ゲラン

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ゲラン (Guerlain) は、フランス香水化粧品メーカー。

1828年にピエール=フランソワ=パスカル・ゲラン (Pierre François Pascal Guerlain) が、現在のパリ1区リヴォリ通り228番地[1]に店を開いたことに始まる。

皇后ウジェニーに献上した香水「オー・デ・コロン・イムペリアル」[2] (Eau de Cologne Impériale) により帝室御用達となる。1889年に発表したジッキー (Jicky) が合成香料を用いた近代香水として高い評価を受ける。その後もルール・ブルー (L'Heure Bleue) 、ミツコ (Mitsouko) 、シャリマー (Shalimar)、夜間飛行 (Vol de Nuit) などの香水を出して名声を得た。ゲランはその香水の多くにバカラ社製の香水瓶を用いた。

1912年にシャンゼリゼ通り68番地に店舗を開く。ゲランは4代目調香師のジャン=ポール・ゲランまでの間、ゲルリナーデ (Guerlinade) と呼ばれる香りの調合法を受け継いで調香を担った。ゲランは創業以来同族経営を行なっていたが、1987年以降はLVMHによる企業買収を受けて1994年にその傘下に入った。2011年時点で約80の国と地域に事業展開している[3]

歴史

1798年ピエール=フランソワ=パスカル・ゲランはフランス北部のピカルディ地方に生まれた。ピエール=フランソワ=パスカルは白目細工職人である父との確執で故郷を後にすると渡英して石鹸製造に携わった。また化学と医学を学んだ[4]1828年、帰仏後のピエール=フランソワ=パスカルは伯父が所有する、パリ・リヴォリ通り42番地のオテル・ムーリスEnglish版に最初のブティックを開いた。ピエール=フランソワ=パスカルはイギリスからの輸入石鹸を販売し、また複数の花の香りを用いた香水を調香して上流階級の顧客から支持を集めた[5][6]。当時は単一の花の香りで生成される香水が主流であり、直接身にまとうのではなくハンカチや手袋・シーツに香りを付けていた。ゲランはフレグランススキンケア製品を扱う店として始まった。1830年にボルドーワイン入りのリップクリーム「ボーム・デ・ラ・フェルテ」 (Baume de la Ferté) [7]と、現存の原型となるリキッド状のリップ「リキッド・ローズ・エキストラクト」 (Liquid Rose Extract) を発売した。1840年にはコールドクリーム「ア・ラ・フレーズ・プール・タン」 (Crème à la fraise pour le teint) を発売、オーストリア皇后エリーザベトがこれを愛用したと伝わる[8]。ゲランは1842年にベルギー王妃から御用達許可書を受け、1844年にヴィクトリア女王の御用香水商となるなどヨーロッパの王侯貴族から支持を集めた[9]。ゲランは1844年にパリの中心地であるラ・ペ通り15番地に店舗を構え[10]、1851年にはロンドンに出店した[9]。ゲランがラ・ペ通りに進出した時期は文献によって異なり、他に1840年・1841年・1848年の記述が見られる[9]

1853年、ゲランはナポレオン3世の皇后ウジェニーに「オー・デ・コロン・イムペリアル」 (Eau de Cologne Imperiale) を献上した。この香水は1830年に調香した「フルール・ドゥ・セドラ」 (Esprit de Fleurs de Cedrat) をポシェ・エ・デュ・キュルバル社が製作した香水瓶「ゴールデンビーボトル」に封入したものである[11]。シトラス系の香水「オー・デ・ゲラン」 (Eau de Guerlain) を封入していたとの説もある[12]。この香水瓶は帝政様式を持ち、ラ・ペ通りにあるヴァンドーム広場の円柱をモチーフに、ナポレオン3世のシンボルである69のミツバチの意匠を側面に純金を用いて描き散りばめていた[13]。ピエール=フランソワ=パスカルはこの香りの成功により帝室御用達調香師の称号を得た。ピエール=フランソワ・パスカルは1864年に亡くなり、息子であるエメとガブリエルが調香と経営を分業して受け継いだ。ゲランはニキビやニキビ跡の赤みをケアする「クリーム・カンフレア」 (Crème Camphrea) を1870年に[14]、 初めてのスティックタイプのリップ「ヌ・ムブリエ・パ」 (Ne M'oubliez Pas) を1871年に発売した[15]。ゲランはこの時期までにフランスにおける高級香水商の地位を確立した[16]

