ja>EKMK |
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| − | {{Infobox_経済学者
| + | マーシャル |
| − | <!-- 分野 -->
| + | Marshall， Alfred |
| − | |地域 = [[イギリス]]の[[経済学者]]
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| − | |時代 =
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| − | |color= indigo
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| − | <!-- 画像 -->
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| − | |image_name = Alfred Marshall.jpg
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| − | |image_caption =
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| − | <!-- 人物情報 -->
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| − | |名前 = アルフレッド・マーシャル
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| − | |生年月日 = {{生年月日と年齢|1842|7|26|no}}
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| − | |没年月日 = {{死亡年月日と没年齢|1842|7|26|1924|7|13}}
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| − | |学派 = [[新古典派経済学|新古典派経済学(ケンブリッジ学派)]]
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| − | |研究分野 =
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| − | |影響を受けた人物 = [[レオン・ワルラス]]<br/>[[ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ]]<br/>[[ヴィルフレド・パレート]]<br/>[[ジュール・デュピュイ]]
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| − | |影響を与えた人物 = [[ジョン・メイナード・ケインズ]]<br/>[[アーサー・セシル・ピグー]]
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| − | |特記すべき概念 = [[一般均衡理論]]における価格と需要の変動分析<br/>[[貨幣数量説]]への貢献（マーシャルの ''k'' ）
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| − | }}'''アルフレッド・マーシャル'''（{{lang-en|Alfred Marshall}}、[[1842年]][[7月26日]] - [[1924年]][[7月13日]]）は、[[イギリス]]の[[経済学者]]。[[新古典派経済学|新古典派]]の[[経済学]]を代表する研究者。[[ケンブリッジ大学]]教授を務め、[[新古典派経済学|ケンブリッジ学派]]と呼ばれる学派を形成した。同大学の経済学科の独立にも尽力した。主著は、『経済学原理』（''"Principles of Economics"'', [[1890年]]）。[[ジョン・メイナード・ケインズ]]や[[アーサー・セシル・ピグー]]を育てたことでも知られる。
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| − | マーシャルは、彼の時代において最も有力な経済学者の一人となった。彼の主著『経済学原理』では[[需要と供給]]の理論、すなわち[[限界効用]]と生産費用の首尾一貫した理論を束ね合わせた。この本は長い間、イギリスで最も良く使われる経済学の教科書となった。
| + | [生] 1842.7.26. ロンドン<br> |
| | + | [没] 1924.7.13. ケンブリッジ<br> |
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| − | ==伝記==
| + | イギリスの経済学者，[[ケンブリッジ学派]]の始祖。ケンブリッジのセント・ジョーンズ・カレッジで数学を専攻し，1865年第2位で卒業して同カレッジのフェローに選ばれた。 |
| − | マーシャルは、[[1842年]]ロンドンのベルモンジー ([[:en:Bermondsey|Bermondsey]]) で生まれた。ロンドン郊外のクラパン ([[:en:Clapham|Clapham]]) で成長し Merchant Taylor's School で教育を受け、そこで[[数学]]に対する素質を現した。父は息子に[[聖職者]]となることを望んでいたものの、マーシャル自身は数学研究を志し、[[ケンブリッジ大学]]への合格で彼に学問の道を取らせた。
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| − | [[1868年]]に[[道徳科学]]担当の講師に任命され、更にケンブリッジに創設された [[w:Newnham College, Cambridge]]（女性向けカレッジ）において経済学の講師となった。その傍ら、経済学の数学的厳密さについての研究を進め経済学をより科学的なものにする様努める。
| + | 77～81年ブリストルのユニバーシティ・カレッジの学長兼経済学教授，83～85年オックスフォードのベリオル・カレッジのフェロー兼経済学講師を経て，85年ケンブリッジ大学教授。 90年王立経済学会の設立やその機関紙"Economic Journal"の発刊にも尽力し，91～94年王立労働委員会委員をつとめる。最初は分子物理学の研究を意図したが，グロート・クラブに加入した頃 (1867) から社会の貧困問題を契機に哲学，倫理学，心理学を研究し，70年代初めに経済学に定着。その後は理論面の研究を進める一方，新興国における保護主義の実情視察のため渡米，この頃からアメリカ，ドイツの台頭によってイギリスの産業上の主導権の急速な失墜に関心をもつようになった。 |
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| − | [[1877年]]にカレッジでの教え子だった[[w:Mary Paley Marshall|メアリ・パレー]]と結婚するが、フェローの独身規定によって退職を余儀なくされ、ブリストルに新設された University College で校長となって、そこで再び経済学の講義を行った。
