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{{複数の問題 | 出典の明記 = 2014年1月 | 独自研究 = 2009年8月 | 雑多な内容の箇条書き = 2015年3月}}
 
'''アニメ'''は、[[アニメーション]]の[[略語]]である<ref>[[大辞林]]、[[大辞泉]] 「アニメ」 [http://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1-426230]</ref>。アニメーションを用いて構成された映像作品全般を指す。
 
 
 
== 概要 ==
 
各種[[メディア (媒体)|メディア]]で提供される[[サブカルチャー]]の一つ。
 
 
 
「[[文化芸術基本法]]」では[[メディア芸術]]、関連法の「[[コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律]]」によると[[コンテンツ]]の一つと定義されており、いずれにおいてもアニメと略されてはおらず、アニメーションと正式表記されている。別定義として、多角的芸術分類観点において、[[美術]](映像を含まない)、[[映像]]、[[音楽]]、[[文学]]、[[芸能]]の総合[[芸術]]とされるときもある。
 
 
 
単に「アニメ」という場合は、セルアニメーション([[セルアニメ]])のことを指していることが多い。本項では、主に日本で製作された商業用セルアニメーションについて解説する。
 
 
 
作品に関しては、『[[アニメ作品一覧]]』を参照。
 
 
 
== 製作会社と制作会社<!---「制作会社」と「製作会社」の違いを踏まえて---> ==
 
作品制作数の増加に伴い分業化が進み、プリプロダクションの企画・製作会社と、プロダクションの作画・動画スタジオ、美術スタジオなどと、ポストプロダクションの撮影会社、音源制作など制作工程別に作業を請け負う専門スタジオと分業化されている。
 
 
 
また、[[グロス請け]]と呼ばれる、1話単位で制作作業を一括受注し制作業務全般を行う制作会社もある。
 
 
 
{{main|アニメ制作会社|アニメ製作関係者一覧}}
 
 
 
== 制作工程 ==
 
[[テレビアニメ#制作過程]]も参照。
 
大きく分けると3つの工程に別れる。なお、制作資金調達に関しては多種多様な方法があるので本項では取り上げない。
 
# [[プリプロダクション]]
 
#* 企画書をもとに、主要スタッフ編成と制作のフローを確定し、脚本・設定・絵コンテなど制作に必要な各種設定など行う作業。
 
# [[プロダクション]]
 
#* 原画、動画、仕上げなどの[[アニメーション]]の作成作業。
 
# [[ポストプロダクション]]
 
#* アフレコ・BGM・効果音を加える音作業やVTR編集などの作業。
 
 
 
さらに詳細な工程を経て制作される。制作会社、作品に投入される各部門のスタッフ数、技術の進歩などにより役職名や工程の違いもあるが、企画から完成までの基本的な工程は以下の通りである<ref group="注">『[[ボンバーマンジェッターズ]]』 [http://www.hudson.co.jp/gamenavi/gamedb/softinfo/bomb_jetters/report/report01.html シナリオ打ち合わせ アニメ ボンバーマンジェッターズ 制作現場レポート]と[[テレコム・アニメーションフィルム]]の[http://www.telecom-anime.com/telecom/oshigoto2/kouteitop.html アニメ業界の基礎知識〜アニメーションの制作の流れ〜]、[http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.january/090123houkokusyo01.pdf アニメーション産業に関する実態調査報告書](PDF)-2009年1月,公正取引委員会を元に記述している。</ref>。
 
 
 
複数にわたるシリーズ作品の場合、諸事情により主要スタッフや担当[[アニメ制作会社]]などが途中で変更されることも珍しくない。
 
 
 
# 企画
 
#* 作品の企画意図や全体像にセールスポイントなどを記述した企画書などを作成、製作側(複数の社局が[[製作委員会方式|製作委員会]]を結成することも多い)がその採否を決定する。
 
