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{{生物分類表
 
|名称 = アヒル
 
|画像=[[ファイル:Duck0001.jpg|210px]]
 
|画像キャプション=アヒル ''Anas platyrhynchos var.domesticus''
 
|省略=鳥綱
 
|目 = [[カモ目]] [[:en:Anseriformes|Anseriformes]]
 
|科 = [[カモ科]] [[:w:Anatidae|Anatidae]]
 
|属 = [[マガモ属]] [[:w:Anas|Anas]]
 
|種 = '''[[マガモ]]''' ''[[w:Anas platyrhynchos|Anas platyrhynchos]]''
 
|品種 = '''アヒル'''
 
|学名 = ''Anas platyrhynchos var.domesticus''
 
|和名 = アヒル
 
|英名 = [[:en:Domestic duck|Domestic Duck]]
 
}}
 
  
'''アヒル'''(鶩、または家鴨)は、[[水鳥]]の[[カモ科]]の[[マガモ]]を原種とする[[家禽]]で、生物学的にはマガモと同種である。[[ヨーロッパ]]や[[中国]]などで[[飼育]]が始まり、飼育が容易なこともあり、世界中で幅広く飼育されている。
+
'''アヒル'''(鶩、または家鴨)
  
== 生態 ==
+
カモ目カモ科。[[マガモ]]を原種として家禽化([[家禽]])された[[カモ]]。食肉用または採卵用に改良され,羽毛(ダウン)も採取される。前1500年には極東アジアで家禽化されていたと考えられる。タイワンアヒルと呼ばれる[[バリケン]]も家禽化されたものだが,原種はノバリケンで,属も異なる。アヒルはヨーロッパでは前400年頃にはギリシアで飼育されていた。日本においては平安時代末期頃に飼育されていたという記録が見られる。[[品種]]が非常に多く,公式に認められているものでは 70近くもあるが,代表的な品種として,肉用ではマガモによく似た[[ルーアン種]](フランス),白色の[[ペキン種]](中国),卵用では赤褐色のカーキーキャンベル種がある。そのほか,在来種との交雑改良種である卵肉兼用種の[[大阪アヒル種]][[関東アヒル種]]などがある。マガモと交配させたものをアイガモと呼ぶ。バリケンと交配させたものもいるが,これには繁殖力がない。
[[野生]]のマガモを飼いならして家禽化するうち、個体や品種にもよるが、体が大きく重くなり、[[翼]]は小さくなって数[[メートル]]ほどしか飛ぶことが出来なくなった。また、体形も太ったもの、直立して歩くものなど色々変化した。
+
 
 
アヒルは年間で150〜200個の卵を産む。[[産卵]]は特に[[春]]が盛んである。[[卵]]の大きさは[[ニワトリ]]のものよりやや大きく、[[殻]]の色は極薄い[[緑|緑色]]である(色名ダックエッググリーンの由来)。
 
産卵から30日弱で[[雛|ヒナ]]が孵化する。ただアヒルは卵を産んでも、抱卵しない個体もあるため確実に卵を孵すために[[孵卵器]]を使うことが多い。その他、抱卵性の残っている[[チャボ (鶏)|矮鶏]]や[[烏骨鶏]]等の卵に混ぜて、ニワトリに暖めさせる方法もある<ref>農文協「そだててあそぼう第4集 ニワトリの絵本」ISBN 9784540981494 </ref>
 
 
 
生まれたヒナが卵を産むようになるのは生後5ヶ月〜6ヶ月。繁殖が可能になる[[性成熟]]は[[雌]]で生後6ヶ月 - 7ヶ月頃。[[雄]]は性成熟が雌に比べてやや遅い。
 
 
 
[[発情期]]は早春から秋にかけてであり、水上や陸上など場所を問わず[[交尾]]する。雌を巡って雄どうしが激しく争うこともある。
 
 
 
食性は[[雑食]]性で、家禽用の[[穀物]]類を主にした[[餌]]のほか、人間の食べる[[野菜]]類や[[果物]]、[[食肉]]など、個体差はあるものの、基本的には何でも食べる。ただし、食べるからといって何でも与えるのはアヒルの健康のためにはよくないとされている。
 
 
 
家禽から野生化したものは、草の新[[芽]]や、小型の[[昆虫]]類、[[土壌動物]]などを捕食する。アヒルはつがいになると共に長く暮らすことがあるが、一生同じ相手と過ごすとは限らない。
 
野生化したものは[[淡水]]域で暮らすことが多いが、原種のマガモは[[海上]]で暮らすこともできるため、アヒルも海上で暮らすことができる。
 
 
 
