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'''カオトロピック'''(chaotropic、chaotrope)とは、水分子間の相互作用を減少させ、それによる構造を不安定化させる物質のことである。即ち、水の[[エントロピー]]を増大させるような[[溶質]]のことである。これらの中には、[[タンパク質]]間、[[水素結合]]、[[ファン・デル・ワールス力]]や[[疎水結合]]などに影響を与えることにより、その[[分子構造]]を不安定化するものもある。対立概念はコスモトロピック(kosmotropic)である。
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水分子間の相互作用を減少させ、それによる構造を不安定化させる物質のことである。即ち、水の[[エントロピー]]を増大させるような[[溶質]]のことである。これらの中には、[[タンパク質]]間、[[水素結合]]、[[ファン・デル・ワールス力]]や[[疎水結合]]などに影響を与えることにより、その[[分子構造]]を不安定化するものもある。対立概念はコスモトロピック(kosmotropic)である。
  
 
代表的なカオトロピック試薬としては、[[グアニジニウム]][[イオン]]、[[尿素]]、[[ヨウ化物イオン]]などがあり、これらは蛋白質や[[核酸]]の[[変性剤]]、あるいは[[アガロース]][[ゲル]]の溶解剤などとして利用される。
 
代表的なカオトロピック試薬としては、[[グアニジニウム]][[イオン]]、[[尿素]]、[[ヨウ化物イオン]]などがあり、これらは蛋白質や[[核酸]]の[[変性剤]]、あるいは[[アガロース]][[ゲル]]の溶解剤などとして利用される。
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[[水和]]による[[自由エネルギー]]変化が大きい方がカオトロピック性が大きい傾向があり、イオン性物質のカオトロピック性の傾向は[[塩析]]の起きやすさを表す[[ホフマイスター系列]](離液系列)とほぼ逆の関係になる。
 
[[水和]]による[[自由エネルギー]]変化が大きい方がカオトロピック性が大きい傾向があり、イオン性物質のカオトロピック性の傾向は[[塩析]]の起きやすさを表す[[ホフマイスター系列]](離液系列)とほぼ逆の関係になる。
  
== 外部リンク ==
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* [http://www.lsbu.ac.uk/water/kosmos.html Kosmotropes and Chaotropes] ([http://www.lsbu.ac.uk/water/index2.html 水の構造と振るまい]) 英語
 
 
 
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2018/10/9/ (火) 11:20時点における最新版

カオトロピック(chaotropic、chaotrope)

水分子間の相互作用を減少させ、それによる構造を不安定化させる物質のことである。即ち、水のエントロピーを増大させるような溶質のことである。これらの中には、タンパク質間、水素結合ファン・デル・ワールス力疎水結合などに影響を与えることにより、その分子構造を不安定化するものもある。対立概念はコスモトロピック(kosmotropic)である。

代表的なカオトロピック試薬としては、グアニジニウムイオン尿素ヨウ化物イオンなどがあり、これらは蛋白質や核酸変性剤、あるいはアガロースゲルの溶解剤などとして利用される。

水和による自由エネルギー変化が大きい方がカオトロピック性が大きい傾向があり、イオン性物質のカオトロピック性の傾向は塩析の起きやすさを表すホフマイスター系列(離液系列)とほぼ逆の関係になる。



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