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(日本におけるCM)
 
 
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[[ファイル:Dentsu 0826 TVCM-day.jpg|thumbnail|250px|right|CMの日([[8月28日]])のCMをする[[電通]]本社ビル]]
 
'''コマーシャルメッセージ''' (commercial message) は、本来は「[[商業]]用の伝言」全般を指す。
 
  
== CMの媒体 ==
+
'''コマーシャルメッセージ''' (commercial message)  
本来は、[[マス媒体]]に限らない。しかし、[[ラジオ]]・[[テレビ]]の普及とともに、[[民間放送]]で[[ラジオ番組]]・[[テレビ番組]]の前後や番組の途中に流される、短い[[広告]]放送のことを指すことが一般的になっている。'''コマーシャル'''、'''CM'''とも略される。その他、'''お知らせ'''という言葉が使用されることもある。{{誰範囲|広義のCMに対して、テレビ・[[映画]]・[[インターネット]]などの「[[動画]]広告」を特に区別する場合は、'''CF''' (commercial film) と呼称している|date=2015年3月}}。
 
  
=== アドヴァタイジング ===
+
本来は「[[商業]]用の伝言」全般を指す。
[[英語圏]]では[[新聞]]・[[雑誌]]・[[ラジオ]]・[[看板]]・[[テレビ]]・[[インターネット]]・[[ダイレクトメール]]など広告全般を総じて'''アドヴァタイジング''' ({{en|advertising}}) といい、略して'''アド''' ({{en|ad}}) とも読み書きされる<ref>たとえば[[マイクロソフト]]の[[Xbox]]シリーズにおける各サービス上での広告ムービー(いわゆる紹介動画)で「Ad」などの略記が用いられているのが確認できる。{{Cite web |url=http://www.xbox.com/ja-JP/Search?q=ad#All |title=検索結果 - Xbox.com |accessdate=2015-01-18 |publisher=Xbox.com }}</ref>のが一般的であり、[[和製英語]]<ref>{{Cite |和書|author=[[小西友七]](編) |title=[[ジーニアス和英辞典]] ハイブリッド式 2色刷 |date=2001-04-01 |edition=4 |publisher=[[大修館書店]] |pages=1930-1931 |isbn= 4-469-04150-5}}注意すべき[[カタカナ語]]とも。</ref>のコマーシャルメッセージやCMなどの略称の方が一般的となっている[[日本]]では[[アドバルーン]]などの用例に限られている。
 
 
 
=== テレビCM ===
 
テレビで流されるものは'''テレビジョンアドヴァタイズメント''' ({{en|television advertisement}}) といい、[[アメリカ英語]]で'''テレビジョンコマーシャル''' ({{en|television commercial}})、'''コマーシャル''' ({{en|commercial}})、[[イギリス英語]]で'''アドヴァート''' ({{en|advert}}) ともいう。
 
 
 
テレビCMは一般的には民間放送局が広告料収入を得るための手段となっている。
 
 
 
アメリカの公共テレビ局[[PBS]]など、地上波民間放送局であってもテレビCMを流さないもの、[[ケーブルテレビ]]の一部の[[ケーブルテレビ#コミュニティチャンネル(自主放送)|コミュニティチャンネル]]など、広告収入も契約料収入もないものなどがある。海外は、[[国営放送]]局などの公共放送局であってもテレビCMを流し、広告[[収入]]を得ている場合がある。
 
 
 
対して日本は、[[公共放送]]局である[[日本放送協会|NHK]]は、[[放送法]]第83条(広告放送禁止規定)により、広告を流すことによる収入を得る事を禁止しているが、NHK出版のテキストやNHKの主催する美術展やコンサート、受信料支払いの啓発、NHKオンデマンドの紹介、番宣などは通常行われている。NHK以外のものに[[ACジャパン]]による[[公共広告]]のCMはある。
 
 
 
世界的に見て10 - 15秒程度の短いテレビCMが主流なのは、[[日本]]と一部の周辺国のみである。かつては5秒というものもあり、一部のローカル局で今でも放映されている。最近は提供広告で30秒枠も増えている。[[アメリカ]]や[[ヨーロッパ]]は分単位が多い。ヨーロッパ各国の[[深夜番組]]での[[アダルト]]電話音声の広告は5秒広告も決して少なくない。[[フランス]]など一部の国は、CM枠開始時と終了時に[[アイキャッチ]]が入る。フランスは、番組本編とCMの間にCMの告知を挟むことを法律で義務づけている。[[香港]]、[[台湾]]などの中華圏の国でもフランス同様CM枠開始時、終了時にアイキャッチが挿入される。
 
 
 
日本を含む[[アジア圏]]は、1つのテレビCMが終わると、すぐ次のテレビCMが流れることがほとんどだが、欧米はテレビCMとテレビCMの間、テレビCMと番組の間に黒バックの[[フェード]]効果が挿入されている場合が多い。アジアでも[[大韓民国]]は日本と同様、CM同士の間にフェード効果は挿入されていないが、番組とCMの間にクロスフェードあるいは黒バックのフェード効果が挿入されることが多い。[[タイ王国|タイ]]のテレビは、かつてはCMから次のCMに切り替わる際、フェード効果を挟まずに0.5秒程度黒バック画面が挿入されていたが、2015年時点でさらに短く0.1秒程度の黒バック画面が、挿入されたりされないこともある。韓国は番組本編中のテレビCMは、同国の放送法施行令により禁止されている。スポンサー名を出すのは構わないが、[[スポーツ中継]]を除き、会社[[ロゴ]]も、宣伝となりうる看板や商品にあるロゴすらも、取り決めで規制している。テレビCMは番組の本編開始前と本編終了後にまとめて放送する。その代わり、30分以上の一部の番組で一定の時間になると画面右下に現在放送中の番組のタイトルロゴが数秒表示される。かつては全ての番組において一定の時間になると画面下に表示されていた。朝のニュース[[情報番組]]や[[選挙]][[開票]][[特番]]など番組が2時間を超える場合は、番組を第1部、第2部に区切って別番組扱いとし、30分 - 1時間ごとにCMを放送している。[[テレビショッピング]]はそれ自体が宣伝なので例外である。[[中華人民共和国|中国]]は、かつてはCM前後にアイキャッチが挿入されていたが2012年から韓国同様に本編中にテレビCMを流すことを禁止にした。番組のタイトルロゴは画面右下に常時表示される。ただし韓国とは違い、2時間を超える番組で第1部、第2部と区切って別番組扱いすることはなく、開始から終了までストレートに放送する。
 
 
 
日本は[[2000年代]]後半以降、CM末尾に[[インターネット]][[検索エンジン|検索]]用の[[キーワード]]を出すという手法が<!-- 非常に -->多くのCMで使われている。いち早くこの手法が行われていた韓国を除いて、他国でほとんど使われていなが、[[ハッシュタグ]]という欧米で類似した手法がある。日本で最初の「続きはウェブで」CMは、電通広告統計の検索で確認できる範囲で[[2004年]]の[[ネスレコンフェクショナリー]]の[[チョコレート]]菓子「[[エアロ (チョコレート)|エアロ]]」とされている<ref>電通総研(編)『情報メディア白書2016』、ダイヤモンド社、2016年、29頁。ISBN 978-4-478-06848-9。</ref>。
 
 
 
=== ラジオCM ===
 
{{出典の明記|date=2016年4月|section=1}}
 
{{節stub}}
 
ラジオでのスポットCMの場合、20秒・40秒・60秒と20秒単位のものが殆どで、このうち20秒のものが多い。短いものに5秒や、[[キリンビバレッジ]]「[[JIVE (コーヒー)|JIVE]]」ショートバージョンなど1秒弱で終わるものもあった。
 
 
 
ラジオは映像による訴求は行えず、音声のみでアピールする必要がある。そのため、通常はテレビCMとは別にラジオCM向けのものが製作されるが、[[タケモトピアノ]]や[[太平建設工業]]など、ラジオCMでもテレビCMと同一内容のものを音声だけ流すケースもある。この場合、最初の15秒間でテレビCMのものをそのまま流したあと、更に5秒間で問い合わせ先の電話番号のナレーションを加えて、20秒間のスポットCMに仕立て上げている。著名タレントをナレーションに起用している場合、タレントが冒頭で自ら「(名前)です」などと自己紹介してからナレーションに入ることが多い。
 
 
 
現在は、ナレーションの最後に「『(商品名や企業名など)』で検索!」とインターネット検索を促す一言を加えるものも出てきている。
 
 
 
== 欧米におけるCM ==
 
多くの欧米諸国では視聴料金を支払ってテレビを見ることが一般的である<ref name="dentsu20160727">[http://dentsu-ho.com/articles/4273 イギリスのテレビ放送サービスの展開に見るメディアトレンド] 電通 2016年7月27日</ref>。そのためテレビCMを流さない放送局もある。
 
 
 
多くの欧米諸国とは異なりイギリスでは有料放送を主体とする衛星放送やケーブルテレビに対して無料の地上波放送の存在感が大きいことが特徴となっている<ref name="dentsu20160727" />。イギリスには主要なテレビ局として[[英国放送協会]](BBC)や[[ITV (イギリス)|ITV]]、[[チャンネル4|Channel4]]、Channel5などのテレビ局がある<ref name="dentsu20160727" />。このうち英国放送協会(BBC)は免許料(NHKの受信料に相当)収入を軸とする公共放送である<ref name="dentsu20160727" />。また、Channel4は公共放送局であるがCM収入で運営されている<ref name="dentsu20160727" />。
 
 
 
== 日本におけるCM ==
 
日本の[[民間放送]]局のうち、[[地上波|地上波放送]]局、[[衛星放送|地上民放系BSデジタル]]局、[[ラジオ]][[放送局]]などは、CMを[[放送]]することで[[広告]]主([[スポンサー]])から広告料および[[番組]]の製作費を「[[提供]]」されることで[[利益]]を得ている。広告収入は、番組の制作・購入費の主要な財源でもある。最近は、[[インターネット]]にて番組[[コンテンツ]]を[[ネット配信|配信]]する事業者も、冒頭、終了前、中間などでCMを流していることがある。[[テレビ]]・[[ラジオ]]([[AMラジオ]]を除く)のCMは、いまや[[ステレオ放送]]が多くなっており、2000年代から[[5.1サラウンド]]ステレオ音声収録のCMもわずかだが登場した。
 
 
 
視聴に際して[[料金]]が必要となる[[ケーブルテレビ|ケーブル放送]]や、[[スカパー!]]・[[WOWOW]]など一部[[衛星放送]]は、[[視聴者]]からの契約料収入があるため、テレビCMを放映しない放送局もある。[[CS放送]]も行っている一部の地上波放送局で、過去に放送された番組の[[再放送]]時は番組中のテレビCMの放送を一切行わない局もある。ただしノンスクランブル放送(無料放送)時はその番組に関連したCMなどを流す場合<ref>[[日テレジータス]] の「[[ジャイアンツプレ&ポストゲームショー]]」の様に、スクランブル放送でも、実質[[スポンサー]]が付く番組もある。</ref>もある。
 
 
 
[[トーク番組]]や[[バラエティー番組]]などで[[ゲスト]]出演する[[俳優]]や[[タレント]]らが出演するCMを「[[ACC CM情報センター]]提供」という形でCMを流すことはまれにある。また、NHKで[[2013年]]3月22日に放送された『[[放送記念日]]特集「テレビ〜60年目の問いかけ〜」』で、「CMと連動した[[スマートフォン]]向け[[クイズ]]」を紹介時に「[[ミスタードーナツ]]」のCMが音声無しで流れたほか、番組内容によっては、過去に流れたCMが放送されるケースもある<ref>一例として、2018年4月4日放送『[[探検バクモン]]「カレーの聖地!神田の謎」』で流れた1975年当時の「ボンカレー」のCMや同年5月24日放送『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!【寿司!鮨!鮓!すし!SP】』で、'''かっぱ巻き'''を取り上げた場面での1961年当時の「黄桜酒造」のCMなど。</ref>。NHKが放送するバラエティやトーク番組にNHKの放送するドラマの出演者が出演したり、ニュース番組で「静かなブーム」などと称して特定のメーカー・商品の紹介をするなど実質的にCMの機能を担うものもある。
 
 
 
一本のCMの時間は、テレビは15[[秒]]か30秒が多く、ラジオは20秒から1[[分]]程度のものまである。[[会社名]]や[[商品名]]の[[アナウンス]]程度の5秒ものもあるが、現在の[[日本]]のテレビは15秒か30秒にほぼ統一されている。[[1970年代]]初頭まで、番組本編中に画面下部に[[スーパーインポーズ (映像編集)|テロップ]]でCMを入れることも日常的に行われていた。
 
 
 
日本は、ラジオ放送について1920年代の黎明期から1951年まで[[日本放送協会|NHK]]の独占体制が続き、聴取料収入によって運営されていた事情もあり、ラジオCMが試みられたことはなかった。[[第二次世界大戦]]終結まで日本の統治下にあった[[台湾]]は、「[[外地]]」扱いのためNHKとは別組織の[[台湾放送協会]]がラジオ放送を独占した。台湾放送協会は[[1932年]]6月15日から試験的に台湾島内でのラジオCMを開始したが、直後、[[日本新聞協会]]が広告メディアとしての競合を危惧して放送広告反対を決議、ラジオCM自体を好ましく考えていなかった当時の日本政府と[[台湾総督府]]からも中止圧力が掛かり、7月に年内での中止が決定されて、2月2日を最後にラジオCMを中止している。
 