野生のものは飼育下のものに比べ産卵の頻度が低い。[[寿命]]は5 - 20年ほど。
 
野生、家禽に関わらず、[[ネコ]]や[[イタチ]]などに捕食されることがある。
 
 
 
== 分布 ==
 
[[File:Duck0002.jpg|thumb|公園に生息しているアヒル]]
 
 
 
家禽のため主に飼育下で生息するが、中には家禽が野生化したものも見られる。野生化したものは、[[池]]や[[沼]]地、[[河川]]のそばなど淡水域で主に暮らす。日本の[[公園]]などにも幅広く生息している。
 
 
 
== 形態 ==
 
[[ファイル:Duckling - domestic duck.jpg|thumb|170px|幼鳥]]
 
 
 
[[成鳥]]は全長50 - 80cmほどで、体重は3.0 - 5.0kg前後のものが多く、生態のところで述べてあるように、マガモと比べると大型である。雄より雌の方がやや小さい。
 
生まれたばかりの[[雛|ヒナ]]の体重は70g前後。
 
 
 
[[嘴]]は[[黄色]]が主で、幅が広いいわゆる「[[アヒル口]]」の形をしている。上下には細かいギザギザがあるため、獲物の虫をくわえとったり、雑草の新芽を切り取ったりするのに利用する。
 
 
 
[[足]]は黄色や[[オレンジ色]]で、大きな[[水かき]]を持っている。細い[[木]]の[[枝]]などにつかまることはできない。
 
[[体温]]は[[摂氏]]40.0 - 41.5度ほど。
 
 
 
[[ガチョウ]]と似ているが、ガチョウはアヒルよりひと回り大きい。またガチョウの首が長く直立しているのに対し、アヒルの首は「乙」の字型で短い。
 
 
 
== 種類 ==
 
{{see also|en:List of duck breeds}}
 
 
 
* '''シロアヒル'''…日本でよく飼われている。[[白色]]で嘴と水かきは黄色い。
 
* '''アオクビアヒル'''…マガモ形。雄は首が[[緑色]]をしていて白い帯があり、胸は[[褐色]]。雌は全身が褐色で黒斑がある。関東大型アヒルはこの一系統である。
 
* '''シキアヒル'''…体が淡黄色。卵用の品種で、年間250個ほどの卵を産む。
 
* '''カーキーキャンベル'''…羽毛や体毛が[[カーキ色]]。採卵用として飼育されている。
 
* '''カユーガアヒル'''…肉、卵、観賞用に飼育されている。[[アメリカ合衆国]]原産。
 
* '''カンムリアヒル'''…[[冠羽]]を持つアヒル。
 
* '''ザクセンアヒル'''…大型種。[[ドイツ]]原産。ルーアンアヒル、ドイツペキン種、青ポメラニアアヒルをかけあわせて作出された。卵用、観賞用、愛玩用。
 
* '''シルバーアップルヤード'''…大型種。[[イギリス]]原産。卵用、肉用、観賞用、愛玩用として飼育される。
 
* '''スウェディッシュブルー'''…中型種。[[スウェーデン]]原産。
 
* '''ナキアヒル'''…小型のアヒル。カモ猟のおとり([[デコイ]])として作出されたが、現在は観賞用、愛玩用として飼育されることが多い。'''コールダック'''([[:en:Call duck]])とも呼ばれる。
 
* '''バフアヒル'''…卵用、肉用の品種。イギリス産。
 
* '''ルーアンアヒル'''…アオクビアヒルとよく似ている。マガモ形。主に肉用として飼育されている。[[フランス]]での飼育が盛ん。
 
* '''インディアンランナー'''…卵用の品種。走るのが得意。[[インドネシア]]原産。
 
* '''エイルズベリーアヒル'''…主に肉用。イギリスで盛んに飼育されている。
 
* '''テイゲール'''…卵用。インドネシアで多く飼われている。
 
* '''ポメラニアアヒル'''…中型品種。ドイツ原産。
 
* '''マグパイアヒル'''…小型の卵用品種。[[ウェールズ]]原産。
 
* '''大阪アヒル'''…北京種とアオクビアヒルの雑種。容姿はペキンに似ている。
 
* '''ペキンアヒル'''…体は白く、脚は赤く、くちばしは黄色。姿勢は斜立している。
 
* '''ムスコビーアヒル'''…いわゆるバリケン種で、[[ノバリケン]](''Cairina moschata'')を家畜化したものなので別属。肉用。
 
* '''観音アヒル'''…バリケン種のひとつ。[[沖縄県]]では中国から導入された。顔が赤い。食用に飼育されている。
 
* '''ムラード'''…ムスコビーアヒルとペキンアヒルの一代雑種。繁殖能力はない。肉用およびフランスではフォアグラの生産用に飼育されている。
 
 
 