#* オリジナル企画と、漫画・小説など既存の著作物を原作とした企画とに二分される。後者の場合は著作権者の承諾を得るのに難航する事も珍しくない。
 
# スタッフ編成とワークフローの確定
 
#* 制作が正式に決定すると、 [[監督]]・[[シリーズ構成]]・[[脚本家]]・[[声優]]・[[アニメーター]]・[[作画監督]]・[[美術監督]]・[[色彩設定]]・[[撮影監督]]・[[アニメ音楽の作曲家一覧|音楽]]・[[音響監督]]・[[プロデューサー]]・[[キャラクターデザイン]]・[[メカデザイン]]・[[制作進行]]など主要なスタッフを選定する。
 
# [[脚本]](シナリオ・[[本読み]])
 
#* ストーリーの制作作業で、柱、[[台詞]]、[[ト書き]]で構成される。
 
#* [[シリーズ構成]]は、脚本の監督的な立場にあり、1つの作品に複数の脚本家が担当する場合、ストーリー性のバラツキを制御する業務を行う。
 
# [[設定]]
 
#* 脚本・原作・企画書を元にして、作品の主要な登場人物[[キャラクターデザイン]]や舞台背景を設定する美術設定([[美術監督]])・[[メカデザイン]](メカニカル設定)と[[クレジットタイトル|クレジット]]されることが多い。
 
# [[絵コンテ]]
 
#* [[監督]]、[[演出]]([[プロデューサー]])が脚本を絵として組み立てる作業。作品の内容の流れがコマ割りの絵で描かれる。これを元に原画作業が行われる。コマ割りの状況説明・カメラワーク・効果音など、セリフ、撮影のカットの秒数が指示される。
 
# [[原画#アニメーション|原画]](原図・[[作画]]・[[レイアウトシステム]])
 
## 原画マン(原画家、原画担当者、レイアウトマン)と呼ばれる職制が担当する。絵コンテを元に完成画面を想定し背景の構図とキャラクターのレイアウト(画面構成)を作成する。原画作業も[[ペンタブレット]]などの進化で、デジタル制作に移行している。
 
## 演出(プロデューサー)は、レイアウトが絵コンテの内容、演出意図との差異を確認、修正指示を入れ作画監督に渡す。
 
## [[作画監督]]は動きや[[キャラクターデザイン]]を修正し、画面の統一を図る、作監修正と呼ばれる作業を行う。
 
# [[動画 (アニメーション)|動画]]
 
## 動画マンと呼ばれる職制が担当する。ラフに描かれた原画の清書作業を行い、原画の間の絵を描きおこし全ての動きを完成させる作業。中割りとも呼ばれる。
 
## [[動画検査]]と呼ばれる職制が簡易撮影装置で動画をチェックし、修正を指示する。
 
#* 原画と動画については[[アニメーター]]も参照。
 
# 仕上げ(色トレス、彩色、デジタル彩色):[[色彩設定]](色彩設計)の指示・動画に指定されている色指定の通りに着色する作業。
 
#* セルアニメ : 動画をトレスマシンでセルに転写して、セルの裏側に彩色を行う。[[セル画]]も参照。
 
#* デジタルアニメ : スキャナーで取り込み線をクリンナップ。影線やハイライト線を輪郭線とは別色でトレスする。影線などの不要な線は塗りつぶされ見えなくなる。この時点でオブジェクトに [[アンチエイリアス]]は、かかっていない(かかっていると色が塗れない)。
 
# [[背景]]
 
#* [[美術監督]]は、背景設定となる美術ボードを制作する。原画で指定された背景設定に合わせて、背景スタッフが背景を作成する作業。デジタルアニメも背景は絵の具で仕上げが多かったが、デジタル制作の背景も増えている。
 
