アメリカ州の先住民族

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ファイル:Amerikanska folk, Nordisk familjebok.jpg
「南北アメリカ州の先住民」の総覧肖像画(1904年)

アメリカ州の先住民(アメリカしゅうのせんじゅうみんぞく、カナダ英語: First Nations、アメリカ英語: Native Americansスペイン語: Indígenas de Américaポルトガル語: Índio, indígena)は、ヴァイキングクリストファー・コロンブスによるアメリカ本土への到達以前からアメリカ州に住んでいる諸民族を指す。

概要

「アメリカ州の先住民族」には、「インディアンインディオ」と「エスキモー・アレウト人エスキモーアレウト)」、「ハワイ原住民」がいる。またアメリカ州ではないが、アメリカ合衆国チリが領有する太平洋の島々には「アウストロネシア人ポリネシア人チャモロ人トンガ人ミクロネシア人など)」がいる[1]

なかでもエスキモーやアレウト族、太平洋諸島民を除くアメリカ本土の民族を、北米ではインディアンまたはインディオと呼ぶ。ただし日本語では、「インディアン」は北米本土の先住民、「インディオ」は中南米の先住民をさすことが多い。現代では白人種や黒人種、アジア人種等との混血が進んでいる。

インディアンやエスキモー、アレウトの場合、アメリカ連邦政府が「インディアン部族」、「エスキモー部族」、「アレウト」として認める部族のみが、アメリカ内務省の指定保留(reserve)した保留地(Reservation)を領有している。内務省が条約関係を打ち切り「絶滅部族」として認定しない部族は、保留地を持てず、各州に散って暮らしている。カナダ連邦におけるインディアン、イヌイットも同様である。

インディアンとその言い換えについてはインディアンの項を参照。インディオとその言い換えについてはインディオの項を参照。

起源

インディアン/インディオもエスキモー・アレウトも、人種的にはモンゴロイドであり[2]、遺伝的には東アジアの諸民族に最も近い。Y染色体ハプログループはほとんどをQ系統が占める。一般に、アメリカ州への先住民族の移住は1.アメリンド、2.ナ・デネ、3.エスキモー・アレウトの3波が存在したと考えられている。

  1. インディアン/インディオの祖先は、約2万5000年前にシベリアに進出したモンゴロイドである。当時は最終氷期の最盛期で、現在のベーリング海は陸地のベーリンジアになっており、ユーラシア大陸からアラスカに歩いて移民できた。ベーリング海峡が海に戻った1万4000年前より前に、彼らはアラスカまで進出したはずだが、考古学的証拠は乏しく正確な時期は特定できない。約1万5000年前、古モンゴロイドはカナダを超えアメリカ合衆国本土へ渡り、クローヴィス文化の担い手のパレオインディアンとなった。彼らがインディアン/インディオの直接の祖先であり、1000年で南米南端まで広がった。近年では最初期のアメリカ先住民(アメリンド)はアメリカ西海岸を氷床を避けて南下していったとする見方が有力である。ただし論争はあるものの、クローヴィス以前の可能性がある遺跡がいくつか見つかっており、パレオインディアン以前の住民がいた可能性もある。インディアン/インディオの遺伝的多様性はクローヴィスより古い起源を示唆しており、彼らがインディアン/インディオの祖先の一部となった可能性もある。
  2. ナデネ語族を話すディネはアメリカ大陸における移住拡散の第2派と考えられる。ハプログループQに加え、ハプログループC2 (Y染色体)を中頻度に保有する。
  3. エスキモー・アレウトは、おそらく比較的最近にシベリアからアラスカに進出し、グリーンランドまで拡散した。寒冷な気候に適応して進化した新モンゴロイドである。
  4. また、紀元前にヨーロッパから北米に移住があったとする見方もあり[3]、遺伝子からも、欧州に多いY染色体-RmtDNA-Xが北米東部でかなりの頻度で観察されることから、有史以前のある時期にヨーロッパからの直接移住が存在した可能性が窺える。
  5. 加えて南米原産のサツマイモがコロンブス以前のポリネシアから発見されていることから、ポリネシア人が南アメリカ大陸から持ち込んだと考えられ、南アメリカ大陸と交流があったと思われるが、ポリネシア人がアメリカ先住民の遺伝子プールに与えた影響などは不明である。

なお、インディアンの神話伝説では「亀の島」(アメリカ大陸のこと)が水の中から隆起した時に、その中心から現れた人類の祖先こそインディアンであると伝えている[4]

アメリカ先住民の分類: アメリカ合衆国とカナダ

アメリカ合衆国およびカナダの在来の民族を、アメリカ合衆国の領有する太平洋諸島の民族を無視して、共有される文化的特性を備えた10の地理的な地方に分類するのが一般の民族史学者の見解であったが、現在は太平洋諸島民を含む11の地理的分類が通例となっている。

北極のエスキモー、イヌイット、アレウト

亜北極のエスキモー、インディアン、イヌイット

カリフォルニアのインディアン

東部森林地帯のインディアン

ファイル:Abenaki Tribe.jpg
伝統衣装をまとったアベナキ族男性

グレートベースン(盆地)のインディアン

北西高原地帯のインディアン

北西太平洋岸のインディアン

大平原地帯のインディアン

ファイル:Portrait of Red Bird.jpg
伝統衣装をまとったスー族の戦士、ジトカラ・サ(19世紀の撮影)

南東部のインディアン

南西部のインディアン

太平洋諸島のポリネシアン、チャモロ、トンガン、ミクロネシアン

ファイル:Gadao Guam.jpg
グアムの英雄ガダオの像

ハワイ州以外はアメリカ合衆国の州ではなく、アメリカ合衆国の海外領土であることに注意。

アメリカ先住民の分類:中南米

中南米の先住民は、言語、環境及び文化的類似性によって分類するのが一般的である。

カリブ・インディアン

中米のインディアン・インディオ

ファイル:BenitoJuarez.jpg
メキシコ・インディアン初の大統領、ベニート・フアレスサポテカ族

アンデスのインディオ

ファイル:Kichwa Ecua 06.jpg
ケチュア族の女性

サブアンデスのインディオ

アマゾン川流域のインディオ

アマゾン川流域西部のインディオ

アマゾン川流域中央部のインディオ

アマゾン川流域東部及び南部のインディオ

南米大陸南部(パンパ,パタゴニア,南端部)の先住民

言語

エスキモー・アレウトの言語は1つの語族エスキモー・アレウト語族を構成する。インディアン/インディオの言語は非常に多様であり、分類が進んでいない。

その他、孤立した言語も多数ある。

脚注

  1. アメリカ内務省BIA公式規定より
  2. ただし北米東部に関して、古くからコーカソイドが混血しているとする見方がある(バリー・フェル(著)、喜多迅鷹・元子(訳)『紀元前のアメリカ』(1981)草思社)
  3. バリー・フェル(著)、喜多迅鷹・元子(訳)『紀元前のアメリカ』(1981)草思社
  4. 『太ったインディアンの警告』(エリコ・ロウ、NHK出版)

関連項目

外部リンク

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