー]](当初は「伊吹サイダー」という商品名だったが[[1900年]]に改称)も一部で日本初のサイダーとして紹介されている<!-- サイダーではない無い鉱泉水、炭酸水は除く--><ref>日刊工業新聞MOOK編集部『身近なモノの履歴書を知る事典』、串間努・町田忍『ザ・ジュース大図鑑』扶桑社</ref><ref>日比野裕『伝説・養老サイダーと菊水霊泉―日本最初のサイダーを支えた者たちとそれを育んだ不老不死霊泉の伝説』文芸社</ref>。なお、三ツ矢サイダーと金線サイダーは後に製造会社の合併により兄弟銘柄となり、その後三ツ矢サイダーのみが残された。
 
 
 
[[1904年]]にイギリスの実業家ロバート・ニール・ウォーカーが[[長崎市|長崎]]で発売した「BANZAIサイダー」は日本で最初に大量生産された清涼飲料水と言われる。BANZAIサイダーは15年間に亘って販売された。
 
 
 
その後各地で製造するものが現れ、[[大正]]時代の東京では日進舎が花月印サイダー<ref>兒島新平、「花月印サイダーは斯くの如き人格の人が作る」『三府及近郊名所名物案内』pp79-80、1918年、東京、日本名所案内社 [{{NDLDC|906086/52}}]</ref>を、宮川商店が君が代サイダー<ref>兒島新平、「宮川商店製造の君が代サイダー」『三府及近郊名所名物案内』2版 pp66-67、1919年、東京、日本名所案内社 [{{NDLDC|906087/156}}]</ref>を製造販売していた。
 
 
 
[[第二次世界大戦|戦]]後、アメリカ統治下の[[奄美大島]]では[[1952年]]に巴麦酒が設立され、トモエサイダーが販売されたが、[[1953年]]の奄美群島[[本土復帰]]で商品の競争力がなくなり、1年余りで廃業となった<ref>吉田元、「軍政下奄美の酒(2)」『日本醸造協会誌』第101巻第12号、2006年、東京、公益財団法人日本醸造協会  [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/101/12/101_12_935/_pdf]</ref>。
 
 
 
== 各国のサイダー ==
 
{{Main|シードル}}
 
[[イギリス]]のサイダー({{Lang-en|cider, cyder}})および[[フランス]]の[[シードル]]({{Lang-fr|cidre}})は「リンゴ酒」である。イギリスでは発泡性がある場合が多いが、フランスでは発泡性がない場合が多い。
 
 
 
[[アメリカ合衆国]]や[[カナダ]]では、サイダー({{Lang-en|cider}})は「精製、熱加工していないリンゴ[[ジュース|果汁]]」を指す。
 
 
 
=== 一覧 ===
 
{| class="wikitable sortable" style="text-align:center"
 
!国!!名称!!読み!!アルコール!!炭酸!!色!!備考!!画像
 
|-
 
|フランス||cidre||シードル||○||×||琥珀色||透明||[[ファイル:GazouBoshu.png|none|100px]]
 
|-
 
|[[ドイツ]]||Apfelwein||アプフェルヴァイン||○||×||琥珀色||透明||[[ファイル:Apfelwein Geripptes Bembel.jpg|none|100px]]
 
|-
 
|[[スペイン]]||sidra||シードラ||○||○||琥珀色||透明||[[ファイル:GazouBoshu.png|none|100px]]
 
|-
 
|[[ロシア]]||сидр||シードル||○||○||琥珀色||透明||[[ファイル:GazouBoshu.png|none|100px]]
 
|-
 
|イギリス||cider<br>cyder||サイダー||○||○||琥珀色||透明||[[ファイル:Cider-strongbow.jpg|none|100px]]
 
|-
 
|アメリカ<br>カナダ||cider<br>apple cider<br>soft cider<br>sweet cider||サイダー<br>[[アップルサイダー]]||×||×||赤色||混濁||[[ファイル:American cider.jpg|none|100px]]
 
|-
 
|日本||サイダー||-||×||○||無色||透明||[[ファイル:Mitsuya cider1500.JPG|none|100px]]
 
|-
 
|韓国||{{lang|ko|사이다}}||-||×||○||無色||透明||[[ファイル:GazouBoshu.png|none|100px]]
 
|}
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[炭酸水]]
 
* [[キリンレモン]]
 
* [[リボンシトロン]]
 
* [[リボンナポリン]]
 
* [[ソフトドリンク]]
 
** [[スカッシュ (飲料)]]
 
** [[ジンジャーエール]]
 
** [[コーラ (飲料)]]
 
** [[メロンソーダ]]
 
** [[エード]]
 
* 清涼飲料水
 
** [[7up]]
 
** [[チェリオ (飲料)]]
 
** [[ファンタ (飲料)]]
 
** [[マウンテンデュー]]
 
** [[ミリンダ (飲料)]]
 
** [[ラムネ (清涼飲料)]]
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:さいたあ}}
 
{{DEFAULTSORT:さいたあ}}
 
[[Category:炭酸飲料]]
 
[[Category:炭酸飲料]]
 
[[Category:日本の飲料]]
 
[[Category:日本の飲料]]
 
[[Category:ヘブライ語からの借用語]]
 
[[Category:ヘブライ語からの借用語]]

2018/12/29/ (土) 11:50時点における最新版

サイダー: cider

ヨーロッパではシードルといい,りんご酒を指す。日本では一般に清涼飲料の一種で,シャンペンサイダーのうちアルコールを含まないものをいう。砂糖,酒石酸,香料などを炭酸水に溶いてつくる。



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