# [[撮影]]:[[撮影監督]]が作業を監督し、仕上げと背景を組み合わせる工程。[[透過光]]、[[マルチプレーン・カメラ]]、[[多重露光]]などの[[エフェクト]]処理を加える。
 
#*セルアニメ : セル画と背景を撮影台にセットし1コマずつ[[フィルム]]撮影する。
 
#*デジタルアニメ : 仕上げと背景を合成して映像データにする。アンチエイリアス処理がかけられる。
 
# 楽曲作成
 
#* 様々な場面に合わせた楽曲[[BGM]]を作成する作業。
 
# 音作業:[[音響監督]]は、[[声優]]のキャスティングと演技指導、ダビングなどの音響演出を担当する。監督や演出(プロデューサー)などが参加する場合が多い。
 
## [[アフレコ]]
 
##* 撮影された映像に声優が[[アフレコ台本]]をもとに声を収録する作業。[[音響監督#アフレコ演出|アフレコ演出]]と呼ばれる職制が演技指導を行う場合もある。制作スケジュールの都合上、作画が完成していない状態での収録となる事も珍しくない。作品によっては、場面との親和性を高める為に挿入歌をアフレコスタジオで収録するケースもある。
 
## [[プレスコ]]
 
##* 映像と音声との同期性を重視する場合は、アフレコと異なり先立って声を収録してから作画作業に入る、この方式を用いる。海外ではこれが主流である。
 
## ダビング
 
##* 声にBGMや演出に合わせた効果音を加える作業。
 
# フィルムまたはVTR編集
 
#* オープニング、エンディング、CM前後の[[アイキャッチ]]を組み合わせて完成させる作業。オブジェクトの最終調整、色彩調整も行われる。
 
 
 
ただし諸事情により企画段階<ref>[http://dragonbrave.blog49.fc2.com/blog-category-5.html サトウタツオ通信_diary(2005年8月10日分の日記)] [[佐藤竜雄]] 2015年4月8日閲覧。</ref>もしくは制作途中で中止になることもあり<ref>[http://www.animeanime.biz/archives/4111 「アライブ 最終進化的少年」アニメ化中止発表 増加する製作中止] アニメ!アニメ!ビズ 2010年6月6日、2015年4月8日閲覧。</ref>、中にはアフレコも終えた段階で[[お蔵入り]]になったケースもある<ref name="excite_20141230_1">[http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20141230/E1419842142375.html 声優あるある漫画『それが声優!』TVアニメ化決定。原作者・あさのますみ×作画・畑健二郎、最速対談](1ページ) エキサイトレビュー 2014年12月30日、同31日閲覧。</ref>。稀に一度は中止にされた作品が時を経て再起動するケースもある<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1412/11/news064.html ガイナックス、「オネアミス」後の世界描く「蒼きウル」制作開始 来春に“先行短編”公開] [[ITmedia]] 2014年12月11日、2015年4月8日閲覧。</ref>。
 
 
 
== 流通形態 ==
 
* [[テレビアニメ]]
 
**[[地上波]][[テレビジョン放送局|放送局]]、[[日本における衛星放送|BS局・CSチャンネル]]などでの[[テレビジョン放送|テレビ放送]]用に制作される作品で、さらに特殊ジャンル分けとして[[深夜番組]]の[[深夜アニメ]]や、[[全国独立放送協議会]]加盟局主体で放送の[[UHFアニメ]](アナログテレビ放送当時、特に日本の[[三大都市圏]]でのUHF局は独立局が主体だったことから)などの分類もされる。
 
**ネット配信は基本的に配信開始から1週間以内は無料配信の形態が主流である。これにより違法動画の抑止効果にも繋がっている。
 
**海外向けでは[[Crunchyroll]]などが著作権者の承諾を得て、台本を翻訳、字幕を付けて世界中に配信している。これらのサービスは基本的には日本国内からのアクセスは不可能となっている。
 
** パッケージ販売の頭打ちから、国内外問わずネット配信による事業収益に活路を見出す動きが活発となり、テレビアニメ配信を重視するネット配信業者も相次いで誕生している。
 
*** 作品に関しては、『[[日本のテレビアニメ作品一覧]]』を参照。
 
* [[アニメーション映画]]
 
**[[映画館]]などでの上映用に制作される作品。劇場用アニメーション映画、アニメ映画、劇場版アニメなどと呼ばれる。
 
*** 作品に関しては、『[[日本のアニメ映画作品一覧]]』を参照。
 
* [[OVA]](オリジナルビデオアニメーション)
 