| + | 主著『経済学原理』 Principles of Economic (90) の公刊で経済学者として不動の地位を確立したが，その基礎となった処女作であり，夫人 M.P.マーシャルとの共著"The Economic of Industry" (79) も注目されている。彼の経済学はしばしば部分均衡理論として特徴づけられているが，これはその供給面の分析，特に時間要素の取扱いと密接な関連をもつ。 |
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| − | 1870年代にマーシャルは国際貿易と保護主義の問題点に関して何冊か[[リーフレット]]を著したが、[[1879年]]にこれらの著作の多くをまとめて『外国貿易の純粋理論: 国内価値の純粋理論』(''"The Pure Theory of Foreign Trade: The Pure Theory of Domestic Values"'' ) を公刊。
| + | 長期にわたる研究の成果である『産業貿易論』 Industry and Trade: A Study of Industrial Technique and Business Organization，and Their Influences on the Conditions of Various Classes and Nations (1919) と『貨幣・信用及び商業』 Money，Credit and Commerce (23) もマーシャル経済学の必読書。 |
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| − | 同じく1879年、妻と共に『産業経済学』(''"The Economics of Industry"'' ) を公刊、洗練された理論的基礎に立脚していたこの本はそれまで支配的であった[[ジョン・スチュアート・ミル]]の『経済学原理』に代わる地位を得、毎年のごとく増刷された。
| + | *[[価値と効用]] |
| − | マーシャルはこの著作によって大きな名声を得、[[1882年]]に[[ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ]]が死去すると、彼の時代において英国を代表する経済学者となった。
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| − | マーシャルは{{仮リンク|ヘンリー・フォーセット|en|Henry Fawcett}}が死去すると、[[1884年]]12月にケンブリッジ大学の政治経済学教授に選出され翌年の[[1885年]]1月にケンブリッジへ戻り、2月には教授就任講演を行った。 ケンブリッジでは、経済学のための新しい学科の創設に努力し、[[1903年]]にようやく実現した。この時まで、経済学は歴史と道徳科学の学士課程の下で教えられており、経済学に精力的で専門化された学生達がマーシャルが望むようには育ちにくかった。
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| − | マーシャルは[[1881年]]、彼の畢生の著作、『経済学原理』の著作に取り掛かり、それからの10年の多くをこの著作の完成のために費やした。その著作についての計画は徐々に拡張され、経済学の全体系を含む別の二巻本として公刊されることになる。
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| − | 第一巻は[[1890年]]に出版され、世界的な喝采を受けて、彼の時代における主要な経済学者の一人としての地位を確立した。
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| − | 第二巻では外国貿易、貨幣、貿易変動、課税、および集産主義が取り上げられる予定で、第一巻を刊行してから20年以上、彼は『経済学原理』の第二巻の完成に精力を傾けた。だが、細部に対しても妥協なく注意を払う完全主義的性格が災いし<ref>この様な性格から、1890年代の大蔵大臣のための貿易政策に関するメモなど、マーシャルの著作には未完で終わったものが多い</ref>、未完に終わった。
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| − | 彼の健康問題は[[1880年代]]から徐々に悪化し、[[1908年]]には彼は教授職を自発的に退き、後任教授にピグーが選出されるように奔走した。彼は『経済学原理』の著作を続けることを望んだが、彼の健康は悪化し続け、計画は個々の更なる研究によって増大し続けた。
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| − | [[1914年]]の[[第一次世界大戦]]の勃発は彼に国際経済の診断を改訂するよう促し、[[1919年]]に彼は『産業貿易論』<ref>原題『産業と貿易：産業技術とビジネス機構、及び様々な階級と国民の状態に関するその影響』, ''"Industry and Trade : A Study of Industrial Technique and Business Organization, and their Influences on the Conditions of Various Classes and Nations"''</ref>を77歳にして出版した。この著作はより理論的な『経済学原理』に比べてより実証的なものであり、そのため理論経済学者達から同様の喝采を引き付けることはできなかった。
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| − | 死去する前年の[[1923年]]には『貨幣・信用及び商業』(''"Money, Credit, and Commerce"'' ) を出版した。これは、過去半世紀に亘って出版したものと、出版しなかった経済学的着想を含んだものである。
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| − | マーシャルはケンブリッジの自宅である Balliol Croft で、1924年7月13日に81歳で死去した。
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| − | ==理論的貢献==
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| − | マーシャルの経済学は[[ジョン・スチュアート・ミル]]、[[アダム・スミス]]、および[[デヴィッド・リカード]]の著作の拡張だった。彼は[[ヴィルフレド・パレート]]や[[ジュール・デュプイ]]のような、他の経済学者の彼の著作への寄与を軽視し、彼自身に対する[[ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ]]の影響を渋々認めただけだった。
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| − | 経済思想の歴史におけるマーシャルの影響は否定し難い。彼は、供給と需要の関数に対する価格決定について厳格に取り組んだ最初の経済学者であり、近代経済学者は価格のシフトと需給曲線のシフトの間の関係の解明をマーシャルに負っている。マーシャルは「限界革命」の重要な参与者であり、「消費者が各々の[[限界効用]]に対して同じ価格となるように試みる」という着想は、彼のもう一つの貢献である。