 
 
日本本土で最初に放送されたCMは、[[毎日放送|新日本放送]]が放送を開始した[[1951年]]9月1日に60秒間放送されたラジオCMで、「[[スモカ歯磨]]」のCMである<ref><!-- 404|date=2013-04|title=ページ移動 [http://www.pref.osaka.jp/j_intro/zatu/zatu1.html -->[http://www.pref.osaka.jp/koho/sugata/zatsugaku.html 大阪府ホームページ 大阪の雑学]</ref>。[[企業]]の[[宣伝]]目的を含んでいる[[時報]]もコマーシャルと解釈すれば、[[精工舎]]から[[中部日本放送]]に提供されて新日本放送よりも約6時間早く放送開始した、時計のリズミカルな音による予報音に続き通知音とともに「精工舎の時計が、ただ今、7時をお知らせしました」と報ずるものである<ref>・[http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000086613 日本で初めてのラジオCMは何か。 | レファレンス協同データベース](2011.5 公益財団法人吉田秀雄記念事業財団アド・ミュージアム東京広告図書館)<br />・[http://hicbc.com/whatscbc/playback/no1/index.htm あの日あの時CBC!!プレイバックCBC|ラジオ開局その日 1951.9.1](中部日報放送)</ref>。
 
 
 
日本最初のテレビCMは[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]開局の日の[[1953年]]8月28日に放映された、精工舎の[[正午]]の[[時報]]である。当時の放送関係者の証言によると放送機材の操作に慣れていなかったため、[[フイルム]]が裏返しだった。フィルムの場合、映像の左側に音を再生するための[[サウンドトラック]]があり、フィルムが逆向きになると音が再生されなかったので、音なしの状態で30秒間放送された。時報音はフィルムと関係なく挿入されたため正確に出た。午後7時の時報は無事に放映され、これが現存する日本最古のテレビCMである。28日の正午、テレビCM第1号になるはずだった正午の時報も無事に放映された。従来、「3秒で放送中止となった」というのが定説だったが、これは間違いである<ref>[http://web.archive.org/web/20080201022051/http://www.enjoy-cm.com/pc/library_1950.html CM探検隊・コマーさる君が行く! 1953-1959] [[CMのCMキャンペーン]] 2008年2月1日時点での[[ウェブアーカイブ]]</ref>。
 
 
 
日本で最初に[[カラー]]で放映されたテレビCMは、[[1962年]]の「[[トヨタ・コロナ|トヨペット・コロナ]]」が[[砂塵]]を上げながら[[ドラム缶]]を蹴散らして走行する「スタント・ドライブシリーズ」である。[[カラー放送]]を意識して、[[赤]]・[[青]]・[[黄色]]のドラム缶が登場する。日本で最初に[[ステレオ]]で放映されたテレビCMは、[[1978年]]の「[[スリーエム ジャパン|スコッチ]]メタルテープ」 で、開始からおよそ1[[秒]]間画面下中央に“(放映局のステレオ放送のロゴ)ステレオCM”と表示された。[[関東]]は当時[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]と[[TBSテレビ|TBS]]が[[音声多重放送]]を開始していた。
 
 
 
日本で最初に[[二ヶ国語放送|二ヶ国語で放映]]されたテレビCMは、[[1979年]]の[[日本電気|NEC]]の音声多重放送対応テレビ「語学友」である。このテレビは二ヶ国語放送受信に重点を置いてスピーカーを一つしか持たないモノラルテレビのスタイルで音声多重放送が受信できるというものだった。[[植木等]]をキャラクターに起用。主音声の日本語で「これで日本も安心だ!」などという節をつけたりしていたが、副音声の英語は純粋に男声での商品説明であり、完全な対訳でなかった。このCMは前述のステレオCMの時と違い特に二ヶ国語放送の旨は表示されなかった。しかし当時は音声多重放送を利用したCMはほとんどなかったので、このCMが組み込まれているゾーンは最初から二重音声放送に切り替わっていた。TBSの『[[兼高かおる世界の旅]]』は全篇二ヶ国語放送を実施し、スポンサークレジットも二ヶ国語だった。
 
 
 
日本で2012年現在、[[3次元映像|3D]]立体映像で放送されたテレビCMは1988年に放送された[[キリンビバレッジ|キリン]]のソフトドリンク「[[キリンメッツ|メッツ]]」が唯一である。全編[[コンピュータグラフィックス|CG]]で作られ、赤と青の[[セロハン]][[メガネ]]で見ると立体として浮き上がる手法が取られており、放送期間中に専用メガネのプレゼントもあった。放送された番組は『[[ザ・ベストテン]]』(TBS) などの人気番組内であり、それ以外の時間帯は同一映像で3D用でないCMが放送されていた。
 
 
 
2000年代後半頃から[[アスペクト比]]16:9の[[ハイビジョン]]で製作されるCMが多くなっているが、予算の都合で4:3の[[標準画質]]で製作されているCMもある。[[地上デジタルテレビ放送]]への完全移行との絡みで一部のCMで左右に黒帯をつけているものがある。この場合、アナログは上下左右に黒帯が入る[[額縁放送]]となり、[[ピラーボックス (映像技術)|サイドパネル]]をつけて放送する場合もある。
 
 
 
'''番組のセットや演出'''を利用したCM<ref>日テレ「スッキリ!!」・「ヒルナンデス!」やTBS「この差って何ですか?」(日曜時代)など。</ref>を放送している局もみられる。
 
 
 
ニュース速報などのテロップはCM中に<!--絶対に-->流すことはない。CMに[[ウォーターマーク]]は表示されない<ref>「囲碁将棋チャンネル」で放送される「霧島酒造杯 女流王将戦」内で流れる[[霧島酒造]]のCMのみ、ウォーターマークが表示される。</ref>。
 
 
 
=== 特別編CM ===
 
* 特別編のCMを事前告知して放送する手法は多数行われている。コカ・コーラが初公開の1分ものCMを全放送局同一時刻に同時に流した方法や、[[東芝]]が当時発売する予定の[[携帯電話]][[Au (携帯電話)|au]][[W52T]]のCMを同時刻に全放送局に、[[シチズン時計|シチズン]]が[[福山雅治]]出演・監督のCMを1日限定で流したなどがある。
 
* 2009年8月1日に[[ソフトバンクモバイル]]が、[[SMAP]]を起用した60秒CMを、18時59分に全国124局で一斉に放送した。2016年12月26日放送の「SMAP×SMAP FINAL([[フジテレビジョン|フジテレビ]])」では、かつてCMキャラクターを務めていたSMAPに対しての感謝を述べた特別CMを放送した。内容は、SMAPの楽曲「オリジナルスマイル」をBGMに、かつて5人が出演した同社のCM映像やオフショットをつなぎ合わせて60秒に編集したVTRに「あんなことやこんなこと いろいろしていただきました。本当に ありがとう。SoftBank→SMAP」とメッセージが添えられ、最後は[[白戸家|お父さん(白戸次郎)]]([[カイくん]]、声・[[北大路欣也]])が映し出され「サヨナラじゃ、ないよな?」とコメントした<ref>[http://www.oricon.co.jp/news/2083680/full/ 『スマスマ』ソフトバンク“新作”CMに感動の声続々「どんだけSMAP愛されてるの…」 ] ORICON STYLE</ref>。SMAPは、この時点でソフトバンクとのCM契約期間は終了していたが、このCM1本の為だけに一夜限りで再契約。このため今後、今回のCMが再放送ならびに公式サイト等での公開はされることはないという<ref>[http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/12/27/kiji/20161227s00041000088000c.html ソフトバンク SMAP特別CMへの思い 1本限りの再契約 再放送なし]スポーツニッポン 2016年12月27日</ref>。
 
 
 
=== CMが放送されなかった日 ===
 
* [[1989年]]([[昭和]]64年・[[平成]]元年)1月7日、8日は[[昭和天皇]]崩御のため、各放送局の取り決め事項で、服喪期間中の派手な歌舞音曲を控えるという観点から全ての民間放送は通常放送・CMは一切自粛し、追悼特番やニュースなどを放送していた。関係のある映画を放映していた局もあった。1月9日から通常の編成に戻りCMも放送されたが、服喪期間に華美なCMを放送することは好ましくないという理由で草花の映像などといった「風景映像」に差し替えたスポンサーも多かった。[[大喪の礼]]が開かれた2月24日も儀式開催中はCMを一切中止していた。俗に[[テレビ東京]]が「昭和天皇崩御の日も通常放送をしていた」といわれるがこれは誤りで、開始時間こそ他局と比べ遅かったものの、他局にならい追悼特番を放送していた。
 
* [[1995年]]1月17日の[[阪神・淡路大震災]]発生当時も、17日と18日の[[近畿地方]]の一部の民間放送局がCMを自粛していた。<br />全国ネット放送が行われていた時間帯、他地区がCMを放送する中、[[MBSテレビ|毎日放送]](当時)は1月17日午前8時半にCM放送をすべて中止し、キー局である東京放送(当時 現在の[[TBSテレビ]])がCMを放送している間は環境映像などを放送することで時間を繋いだ。準備の整った午前10時台以降、被災地の生活に関連した情報を中心として、[[大阪瓦斯|大阪ガス]]、[[関西電力]]などからの震災発生時の対応指示の告知などに差し替えて伝えた。この毎日放送の試みは「全国ネットでは伝えられない、伝えきれないローカルの情報を差し挟めるタイミングはCM枠しかない。この枠を有効的に活用する」という考え方に基づいたものである。毎日放送の社内マニュアルにもその旨が明記されているという。<br />ライバル局の[[朝日放送テレビ|朝日放送]](当時)も、その毎日放送の英断に刺激され、当初は「風景映像」をCM中のつなぎ映像として放送したが、正午以降のCM枠を急遽同じローカル情報枠として活用し始めた。しかし、その他の在阪3局はそういった態勢を組める状態になく、環境映像を流す局や、通常通りCMを流す局とに分かれた。<br />その後もしばらくは公共広告機構(現ACジャパン)の[[中野浩一]]と[[増田明美]]の「空き缶ポイ捨て禁止」CMが継続的に流され、企業が商品やサービスのプロモーションを目的として制作したCMはほぼ全面的に自粛となっていた。
 
* [[サンテレビジョン|サンテレビ]]は、1月17日 - 22日に全ての定時放送・CMを休止して震災関連の特別番組編成に差し替えた。
 
* [[2011年]]3月11日の[[東日本大震災]]で、民放各局は11日午後の地震発生直後からCMを全面カットして、報道特別番組を中心とした特別編成態勢を取った。在京民放5局がCMをカットして放送した時間は、最短でもテレビ東京の33時間、最長でテレビ朝日の74時間に及んだ。そのほかの3局は、TBSが62時間、フジテレビと日本テレビが61時間だった<ref>{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110416/dst11041623470058-n1.htm|title=「CM自粛」でテレビ各局打撃 「減収額10億円台後半」の局も|author=三宅陽子|newspaper=MSN産経ニュース|date=2011-04-16|page=1|accessdate=2011-07-16}}{{リンク切れ|date=2016年4月}}</ref>。昭和天皇崩御時の特別編成の最長時間でも日本テレビの、1989年1月7日午前5時半すぎから1月9日午前1時半頃の放送終了までの44時間であり、全国規模で民放がCMを全面カットして放送を継続した時間はテレビ東京を除き、それを上回っている。
 
通常、災害時の関連情報(台風・土砂災害・地震など)がある時も、テレビCM中はテロップ挿入([[L字型画面]]含む)を一旦停止するが、
 
:# 「緊急地震情報が出された場合」
 
:# 「東海大地震の警戒宣言が発表された場合」
 
:# 「おおむね震度5弱以上の地震が起きた場合」
 
:# 「地震に伴う津波警報、大津波警報が発表<!--気象庁は注警報を「発表」と統一している。「発令」は間違い。-->された場合」
 
:# 「その他、緊急を要する場合」
 
など、上記に該当する場合はCM中でもその情報を入れることがある。ただ、これらは該当する地域や各放送局によって運用基準に微妙な差があり、あくまで各放送局の基準に則って運用されている。
 
 
 
== テレビCMの制作から送出 ==
 
=== CMの種類 ===
 
番組の途中で放送して番組に提供する企業などのCM(ほぼ[[提供]]CMあるいは[[タイムCM]]だが、ごく僅かながら[[生コマーシャル]]もある)と、番組と番組の間の'''ステーションブレイク'''(Station break、SB、ステブレ)<ref>[http://www.utb.jp/glossary/getword.php?w=%A5%B9%A5%C6%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3%A1%A6%A5%D6%A5%EC%A5%A4%A5%AF ESP/UTB映像アカデミー 業界用語辞典 「ステーション・ブレイク」]</ref>と呼ばれる時間帯で放送される単発のCMがあり、[[スポットCM]]、ステブレCMと呼ばれる。放送局によっては番組中にも提供を行わない企業のスポットCM([[パーティシペーション|パーティシペーション(PT)]]とも)を放送することがある。契約上は提供CMであっても、番組開始クレジット直前に送出されるものは「[[カウキャッチャー (放送)|カウキャッチャー]]」(CC)、終了クレジット直後に送出するものを「[[ヒッチハイク (放送)|ヒッチハイク]]」(HH)と称する。
 