**[[店舗]]販売と[[レンタルビデオ]]向けに制作される作品。各種媒体([[VHS]]、[[レーザーディスク|LD]]、[[DVD]]、[[Blu-ray Disc|Blu-ray]]など)で提供される。近年では[[漫画]]ないし[[ライトノベル]]単行本の初回特典として同梱される事例も増えている([[講談社]]では独自に「OAD、ODA」と呼んでいる)。
 
*** 作品に関しては、『[[日本のOVA作品一覧]]』を参照。
 
* [[Webアニメ]]
 
**[[インターネット]]配信用に制作される作品。国外では「Original Net Animation」('''ONA''')と呼ばれる。
 
*** 作品に関しては、『[[Webアニメ#Webアニメ作品一覧]]』を参照。
 
*[[コマーシャルメッセージ|CM]]
 
**近年では企業が宣伝のためにアニメーションを活用する事例が増えている。
 
 
 
==制作業界と環境==
 
アニメ産業と呼べるほどの規模はなく、映像制作の一分野に留まり、業界の構造としては[[建設業]]の[[下請け]]制度に類似する構造を持っているとされ、「大手制作プロダクション(元請け)」→「中堅制作プロ(子請け)」→「零細制作プロ(孫請け)」と段階ごとに制作費の「[[中抜き]]([[ピンハネ]])」が存在するといわれている<ref>第14回 日本のアニメーション産業は大丈夫か? (2006/10/16) http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tv_iibun/061016_14th/</ref><ref>第15回 アニメ産業に忍び寄る暗い影とは (2006/11/07) http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tv_iibun/061107_15th/</ref>。
 
 
 
表現技法の発展と向上は、個人の感性と技術の熟練度に依存し、技量差が品質に反映される労働集約的作業に支えられているが、制作環境は[[アニメーター]]の場合、収入は新人で月額で約2 - 3万円。中堅で約7万5000円 - 10万円程度といわれ、約25%は年収100万円以下である([[日本芸能実演家団体協議会]]、2008年調査)などの賃金や雇用環境、労働条件などの問題で、国内での人材の確保もままならない状態も恒常的に続いている。
 
 
 
その為、人件費の安い中国や韓国などの制作会社に外注され、日本国内でアニメ制作の根底を支える[[セル画|セルの作画]]など制作現場と、それを継続させる人材育成の両面で空洞化が危惧されている。また、海外へ外注することにより日本の技術が流出する恐れもある。
 
 
 
{{main|アニメ制作の国際分業化}}
 
 
 
== 製作工程の省力化とデジタル化 ==
 
アニメーション製作のデジタル化に至るまでには、フィルム・アニメーションから、ビデオ・アニメーション、ビデオ変換装置など、さまざまなシステム開発が進められてきた。
 
 
 
1986年に[[池田宏 (映画監督)|池田宏]](東映動画技術研究室長)は、「映像というメディアはこうした科学技術の基盤の上に構築されているものであり、このことは当然、これらの科学技術の発展に応じて新しい映像メディアの登場もあり得るのである。したがって映像関係者はこれら科学技術の発展にはたえず対応していかなければならないし、それを怠れば映像技術者として脱落さえ意味することになる」と語っている。<ref>講座アニメーション第3巻 イメージの設計・池田宏編 / 美術出版社</ref>
 
 
 
1970−1980年代後半、ビデオの普及やコンピュータの導入によってアニメーションの製作過程は大きく変わり始め、デジタル化に向かって動き始めた。
 
 
 
=== 省力化===
 
1984年に[[東京中央プロダクション]]・[[高橋克雄]]の撮影現場から、VTRでコマ撮りができるシステム[[VTRアニメーションシステム]]が登場した。
 
 
 
現像するまで撮影結果の分からないフィルム・アニメーションから、現場で即時に撮影結果が分かるVTRアニメーション撮影は、撮影現場の撮影期間短縮による製作コストの軽減、画質の保持、映像メディアのコンパクト化とリテイクによる経済的損失からの解放となった。
 
