イマジン (ジョン・レノンの曲)

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イマジン」(Imagine)は、1971年に発表されたジョン・レノンの楽曲である。

解説

ジョンのソロ時代のアルバムイマジン』のタイトル・ナンバーである。ジョンのソロ作品の中で極めて人気が高く、1999年BMIは "Imagine" を top 100 most performed songs of the 20th centuryとした。2002年にはギネスブックを発行しているギネス・ワールド・レコーズ社が31,000人以上から取った「英国史上最高のシングル曲は?」というアンケートの結果、「ボヘミアン・ラプソディ」に次ぐ第2位を獲得し、2004年に『ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌が選んだ「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(The RS 500 Greatest Songs of All Time)」では3位にランクされた。2005年1月に the Canadian Broadcasting Corporation はリスナーによる投票で本作を過去100年のうちで最も偉大な歌とした。

ジョンは完成当時「やっと(ポール・マッカートニー作の)イエスタデイみたいないい曲ができた」と喜んだという[1]。なお、「イマジン」の原曲はビートルズ在籍時にすでに存在しており、1969年の「ゲット・バック・セッション」で演奏されたテープが残されている。

レコーディングではジョンがボーカルピアノを担当し、クラウス・フォアマンベースを、アラン・ホワイトドラムを演奏した。

歌詞

国家宗教所有欲によって起こる対立や憎悪を無意味なものとし、曲を聴く人自身もこの曲のユートピア的な世界を思い描き共有すれば世界は変わる、と訴えかける。人類愛平和を勧める歌として多くの人々に愛唱されてきたが、共産主義的思想であるという批判も存在し、ラジオテレビなどでは時に放送禁止になったりもする。その反面、ジョンは1971年の政治家などの公人の靖国参拝が近隣諸国との間で問題化していなかった時期にオノ・ヨーコに勧められて靖国神社を訪れたとされており、この曲の歌詞が日本神道に影響されたものなのではないかとも言われているなど、様々な説が存在している[2]

「Imagine (想像しなさい)」と呼びかける形で始まる歌詞[※ 1]について、ジョンは、オノ・ヨーコの詩集『グレープフルーツ』から拝借したと語った。ヨーコの詩集『グレープフルーツ』の中にある詩「ツナフィッシュ・ピース・サンドウィッチ」には「想像して、千の太陽が一度にのぼるところを…」というくだりがあり、ジョンはそのフレーズがいたく気に入って曲のタイトルなどに使用したという訳である。ヨーコが第二次世界大戦時を東京で過ごしたことが、その平和希求の歌詞に反映したのではないかともいわれている[※ 2]

近年、曲の歌い出しである「天国は存在しない」の部分が葬儀にふさわしくないとして、イギリスの葬儀では使用が禁止されている[※ 3]

「宗教もない」については、死の直前のインタビューで「完全に自由な信仰」だとジョン・レノンは語った[※ 4]

シングル盤

1971年、「イッツ・ソー・ハード」とのカップリングでアメリカ日本などでシングル・カットされた。アメリカでは最高第3位であった。イギリスでは、アルバム『ジョンの魂』収録曲「労働階級の英雄」とのカップリングで4年後の1975年になってシングルとして発売され、最高第6位、ジョンの死後の1981年にチャートに再登場して全英1位となった。映画のサウンドトラック・アルバムに収録されシングル・カットと何度もリエントリーされそのたびに世界各地のヒット・チャートをにぎわした。

カバー

本作には「イエスタデイ」、「サムシング」と並び膨大な量のカバーが存在し、クイーンボン・ジョヴィニール・ヤングデヴィッド・ボウイマドンナアヴリル・ラヴィーンア・パーフェクト・サークルRCサクセション布施明が演奏している。また、あくまでテレビの演出の一環としてであるが、クリントン大統領もカバーした。2003年の『Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ』では、本木雅弘がこの曲の日本語訳の詞を朗読した。2007年には、本木の義母樹木希林も同様に日本語訳を朗読した。最近では、アウラ・ヴェーリスによる「イマジン~ピアノとチェロによるジョン・レノン・クラシックス」(日本コロムビア:2012年12月)での収録がある。

補足

脚注

  1. 1963年にジョンは、"Imagine"同様に「想像しなさい」と呼びかける形で始まる楽曲"I'll Get You"を発表している(ポール・マッカートニーとの共作名義)。その歌詞は"Imagine I'm in love with you, it's easy cause I know." と続く。
  2. 発表当時、本曲の作詞者にヨーコの名は加えられていなかったが、後にジョンは「あの当時は自分勝手で男性的だった」とヨーコを署名に加えなかったことを恥じていたという。このことが影響してか、2017年6月に本作はヨーコとの共作と認定されている。元となったヨーコの詩集『グレープフルーツ』は曲が発表された年にイギリスで発行されている。
  3. イギリスの大手葬儀社「Co-operative Funeralcare」の調査による。
  4. アメリカ合衆国のキリスト教徒には "(Nothing to kill or die for) and no religion, too" の一節が嫌悪され、カバーされる場合において、節そのものが削除されたり、極端な場合では"no"が"one"に変えられたりすることがある、とデズモンド・モリスは述べた(出典:リチャード・ドーキンス神は妄想である』P10より)。他にも、2011-12年のニューヨークの新年カウントダウンイベントではシーロー・グリーンが当節を "and All religion's true" に変えて歌い、賛否両論を受けた。インタビューによれば、楽曲に権利を持つオノ・ヨーコは歌詞の改変を認めていない。

出典

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