ファイル:Guerlain - Bouquet de Faunes (1926).jpg
ブーケ・ドュ・フォーヌ
瓶はルネ・ラリックによる製作。噴水をモチーフとし側面に牧神を配置している

1889年、ゲランは「ジッキー」 (Jicky) を発表する。この香水は天然素材と合成香料を加えて創った初期の近代香水である。実際に合成香料を最初に用いた香水は1882年にウビガン社のポール・パルケが作成した「フジュール・ロワイヤル」であるが、ジッキーは天然素材のローズマリーベルガモットラベンダーなどに加え、合成香料のクマリンバニリンをわずかに用いたことにより香りの多様な表現に成功して高い評価を受けている。シベットの含まれるジッキーの香りは女性にとって革新的なものであり当初は男性を中心に評価されたが、1910年代に入って女性からの支持をも集めた[17][18]。フゼア系の香水として知られるジッキーは、エメの甥ジャック・ゲランの愛称・ジッキーから名づけられたとの説と[19]、若かりしエメが英国留学中に恋慕した女性の愛称から名づけられたとの説がある[20]。発売当時は薬瓶を香水瓶として使用したが、後にガブリエルがデザインしたバカラ社製香水瓶を採用した。同年、ゲランはパリ万国博覧会で香水部門を主催して審査委員長を担当、1900年の同博覧会で香水部門のグランプリを獲得した[21]。また1890年にゲランらが全仏香水製造組合を設立して議長にエメが就任、エメの後を受けて3代目調香師となるジャック・ゲランが「オンブル」 (Ambre) を発表した。エメは1910年に亡くなった。

ファイル:Immeuble, 68 avenue des Champs-Élysées, Paris 8e 01.JPG
シャンゼリゼ通り68番地の店舗1階外観

1912年、ゲランは「ルール・ブルー」 (L'Heure Bleue) を発表した。青の時を意味する名を持つ、パリの黄昏の空を表現したフローラルオリエンタル系の香水であり、香水瓶にバカラ社製「ジャンダルム」を使用した。この時期に新興の香水商としてフランソワ・コティが台頭し始めていた。コティはルネ・ラリックにデザインを依頼し、彼による香水瓶やパッケージは支持を集めた。香水瓶のデザインと芸術性はコティの登場によりマーケティング上の重要性を高めた[22]。ゲランもこの時期に前後して香水瓶のデザインを変更している。ジッキーの香水瓶にバカラ社製「ギャドリドーブ」を採用し、1904年に発表した香水「シャンゼリゼ」 (Champs-Élysées) には亀甲をモチーフとしたバカラ社製「トルテュ」を採用した[23]1914年、ゲランはシャンゼリゼ通り68番地に店舗を開いた。第一次世界大戦後の1919年、ゲランは『ラ・バタイユ』の登場人物の名を冠したシプレ系の香水「ミツコ」 (Mitsouko) を発表した。ミツコは1908年に合成されたアルデヒドC14による桃の香りを孕み、ルール・ブルーと同じバカラ社製のジャンダルムを香水瓶とした。ミツコは後年、香料に含まれるアレルゲンの問題により処方に変更がなされている[24]。1925年、ゲランはパリ万国博覧会でオリエンタル系の香水「シャリマー」 (Shalimar) を発表した。多めのエチルバニリンを用いてベルガモット、ローズ、ジャスミンなどの香りを引き立てたこの香水の名はシャリマール庭園に由来、サンスクリット語の愛の殿堂を意味し、レイモンド・ゲランとバカラ社による香水瓶はムガル帝国ストゥーパをモチーフにしている[25]。ゲランはこの万国博覧会で香水部門の審査員長を務めた。シャリマーはオリエンタル系の範となる成功を収め、この後ゲランはアメリカ合衆国に拠点を置いて営業活動を開始した[26]