 
 
いくつかを連続させた「CM枠」単位で放送される。個々のCMの長さはテレビは15秒、30秒、60秒(1分)など15秒を基本とし、提供CMは30秒など長めのものが、スポットCMは15秒ものが多い。ラジオは10秒、20秒、40秒など10秒を基本とする。
 
 
 
個々の商品やサービスに関する宣伝、企業イメージを訴求する宣伝などいくつかの目的・表現手法がある。企業CMのほか、[[政府]]・官庁、[[地方自治体]]、[[ACジャパン]]などの団体のPRもあるほか、放送局自身が番組プログラムをPRするためのもの([[番組宣伝]]あるいは番宣)がある。[[衆議院]]・[[参議院]]の選挙開催期間中に[[政党]]・[[政治団体]]のCMがスポットで頻繁に放送されるが、比例代表選出選挙の[[政見放送]]はNHKでしか行われないことが多いため、事実上その代わりとして行われていると見なせる。ただし、[[テレビ大阪]]・[[四国放送]](JRTテレビ)・[[全国独立放送協議会|独立局]]など、政見放送特番が30分程度放送される民放テレビ局もある。
 
 
 
[[地上波]]民間放送は、全放送時間中のCMの放送時間比率を、おおむね20%程度に設定している。
 
 
 
==== スポンサーの傾向 ====
 
テレビCMは、市場シェアの大きな全国規模の大手消費者向け[[製造業]]([[食品]]、[[医薬品]]、[[自動車]]、[[化粧品]]、[[家庭用電気機械器具|家電製品]]、[[時計]]、[[衣類|衣料品]]など)、大手[[小売|小売業]](大手[[スーパーマーケット]]、大型[[家電量販店]]チェーンなど)の物が多い。[[ローカル局]]は、より地元の企業のコマーシャルも流れる。
 
 
 
ラジオCMは、テレビの業種に加え、より狭い地域に展開する小売店、食品メーカー、[[大学]]など、知名度の低い企業の物もある。商品や企業の宣伝広告ではなく、朝の時間帯に当日開催予定のイベントの実施あるいは中止などの情報を伝えるCMもある。
 
 
 
==== 特殊なCM ====
 
* テレビ放送開始当初、[[ゴールデンタイム]]・[[プライムタイム]]に相当する時間帯の番組は、[[一社提供]]番組が数多く存在し、番組の本編中にもその番組を協賛するスポンサーのテロップCMを放送する事例が多数あった。『[[クイズダービー]]』の[[ロート製薬]]など、[[クイズ番組]]の[[フリップ]]をはじめ、画面内に提供社名や商品名を入れた広告が映ることも多かった。
 
* 番組の[[主題歌]]最後に、続けて提供社名を歌い込むものもあった。最初期の[[アニメ]]は『[[鉄人28号]]』([[1963年]]放送の第1作)ほかの番組(アニメ以外も含む)に見られる「[[江崎グリコ|グリコ]]、グリコ、グーリーコー」と歌う、いわゆるグリココールや、『[[オバケのQ太郎]]』(1965年-1967年放送の第1作)、「[[パーマン]]」(1967年-1968年放送の第1作)、『[[怪物くん]]』(1968年-1969年放送の第1作)のエンディングテーマの最後に[[不二家]]のマスコットの[[ペコちゃん]]がそれぞれの主人公と一緒に登場し「不二家、不二家、ではまた来週」と歌うものなどがあった。
 
* 字幕ではないが、[[1965年]][[5月]]にフジテレビ系(発局:[[東海テレビ放送|東海テレビ]])で放映された『世界フライ級タイトルマッチ [[エデル・ジョフレ]]対ファイティング原田』の試合で、ラウンド間に[[ニッカウヰスキー]]の当時のCMモデルだった[[沢本忠雄]]がその商品パネルとともに映し出されたものもあった。
 
* 日本テレビ・「[[全日本プロレス中継]]」で、試合の合間にスポンサーである[[三菱電機]]の「三菱掃除機風神」でリングを掃除するシーンがテレビで放映され、画面下方にテロップで「風神」のコマーシャル文字が現れて、実況担当のアナウンサーも実況の合間に「この放送は、皆様ご覧のテレビジョンを始め、数々の電化(家電)製品でおなじみの三菱電機が、全国の皆様にお送りしています」とアナウンスしていた。[[生コマーシャル]]の一種と言える。
 
* [[朝日放送テレビ|朝日放送]]は毎年8月に開く[[全国高校野球選手権大会中継]](地上波・関西ローカル)で試合中に挿入するスポンサーのCMを[[阪神甲子園球場]]のスタンド風景と絡ませて放送している。[[1961年]]のみ放送した湯浅電池(現[[ジーエス・ユアサコーポレーション]])は試合中に商品や企業のロールテロップ、[[1962年]] - [[1994年]]までの[[住友グループ]]は画面下にスポンサー企業の社名表示とアニメーション(1990年頃の2年間だけVTR素材による人形劇のパフォーマンス)、[[1995年]]以後の複数スポンサー提供扱いになってからも、一部スポンサーが大会専用のオリジナルCMを放映している。オリジナル版を制作していない企業の場合は通常バージョンのCMを画面右下に露出する。
 
* [[プロ野球中継]]でもさまざまな番組内CMが試みられている。[[2002年]]頃[[フジテレビジョン|フジテレビ]]は画面の得点表示とともに[[日本コカ・コーラ|コカ・コーラ]]のロゴが挿入されるなどしている。[[1990年代]]に[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]が東京ドームでの試合の際ピッチャーなめのバッターボックスの画像で、後部の壁の企業表示を時間と共にCGで変更させる手法を試している。[[2007年]]、[[テレビ朝日]]及びその系列局が製作する野球中継で、リプレイの部分に[[トヨタ自動車]]などのロゴを表示させている。「○○(協賛スポンサー名)ラッキー7」と銘打って7回の表裏に協賛スポンサーのロゴが画面右上に表示される。[[ジャパネットたかた]]は年に数回、[[MBSテレビ]]の[[侍プロ野球#MBS(阪神戦)|阪神タイガース戦中継]](週末のデーゲーム)において、イニングの合間の数分間で[[生コマーシャル|生CM]]にてテレビショッピングを行っている<ref>[http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/mbs/32690/384811/ withタイガース2015年6月20日(土)13:54~17:00] gooテレビ番組</ref><ref>[http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/mbs/64521/493017/ プロ野球中継 MBSベースボールパーク 阪神vs埼玉西武・2016年6月4日(土) 13:54〜17:00] - gooテレビ番組</ref>。
 
* [[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]草創期の日本テレビと[[テレビ東京]]の中継も、基本的に試合中はテレビCMを流さなかった。そのため、試合の中継映像とともにスポンサーの企業、あるいは商品表示を日テレの場合はスコアや経過時間の表示部分、テレ東は画面下にそれぞれ表示したことがあった。[[TBSテレビ|TBS]](全国生中継)、[[関西テレビ放送|関西テレビ]](大阪地区ローカル生中継)の試合は、通常バージョンのテレビCMを試合の中継映像との2画面方式で放送したこともあった。現在は[[静岡放送]](経過時間表示部分)と[[京都放送|KBS京都]](画面下)にスポンサー表示が行われている。
 
** [[1990年代]]の[[全国高等学校ラグビーフットボール大会]]の生放送で、試合が行われている最中に、松下電器産業(現[[パナソニック]])の家庭用デジタルビデオカメラで撮影した映像を編集、試合終了直後に放送するという、「撮って出しCM」が作られた。
 
* [[1989年]]の[[Nippon News Network|NNN]]([[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系のニュースネットワーク)の参議院選挙の開票速報のうち、20時からのおよそ2時間の枠でCMが流れなかった。これはスポンサーが[[日立グループ]]であり、開票特番で使われているコンピュータの「HITACHI」と書かれた部分を時折クローズアップすることでCMのかわりとする合意を日本テレビが取り付けたためである。同時間内で「この時間は日立の協力により、開票速報をノーCMでお送りしています。」のアナウンスも流れた。系列局飛び降り部分でもCMは流れず、PT等も存在しなかった、完全なCMなし時間帯となった。
 
* [[1992年]]に[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]が放映した[[小泉今日子]]出演のCMは[[クイズ]]形式であるものの、15秒間の1話で完結せず「答えは15秒後!」で終了、間にJRとはまったく関連のない15秒の他社CMを挟んだ後、2話目として、クイズの正解を15秒間説明するという「サンドイッチ構造」だった。同社提供の全国ネット番組は、1話目の出題部分の15秒枠の最後で「答えは30秒後!」と終了した上で、同社の別の30秒CMが流れ、その後2話目の15秒枠で正解を説明して終わる、という合計60秒枠のCMとして放映された。
 
* [[日立製作所|日立]]も[[日立 世界・ふしぎ発見!|世界・ふしぎ発見!]]内のCMで、俳優の[[佐藤浩市]]を起用した同番組の様なクイズ形式を使用したCMを使用しており、前半のCMで問題を出題し、後半のCMで問題の答えが流れる。
 
* 2006年[[11月19日]]にテレビ朝日系で放送の[[東京国際女子マラソン]]で、[[土佐礼子]]選手と[[高橋尚子]]選手が1位争いをしていた25km付近のところで、画面下を使ってNTT DoCoMoのアニメーション([[ドコモダケ]])と社名表示によるCMが放送された。いわゆる[[生コマーシャル]]の一種。
 
* 2006年から[[シャープ]]が「[[シャープ#特別版|世界一短いクイズショー・シャープに答えて]]」と題してクイズ番組形式の一分間のCMを放映していた。“鋭い”という意味のシャープと自社名を掛けた洒落。
 
* テレビ朝日で放送された「[[テスト・ザ・ネイション]]」は、あらかじめ「これから流れるCMが問題になります」と解説し、流れるCM自体を問題として出題した。
 
* 2009年からテレビ朝日およびテレビ朝日系列局は、アーティストのプロモーション映像と合体した、「プロマーシャル」と呼ばれる形式の企業CMを放送している。
 
* 2010年12月9日に放送された[[ソフトバンク|ソフトバンクモバイル]]のCMは、まず18時59分から1分間間違い映像を流し、続いて20時59分から1分間正解映像を流した。その後、Webで間違いを回答する視聴者参加型CMを放送した。
 
* 2010年以降は、本編中のCMで「[[文字多重放送|字幕放送]]」を行うことがある。
 
 
 
==== 単発CM ====
 
通常、CMは繰り返し放送することを想定して制作されるが、ごく稀に1度だけの限定放送として制作される単発CMがある。近年制作されている単発CMの特徴としてほぼ共通しているのが、その放送時間の長さである<ref>過去に通常枠で制作された事例も散見される。</ref>。例えば、2003年5月4日深夜に単発CMとして放送された映画『[[あずみ]]』の宣伝CMの放送時間は約10分に及んだ<ref>[http://www.tv-asahi.co.jp/smt/f/geinou_tokuho/hot/?id=hot_20030503_070& 映画「あずみ」たった1度の10分間CM!] 2003年5月3日 テレビ朝日 芸能&ニュース</ref>。これは日本のメディアにおける史上最長のCMである。
 
 
 
==== 「○○を検索」というCM ====
 
以前から[[ウェブサイト]]の[[Uniform Resource Locator|URL]]を表示するCMが存在している。それに加え、2006年ころになるとCMの後半に商品名や内容などが入った検索窓が表示され、[[インターネット]]([[検索エンジン]])で検索を促すものが増えた<ref>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20071030/1004017/ テレビCMに急増する「Web検索」の実態を検証する] 日経トレンディネット 2007年11月5日</ref>。この手法は放送コマーシャルだけでなく、各種広告全般に言える。検索させることで、商品や内容などを詳しく知ることができる。本方式はURLを覚えるより簡易であるが、一方で覚え易さから一般的かつ無関係なキーワードを表示し、不適切な検索結果が表示されるケースや、検索結果に[[フィッシング (詐欺)|フィッシング]]サイトが表示される可能性もあることから、[[産業技術総合研究所]]は特にフィッシングの対象となりやすい企業に対し、本方式による広告を控えることを呼びかけている<ref>[http://www.rcis.aist.go.jp/special/websafety2007/admin1.html 安全なWebサイト利用の鉄則] 情報セキュリティー研究センター</ref>。
 
 
 
=== CMバンク ===
 
{{see also|CMバンクシステム}}
 
テレビ放送初期は、一日の放送するテレビCMを一本のフィルムにまとめて放送するといった、効率的でない方法でテレビCM送出が行われていた。その後[[CMバンクシステム]]と呼ばれるシステムが実用化され、現在はほとんどのテレビCMがCMバンクから送出されている。
 
 
 
== CMの影響 ==
 
=== CMと視聴者との関係 ===
 
{{出典の明記|date=2018年6月|section=1}}
 
視聴者にとって、大半のCMが番組を引き伸ばすだけの「不快なもの」でしかなく、番組中にCMへ切り替わる際、その間一時的に他のチャンネルに変える(ザッピング行為をする)人がいるため、[[視聴率]]が低下する傾向が見られる。
 