 
 
アニメーション作品以外にも広く活用され、映画やカラオケの字幕([[スーパーインポーズ (映像編集)]])やデパートやメーカーなどの映像カタログ制作などにも使用されるようになった。また、画質を落とさずに大量複製が可能になったことから[[OVA]]が普及する契機ともなった。
 
 
 
1985年にフィルムからビデオへの変換装置、[[テレシネシステム]]の登場で、多くのフィルムアニメーション作品がビデオ変換されテレビで放映されたこともデジタル化への指針となった。
 
 
 
=== デジタル化と3DCG ===
 
1990年代、コンピューターの発達やソフトの開発が進み、アニメーション制作で使用される幅が広くなり活用するようになった。
 
 
 
1990年代後半から[[セル画]]からデジタル彩色に移行し、1999年頃に全面的に移行し最後までセル画で制作されていた『[[サザエさん]]』の2013年9月29日放送分を最後に、全ての商業作品はデジタル方式に移行した。仕上げ工程に導入された、デジタルペイントは訂正が容易で塗料の乾燥を待つ必要がなく、傷・ホコリなどのセル画の管理の手間も省け、また画像データとしてネットワークに載せることが可能となり、日本国外などの遠隔地とのやり取りが可能となり、大幅な省力化・コストダウンが進んだ。
 
 
 
また、映像表現においては塗料による使用色数の制限がなくなり、精密なグラデーション表現が可能となった。撮影時にセルの重ね合わせによる明るさの減少がなく、カメラワークの自由度が広がる他、[[エアブラシ]]による[[特殊効果]]や[[透過光]]などが簡単に施せるなどの利点がある。ただ、ビデオ出力されるため、フィルムとビデオでは映像の質感が異なり、フィルムは柔らかい質感、ビデオはクリアな映像が特徴があり、クリアで明るすぎる発色に違和感もあったが改善されてセルアニメを凌ぐ美しさを持つ作品もみられる。
 
 
 
国外ではディズニー映画を多く手掛ける[[ピクサー・アニメーション・スタジオ]]などでフル[[3D]][[CGアニメーション]]が制作されているが、日本国内では[[自動車]]などの機械類や魔法のエフェクトなどを描写する補完的な利用からスタートした。完成した3DCGは[[作画崩壊]]することなく自由なアングルで描写でき、完成後もソフトウェアで変形・変色が可能であるなど品質安定と省力化に貢献した。一方で単にCGを配置しただけでは手描きとの質感の差から違和感があるため、色調などを調整し違和感を軽減する手法やフルCG作品に手描きの表現手法を再現するなど、双方の技術を融合する試みが行われている。
 
 
 
2010年代に入るとセルアニメの質感をCGで再現する『セルルック』と呼ばれる技法が発達し、キャラクターなどにもCGを使用する作品が増加した。一方で、プロレベルの[[3DCGソフトウェア]]はライセンス料が高額でコンピュータも高性能モデルを必要することに加え、複雑な操作を習得するため専門学校でトレーニングを受けた人材が必要になるなど、手描きに比べ作画コストが上昇するためフルCG作品は少ない。
 
 
 
実際の業務を行うのは[[アニメ制作会社]]の一部門やCG関連業務のみを受託する小規模なスタジオが多いが、[[ポリゴン・ピクチュアズ]]のような3DCGの専門会社がアニメ制作に参入する例もある。
 
 
 
{{main|デジタルアニメ}}
 
 
 
== 語の変遷と普及 ==
 
{|class="wikitable"
 
!年代!!語!!内容
 
|-
 
| nowrap="nowrap" |[[1930年代]]|| nowrap="nowrap" |[[線画]]||映画(本編)の前座として[[ニュース映画]]と短編アニメが上映されていた。アニメーションだけでなく実写映画に使われる地図、グラフや図表なども描くこともあった。
 
