グロッグ

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グロッグ英語: Grog)は、ラム酒を水で割った飲み物。近年では、下記のようなカクテルとしても飲まれている。カクテル名はラムに水を混ぜることを考えたイギリス海軍提督のあだ名から付けられた。

由来

大航海時代、長期の航海では樽に入れた飲み水にが生えて飲めなくなるため、船員への水分補給に酒を配給しており、1655年ジャマイカ征服後は、ビールブランデーの代わりにラム酒が飲まれるようになっていった。

イギリス海軍の提督エドワード・バーノンEnglish版は、航海中に何日か分の酒を一気に飲み干した者がいたため、ラム酒(rum)を水で割って配給する事にした(1740年8月21日)。これは船員には不評で、提督の着ていたグログラムという絹と毛の混紡の粗い布地の上着(Grogram coat)から"Old Grog"というあだ名が提督に付き、この飲み物は"Grog"と呼ばれるようになったという(ラム酒のエピソード項参照)。

後にレシピにレモン等シトラス系の果汁が入ったのは、果汁が壊血病を防ぐと信じられていたためである(実際に壊血病はビタミンC摂取で予防できるが、果汁のビタミンCでは効果が薄い)。イギリス海軍では1970年までグロッグの配給を続けた。また、ロバート・スミスによってアメリカ海軍にも採用され、採用者のあだ名で呼ばれた事にちなみ、グロッグを「ボブ・スミス(Bob Smith)」と呼んだ(通常、Robertの愛称はBobになる)。

北欧諸国などではグリューワイン(ホットワイン)を「グロッグ」(テンプレート:Lang-da-shortテンプレート:Lang-no-short)と称す。

また、酔ってふらふらの状態をグロッキーと呼ぶ事があるが、グロッグを飲み酩酊状態に陥った者という意味の「グロッギー(groggy)」が転訛したものである。

標準的なレシピ

作り方

  1. 温めたタンブラーに、ラム、レモン・ジュースを注ぐ。
  2. 角砂糖、シナモン・スティックを入れる。
  3. 熱湯で満たす。
  4. ステアする。
  5. クローブ3、4粒を浮かべる。

備考

  • 各材料の割合は、飲む人の好みに応じて増減される場合もある。

バリエーション

コーヒーにラムを入れたもの(ラムのコーヒー割り)を、コーヒー・グロッグと呼ぶ。ただし、通常はラムの他に適量の砂糖やバターを加える[1]。このコーヒーにラムを入れるという飲み方は特に北ヨーロッパで好まれている[2]。なお、バターの代わりに生クリームを使う場合もある[1]

出典

  1. 1.0 1.1 柄沢 和雄 『コーヒードリンク246』 p.49 柴田書店 1995年8月10日発行 ISBN 4-388-05755-X
  2. 柄沢 和雄 『コーヒードリンク246』 p.153 柴田書店 1995年8月10日発行 ISBN 4-388-05755-X

参考文献

  • 社団法人日本バーテンダー協会編著 『ザ・カクテルブック』発行:株式会社柴田書店 1991年12月10日初版(ISBN 4-388-05666-9)

外部リンク