 
 
CMの間に「トイレへ行く」「用事を済ます」人は多いが、広告媒体費は高額で、民放のテレビ局やラジオ局は[[スポンサー]]からの広告媒体費が収入の多くを占めるため、CMの否定に対し、非常に過敏になっている。あるテレビ番組で、出演した[[タレント]]が{{要出典|「CMの間にトイレを済ませましょう」と、CMやスポンサーを否定する発言をしたため関係者が処分される事例があった。|date=2018年7月}}芸能人で、[[徳光和夫]]、[[井ノ原快彦]]、[[乱一世]]たちが、過去に同様の発言を行った。放送業界は(たとえ冗談でも)CMを否定する発言は[[タブー]]視されている。これらの発言は一種のギャグのネタとして扱われる作品があり、例として[[PlayStation2]]専用コンピューターゲームソフトの『[[ラチェット&クランク4th ギリギリ銀河のギガバトル]]』内で「視聴者の皆さん、コマーシャルまで漏らさないで我慢してくださいね」といった発言が挙げられる。
 
 
 
以前はCM突入前に「90秒後に衝撃の結末が!」と「CMの放送時間を事前に告知」することもあった。「[[VS嵐]]」([[フジテレビジョン|フジテレビ]]系)などが現在も使用している。これは、視聴者に都合のよいザッピングの機会を与えてしまうことや、遅れネットでCM本数の異なる別時間帯に放送する地域にも配慮してか最近はあまり用いられない。代わりに「CMの後に衝撃の結末が!」と「CMの放送時間がわからない」工夫が用いられる。一方で、[[バラエティ番組]]を中心に話題の流れの最中にCMを持って行き、視聴者がザッピングを行って本編を見逃すと話題の流れを見失う可能性を高くしたり、CM後に1分程度の短い本編を放送し、視聴者の注目を集めてからすぐにCMに突入することによって、結果的にCMを見る機会を増やそうとするテレビ番組も見られる。[[山場CM]]の項も参照。
 
 
 
かつては、音声認識や映像認識などによりテレビCMを識別し、自動的に[[CMスキップ|スキップ]]やカットをして録画する機能を持つ録画機器が発売されていたことがある。たとえば、番組自体が[[モノラル]]または2ヶ国語放送でテレビCMは[[ステレオ]]放送の場合、音声フォーマットの違いから番組とテレビCMの区切りがわかる。番組とテレビCM共にステレオなど、音声フォーマットが同じ場合は、映像や音声レベルの変化によってテレビCMを判別する。この機能を使ってCMだけを収集することも可能である。
 
 
 
CMが視聴されない状態はスポンサーを失い、放送業界の収入減に直結する。このことから、[[日本民間放送連盟]]会長で[[フジテレビジョン|フジテレビ]]会長の[[日枝久]]は、「テレビ番組はCMも含めて[[著作物]]で、CMを飛ばして再生・録画することは[[著作権]]の侵害に当たる」と主張している。しかし、再生・録画は「個人として楽しむための複製」であり、これは認められている。[[2005年]]5月に[[野村総合研究所]]が約540億円の経済損失と試算したが、[[電通]]はこれらの機器の購買層はコマーシャルにも関心が高く、今のところ損失につながらないと分析している。
 
 
 
テレビCMは注目を集めるために番組本編よりも音量が大きく設定されることが多く、視聴者の苦情もある。アメリカは2009年12月に「テレビCMの音量を、番組と同程度に規制する」法案が下院で可決した<ref>[http://www.cnn.co.jp/business/CNN200912240014.html] CNN{{リンク切れ|date=2016年4月}}</ref>。法案は、米連邦通信委員会(FCC)に対し、「過度に大音量な広告を規制する」内容となっている。法案が成立した場合は、技術的に対応するため1年の猶予期間が設けられている。同様の法案はフランスでも可決され、違反した企業は売り上げの3%相当の罰金が課せられる。
 
 
 
日本は、2012年10月1日から[[音の大きさ|ラウドネス値]]を用いた『NAB技術規準T032 テレビ放送における音声レベルの運用規準』が行われる<ref>{{Cite news|title=ラウドネス運用規準 全TV番組・CMの音量感統一/民放連|newspaper=映像新聞|date=2011-11-28|url=http://www.eizoshimbun.com/broadcast/2025/2025bc1.htm}}</ref><ref>{{Cite news|title=番組とテレビCMの音量差を解消!来年10月から|newspaper=ZAKZAK|date=2011-11-28|url=http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20111128/enn1111281242007-n1.htm}}</ref>。
 
 
 
=== CMから生まれた流行語 ===
 
{{seealso|流行語}}
 
 
 
==== 1960年代の流行語 ====
 
*はっぱふみふみ([[パイロットコーポレーション|パイロット]]万年筆のCM [[大橋巨泉]])<ref>上滝徹也、田村穣生、野田慶人、八木信忠、煤孫勇夫『テレビ史ハンドブック』自由国民社、1998年。/『TVグラフィティ 1953年〜1970年ブラウン管のスター・ヒーロー・名場面1700』講談社、1978年。</ref>
 
 
 
==== 1970年代の流行語 ====
 
*ちかれたびー([[ライオン (企業)|ライオン]]:新グロモント)※当時は[[中外製薬]]が製造販売<ref>1985年の流行語。出典:米川明彦編『日本俗語大辞典(第3版)』東京堂出版 2006年 358頁</ref>
 
 
 
==== 1980年代の流行語 ====
 
*私はこれで会社をやめました。([[マルマン (ゴルフ用品)|マルマン]]:[[禁煙パイポ]])<ref name="the3rd">藤森徹『あの会社はこうして潰れた』日本経済新聞出版社、2017年4月10日初版、46頁、 ISBN 9784532263379。</ref><ref name="cmnow52">{{Cite journal|和書|year=1995|month=1|title=懐かしのコマーシャル1984 アルマン/禁煙パイポ|journal=[[CM NOW]]|issue=52号|pages=p.84|publisher=[[玄光社]]}}</ref>1985年[[新語・流行語大賞]]大衆賞受賞
 
*投げたらアカン(公共広告機構(現[[ACジャパン]]):教育 [[鈴木啓示]])1985年[[新語・流行語大賞]]大衆賞受賞
 
*ユンケルンバでガンバルンバ([[佐藤製薬]]:ユンケル [[タモリ]])1988年[[新語・流行語大賞]]特別賞人語一体傑作賞受賞
 
*5時から男のグロンサン([[ライオン (企業)|ライオン]]:グロンサン [[高田純次]])※当時は[[中外製薬]]が製造販売 1988年[[新語・流行語大賞]]流行語大衆賞受賞
 
*亭主元気で留守がいい([[大日本除虫菊]]:金鳥ゴン [[もたいまさこ]]・[[木野花]])1986年[[新語・流行語大賞]]流行語銅賞受賞
 
*24時間戦えますか(三共(現・[[第一三共ヘルスケア]]):[[リゲイン]] [[時任三郎]])1989年[[新語・流行語大賞]]流行語銅賞受賞
 
*ワンフィンガーでやるも良し、ツーフィンガーでやるも良し([[サントリー]]:サントリーオールド [[村松友視]])1987年[[新語・流行語大賞]]流行語大衆賞受賞
 
*食べる前に飲む!(大正製薬 大正漢方胃腸薬 [[田中邦衛]])<ref>ナンシー関「だから年末といえば田中邦衛」『宣伝会議』1991年2月号(『何様のつもり』所収)</ref><ref>ナンシー関「コスプレまで披露!田中邦衛久々スパークCMに大満足」『[[広告批評]]』1996年11月号(『何が何だか』所収)</ref><ref>小林信彦『コラムにご用心 エンタテインメント評判記 1989〜92』[[筑摩書房]]、1992年、117頁</ref>
 
*芸術は爆発だ!([[日立マクセル]](maxell): エピタキシャルビデオカセット[[岡本太郎]])1986年[[新語・流行語大賞]]流行語語録賞受賞
 
 
 
==== 1990年代の流行語 ====
 
*ねえ、チューして([[コーセー]]:ルシェリ [[唐沢寿明]]・[[瀬戸朝香]])1992年[[新語・流行語大賞]]流行語銀賞受賞
 
*すったもんだがありました([[宝ホールディングス|宝酒造]]:タカラCANチューハイ [[宮沢りえ]])1994年[[新語・流行語大賞]]年間大賞受賞
 
*ダッダーン ボヨヨン、ボヨヨン([[ピップ|ピップフジモト]]:ダダン [[レジー・ベネット]])1991年[[新語・流行語大賞]]大衆賞銀賞受賞
 
*見た目で選んで何が悪いの?([[コダック]]:スナップキッズ [[瀬戸朝香]])1995年[[新語・流行語大賞]]トップテン選出
 
 
 
==== 2000年代の流行語 ====
 
*ジコ虫(公共広告機構(現:[[ACジャパン]]))2000年[[新語・流行語大賞]]トップテン選出
 
 
 
==== 2010年代の流行語 ====
 
* ポポポポ〜ン([[ACジャパン]]: [[あいさつの魔法。]])2011年[[ネット流行語大賞]]本家版年間大賞金賞・共同版年間大賞金賞
 
* いつやるか?今でしょ!([[東進ハイスクール]]、[[トヨタ自動車]]:[[ミニバン]]5万円キャッシュバックキャンペーン [[林修]])2013年ユーキャン[[新語・流行語大賞]]大賞受賞
 
 
 
=== 問題になったCM ===
 
テレビのCMは、視聴者にインパクトを与えるべく、台詞(キャッチコピー)や映像作りに腐心しているが、時として表現について問題視される作品が出現することがある。問題視されたCMの中に問題なものもあるが、現在はクレームをつける側も聞く側もかえって過剰とも愚かとも言える配慮を求め、なされている。内容的に問題が無くても
 
*[[ACジャパン#視聴者の反応|東日本大震災発生時のACジャパンのCM]]など、その放送回数の多さによって「しつこい」「くどい」と思わせてしまう。
 
*昭和天皇崩御時の[[日産・セフィーロ|セフィーロ]]「お元気ですか」/[[トヨタ・カリーナ|カリーナ]]「生きる喜び」等、不運にも「このタイミングでこの表現は不適切」とされる事件等が発生。
 
と言った事情で問題となるCMの例もある。
 
 
 
背景にあるのは「コマーシャル(広告)は『好きでない人』はいても良いが、『嫌いな人』がいてはならない」という、広告業界全体の潮流であり、広告、放送、コンテンツなど、コマーシャルに関わる各業界が直面している現状を垣間見ることができる。
 
 
 
食事時や料理企画の放送時の雑菌や排泄の表現があるCMなど、時間帯や番組内容に配慮されていないCMなどが問題視されることがあり、しばしば[[放送倫理・番組向上機構]](BPO)や[[日本広告審査機構]](JARO)などに意見が寄せられている。
 
 
 
以下、特記を除き日本での事例を記述する。出演者や企業の不祥事による放送中止・打ち切りは含めない。
 
 
 
==== 1970年代以前 ====
 
* [[1975年]]に放送された[[ハウス食品]]の「シャンメン」 のCMで「私作る人、僕食べる人」のキャッチフレーズが婦人団体「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」(後の[[行動する女たちの会]]<ref>[http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20090915/104138/ 働く女性の40年史 - 1975(昭和50)年 世界女性会議開催。 「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」結成される]、日経ウーマンオンライン、2009年9月17日。</ref>)から「女性蔑視」とクレームがあった<ref>「『百恵チャンも女性の敵』という女権(リブ)運動の“堂々たる論理”」『[[週刊朝日]]』1975年10月10日号、128-129頁。</ref>。ハウス側は「差別的意図はない」と否定したが、2か月後に打ち切られた<ref>マイケル宮内著『笑えるけど超ヤバい! テレビ 放送事故&ハプニング』廣済堂出版、2007年7月、134-135頁、ISBN 978-4-331-51243-2</ref>。
 
 
 
==== 1980年代 ====
 
* [[1980年代]]にかけて[[ケンミン食品]]が制作した[[ビーフン|焼きビーフン]]のCMで、路地裏にしゃがみ込んでいる男児と女児の様相(目つきなど)が薄気味悪く演出され、アニメーションで演出されていることから子供を中心に嫌悪感を覚える視聴者が相次いだ。加えて、詳しい商品説明がなかったことも批判とクレームの対象となった。放送中止になることなく長きにわたって放送されたが、ケンミン食品はこのCM以降、CM制作自体は続けているが大々的な放送はしていない。
 
* [[1982年]]に[[政府広報]]が制作・放送した[[覚醒剤]]防止キャンペーン「母と子」のCMで、泣きじゃくる子供の横で母親が覚醒剤を打った直後に倒れ、その後画面が暗くなって子供だけが残り、母親を呼びながら泣き叫ぶという内容に対して「怖すぎる」、「やりすぎ」、「見ていて不快」といったクレームが多発し、その後打ち切りとなった。
 
* [[1983年]]に放送された、[[アサヒビール]]のビアカクテル([[発泡酒]])「Be」のCMで、赤や青などのスプレーで着色された3匹の[[ネコ]]が登場。動物愛護団体からクレームが付き、CMは中止となった。
 