1933年、ゲランは「ヴォル・ドゥ・ニュイ」 (Vol de Nuit) を発表。この香水の夜間飛行を意味する名はジャックの友人であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの同名小説から名づけられ、香水瓶は飛行機のプロペラをイメージして放射状に広がる複数の立体的な線形を前面に施した意匠を採用した[27]。1937年には「コック・ドール」 (Coque d'Or) を発表、二枚貝を象るブルーガラス製の瓶全面に黄金の塗色を施す装飾を持たせたバカラ社製香水瓶を採用した[28]。1939年にはシャンゼリゼ通り68番地の店舗3階に美容学校を開業した。ゲランはシャンゼリゼの店舗デザインにインテリアデザイナーのジャン・ミッシェル・フランク、彫刻家のアルベルト・ジャコメッティ、イラストレーターのクリスチャン・ベラールを起用した。

第二次世界大戦後の1955年、ゲランは4代目調香師となる18歳のジャン=ポール・ゲランが祖父ジャックとの共作を発表、1959年には庭師が発する土と煙草の香りをモチーフに調香した香水「ベチバー」 (Vetiver) を発表した[29]。ジャックは1963年に亡くなった。1969年、ゲランはフローラル系の香水「シャマード」 (Chamade) を発表した。フランス語で熱き鼓動、あるいは籠城した軍が降伏する際に打ち鳴らす太鼓の音を意味する名を冠した、ヒヤシンス、カルバナム、ブラックカラントなどの香りを調和した香水である。この香水にはレイモンド・ゲランが貝殻をモチーフにデザインした香水瓶を採用した[30]。1970年、ゲランは日本に現地法人を設立した。1974年、ジャン=ポールの父ジャン=ジャック・ゲランらが調香師の学校であるISIPCA (Institut supérieur international du parfum, de la cosmétique et de l'aromatique alimentaire, 香水・化粧品・食品国際高等学院) を設立した[31]。1960年代以降、アメリカにおける香水の需要が拡大し、また新規参入する業者の増加にしたがって広告戦略の重要性が増していた[32]。ゲランは1970年代以降に積極的な広告戦略を推進した[33]。1984年、ゲランはパウダー「テラコッタ」 (Terracotta) を発売し、パリでヒットを呼んだ。1987年には空から舞い降りる隕石をイメージしたカラーボール状のパウダー「メテオリット」 (Météorites) を発売して好評を得る[34]。同年、ベルナール・アルノーの率いるLVMHがゲランの企業買収を開始した。1989年、ゲランはウッディ系の香水「サムサラ」 (Samsara) を発表した。サンスクリット語の輪廻に由来する名を冠し白檀ジャスミンなどの香りを調和した香水である。ジャン=ポールによると、サムサラは香りの決定までに309回の処方を要した[35]。従来のゲランは調香師が香りを完成させ、香水瓶を選定して命名し、その後に広告活動を開始する手法を採ってきたが、この香水ではその順序を改め、テーマを東南アジアに決定した後に香りの創作を開始した[36]。この香水には5000万ドルの広告費が投じられた[37]。サムサラが成功を収めた後の時期、ゲランの全世界における売上高は日経産業新聞によると20億フラン (1992年) [38]、純利益は1億6200万フラン (1993年)であった[39]

1994年、買収を進めていたLVMHが発行済み株式の58.8%を取得したことにより、ゲラン社は同グループの傘下に入った[39]。1996年にLVMHがゲラン社の発行済み株式を100%取得したことにより、創業者一族のゲラン家は同社の経営から離れた[40]。ジャン=ポールはその後も社に残り、2002年までゲラン社と雇用関係にあった[41]。 2005年、ゲランはシャンゼリゼ通り68番地の店舗を改装し、地上3階の「メゾン・ド・ゲラン」 (La Maison de Guerlain) が完成した[42]。2008年、ティエリー・ワッサーが5代目調香師に就任した。

なお、1900年代後半から2000年代初頭まで東京都銀座を中心にファッションブランド「銀座ゲルラン」(タグ表記は「GUERLAIN」)を擁し国内各所に店舗展開していたゲルラン商事株式会社(東京都新宿区市谷本村町)・株式会社ゲルラン(東京都中央区銀座5丁目)とは、一切関係ない[43]