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| nowrap="nowrap" |[[1940年代]]以降 - 現在|| nowrap="nowrap" |[[動画]]||動画は[[アニメーター]]であり日本最初期のアニメーション制作会社[[東映アニメーション|日本動画]]の設立メンバーである[[政岡憲三]]によって英語animationの日本語訳として提唱。1943年『[[くもとちゅうりっぷ]]』([[松竹動画研究所]])、1944年『[[フクちゃんの潜水艦]]』([[朝日映画製作|朝日映画社]])、1947年『[[すて猫トラちゃん]]』(日本動画社)でクレジットされている。商業用アニメの製作工程の名称(原画と[[動画 (アニメーション)]])としても現在まで使用されている。アニメーションという語が普及し定着する1980年頃までは、世間一般では下記のように漫画映画・テレビ漫画と呼ばれていたが、業界での正式名称は動画であり、[[東映アニメーション|東映動画]]や[[シンエイ動画]]など動画が付く社名の制作会社が設立されている。動画は各種国語辞典にもアニメーションの日本語訳として記載されており、現在の日本のアニメ業界団体名も「日本動画協会」である。
 
|-
 
| nowrap="nowrap" |[[1950年代]] - 1970年代頃|| nowrap="nowrap" |漫画映画<br>漫画||[[戦前]][[戦後]]を通じアニメーション(略してアニメ)という語が普及する以前の[[アニメーション映画]]特に[[児童向け]]のそれは「漫画映画」あるいは単に「漫画」と呼ばれていた。興行タイトルに漫画が付いているものとして1980年代まで使用された「[[東映まんがまつり]]」などがある。現在一部で「[[もはや戦後ではない]]」[[昭和30年代]]に製作を始めた東映動画の[[フルアニメーション]]による劇場作品群と、[[1970年代]]初めにそれらの製作を停止した東映に代わって[[道統]]を受け継ぐとされる[[制作者]]の作品群を特にそう称することもある。
 
|-
 
| nowrap="nowrap" |[[1960年代]] - 1970年代頃|| nowrap="nowrap" |テレビまんが||テレビ漫画・テレビマンガとも表記される。当時はまだアニメーションは映像業界の専門用語であり、『鉄腕アトム』などのテレビアニメーション ([[セルアニメ]]) 番組は、[[人形劇]] ([[人形アニメ]]) や『[[サンダーバード (テレビ番組)|サンダーバード]]』『[[仮面ライダー]]』などの特殊撮影技術を併用する[[劇映画]] ([[特撮]]) 番組と一緒くたにテレビまんがと呼ばれていた。主にセルアニメーションで作成された作品を含む子供向けテレビ番組の呼称。タイトルにまんがが付いてた作品として『[[世界名作劇場|カルピスまんが劇場]]』<ref group="注">『[[アルプスの少女ハイジ (アニメ)|アルプスの少女ハイジ]]』や『[[ムーミン]]』などのアニメシリーズ枠。後に『世界名作劇場』という名称になった。</ref>や1990年代まで放送された『[[まんが日本昔ばなし]]』などがある。1980年代前半を境にして、テレビまんがなどの呼称は衰退したが、2000年代においても児童向けテレビアニメ & 特撮作品の[[アニメソング]]の[[コンピレーション・アルバム]]などのタイトルで「テレビまんが」が使用されたり、1960 - 1970年代のアニメ作品を指してノスタルジー的趣向で「懐かしのテレビ漫画」などと表記されたりすることもある。
 
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| nowrap="nowrap" |1960年代以降 - 現在|| nowrap="nowrap" |アニメーション<br>アニメ||「[[小型映画]]」(映像制作者向けの専門雑誌)で1965年6月号までは主に英語をそのまま片仮名にしたアニメーションという語を使用しており、アニメという略語を使用する場合はアニメーションとセットで用いられていた。7月号でアニメという語がアニメーションの略であるという断りなしで初めて使用された。この頃から映像業界内でアニメが一般的になり始めたとみられる。専門用語であったアニメーション・アニメであるが、1975年には一般用語としても登場し出し、絵本シリーズ『[[テレビ名作アニメ劇場]]』[[ポプラ社]]はタイトル名にアニメを使用した最初の書籍とみられる。[[日本アニメーション]]が設立され、同社制作の番組内では毎週社名の一部としてアニメーションという語が表示されるようになり、1978年には「[[アニメージュ]]」が創刊され、その後数年で誌名にアニメを含む専門雑誌が相次いで創刊されるなど急速に普及していき、1980年代前半には世間一般でもそれまでのテレビ漫画などの呼称に代わってアニメと呼ばれるようになった。
 
