エートス

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エートス (古希: ἦθος, ἔθος; ethos, 複: ἤθη ἤθεα; ethe, ethea)

一般に「性格」と訳されるギリシア語であるが,アリストテレス倫理学では,その品位を選択 (プロアイレシス) によって判定しうるような,個人の本来的あり方をさし,ある場合には一時的な感情 (パトス) ,ある場合には知性 (ディアノイア) と対比される。この意味では,エートスは習慣づけ (エトス ) によって確立された持続性,恒常性をもつが,他方,より生得的な性格を表わす場合もある。エートスはまた人間の集団についても用いられ,その倫理的特徴をさす。以上が古代におけるエートスの基本的意味であるが,近代においては,1つの社会,民族の特色をなす性質,道徳をさす社会学的,人類学的用語としても用いられる。このような意味を明確化したのは M.ウェーバーである。訳語は必ずしも一定せず,ときに応じて「経済倫理」「宗教倫理」,より広く「精神的雰囲気」などと訳出されている。その意味するところはまず,なんらかのあるべき姿をさし示す「倫理」 ethicsとは区別された,本人の自覚しない日常的生活態度であり,また「激情」 pathosとも対立的なものである。日常的生活行動や生活態度を最奥部で規定し,常に一定の方向に向わせる内面的原理を意味する。



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