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| − | 需要の[[弾力性|価格弾力性]]は、これらの着想の拡張として、マーシャルによって初めて明瞭に概念化されたものである。[[生産者余剰]]と[[消費者余剰]]に分配された経済福利は、マーシャルによる貢献であり、実際、2つは時折「マーシャルの余剰」と評される。彼はこの余剰の着想を、課税と価格シフトが市場福利に与える影響の厳格な分析に用いた。
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| − | ただし晩年のマーシャルは、効用の加測性を前提としたこの概念の現実適用性には消極的な態度をとった。彼はまた、準地代を識別した。
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| − | ==マーシャルのkと所得流通速度==
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| − | [[File:Marshall - Elements of economics of industry, 1892 - 5745225.tif |thumb|''Elements of economics of industry'', 1892]]
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| − | [[貨幣数量説]]における[[フィッシャーの交換方程式]]：
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| − | :<math>MV = PT</math>
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| − | を {{mvar|V}} について解くと、
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| − | :<math>V = \frac{PT}{M} </math>
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| − | より {{mvar|V}} とは、財の取引額 {{mvar|PT}} とマネーサプライ {{mvar|M}} の比として捉えることができる。ここで {{mvar|P}} は[[物価|価格]]水準、{{mvar|T}} は取引量である。
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| − | この {{mvar|V}} は貨幣の'''取引流通速度''' ({{en|Velocity of circulation of money}}) と呼ばれる<ref>貨幣を回転させた、使った回数と考えても良い</ref>。
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| − | 一般的には [[GDP]] と関連させ、財の取引量 {{mvar|T}} を実質GDP {{mvar|Y}} に置き換え以下のように表すことが多い。
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| − | :<math>MV = PY\,.</math>
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| − | 同様に流通速度 {{mvar|V}} について解くと、
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| − | :<math>V=\frac{PY}{M} </math>
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| − | {{mvar|V}} は名目GDP {{mvar|PY}} とマネーサプライ {{mvar|M}} の比として表せる。この {{mvar|V}} は貨幣の'''所得流通速度''' ({{en|Income velocity of money}}) と呼ばれる。
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| − | ここで流通速度の逆数 {{math|1/''V''}} を {{mvar|k}} とすると、交換方程式より、名目GDPおよびマネーサプライとの関係は次のようになる。
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| − | :<math>k=\frac{M}{PY}</math>
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| − | この {{mvar|k}} はマーシャルの {{mvar|k}} と呼ばれる。名目 GDP に対するマネーの割合であり、この値が {{math|1}} であればマネーサプライと名目 GDP が等しくなる。
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| − | また GDP に含まれない取引があるため、所得流通速度は取引流通速度より小さい<ref>[[アルフレッド・マーシャル#Dornbusch|ドーンブッシュ、フィッシャー]]。</ref>。
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| − | ただし、GDPに含まれない取引を除外する場合、{{math|''T'' {{=}} ''aY''}} ({{mvar|T}}：財の取引量 {{mvar|a}}：定数, {{mvar|Y}}：実質GDP) と表すとき、定数 {{mvar|a}} は {{math|1}} と仮定する ({{math|''T'' {{=}} ''Y''}} )。
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| − | マーシャルの {{mvar|k}} の推移から、現在の経済でマネーが過剰なのか不足しているのかを調べる際の指標となる。
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| − | 尚、マーシャルにおける元々の式
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| − | :<math>M\!d = kpY + kA</math>
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| − | は（{{mvar|Md}} : 貨幣需要、{{mvar|A}} : 資産総額）<!--岩波経済学小辞典「マーシャルのK」参照-->、のちの[[ケインズ]]における[[貨幣需要]]関数（''貨幣需要 = 取引需要 + 投機的(資産)需要''<!--L=L1(Y)+L2(r)-->）の原形といわれる。
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| − | ==人物==