<gallery>
 
File:Ancona Ducks.jpg|{{仮リンク|アンコナアヒル|en|Ancona duck}}
 
File:Runner-ducks.jpg|インディアンランナー
 
File:Khaki Campbel drake perched on one leg.jpg|カーキーキャンベル
 
File:Hausente1.jpg|カユーガアヒル
 
File:Domestic-crested-duck-CamdenME.jpg|カンムリアヒル
 
File:Golden Cascade female.JPG|{{仮リンク|ゴールデンカスケード|en|Golden Cascade}}
 
File:Sachsenente.jpg|ザクセンアヒル
 
File:Silver Appleyard Duck Hen.jpg|シルバーアップルヤード
 
File:Svensk blå anka.jpg|スウェディッシュブルー
 
File:Adult white call duck drake.jpg|ナキアヒル
 
File:Female Buff Orpington Duck on a nest with duckling.jpg|バフアヒル
 
File:Pekin Ducks cropped.jpg|ペキンアヒル
 
File:Pommernente.jpg|ポメラニアアヒル
 
File:Magpie Duck.jpg|マグパイアヒル
 
File:Canardderouen.JPG|ルーアンアヒル
 
File:A White Muscovy Male.jpg|ムスコビーアヒル(バリケン)
 
File:Mulard (1).jpg|ムラード
 
</gallery>
 
 
 
アヒルとマガモの交配種が、[[アイガモ]]である。別名ナキアヒルとも言われている。アイガモは飛ぶことが出来る。アヒルは野生化した個体であっても、飛ぶのは苦手である。
 
{{出典の明記|section=1|date=2014年8月24日 (日) 20:06 (UTC)}}
 
30年程前、[[三重県]][[度会郡]][[小俣町 (三重県)|小俣町]](現在は市町村合併により[[伊勢市]]小俣町)の[[伊勢市立小俣小学校|小俣小学校]]にて[[ガチョウ]]との交配種が生まれ、ガヒルと名付けられた。当時の[[クイズダービー]]のクイズ問題にもなった。アヒルと同じ外見であるが、尾周辺の羽に黒い斑点のあるものであった。当時は学内で1個50円でガヒルの卵が売られていた。
 
 
 
一般的にアヒルは卵を温めないと言われているが、[[マガモ]]の血が濃いアヒルは卵を温めることが多々ある。マガモの血が濃いアヒルの雌は嘴に黒い斑点が出来ることで判別できる。
 
<!--アヒルの品種は世界中にもっと色々あると思うので、詳しい方加筆お願いします-->
 
 
 
== 利用 ==
 
[[ファイル:Taiwanese_duck_farm.jpg|thumb|200px|台湾で飼育されているアヒル]]
 
 
 
用途は[[愛玩]]、[[食用]]、採卵、[[羽毛]]採集など。現在[[鴨|鴨肉]]として流通しているものの大半はアヒルの肉である。アヒルとマガモを交配させたアイガモの肉も鴨肉として流通していることもある。アイガモの外見はマガモに似る。
 
 
 
日本では公園などの池に放し飼いにされている他、[[ペット]]としても飼われている。野生のアヒルは家禽のニワトリとは異なり嘴の先端をカット(デビーク)していないため、大きな嘴で突かれたり噛まれたりすると出血する場合もあるので注意を要する。
 
 
 
== アヒル料理 ==
 
=== 肉料理 ===
 
* [[鴨鍋]](あひる鍋)
 
** オリタン(家鴨湯)
 
* [[あひる汁]]、アヒル[[スープ]](鴨湯)
 
** アヒルと[[冬虫夏草]]のスープ(虫草全鴨)
 
* [[鴨南蛮]]
 
** 鴨肉麺
 
* [[ロースト]]ダック(燒鴨)
 
** [[北京ダック]]({{lang|zh-hant|烤}}鴨、填鴨)
 
* [[あひるの塩漬け]](塩水鴨)
 
* [[あひるの干物]](板鴨)
 
* あひる[[粥]](チャオビット)
 
* あひるの[[燻製]](燻鴨)、樟茶鴨
 
* あひるの[[煮込み]]([[滷味]])
 
* あひるの[[水掻き]](蹼)の芥子和え(鴨掌)
 