* 1983年から[[1984年]]にかけて放送された、[[サントリー]][[缶ビール]]のCM内の[[ペンギン]]のキャラクター「[[パピプペンギンズ]]」。ビールのイメージキャラクターだったが小学生・中学生・高校生を中心に未成年者にも人気があった、クローズドキャンペーンでのグッズプレゼントが行われ、缶ビールに付いているシールを送る応募方式で、そのグッズ欲しさに多くの未成年者が同製品を購入する光景や、缶ビールを持ったペンギンと『SUNTORY CAN BEER』のロゴの付いた文具類を未成年者が持っている事に、学校やPTAや保護者などが「ビールにこのようなキャラクターを使用し続ければ、未成年の飲酒を助長しかねない」と問題視し、サントリーはパピプペンギンズのCMを取りやめた。パピプペンギンズのキャラクターはその後、[[北陸電力]]、[[金冠堂|キンカン]]「金冠のど飴」、[[Au (携帯電話)|au]]の「au My Page」のCMに起用されている。
 
* [[1985年]]に発表された「[[大日本除虫菊|金鳥]]マット」のCMで、「カッカッカッカ、[[掛布雅之|掛布さん]]」というシーンがあったが、[[吃音症]]を連想させるという理由で苦情が来たためほどなくして「カコカケ、キコカケ、掛布さん」に変更された<ref>[http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/070300016/110700045/ 80年代CM黄金期、3人の天才は何を見通したか]</ref>。 掛布雅之のセリフ「キ、キ、金鳥マットです。」も、同じ理由で、「蚊には金鳥マットです。」に変更された。
 
* [[1988年]]に放送された[[日産自動車]]「[[日産・セフィーロ|セフィーロ]]」のCMで[[井上陽水]]のセリフ「皆さん、お元気ですか〜」がオンエア途中で[[昭和天皇]]の病状が悪化したため、井上の声が消された。映像はそのままで、映像と音声が合わなかった<ref name="okmusic20160429">[http://okmusic.jp/#!/news/121630 【1週間しかなかった】昭和64年の出来事まとめ] okmusic 2016年4月29日</ref>。[[トヨタ自動車]]「[[トヨタ・カリーナ|カリーナ]]」のCMでも「生きる歓び」のキャッチコピーが同様の理由で中止となった。
 
* 1988年に放送された[[ロッテ]]「V.I.Pチョコレート」のCMで[[工藤静香]]のセリフ「ついにその日が来ました」がXデー(昭和天皇崩御の日)を連想させるとして、放送が打ち切られた<ref name="okmusic20160429" />。
 
* 1988年に放送された[[味の素]]の[[みりん#類似の調味料|みりんタイプ発酵調味料]]「まろみ」のCM(出演:[[石川さゆり]])で「みりんの新しいおいしさ」というナレーションに対して本みりんを販売するメーカーから抗議があり、放送を打ち切ると共に「わが家のみりんはまろみに決めました」と印刷されたパンフレット20万枚も処分した。その後、1989年に「まろみ」のCMは[[古手川祐子]]を起用して再開したが、ナレーションで「みりん」の語は一切使用せず、字幕で「みりんタイプ発酵調味料」と表示するに留めている<ref>『[[朝日新聞]]』1990年1月3日付朝刊、9頁。</ref>。
 
 
 
==== 1990年代 ====
 
*[[1990年]]に放送された「エバラ焼肉のタレ」のCMで[[浅茅陽子]]が出演していたが、浅茅が[[菜食主義者]]であることを公表したことにより、[[エバラ食品工業]]が「菜食主義者を焼き肉のCMに起用することは不適切」と判断し、浅茅はエバラのCMを降板させられた<ref>『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』118頁</ref>。
 
* [[1991年]]に放送された[[エーザイ]]「チョコラBBドリンク」のCMで、[[桃井かおり]]のセリフ「世の中、バカが多くて疲れません?」にクレームが付いたため、「世の中、お利口が多くて疲れません?」に変更された。これは後に[[ビートたけし]]のトークのネタにもされた<ref>『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』136-137頁</ref>。
 
* [[1992年]]秋から[[1993年]]始めにかけて放送された[[三洋電機]]の[[コードレス電話|コードレス電話機]]「新テ・ブ・ラコードるす」のCMで、[[所ジョージ]]が手足を縛られ、赤い袋に入れられ更に首付近を縛られたバージョンが[[障害者]]団体からクレームがあり、放送が中止された。
 
* [[1993年]]ごろに、[[田嶋陽子]]らが閉店寸前の降りるシャッターにしゃがみ込みながら店内をのぞき込む[[ニッセンホールディングス|ニッセン]]のCMが放送された。しかし、福岡県の小学生がこのCMの真似をしていて、首をはさまれて怪我をする騒ぎが起こり、その後「お子様は真似をしないようにお願いします」というテロップが挿入した。
 
* [[1994年]]に放送された[[チロルチョコ]]のフレークチロルのCMで、小学生の女子がスカートをめくるシーンが[[PTA]]からクレームがあり、チロルチョコはCMの内容を差し替えた<ref name="miyauchi_p135">『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』135頁</ref>。フレークチロルのCMにビキニ姿の外国人女性が出現するバージョンもあったが、こちらは同様の理由から放送自体が中止された。
 
* 1994年に放送された[[ダイハツ工業]]「[[ダイハツ・ミラ|ミラ]]」のCMで[[森口博子]]が、ボンネットに直接入っていく(エンジンの取り外された撮影用特別仕様車)CMは、「子供が真似すると危ない」というクレームがあり、合成で吸い込まれる映像に差し替えられる処置が取られた。
 
* [[1995年]]夏に放送されたサントリー[[BOSSコーヒー|BOSS]]のCMで[[矢沢永吉]]のセリフ「夏だからってどこか行くのやめません?」に「[[レジャー]]気分に水をさす」と[[旅館]]経営者からクレームがあり、放映を中止した<ref>『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』122頁</ref>。
 
* [[1996年]]に放送された[[日産自動車]]「[[日産・スカイライン|スカイライン]]」のCMで[[牧瀬里穂]]のセリフ「男だったら、乗ってみな。」とキャッチコピーに対して[[男女差別]]というクレームが付いたため、「キメたかったら、乗ってみな。」に変更された<ref name="miyauchi_p135" />。
 
* [[1997年]]に放送された[[富士フイルム]]「[[写ルンです]]」のCMで[[沢口靖子]]が[[火星人]]の若者に「長男じゃないわよね」と言うものがあったが、「長男では結婚しにくいのか」などのクレームがつき、このバージョンは放送中止になった<ref>[[石井英夫]]『産経抄 この五年』[[文藝春秋]]([[文春文庫]])、2003年、110頁。ISBN 4-16-765652-3。(『産経新聞』1997年8月18日付朝刊掲載)</ref>。
 
* [[1999年]]に放送された[[ハウス食品]]「ハウスシチュー」のCMで母親のセリフ「犬と一緒に遊んじゃダメよ」が動物愛好家から「ペットを捨てる事を推奨している」というクレームがあり、セリフが「暗くなるまで遊んじゃダメよ」に変更された。
 
* 1990年代末期から2000年代初期にかけ、特に[[アース製薬]]や[[白元]](現:[[白元アース]])などの殺虫剤のCMで、[[3次元コンピュータグラフィックス|3DCG]]でリアルに作られた害虫の映像が頻繁に流され、強調されたものも制作された。この傾向に、視聴者からスポンサーなどに「食事中に突然出てきたり、テレビを見ている時に突然害虫が出されることで企業への嫌悪感が増す」という抗議が増え、害虫のリアルな3DCG映像や実物を画面に出すことを控えた。[[ミューズ (薬用石鹸)|ミューズ]]のCMでも、手を洗う時に3DCGの細菌が死滅する映像からキャラクターに変更した([[プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン|P&G]]時代)。
 
* 1999年に放送された日清「[[カップヌードル]] ポーク」のCMでカップヌードルに入れられた豚が夕日の中どこかへ連れていかれるCMを放映した所、「子供がショックを受けた」旨のクレームが多数よせられ中止になった。
 
* 公共広告機構(現:[[ACジャパン]])は1990年代初頭から後半にかけて、一般的な社会問題よりも環境問題を最優先に掲げ必要以上に取り上げてきた。その中で、[[イッセー尾形]]が大きい透明な[[ビニール袋]]に閉じ込められたCMや、当時現役選手だった[[中野浩一]]([[競輪]])・[[増田明美]]([[マラソン]]・[[日本電気ホームエレクトロニクス|NEC-HE]])らが出演した「捨てないで」のフレーズが印象的なCMは話題にも問題にもなった。[[1995年]]の[[阪神・淡路大震災|震災]]以降はしばらく上記のCMが流れていたが、順次別のCMに差し替えられた。社会問題(社会情勢)関係で1995年以降に流れていた通称「あよね」の[[ポリオウイルス|ポリオ]][[ワクチン]]募金の支援CMも、「見た目が怖い」「痛々しい作風」などと問題になった<ref>翌年<!--実質同1995年-->に作成された新シリーズはミュージシャン俳優・[[中村雅俊]]をCMキャラクターに起用、イメージ一新を図った。</ref>。
 
==== 2000年代 ====
 
* 1999年末~2000年初の間に放映された[[ソニー・インタラクティブエンタテインメント|ソニー・コンピュータエンタテインメント]](SCE)のエニックス(現:[[スクウェア・エニックス]])「[[ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]」([[PlayStation]]用ソフト)の販促CMで、'''「『ドラゴンクエスト』が発売されますように」'''という女性出演者のセリフに同作の制作側が憤慨し結局、[[PlayStation 2]](※初期型)発売後の2000年8月下旬に発売が延期された。
 
{{See also|ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち#発売までの経緯}}
 
* 2001年に放送されたトヨタ自動車「[[トヨタ・WiLL Vi|WiLL Vi]]」のCMで列車に追われながら線路を走るシーンに「危険だ」というクレームがあった。その後踏切事故が発生したため、放映を中止した。
 
* 2001年に放送された、[[ネグレクト|育児放棄]]を題材にした公共広告機構(現:ACジャパン)のCM「チャイルドマザー」・「チャイルドファザー」は、母親・父親がおしゃぶりをくわえた姿で出演しているという演出が批判され、「子育てをしている親に対する温かい激励よりも厳しい批判に感じられ、見るのがつらい」という意見が多かったため、打ち切られた。
 
* 2003年に放送された[[アサヒビール]]「アサヒ本生アクアブルー」のCMで、潜水直後の飲酒を連想させるシーンがあったため、別のCMに差し替えられた。潜水直後に飲酒すると[[減圧症]]になるおそれがあることからであり、健康上の問題となるため<ref>『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』129頁</ref>。
 
* [[2004年]]7月7日から放送予定だった[[岩手県]]の選挙管理委員会の選挙啓発CMで、[[セイン・カミュ]]のセリフ「不満があるのに何も言わないの?」を、[[自由民主党 (日本)|自民党]]の岩手県連が「与党批判の印象を与えかねない」と反発したため、6月23日に放送中止が決定された。
 
* [[カップヌードル]]の[[2005年]]上半期CMで、[[少年兵]]が銃を携えて海を見張っていて、妹がやってくるとあどけない笑顔に戻る、というバージョンがあった。日清は「少年兵がいる現実を考えてほしい」という社会道徳的意図に基づいて製作したが、“少年兵の肯定”という誤解に基づく苦情があり、短期間で終了してしまった。映像の最後に「世界には、30万人以上の少年兵が存在している。」というテロップが表記されていた。
 
* 2005年3月28日から放送された[[マンダム]]の男性用洗顔製品「ペーパー洗顔モゲハ編」のCMで、黒人差別と受け取られかねない場面があり、6月9日から放送が打ち切りになった。
 
* 2005年5月25日から放送された[[アサヒビール]]「チューハイDew(デュー)」のCMで、[[及川光博]]が長々と「デュー」と叫ぶ部分に「うるさい」などの苦情があり、5月30日よりナレーションが差し替えられた<ref>『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』140頁</ref>。
 
* 2005年5月31日から放送された[[日産自動車]]「[[日産・セレナ|セレナ]]」のCMで、「あなたなら、だれ、誘う?」のコピーと共に、[[オーケストラ]]や[[サーカス|サーカス団]]などを見て、最後に「あいつらだ」と[[板前]]三人を車に乗せ海に連れて行った場面があり、「誘拐を想起させる」との苦情があった。
 
* 2006年12月11日から放送された[[ソフトバンクモバイル]]の[[ゴールドプラン (SoftBank)|ゴールドプラン]]で、女子学生たちが他社携帯ユーザーに電話をかけづらい状況を説明した。これが[[いじめ]]を助長しているとされ(励まし方があまりにも残酷なこと)、JAROに対し苦情が1日250件以上来た。その後、「友達は大切に」というテロップを追加したが、苦情はおさまらず結局放送中止になった。
 