ゲランと歴代調香師

ゲランは調香技術と才能を継承してフレグランスを創作した。初代ピエール=フランソワ=パスカルによる社訓は「首尾一貫してよい物を造り出す。品質に妥協はない。単純なアイデアに固執し、それを慎重に当てはめていくこと」であった[44]。ゲランは天然素材を尊重した処方に拘りを持ち、微かに合成香料を用いた[45]。ゲラン家代々の調香師は香りに女性への尊敬と愛を表現していた[46]。2代目のエメとガブリエル以降は調香と経営を分業する体制を敷いた。ゲラン家は優れた鼻を持つ一族を選び出し教育を施して調香師を育て上げた。4代目ジャン=ポールは祖父から約3000種の香りを嗅ぎ分ける訓練を施された。ゲランは一族の調香師がゲルリナーデ (Guerlinade) と呼ばれる香りの調合法と処方を受け継ぎ、フレグランスの新しい歴史を刻んだ[47]LVMHに入った後に従来の処方に変更があったとされる。2000年代に入りゲラン家出身以外の調香師が誕生した。

  • 初代:ピエール=フランソワ=パスカル・ゲラン (Pierre-François-Pascal Guerlain, 1798年 - 1864年)
  • 2 代目:エメ・ゲラン (Aimé Guerlain, 1834年 - 1910年) - ピエールの息子
  • 3 代目:ジャック・ゲラン (Jacques Guerlain, 1874年 - 1963年) - エメの甥
  • 4 代目:ジャン=ポール・ゲラン (Jean-Paul Guerlain, 1937年 - ) - ジャックの孫
  • 5 代目:ティエリー・ワッサー (Thierry Wasser, 1961年 - )