* あひるの[[舌]]の素揚げ、[[唐揚げ]]、燻製、煮込み(鴨舌)
 
* あひるの[[レバー (食材)|レバー]]の素揚げ、唐揚げ、燻製、煮込み(鴨肝)
 
* あひるの[[砂嚢|砂ずり]]の素揚げ、唐揚げ、燻製、煮込み(鴨胗)
 
* あひるの[[血]]の豆腐風
 
* [[ゲーン|タイカレー]]
 
* [[フォアグラ]]
 
* [[コンフィ]]
 
* [[ターダッキン]]
 
 
 
=== 卵料理 ===
 
アヒルの卵は[[鶏卵]]と違い、内部にまで[[細菌]]類を多く含むことが多く、[[生]]のままでは食べられない。また白身が水っぽく[[タンパク質]]の濃度が低いために加熱しても完全には固まらないので、以下のような加工食品として食用にする。
 
* [[鹹蛋|塩漬け卵]]({{lang|zh-hant|鹹蛋}}/{{lang|zh-hans|咸蛋}})
 
* [[皮蛋|ピータン]]
 
* [[糟蛋]]
 
* [[バロット]]
 
 
 
== その他 ==
 
[[ヒト]]に見られることのある病的な[[歩行|歩行形態]]の1つに'''アヒル歩行'''と呼ばれるものがある。専門的には動揺性歩行(waddling gait)と言い、[[筋ジストロフィー]]の患者に見られる場合があることが知られている。これは歩行時に筋力が不足して地面から挙上した脚の側の骨盤の高さを維持できずに、挙上した側の骨盤が重力の方向に落ちる。よって上半身を支えるために、接地している側の脚の方へと体幹を傾ける。これが左右交互に繰り返されるために、歩行時に上半身が大きく揺れるという歩行のことである。
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[鴨]]
 
* [[ダック・テスト]]
 
* [[大阪府立環境農林水産総合研究所|大阪府環境農林水産総合研究所・食とみどり技術センター]] - 日本で唯一アヒルの試験研究を行っている、大阪府立の畜産試験機関。
 
* アヒルをモチーフにした著名な商品、キャラクター、ロゴなど
 
<!--
 
★加筆される方は プロジェクト:生物#注意すべき内容 にお目通しください。
 
-->
 
** [[ラバー・ダック]]
 
** [[ドナルドダック]]
 
** [[クラレ]] - クラリーノ[[ランドセル]]
 
** [[アメリカンファミリー生命保険会社|アメリカンファミリー生命保険会社 (アフラック)]]
 
** [[アヒルのペックル]]
 
** [[オレゴン大学]] - 大学スポーツのマスコットキャラクターにアヒルを使用
 
** [[WINちゃん]]
 
** [[みにくいアヒルの子]]
 
 
 
<!-- == 参考文献 == -->
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Commons|Duck}}
 
* [http://www.duckinfocentral.com Muscovy,Pekin Pictures and information]
 
* [http://www.omlet.co.uk/breeds/breeds.php?breed_type=Ducks Duck Breed Guide]
 
* [http://www.picturesofducks.co.uk/ Pictures of breeds of domestic ducks]
 
 
 
{{Bird-stub}}
 
  
 
{{DEFAULTSORT:あひる}}
 
{{DEFAULTSORT:あひる}}
186行目: 13行目:
 
[[Category:ベトナムの食文化]]
 
[[Category:ベトナムの食文化]]
  
[[pt:Pato#Espécies domésticas]]
+
{{テンプレート:20180815sk}}

2019/5/10/ (金) 10:19時点における最新版

アヒル(鶩、または家鴨)

カモ目カモ科。マガモを原種として家禽化(家禽)されたカモ。食肉用または採卵用に改良され,羽毛(ダウン)も採取される。前1500年には極東アジアで家禽化されていたと考えられる。タイワンアヒルと呼ばれるバリケンも家禽化されたものだが,原種はノバリケンで,属も異なる。アヒルはヨーロッパでは前400年頃にはギリシアで飼育されていた。日本においては平安時代末期頃に飼育されていたという記録が見られる。品種が非常に多く,公式に認められているものでは 70近くもあるが,代表的な品種として,肉用ではマガモによく似たルーアン種(フランス),白色のペキン種(中国),卵用では赤褐色のカーキーキャンベル種がある。そのほか,在来種との交雑改良種である卵肉兼用種の大阪アヒル種関東アヒル種などがある。マガモと交配させたものをアイガモと呼ぶ。バリケンと交配させたものもいるが,これには繁殖力がない。



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