* [[2007年]]5月21日より放送された[[セコム]]のCMは、歩行者や電柱の工事人を装った犯罪者が猛獣に変身するという形で身の回りに潜む危険を表現したものであったが、「電気工事人を侮辱している」とのクレームや「動物を悪として描いている」という意見があった。このためいったんCMを打ち切りの上一部の表現を差し替えて放送することとなった<ref>{{Cite news|title=セコムのCM、打ち切りへ 「動物を悪く描いた」と抗議|newspaper=朝日新聞|date=2007-05-30|url=http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200705300380.html|accessdate=2017-07-23}}</ref>。
 
* 同じく2007年頃に放送されたセコムのCMで、番犬の立場になった男性が、家の近隣で話し声や物音がすると「誰!?誰!?」と連呼する演出が「うるさい」「くどい」とクレームが付いた。
 
* 2007年秋から放送された[[高橋酒造]]のCMで[[くりぃむしちゅー]]が[[熊本県]]知事選へ出馬するか否か悩むという内容が、2008年3月に熊本県知事選が行われる際「誤解を招く」との理由から、2008年1月をもって関東以外での放映が一時自粛された<ref>[http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/02/01/kiji/K20080201Z00000620.html くりぃむしちゅー「知事選」CM休止] スポニチアネックス 2008年2月1日 2015年10月15日閲覧</ref>。その後、2008年3月16日から選挙と無関係な新バージョンのCMが放送開始された。
 
* 2008年1月15日から[[中京広域圏]]で放送された[[おやつカンパニー]]の「地元伊勢の国うす焼えびせん」のCMで、出張した夫が土産に買ってきた地元伊勢の国うす焼えびせんを妻が別の男性と食べるという内容に「不倫を題材としていて不快だ」という苦情が入ったため、1月18日に打ち切りが決定した<ref>{{Cite web|url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/01/18/kiji/K20080118Z00000310.html|archiveurl=http://archive.is/eGNC1|date=2008-01-18|archivedate=2015-10-15|title=不倫想起させるCM 抗議受け中止|publisher=スポニチアネックス|accessdate=2018-05-02}}</ref>。実際は1月20日まで放送する予定だった。
 
* 2008年6月より放送された[[イー・モバイル]]のCMで、サルが演説を行い「CHANGE!」を掲げていたりと、[[バラク・オバマ]]のパロディーCMに対し、在日米国人から「人種差別だ」と抗議され、打ち切りとなった。
 
 
 
==== 2010年代 ====
 
* [[2010年]]に放送予定だった、日清食品「[[ラ王]]」のCMで、[[槍ヶ岳]]を一時閉鎖して撮影を行ったことが問題視されたため、開始直前で放送を中止し、お蔵入りとなった。このため、「ラ王」CMの予定分をACジャパンのCMに差し替えた。その後、槍ヶ岳を当時建設中の[[東京スカイツリー]]に変更したものが放送された<ref>{{Cite news|title=日清 ラ王のCM自粛 撮影で登山者足止め…|newspaper=スポニチアネックス|date=2010-09-09|url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2010/09/09/kiji/K20100909Z00000760.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150402090527/http://www.sponichi.co.jp/society/news/2010/09/09/kiji/K20100909Z00000760.html|archivedate=2015-04-02}}</ref><ref>それでも、建設中であり高所の撮影でもあったことから、「これはCM上の表現です。」という旨のテロップを付けている。</ref>。
 
* [[2011年]]1月下旬に放送された[[日本マクドナルド]]「ハッピーセット スポンジ・ボブ」ハチャメチャびっくり篇のCMで、子供が楽しく大声で興奮している演出が「ムカつく」などのクレームが殺到し、放送打ち切りとなった。
 
* 2011年3月11日に[[東日本大震災]]が発生。未曾有の大災害であることから、[[小林製薬]]などの一部企業が放送を続けた以外はほとんどの民間企業がCMの放送を自粛し、それらの穴埋めとして[[ACジャパン]]のCMが放送された。当初は「被災者に対する配慮」として視聴者からも理解を得られていたが、あまりにもその放送回数が多いことで、一部の視聴者から遂に「しつこい」などの苦情が寄せられ、ACジャパンが公式サイトで[http://i.gzn.jp/img/2011/03/18/ac_japan/ss02.png 謝罪文]を掲載する事態に発展した。4〜5作程度のバージョンしか用意されておらず、前年度以前の作品を流す余裕がなかったこともあって、必然的に同じCMが回数多く放送されるため、心理的に「しつこい」と感じる遠因となった。終わりの際に流れる「エーシー (AC)」という[[サウンドロゴ|音声]]を削除したバージョンも放送され、臨時CMも制作・放送された<ref>{{Cite news|title=仁科仁美、ACジャパンCMへの苦情に「とても複雑な心境」|publisher=オリコン|date=2011-03-23|url=http://www.oricon.co.jp/news/entertainment/85889/full/|accessdate=2011-03-23}}</ref>。こうした事態を受けてACジャパンは一部のCMの放送中止をテレビ局に依頼した。現在は、「エーシー(AC)」という高い声の[[サウンドロゴ]]を取りやめ、「エーシージャパン(ACジャパン)」という、高くない声が一部のCMで流れている。一部の支援キャンペーンのCMで「ACジャパンはこの活動を支援しています」というナレーションが流れている。{{See also|ACジャパン#東日本大震災に伴う特別措置}}
 
** この副次的影響として、オール電化のCMが「節電の情勢にふさわしくない」という理由で、自主判断で打ち切った。メーカーの自主判断によりパチンコ・パチスロ機種のCM放送が激減した。
 
* [[2012年]]2月下旬から3月初旬まで放送されたソフトバンクモバイルのCMで、出演者の[[トリンドル玲奈]]が「[[鳥取県|鳥取]]はまだ[[糸電話]]」と発言した上で、[[鳥取砂丘]]で糸電話で会話をするイメージ映像が流れるという内容に対し、鳥取県民などから「鳥取を小馬鹿にしている」などの批判的な意見があったため放送を打ち切り、別のCMに切り替えた<ref>{{Cite news|title=トリンドル玲奈出演 ソフトバンクCM「鳥取はまだ糸電話」編が物議を醸している|newspaper=日刊ゲンダイ|date=2012-03-10|url=http://gendai.net/articles/view/geino/135598|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120313111431/http://gendai.net/articles/view/geino/135598|archivedate=2012-03-13}}</ref>。
 
* 2012年3月に放送された[[AKB48]]出演の[[UHA味覚糖]]「[[ぷっちょ]]」リレー編に「品位の欠けるCMはやめてほしい。食べ物を口移しでリレーするのは不衛生で気持ち悪い。」などの苦情が[[放送倫理・番組向上機構|BPO]]に寄せられた<ref>{{Cite news|title=AKB48の“口移し”CMに抗議殺到…「こんな品位の欠けるCMはやめてほしい」|publisher=シネマトゥデイ|date=2012-04-19|url=http://www.cinematoday.jp/page/N0041402|accessdate=2012-04-19}}</ref>。一時放送を休止し、2012年6月にAKBメンバー本人の実写ではなく、AKB48ちょのアニメーションが口わたしをするものに差し替えた。
 
* サントリー[[黒烏龍茶]]のCMで、消費者庁から「偏食を助長する」というクレームがあった。当該CMはすでに放送を終了していたが、2012年秋以降のCMの内容を見直すこととなり、放送再開後は、最後に「くれぐれも食事はバランスよく」のテロップが追加された<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG25019_V20C12A6CR0000/ 「黒烏龍茶」CMに改善要請 消費者庁 「脂肪にドーン」は不適切] 日本経済新聞 2012年6月25日 2015年11月13日閲覧</ref>。
 
* [[2013年]]4月に発売した[[パナソニック]]「スマートビエラ」のCMで、民放連のガイドラインに抵触した問題があり、民放での放送ができなかった<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0603H_W3A700C1TJC000/ 新型テレビ巡りパナソニックのCM放映拒否 民放各局] 日本経済新聞 2013年7月7日 2015年11月24日閲覧</ref>。
 
* 2013年4月6日から4月18日まで放送されていた[[アサヒ飲料]]の缶コーヒー「ワンダ モーニングショット」の「ICカード編」のCMで、新人OL役の[[AKB48]]の[[島崎遥香]]が駆け足で会社の入館ゲートに向かうもICカードが反応せず、困惑していると後ろから先輩の男性社員がICカードをかざしゲートを開けるという内容にネット上で「セキュリティー上に問題がある」「他人のICカードで入館するのはセキュリティーに違反している」などの非難が浴びられ、アサヒ飲料にも抗議が寄せられた。実際「CM上の演出です」と注意書きがされていたものの、アサヒ飲料は「CMの演出上の表現と考えているが、不快な思いをさせてしまい申しわけない」と謝罪。同CMは4月18日限りで放送打ち切りを決定した。
 
* 2013年4月24日から5月7日まで放送された[[日本コカ・コーラ]]の[[炭酸飲料]]「カナダドライジンジャーエールFIBER8000」のCMで、「トクホウ(特報)!」などと表現していた。消費者庁は、CMを見た視聴者が「トクホ(特保)」と聞き間違える恐れがあるとして、4月下旬に改善指導。CM放映は5月7日に終了した。同社は、CMは期間限定だったため終了は予定通りと説明。「商品の特徴を効果的に伝えようと企画したCMだったが、一部で誤解した方がいたことは誠実に受け止めたい」とコメントした。CMは「トクホではありません」とテロップが記された<ref>{{Cite news|title=日本コカ・コーラ飲料「特保と誤解させるCM」 消費者庁|date=2013-05-15|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1501I_V10C13A5CR0000/|publisher=日本経済新聞|accessdate=2018-02-08}}</ref>。CMの放送終了後、この商品は販売自体終了している。
 
* 2013年5月17日から6月6日まで放送された、[[アサヒビール]]の[[発泡酒]]「アサヒ スタイルフリー」のCMで、[[スリランカ]]中部にある[[世界遺産]]・[[シーギリヤ]]の岩山「シーギリヤ・ロック」の頂上で出演者の[[長瀬智也]]と[[貫地谷しほり]]が発泡酒を手にパーティーを楽しんでいるという内容(実際はスタジオでの撮影と現地の空撮映像が合成されたもの)に対し、スリランカ国内で「文化遺産への冒涜だ」との批判が出てCMは中止された<ref>{{Cite news|title=アサヒ発泡酒CMを中止 スリランカ遺跡撮影に批判|newspaper=スポニチアネックス|date=2013-06-06|url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/06/06/kiji/K20130606005958120.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130609035157/http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/06/06/kiji/K20130606005958120.html|archivedate=2013-06-09}}</ref>。
 
* 2013年10月から放送された[[塩野義製薬]]と[[イーライリリー・アンド・カンパニー|日本イーライリリー]]が共同で展開した[[うつ病]]啓発キャンペーンのCMで、体の痛みをうつ病の主症状として伝えたが、「うつ病が体の痛みを生むという科学的証拠はない」「薬を売るための過剰啓発だ」と医師や患者などから抗議を受け、2014年1月初めにナレーションを「痛みといった体の症状も表れます」から「表れることもあります」に変更した<ref>{{Cite news|title=「うつの痛み」テレビCM、抗議受け一部変更|newspaper=読売新聞・ヨミドクター|date=2014-02-01|url=http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=92165|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140222060215/http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=92165|archivedate=2014-02-22}}</ref>。
 
* [[2014年]]1月18日から放送された[[全日本空輸|ANA]]のCMで、国際線の航空会社としてのイメージアップについて[[西島秀俊]]と[[バカリズム]]が英語で会話を交わし、最後にバカリズムが金髪のかつらとおもちゃの高い鼻を付けた姿になるという内容に対し、「外国人を[[ステレオタイプ]]化していて人種差別的だ」との苦情があったため、1月20日に放送を中止し、内容を修正することになった<ref>[http://www.afpbb.com/articles/-/3006913 ANA、新CMを修正へ 人種差別的との苦情受け] AFPBB News 2014年1月21日</ref>。
 
* 2014年1月17日から放送された[[麒麟麦酒|キリンビール]]の缶チューハイ「本搾り」のCMで、カエルのキャラクターが登場する表現に「未成年者の関心を誘い、飲酒を誘発しかねない」とアルコール問題を扱う団体からの指摘があり、当初の放送予定より早い1月25日から放送を取りやめることとなった。放送中止後、キャラクターを外国人に変えてCMを再開した。
 
* 2014年2月1日から放送された[[東京ガス]]のCM『家族の絆・母からのエール』編で、就職活動に忙しく動き回る女子学生の演出がとても現実的で「リアルにできていて心が痛む」などのクレームが寄せられ、1か月足らずで打ち切りになった。一応1か月近くは放送されたためか、当初はさほど問題とされていなかったが、数か月ほどしてから[[Twitter]]などで当CMが話題となり、逆に「感動的。観て泣いてしまった」と称賛する意見もある。
 
* 2014年に展開されている[[カルビー]]のCM「Calbeeひとくち劇場」のうち、[[三又又三]]が出演した「そのパリッ、好きだぜ」編が「ムカつく」「買う気が失せる」と不評だったためオンエアからわずか3日で打ち切られた。打ち切り直後に、これを逆手に取った「がんばれミマタ」編が作られた<ref>[http://natalie.mu/owarai/news/131073 ビートたけし監修CM、三又又三が爽快にポテトチップス味わうも不評] ナタリー 2014年11月13日</ref>
 