主な歴代フレグランス

名称 和名 備考
Santeurs des Champs サントゥール・デ・シャン (田園の香り) 1828 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [48]
Esprit de Fleurs エスプリ・ドゥ・フルール (花の精) 1828 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [49]
Esprit de Fleurs de Cedrat フルール・ドゥ・セドラ(シトロンの精) 1830 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [50]
Eau Lustrale オー・リュストラル(澄みきった水) 1830 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [51]
Eau de Cologne Russe double imperiale オーデコロン・リュス・ドゥーブル・イムペリアル 1840 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [52]
Pois de Senteur ボワ・ドゥ・サンタール(スイートピー) 1840 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [53]
Eau de Cologne Impériale オー・デ・コロン・イムペリアル 1853 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [10]
Eau Impériale オー・イムペリアル 1861 ピエール=フランソワ・パスカル・ゲラン調香 [54]
Eau de Verveine オー・ドゥ・ヴェルヴェーヌ(ヴェルヴェーヌの水) 1872 エメ・ゲラン調香 [55]
New Mown Hay ニュー・モーン・ヘイ(刈りたての藁) 1880 エメ・ゲラン調香 [56]
Eau de Cologne オー・ドゥ・コローニュ 1881 エメ・ゲラン調香 [50]
Fleurs d'ltalie フルール・ディタリー 1884 エメ・ゲラン調香 [57]
Rococo ロココ 1887 エメ・ゲラン調香 [57]
Jicky ジッキー 1889 エメ・ゲラン調香 [58]
Cuir de Russie キュイール・ドゥ・リュシー (ロシアの皮) 1890 エメ・ゲラン調香 [59]
Excellence エクセランス 1890 エメ・ゲラン調香 [57]
Genet ジュネ(エニシダ) 1890 エメ・ゲラン調香 [60]
Belle France ベル・フランス 1892 エメ・ゲラン調香 [57]
Ambre オンブル 1890 ジャック・ゲラン調香 [57]
Peau d'Espagne ポー・デスパーニュ(スペインの皮) 1893 ジャック・ゲラン調香 [55]
RITA リタ 1893 ジャック・ゲラン調香 [61]
Le Jarden de Mon Cure ジャルダン・ドゥ・モンキュレ 1895 ジャック・ゲラン調香 [57]
Vetiver ヴェチヴェル 1895 ジャック・ゲラン調香 [55]
Eau de Rose オー・ドゥ・ローズ(バラ水) 1895 ジャック・ゲラン調香 [55]
Voila pourquoi j'aimais Rosine ヴォワラ・プークワ・ジャメ・ロジーヌ 1900 ジャック・ゲラン調香 [57]
Fleur Qul Meurt フルール・キ・ムール 1901 ジャック・ゲラン調香 [57]
Bon Vieux Temps ボン・ビュー・トン 1902 ジャック・ゲラン調香 [57]
Extra-Dry エクストラ・ドライ 1904 ジャック・ゲラン調香 [55]
Voilette de Madame ヴォワレット・ドゥ・マダム 1904 ジャック・ゲラン調香 [57]
Le Mouchoir de Monsieur ル・ムッシュワール・ドゥ・ムッシュー 1904 ジャック・ゲラン調香 [57]
Champs-Élysées シャンゼリゼ 1904 ジャック・ゲラン調香 [57]
Apres L'Onde アプレ・ロンデ (にわか雨の後) 1906 ジャック・ゲラン調香 [57]
Sillage シャージュ 1907 ジャック・ゲラン調香 [57]
Muget ミュゲ 1908 ジャック・ゲラン調香 [57]
Une Rose ユンヌ・ローズ 1908 ジャック・ゲラン調香 [57]
Rue de la Paix リュ・ドゥ・ラ・ペ 1908 ジャック・ゲラン調香 [57]
Le Jardin De Mon Cure ル・ジャルダン・ドゥ・モン・キュレ(私の司祭の庭) 1910 ジャック・ゲラン調香 [62]
Quand vient l'été カンビアン・ラテ 1910 ジャック・ゲラン調香 [57]
Pour Troubler プール・トゥルブレ 1911 ジャック・ゲラン調香 [57]
L'Heure Bleue ルール・ブルー (蒼色の時) 1912 ジャック・ゲラン調香 [63]