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| − | ジョン・スチュアート・ミルの著作を読むことによって、社会正義を主張したミルに共鳴し、人間の内面的な幸福・豊かな生活を得るためどうすればよいかということを考えるようになった<ref name="kadaikaimei71">[[アルフレッド・マーシャル#Tachibanagi|橘木 (2012)]]、71頁。</ref>。また、ロンドンの貧民街を自分の目で見たことにより、人々を貧困から救済したいという使命感から、経済学の研究へ転向した<ref name="kadaikaimei71" />。ミクロの価格理論などの分析手法を用いて、労働者の低賃金を高くする、或いは過酷な労働を和らげることを目標としたのがマーシャルの経済学である<ref>[[アルフレッド・マーシャル#Tachibanagi|橘木 (2012)]]、73頁。</ref>。
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| − | またマーシャルは、理論が現実から乖離すれば「単なる暇つぶし」に過ぎないとしており、現実の課題と理論上の問題を混同しないように警告していた<ref>日本経済新聞社編 『世界を変えた経済学の名著』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、201頁。</ref>。
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| − | 1890年から彼が死去する1924年まで、彼は経済学の専門職の尊敬される父であり、彼の死後も半世紀に亘り、ほとんどの経済学者にとって尊敬すべき祖父であった。彼はその生涯を通じて、彼以前の経済学の指導者達がためらわなかったような論争を、ある意味で避けた。彼の公平さが経済学者仲間からの大きな尊敬と公平な崇敬を作り上げ、Balliol Croftと名付けられた彼の自宅は来賓で絶えることがなかった。
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| − | ケンブリッジでの彼の学生達は、[[ジョン・メイナード・ケインズ]]や[[アーサー・セシル・ピグー]]を含む、経済学史上の大物となった。彼の最も重要な遺産は、20世紀の残りの期間に亘って経済学の分野の気風を作る、尊敬され、学術的で、科学的根拠に基いた経済学者達のための専門職を創設したことである。
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| − | マーシャルに可愛がられたケインズは、後に彼のことをこう評した。
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| − | {{Quotation|説教者としてまた人間の牧師として、彼はほかの同様な人物よりも格別優れていた訳ではない。しかし科学者としては、彼はその専門の分野において、百年間を通じて世界中で最も偉大な学者であった。にもかかわらず、彼自身好んで優位を与えようとしたのは彼の本性の第一の側面であった。・・・鷲のような鋭い眼と天翔ける翼とは、道を説く人の言い付けに従うためにしばしば地上に呼び返された|ケインズ『人物評伝』東洋経済新報社}}
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| − | == 語録 ==
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| − | *「経済学者は、cool head, but warm heart 冷静な頭脳と温かい心 を持たねばならない」（1885年ケンブリッジ大学経済学教授の就任講演）<ref>[[#Marshall1885|Marshall (1885)]], p. 57.</ref>
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| − | ==脚注==
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| − | {{reflist}}
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| − | ==参考資料==
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| − | *{{cite book|和書|author=ルディガー・ドーンブッシュ、スタンリー・フィッシャー|translator=廣松毅|title=マクロ経済学|publisher=シーエーピー出版|ref=Dornbusch}}
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| − | *{{cite book|author= Alfred Marshall|title=The present position of economics : an inaugural lecture given in the Senate House at Cambridge, 24 February, 1885|publisher=Macmillan and Co.|year=1885|ref=Marshall1885}}
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| − | *{{cite book|author=橘木俊詔|title=朝日おとなの学びなおし 経済学 課題解明の経済学史|publisher=朝日新聞出版|year=2012|ref=Tachibanagi}}
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| − | *{{cite book|和書|author=橋本昭一|title=マーシャル経済学|publisher=ミネルヴァ書房|isbn=4623020452|ref=Hashimoto}}
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| − | ==関連項目==
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| − | *[[新古典派経済学]]（ケンブリッジ学派）
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| − | *[[レオン・ワルラス]]
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| − | *[[ジョン・メイナード・ケインズ]]
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| − | *[[アーサー・セシル・ピグー]]
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| − | {{新古典派経済学者}}
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| − | {{Normdaten}}
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| | {{DEFAULTSORT:ましやる あるふれつと}} | | {{DEFAULTSORT:ましやる あるふれつと}} |