* 2015年2月20日、消費者庁が空間用虫よけ剤について「表示根拠が不十分」だとして、[[アース製薬]]・[[興和]]・[[大日本除虫菊]]・[[フマキラー]]の4社に措置命令が出された<ref>[http://www.caa.go.jp/representation/pdf/150220premiums_1.pdf 虫の忌避効果を標榜する商品の販売業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令について] 消費者庁</ref>。これを受けて、空間用虫よけ剤のCM放送を一時的に中止した。
 
* 2015年3月に放送された[[ルミネ]]のCMで「明らかにセクハラだ」と物議を醸して、YouTubeでの公開を1日で取りやめた<ref>[http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/03/20/kiji/K20150320010018190.html CM炎上 ルミネ謝罪&動画非公開「ご不快に思われる表現あった」] スポニチアネックス 2015年3月20日 2015年10月15日閲覧</ref>。
 
* 2015年3月30日から放送された[[日本マクドナルド]]の「てりたま『スマイル』」編の登場人物が鼻などについたタレを拭いながら食べるという内容に「汚い」「これを見て食べたくなる人がいるのか」という批判が集まり、放映を予定より早く終了。「ドナルド・マクドナルド・ハウス『スマイルソックス』」編に差し替えられた。
 
* 2015年5月までに放送されていた[[RIZAPグループ|ライザップ]]のCMに「30日間全額返金保証」の表記が消費者の誤解を招く恐れがあるとして、神戸市の適格消費者団体が抗議した<ref>{{Cite news|title=ライザップが返金規定改定 消費者団体の改善要求に|newspaper=スポニチアネックス|date=2015-06-18|url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/06/18/kiji/K20150618010564980.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150618081049/http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/06/18/kiji/K20150618010564980.html|archivedate=2015-06-18}}</ref>。この影響で、5月18日を以ってCMの放送が一時的に休止され、再開時はテロップが修正された。
 
* 2015年6月12日より放送された映画『[[呪怨|呪怨 -ザ・ファイナル-]]』のテレビCMに対して、視聴者から「怖すぎる」という苦情が殺到した。これにより同CMを一時中断、17日から恐怖シーンの無いバージョンに差し替えられた<ref>{{Cite news|title=『呪怨』CM、怖くて差し替え 放送3日で抗議100件以上|newspaper=ニコニコニュース|date=2015-06-19|url=http://news.nicovideo.jp/watch/nw1650950?ver=video_q|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150620160701/http://news.nicovideo.jp/watch/nw1650950?ver=video_q|archivedate=2015-06-20}}</ref>。
 
* 2015年5月25日に静岡県道127号線(通称:[[西伊豆スカイライン]])で撮影された[[マツダ|静岡マツダ]]のCMが、8月に入ってから「公道での撮影にも拘らず、道路封鎖なし」「大手が公道でこんなことして良いのか」など、一般走行車の通行を妨げる方法で撮影をしていたことが、撮影当時に見物していた人物らからの指摘を受け、発覚した。このCMは静岡マツダが発注した広告代理店が行ったもので、当初、マツダ本社はマツダ本社による撮影を否定していた。静岡マツダは放送を中止し、行政処分等について「警察の指示に従う」としている。
 
* 2014年11月26日にWeb限定で公開された[[味の素AGF|味の素ゼネラルフーヅ]]「ブレンディ」のCM「Blendy 特濃ムービーシアター「旅立ち」篇」が、2015年9月になってスパイクスアジアによる英語字幕付き動画が公開されたところ、牛の擬人化の表現などが世界中で物議を醸した。該当動画は2015年8月に削除されている<ref>{{Cite news|title=Blendyの動画、なぜ炎上したのか理解できない人々|newspaper=ITmedia ビジネスオンライン|date=2015-10-08|url=http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/08/news050.html}}</ref>。
 
* 2015年10月から放送がされた[[日産自動車]]の電気自動車「[[日産・リーフ|リーフ]]」のCMは、同社が過去に製造したスポーツカー「[[日産・180SX|180SX]](ただし車種名は明示されていない)」とリーフで[[ドラッグレース]]を行う」という内容であった。180SXの外観がいかにも[[チューニングカー]]であることや「加速の常識を覆す」というキャッチコピーから、「電気自動車は遅い」というイメージを覆す意図が読み取れるものであったが、一部の車好きから、「過去の車をバカにするな」などの批判が寄せられたため、放映が中止された。
 
* 2016年3月30日から放送が開始された日清カップヌードルのCMで、演出内容に不適切なシーンがあるとの批判を受け、日清食品がCMの放送中止を決めた。内容は、[[ビートたけし]]が学長を務める大学で、[[矢口真里]]・[[小林幸子]]・[[新垣隆]]といった自身の不祥事で世間を騒がせた人物が自虐ネタを披露し、失敗から這い上がる力を与えたいという内容の物であったが、矢口の自虐ネタが不倫を題材としているため、批判の対象となった<ref>{{Cite news|title=矢口さんら出演のカップヌードルCM中止、日清が謝罪文|newspaper=朝日新聞|date=2016-04-08|url=http://www.asahi.com/articles/ASJ4844W5J48UCVL007.html|accessdate=2016-04-08}}</ref>。
 
* 2016年8月2日に[[キリン (企業)|キリン]]・[[麒麟麦酒|キリンビール]]がアニメ制作会社・[[トリガー (アニメ制作会社)|Trigger(トリガー)]]と組み、動画投稿サイト・[[YouTube]]で缶[[チューハイ]]「[[氷結 (チューハイ)|キリン氷結]]」のプロモーション動画を公開、テレビCMも放映されたが市民団体の苦言や反発もあり中止された。
 
{{See also|トリガー (アニメ制作会社)#2016年のテレビCM中止問題}}
 
* 2016年10月7日、[[資生堂]]の化粧品ブランド『インテグレート』のCMで「25歳からは女の子じゃない」という表現に「女性差別」「セクハラ」と批判が出たため、資生堂がテレビCMの放送を取りやめることを発表した。CMは10月1日から放送され、2つのバージョンが製作されていたが、2つとも放送中止となる<ref>[http://www.j-cast.com/2016/10/07280144.html 「25歳からは女の子じゃない」 資生堂、「セクハラ」批判CMを中止] [[J-CASTニュース]] 2016年10月7日閲覧</ref>。
 
* 2016年10月に放送された[[三菱自動車工業|三菱自動車]]の企業CM「秋 再出発篇」で、天体望遠鏡の鏡筒の向きが上下逆になっていたことが多数指摘され、[[渡部潤一]][[国立天文台]]副台長もTwitterで「まずいなぁ、天体望遠鏡が逆じゃないかなぁ」とツイートし、放送を一時中断。天体望遠鏡の鏡筒の向きを修正することとなった<ref>[https://thepage.jp/detail/20161025-00000002-wordleaf 星空を見上げるはずが望遠鏡が見つめるのは地面、三菱自がCMを手直し] THE PAGE 2016年10月25日閲覧</ref>。
 
*[[プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン|P&G]]の『[[ファブリーズ]]』のCMで、[[世界一の一覧|世界一]]臭い食べ物としてしられる「[[くさや]]」を使用した実験の演出にてくさやを臭がる過剰なリアクションにくさやの生産メーカー側が300年以上続く伝統食を侮辱するCMであるとしてクレームを付けた。これをうけてP&G側はCMを打ち切った<ref>{{Cite web|url=https://www.j-cast.com/2016/11/28284621.html|date=2016-11-28|title=ファブリーズ「くさや」CM、批判で放送差し替え 対決映像に産地から苦情|publisher=[[J-CASTニュース]]|accessdate=2017-08-18}}</ref>。CMは当初、[[YouTube]]上で公開されていたが、視聴者から「解かり易い演出」として好評だったため、テレビ放送する形になったものである。
 
* 2017年に放送されたアサヒ飲料・三ツ矢サイダーのCMで、[[芳根京子]]がトランペットを吹いている最中にいきなり背中を押されるシーンで、トランペット奏者の徳田知希がTwitterで「歯を折ったり、口唇裂傷につながる」と指摘<ref>{{Twitter status|tokuchin12|853834598966378496}}</ref>。これを重く見たアサヒ飲料は、このCMの放送打ち切りを決定、動画を削除した<ref>{{Twitter status|asahiinryo_jp|854290692188676096}}</ref>。
 
* 2008年から放送されていた[[アディーレ法律事務所]]のCMについて「過払い金返還請求の着手金を'''今だけ無料'''」という宣伝でありながら、実際には約5年近くも同じ文句でCMを継続していた。これにより、2017年10月11日に[[東京弁護士会]]は同事務所を2か月、及び代表[[弁護士]]を3か月の業務停止命令とする懲戒処分を下した<ref>{{Cite web|url=http://www.sanspo.com/geino/news/20171011/tro17101118500008-n1.html|date=2017-10-11|title=アディーレ法律事務所を業務停止2カ月…事実と異なる宣伝繰り返し|publisher=サンケイスポーツ|accessdate=2017-10-18}}</ref>。これにより、お笑いコンビ・[[ブラックマヨネーズ]]を起用したCMは打ち切られ、さらにスポンサーとなっていたテレビ番組は全てACジャパンのCMに差し替えられた。
 
 
 
== CMの規制 ==
 
=== 欧米 ===
 
欧米では子供向け番組のテレビコマーシャルの規制が厳しく、同一番組中に同一CMを2度流すことやコマーシャルの本数に関する規制がある<ref>{{Cite book |和書 |author=谷田貝公昭 編 |year=1999 |title=チルドレンワールド 子どもの世界 II |pages=40-41 |publisher一藝社 }}</ref>。
 
 
 
=== 日本 ===
 
==== 個々の業種ごとの規制など ====
 
かつて[[銀行]]など、個々の[[金融機関]]のCMについては、金利自由化される以前、広告による競争原理は馴染まないという理由で業界の自主規制により、テレビ・ラジオでの広告が行われなかった。代わりに[[賞与|ボーナス]]支給時等に[[全国銀行協会]]等業界団体としてテレビ・ラジオで広告をしていた。しかし、[[1985年]]からの金利自由化で、個々の金融機関の間でのサービス格差が生じ、[[1990年]][[6月1日]]よりラジオのスポット広告から解禁が始まった後、[[1991年]]元日より、テレビのスポット広告が解禁された。ただし当初は、放映時間数に制限を設けていたり、番組提供扱い=[[提供クレジット]]表示ができない(いわゆる[[パーティシペーション]])、などの自主規制が行われていたが、[[1993年]]3月に番組提供扱いが可能となり、放映時間数の制限も廃止された<ref>[http://www.edit.co.jp/IFL/adhistory/h10.html edit -株式会社エディト- ≫ 金融広告30年史 ≫ 第10回(2010年04月01日)]{{リンク切れ|date=2016年4月}}</ref>。
 
 
 
1998年4月以降、[[たばこ広告|タバコの銘柄(商品)]]についてのテレビCMは民放連の規定で放映を禁止している。
 
 
 
[[結婚相談所]]([[結婚情報サービス]])のCMは民放連の規定で禁止されていた。2003年8月にフジテレビが結婚相談所「オーエムエムジー」のコマーシャルを放送し批判を浴びたことがある。しかし、結婚相談事業者だけでなく、[[少子化]]対策を掲げている政府からもCM解禁を求める要請があり<ref>[http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20140617/enn1406171534013-n1.htm 愛はテレビ局を救う? 結婚情報サービスCM解禁なるか 出稿増や活性化期待] ZAKZAK 2014年6月17日</ref>、2014年11月に民放連の放送基準が改正され、この月から結婚相談所(結婚情報サービス)のCMを放送した。それ以前にも民放連に加盟していない[[コミュニティ放送|コミュニティFM]]で結婚相談所がスポンサーとなっている事例も存在する。
 
 
 
大手[[ビール]]メーカー各社が加盟している[[ビール酒造組合]]は、未成年者の飲酒防止の取り組みを強化するため、[[ノンアルコール飲料]]を除く酒類のテレビ広告放映の自粛時間を2010年秋より拡大した。同組合の「自主基準」で、これまで「平日が午前5時から18時」・「土日祝(振替休日、1月2日・3日の両日を含む)は午前5時から12時」を自粛時間としていたが、2010年秋より「自主基準」の「テレビ広告を行わない時間帯」についての文言が、「年間を通し、5時00分-18時00分まで、酒類のテレビ広告を自粛する」に変更された。
 
 
 
この自粛時間拡大による変化の例として、毎年1月2日・3日の両日に[[サッポロビール]]が筆頭提供し、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系列で放送されている「[[新春スポーツスペシャル箱根駅伝]]」で、第86回(2010年)まで午後の時間帯でのみ放映されていたサッポロビールの各種[[ビール]]類などの商品CMが、第87回(2011年)より同番組の生中継放送内で放映されなくなり、同社の企業イメージCMや[[東京箱根間往復大学駅伝競走|箱根駅伝]]にちなんだオリジナルCM、[[ビールテイスト飲料]]:サッポロ プレミアム アルコールフリーなど一部のノンアルコール飲料の商品CMのみが放映された事例がある。
 
 
 