Fol Arome フォラローム 1912 ジャック・ゲラン調香 [64]
Jasmiralda ジャスミラルダ 1912 ジャック・ゲラン調香 [65]
Canard カナール(鴨) 1914 ジャック・ゲラン調香 [66]
Vague Souvenir ヴァーグ・スーヴニール(曖昧な記憶) 1916 ジャック・ゲラン調香 [67]
Mitsouko ミツコ 1919 ジャック・ゲラン調香 [68]
Eau de Fleurs de Cedrat オー・デ・フルール・ド・セドラ 1920 ジャック・ゲラン調香 [57]
Guerlinade ゲルリナーデ 1922 ジャック・ゲラン調香 [57]
Bouquet de Faunes ブーケ・ドュ・フォーヌ (牧神の花束) 1922 ジャック・ゲラン調香、香水瓶はルネ・ラリック製作[69] [57]
Candide Effluve カンディド・エフルーヴ 1924 ジャック・ゲラン調香 [57]
Shalimar シャリマー 1925 ジャック・ゲラン調香 [70]
Vega ベガ 1926 ジャック・ゲラン調香 [57]
DJEDI ジェディ 1927 ジャック・ゲラン調香 [57]
Liu リゥ 1929 ジャック・ゲラン調香 [57]
Vol de Nuit ヴォル・ドゥ・ニュイ (夜間飛行) 1933 ジャック・ゲラン調香 [71]
Sous Levent スール・ヴァン 1933 ジャック・ゲラン調香 [57]
A Travers Champs ア・トラヴェル・シャン(野を越えて) 1933 ジャック・ゲラン調香 [72]
Guerlarose ゲラローズ 1934 ジャック・ゲラン調香 [73]
Coque d'Or コック・ドール (金色のリボン) 1937 ジャック・ゲラン調香 [57]
Atuana アトゥアナ 1952 ジャック・ゲラン調香 [74]
Ode オード 1955 ジャン=ポール・ゲラン最初の調香、ジャックと共作[75] [57]
Vetiver ベチバー 1959 ジャン=ポール・ゲラン調香 [76]
Chant D'Aromes シャン・ダローム 1962 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Habit Rouge アビ・ルージュ(赤い乗馬服) 1965 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Chamade シャマード 1969 ジャン=ポール・ゲラン調香 [77]
Eau de Guerlain オー・デ・ゲラン 1974 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Parure パリュール 1975 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
First ファースト 1976 ジャン=ポール・ゲラン調香 [78]
Silences サイエンス 1978 ジャン=ポール・ゲラン調香 [78]
Nahéma ナエマ 1979 ジャン=ポール・ゲラン調香 [79]
Jardins de Bagatelle ジャルダン・バガテール 1983 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Derby ダービー 1985 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Samsara サムサラ 1989 ジャン=ポール・ゲラン調香 [80]
Héritage エリタージュ 1992 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Petit Guerlain プティ・ゲラン 1994 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Un Air de Samsara エール・ド・サムサラ 1995 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Champs-Élysées シャンゼリゼ 1996 ジャン=ポール・ゲラン調香 [57]
Guerlinade ゲルリナーデ 1998
Belle Epoque ベルエポック 1999
Cherry Blossom チェリーブロッサム 1999 ジャン=ポール・ゲラン調香
Aqua Allegoria アクア・アレゴリア 1999 ジャン=ポール・ゲラン他調香 [81]
Météorites メテオリット 2000
L'Instant Guerlain ランスタン・ゲラン(ゲランの瞬間) 2003 モーリス・ルーセル調香 [82]
Insolence アンソレンス 2006 モーリス・ルーセル調香 [83]
Guerlain Homme ゲラン・オム 2008 ティエリー・ワッサー調香
Idylle イディール 2009 ティエリー・ワッサー調香
La Petite Robe Noire ラ・プティット・ローブ・ノワール(モデル3) 2012 ティエリー・ワッサー調香
L'HOMME IDEAL ロムイデアル 2014 ティエリー・ワッサー調香