[[パチンコ]]、[[パチスロ]]のCMも2009年4月より、5時から9時までと17時から21時までのCM自粛時間を設けており、規制時間帯はパチンコメーカーやホールの企業イメージCMが放送されていたが、2011年4月頃から[[東日本大震災]]([[福島第一原子力発電所事故]]含む)による影響により、業界団体の[[日本遊技機工業組合]](日工組)が毎年更新の取り決めとして終日パチンコ、パチスロマシン本体のCM放映が自粛(禁止ではなく自主規制である)され、終日に渡ってメーカーやホールのイメージCMが放送されている<ref>[http://www.minapachi.net/column/article/3/511 「日工組メーカーのテレビCM自粛で肩を落とすテレビ局」] みなぱち「営業1号の業界地獄耳」 2013年1月7日 2014年11月19日閲覧</ref>。
 
 
 
[[タイヤ]]のCMは、[[日本車]]を使用してほかのメーカーからクレームが来る可能性を恐れ、欧州車などを使用している。
 
 
 
==== CM内の注意表現など ====
 
[[消費者金融]]のCMは最後に、音声とともに「利用・返済は計画的に」と表示される。これは[[日本民間放送連盟]]の「消費者金融CMの取り扱いに関する放送基準審議会見解」(2003年3月7日決定)「啓発文言を一定以上の文字の大きさと秒数(1.5秒程度)で表示する」に因る。消費者金融のテレビCMを認める先進国は珍しく、[[クレサラ問題]]に見る[[自己破産]]の急増から、テレビCMを規制する動きがある。2003年10月から、17時 - 21時、2006年4月から加えて、7時 - 9時、21時 - 22時は、テレビCM放送を禁止しているほか、22時 - 24時の間についても各社のCMを月間100本に制限している。一時期はクレジットの中に「ストップ!借りすぎ」というアナウンスを入れていた。2006年6月から9月にかけては、「借りすぎ防止キャンペーン」として、金融会社の宣伝ではなく啓発を目的とした「ストップ!借りすぎ」というCMが、消費者金融連絡会=各社共同名義として放送されていた。
 
 
 
2009年6月1日に、改正[[薬事法]]が施行されたことで、[[一般用医薬品]]のCMでの注意表示が変更された。
 
* [[要指導医薬品]]・[[第一類医薬品]]の動画CMにおいては、「この医薬品は、[[薬剤師]]から説明を受け、使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください」と表示されている。
 
* [[第二類医薬品|指定第二類医薬品]]の動画CMは、「この医薬品は、薬剤師・[[登録販売者]]に相談のうえ、使用上の注意をよく読んで、お使いください」と表示されている。
 
* [[風邪|かぜ薬]]や[[鎮静剤]]のテレビCMの最後に、上記の注意表示に加えて、「[[アレルギー|{{color|red|アレルギー体質の方は必ず、薬剤師}}]](要指導・第一類医薬品の場合)/{{color|red|薬剤師・登録販売者}}(指定第二類医薬品の場合){{color|red|にご相談}}のこと」と、赤で強調するなどの注意表示がなされている。
 
* 医薬品の動画CMの最後に、主に、前述のアレルギー体質者に対する注意喚起表示時に「ピンポーン」の音が挿入されることがある。これは、医薬品会社が自主的に行っているもので、「挿入しないといけない」といった取り決めはない。これを逆手に取り、[[安西ひろこ]]や[[平山あや]]が「ポンピーン」と言う頭痛薬([[アラクス]]・[[ノーシン]])のCMや、[[デーモン閣下|デーモン小暮閣下]]が「デーモーン」と言う風邪薬([[カイゲンファーマ|カイゲン]])も存在する。[[志村けん]]や[[郷ひろみ]]が「ピンポーン」と言う殺虫剤([[アース製薬]])のCMも存在した。
 
* かつては、「用量や用法を守り…」という注意喚起を5秒以上表示すること、という自主的な取り決めがあったが、15秒CMでそれを守るとCM制作にかなりの限界が生じるため、現在はそれらの注意喚起を「明確に、最低1秒間以上表示する」こと、と基準を改めている。
 
* [[目薬]]のCMは必ず目薬を点すシーンが挿入されている。これは目薬の正しい点し方を示すためで、これも医薬品会社が自主的に行っているものである。誤った点し方は目薬の汚染等、感染症を引き起こすためである。医薬品の広告に関する規制については、[[医薬品等適正広告基準]]の項目も参照。
 
 
 
[[飲酒運転]]による[[交通事故]]の多発により、2006年10月から[[ビール酒造組合]]を中心とした酒類のCMの最後に、これまで使っていた「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」もしくは「飲酒は20歳になってから」とともに、「飲酒運転は法律で禁止されています」のテロップが社名ロゴの下部などに表示された。最近はこれらに加え、「お酒は楽しく適量を」や「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります」といったテロップが表示されるCMもある。「空き容器(飲んだ後)はリサイクルへ」のテロップは、酒のほか各種[[清涼飲料]]のCMでも表示される。
 
 
 
例外として、2007年に放送された「エバラ焼肉のたれ・黄金の味」([[エバラ食品工業|エバラ食品]])のCMに、最後に「飲酒運転はおやめください」というテロップが挿入されていた。
 
 
 
[[コンタクトレンズ]]関連のCMは最後に「コンタクトレンズは(視力矯正用の)医療器具です。(以下略)」のテロップが挿入(かつては静止画として挿入)されている。これも、物理的な衝撃に脆弱なことや衛生面での問題もあるため、注意喚起の意味合いで挿入されている。
 
 
 
ニュース映像など、テレビ番組のワンシーンと混同しやすい内容のCMは、「これは〇〇(スポンサー名)のCMです」と表示される。英文表記で「〇〇(スポンサー名)'s AD」の場合もある。これらの扱いは、民放連の規定で定められている。
 
 
 
自動車メーカー各社が開発・導入をすすめている、追突防止緊急ブレーキシステム(例:[[スバル]]「[[EyeSight]]」、[[トヨタ自動車]]「[[Toyota Safety Sense]]」、[[ダイハツ工業|ダイハツ]]「[[スマートアシスト]]」など)を紹介するCMは最後や紹介画面中に、「本システムは安全運転を前提としたものです。すべての危機回避が可能なものではありません。」という内容の注意文が表示される。
 
 
 
[[石鹸]]・[[洗剤]]メーカー各社が発売している、香り付き[[柔軟剤]](例:[[花王]]「[[ハミング (柔軟剤)|ハミング]]フレア・フレグランス」、[[ライオン (企業)|ライオン]]「[[ソフラン (柔軟剤)|ソフラン]]アロマリッチ」、[[P&G]]「[[レノア (柔軟剤)|レノア]]ハピネス」など)のCMは、「香りの感じ方には個人差があります。周囲の方へご配慮の上、使用してください。」という内容の注意文が表示される<ref>[http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/09/0920.html] NHK{{リンク切れ|date=2016年4月}}</ref>。
 
 
 
== お詫びCM ==
 
=== お詫びの概要・実例 ===
 
大量の[[リコール (一般製品)|リコール]]など、メーカーが製品に関する不祥事を起こした場合、通常はそのメーカーのCM自体が自粛され、[[ACジャパン]]など他のCMに差し替えられる。ただし、[[死|死亡]][[事故]]が発生するなどの重大なケースは事故の発生を謝罪し、該当製品の修理・取り替えなどを視聴者にお願いするCMが流れることがある。テレビ局も、不祥事の謝罪や、視聴者に呼び掛ける警告でもしばしばCMが流れることもある。
 
 
 
最初のお詫びCMは、[[三洋電機]]が[[1985年]]に[[三洋電機#石油ファンヒーター事故|石油ファンヒーター事故]]を受けて制作したCMであるとされる。このCMは動画やBGMが一切流れず、テロップと事故を起こした製品の写真のみが表示され、淡々と男性ナレーター(担当:[[津田英治]])が事故の報告と謝罪、製品の修理のお願いを語るだけという、通常のCMの形式とは著しくかけ離れたものだった<ref>『笑えるけど超ヤバい! テレビ放送事故&ハプニング』120頁</ref>。
 
 
 
[[2005年]]に[[パナソニック|松下電器産業(現・パナソニック)]]が[[パナソニック#FF式石油温風機の欠陥による死亡事故|FF式石油温風機事故]]を受けてお詫びCMを流した。このころ、自動車や家電などの欠陥が内部で隠蔽されていたことがセンセーショナルに報道されていたため、欠陥発覚後いち早くお詫びCMを流し松下電器産業はむしろ株を上げる結果となった。これを受け松下電器産業以降、各企業によるお詫びCMが相次いだ。
 
 
 
=== 東日本大震災による影響 ===
 
2011年3月11日に発生した[[東日本大震災]]による影響として、[[東京電力ホールディングス|東京電力]]は[[福島第一原子力発電所事故]]、ならびにそれに伴う[[輪番停電|計画停電]]や[[節電]]への協力についてのお詫びCMを、[[JXエネルギー|ENEOS(JX日鉱日石エネルギー)]]や[[出光興産]]など[[石油元売]]各社は、地震による各[[製油所]]・[[油槽所]]の操業停止、ならびにそれに伴う石油製品の供給不足についてのお詫びCMを放送した。さらに[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]は、地震による[[鉄道車両]]の補修部品の供給不足を原因として、一部の在来線特急と地方路線における減便ダイヤ(間引き運転)、および列車の短編成化についてのお詫びCMを放映した。[[ユニチャーム]]は震災の影響による商品仕様変更について、[[ヤマト運輸]]など運送業各社は震災による配送の遅延および被災地での集配送業務一部取り扱い停止のお詫びCMを放映した。
 
 
 
他にお詫びCMではないが、[[パナソニック]]・[[東芝]]・[[三菱電機]]など[[電機メーカー]]各社は、電力不足を受けて節電方法を紹介する内容の、トヨタ自動車など[[自動車メーカー]]各社は、災害発生時の安全運転や、省燃費のための運転方法を紹介する内容の、[[NTTドコモ]]・[[KDDI]]・[[ソフトバンク]]の[[移動通信]]各社は、災害伝言ダイヤルの利用法を伝える内容の、それぞれ社告形式のCMを放映した。
 
 
 
[[積水ハウス]]など[[住宅メーカー]]各社や、[[明治安田生命保険|明治安田生命]]・[[損害保険ジャパン日本興亜|損保ジャパン]]など[[生命保険]]・[[損害保険]]各社は、被災者へのお見舞いと顧客対応窓口の[[フリーダイヤル]]を案内するCMを放映した。
 
 
 
== CMに関連したイベント・特別番組 ==
 
* 日本民間放送連盟(民放連)は[[1968年]]から毎年4月21日を「放送広告の日」(後に1993年から「民放の日」)と定めている。これは、日本で初めての商業放送局(いわゆる民放)のラジオ放送局16社に対し、[[1951年]]のこの日に放送予備免許を交付し、[[1952年]]に民放連が発足したことによるものにちなんで、日本でのテレビ放送開始15周年に当たる1968年のこの日から、民間放送の統一キャンペーン活動としてこの記念日が制定された。
 
* かつて「放送広告の日」は、テレビコマーシャルを主題とする民放全局共通の特別番組を放送していた。
 
* [[フジテレビジョン|フジテレビ]]系列は毎年5月頃に、「[[フジサンケイグループ広告大賞]]」として、同賞の授賞式報告などを取り上げる特別番組を放送している。
 
 
 
== 脚注・出典 ==
 
{{Reflist}}
 
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
 
*[[広告代理店]]
 
*[[広告代理店]]
 
*[[制作プロダクション|広告制作会社]]
 
*[[制作プロダクション|広告制作会社]]
*[[CMバンクシステム]]
 
*[[パーティシペーション]]
 
*[[ACジャパン]]
 
*[[日本広告審査機構]]
 
*[[全日本シーエム放送連盟]]
 
*[[提供クレジット]]
 
*[[生コマーシャル]]
 
*[[コマーシャルソング]]
 
*[[ふるさとCM大賞]]
 
*[[CM NOW]]
 
*[[コマーさる君]]
 
*[[CMのCMキャンペーン]]
 
*[[杉山登志]] - CMディレクターの第一人者。故人。
 
*[[バイラルCM]](バイラルマーケティング)
 
*[[ネガティブ・キャンペーン]]
 
*[[メディア・リテラシー]]
 
*[[山場CM]]
 
*[[視聴率]]・[[聴取率]]
 
  
== 外部リンク ==
+
 
*[http://acc-cm.or.jp/index.html 全日本シーエム放送連盟(ACC)]
+
{{テンプレート:20180815sk}}
*[http://www.oricon.co.jp/news/ranking/18332/ テレビCM好感度ランキング一覧] - [[オリコンスタイル]]
 
*[http://www.cmfestival.com/index.html 世界のCMフェスティバル]
 
*[http://www.yhmf.jp/pdf/activity/adstudies/vol_41_01_01.pdf AD STUDIES Vol.41 2012 テレビ・コマーシャルの60年] [[岡田芳郎]]
 
  
 
{{DEFAULTSORT:こまあしやるめつせえし}}
 
{{DEFAULTSORT:こまあしやるめつせえし}}
 
[[Category:CM|*]]
 
[[Category:CM|*]]
 
[[Category:販売の手法]]
 
[[Category:販売の手法]]

2018/8/26/ (日) 08:54時点における最新版