脚注

  1. その後、1842年に現在のパリ2区ラ・ペ通り15番地に移転し、また、1912年シャンゼリゼ通り、1935年ヴァンドーム広場等に店舗を展開した。
  2. カナ表記はゲラン・ジャポンによる名称。より原音に近いものは「オー・ドゥ・コローニュ・アンペリアル」
  3. 「ブランド研究 (55) ゲラン 香りで時代を包む」 読売新聞 2011年4月29日東京朝刊、朝刊特集A面、21ページ
  4. モリス, 中村 (1992) pp.161-162.
  5. 松井 (1993) p.130
  6. モリス, 中村 (1992) pp.161-163.
  7. Fiona Bell (1998-06-13). The firm that created designer scent TheIndependent. 2012年3月17日閲覧
  8. Exposition d’art contemporain : Guerlain fête ses 180 ans Marie Claire. 2012年3月17日閲覧
  9. 9.0 9.1 9.2 シャザル, 高波 (2010) p.169
  10. 10.0 10.1 ダブ, 新間 (2010) p.226
  11. シャザル, 高波 (2010) p.357
  12. ダブ, 新間 (2010) pp.226-227.
  13. エドワーズ (2005) p.15
  14. Elsa McAlonan (2012-03-08). And all because the lady loves nappy cream... and other tried and tested beauty classics Mail Online. 2012年3月17日閲覧
  15. PERFUMES&COSMETICS GUERLAIN LVMH. 2012年3月17日閲覧
  16. ジョーンズ, 江夏, 山中 (2011) p.23
  17. エドワーズ (2005) pp.16-17.
  18. ジョーンズ, 江夏, 山中 (2011) p.17
  19. モリス, 中村 (1992) p.172
  20. ダブ, 新間 (2010) p.93
  21. シャザル, 高波 (2010) p.171, p.176
  22. ジョーンズ, 江夏, 山中 (2011) p.33
  23. ダブ, 新間 (2010) p.259
  24. 新間 (2010) p.45
  25. エドワーズ (2005) p.56
  26. モリス, 中村 (1992) p.184
  27. モリス, 中村 (1992) p.188
  28. フランス香水委員会 (1994) p.20
  29. ゲラン (2004) p.44
  30. エドワーズ (2005) p.149
  31. ゲラン (2004) p.29
  32. エドワーズ (2005) p.251
  33. モリス (1992) p.255
  34. 「ざん新な化粧品で消費者の心つかむP・ゲラン氏 洗練の美を追求 (発流行人) 」 日経流通新聞1991年4月30日付 27ページ
  35. 松井 (1993) p.137
  36. エドワーズ (2005) pp.251-252.
  37. 「ジャン・ポール・ゲランさん 来日したフランスの名門調香師」 朝日新聞 1990年3月20日朝刊、東京版、22ページ
  38. 文部科学省 (平成6年)によると1992年のIMF為替レートは1フラン=24円、1993年は1フラン=20円である。
  39. 39.0 39.1 「仏ルイ・ヴィトン、「ゲラン」ブランド買収 香水事業を拡大へ。」 日経産業新聞 1994年5月10日付、3ページ
  40. 「「ブランド王国」版図拡大 ヴィトン、セリーヌ買収、ゲランも全株取得。」 日本経済新聞 1996年5月1日夕刊、3ページ
  41. French perfume designer under fire for racial slur CNN (2010-10-16). 2012年3月19日閲覧
  42. Stephanie Rosenbloom (2005-07-21). OPEN FOR BUSINESS - New York and Paris New York Times. 2012年3月17日閲覧
  43. 商標の呼称「ゲルラン」 審決2004年12月14日 - 商標審決データベース
  44. ナヴィインターナショナル (1996) p.17
  45. ゲラン (2004) p.29
  46. 松井 (1993) pp.135-144.
  47. ダブ, 新間 (2010) pp.226-227.
  48. 『ゲラン180周年記念本』 p.13
  49. 『ゲラン180周年記念本』 p.13
  50. 50.0 50.1 シャザル, 高波 (2010) p.113
  51. 香水瓶の図鑑, 原書房 (2014) p.92
  52. 香水瓶の図鑑, 原書房 (2014) p.92
  53. シャザル, 高波 (2010) p.239
  54. モリス, 中村 (1992) p.161
  55. 55.0 55.1 55.2 55.3 55.4 シャザル, 高波 (2010) p.127
  56. 香水瓶の図鑑, 原書房 (2014) p.92
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参考文献

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  • 松井孝司 『フランス香水の旅~香りを創る男たち』 日本放送出版協会 1993年 ISBN 4-14-080105-0
  • フランス香水委員会 (監修) 『香水賛歌 魅惑の薫り』 朝日新聞社 1994年 ISBN 4-02-258576-5
  • ナヴィインターナショナル (著) 『香水ベストコレクション360』 1996年 日本文芸社 ISBN 978-4537017960
  • ジャン=ポール・ゲラン (著) 『ゲラン香りの世界への旅』 フレグランスジャーナル社 2004年 ISBN 978-4894790759
  • マイケル エドワーズ (著) 『パヒュームレジェンド 世界名香物語』 フレグランスジャーナル社 2005年 ISBN 978-4894790872
  • ルカ・トゥリン, タニア・サンチェス (著) 『世界香水ガイド☆1437 「匂いの帝王」が五つ星で評価する』 原書房 2008年 ISBN 978-4-562-04232-6
  • ロジャ・ダブ (著) 新間美也 (監修) 『フォトグラフィー 香水の歴史』 原書房 2010年 ISBN 978-4-562-04548-8
  • ジャン=クロード・エレナ (著), 芳野まい (訳) 『香水 香りの秘密と調香師の技』 白水社 2010年 ISBN 978-4-560-50953-1
  • 新間美也 (著) 『香水のゴールデンルール』 原書房 2010年 ISBN 978-4-562-04599-0
  • マルティーヌ・シャザル (著・監修), 高波眞知子 (著) 『香水瓶の世界 きらめく装いの美』 ロータスプラン 2010年
  • ジェフリー・ジョーンズ (著), 江夏健一・山中祥弘 (監訳) 『ビューティービジネス 「美」のイメージが市場をつくる』 中央経済社 2011年 ISBN 978-4-502-68870-6

外部リンク