|-
 
| nowrap="nowrap" |[[1968年]]|| nowrap="nowrap" |アニメート||[[絵本]]シリーズ『[[名作アニメート絵話]]』、[[偕成社]]。アニメーションを略したものではなく、{{lang|en|animation}} の動詞形の {{lang|en|animate}} を日本語読みにしたもの。一般向けにアニメを含む語をタイトルに用いた最初期の例である。
 
|-
 
| nowrap="nowrap" |[[1969年]]|| nowrap="nowrap" |アニメラマ||[[虫プロ]]によるアニメーションと[[ドラマ]]の[[造語]]。映画『[[千夜一夜物語]]』(1969年公開)『[[クレオパトラ]]』(1970年公開)で使用された。『[[哀しみのベラドンナ]]』(1973年公開)では「アニメロマネスク」が使われる。いずれもその後広く普及して使用され続ける語にはなっていない。
 
|-
 
|}
 
 
 
==={{lang|en|anime}}===
 
ラテン文字のanimationの m の次は a であり e が含まれていないので、animeと略すことは出来ない。アニメーションをアニメと略せる言語は日本語に限られるため、日本国外の英語圏などで「{{lang|en|anime}}」という場合は日本のアニメや日本風の表現様式のアニメに対して用いられる<ref>[http://www.merriam-webster.com/dictionary/anime anime]Marian Webster dictionary</ref>。日本国内では、製作国や作風に関わりなくanimeが使用される<ref>津堅信之『日本アニメーションの力 85年の歴史を貫く2つの軸』NTT出版、2004年、p20</ref><ref>津堅信之『アニメ作家としての手塚治虫 その軌跡と本質』NTT出版、2007年、p.20[http://animeanime.jp/special/archives/2008/02/1_2.html アニメ!アニメ!の勝手な用語集 第1回アニメとアニメーションの違い] [http://animeanime.jp/index.html アニメ!アニメ!] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20100706055958/http://animeanime.jp/index.html |date=2010年7月6日 }} 2008年2月17日</ref><ref group="注">[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ウォルト・ディズニー・カンパニー|ディズニー]]製作作品も日本では「ディズニーアニメ」と呼ばれ、[[講談社]]ディズニーアニメブック、[[偕成社]]ディズニーアニメ小説版など、ディズニー公認の[[絵本]]やノベライズ版にも「アニメ」が使用されている。</ref>。
 
 
 
[[英語]]ではanimeと綴った場合の[[発音]]は「エイニム」あるいは「アニーム」のようになるが、日本語と同じ「アニメ」と発音している。{{lang|en|animation}}(英)→アニメーション(日)→アニメ(日)→anime(英)として逆輸入されたものである。日本での「アニメ」読みが名詞として辞書に掲載される例もある。
 
 
 
[[フランス語]]には {{lang|fr|animer}}(動く)の過去分詞形の {{lang|fr|animé}}(アニメ、動いた、動かれた)があり<ref>例として[[クロード・ドビュッシー|ドビュッシー]]のピアノ曲「[[映像 (ドビュッシー)|映像]]」第3曲「ムーヴマンmouvement(動き)」冒頭のテンポ指示が「トレザニメ {{lang|fr|très animé}}(とても動いて)」など。</ref>、同用途で英語でも {{lang|en|animé}} と綴られるため、フランス語由来説も存在する。
 
 
 
;アメリカ合衆国での普及
 
:1972年、[[ビデオテープレコーダ|ビデオデッキ]]が発売されると、1976年2月には[[ファンサブ]](無断で英語字幕をつけた海賊版。著作権違反であり、アニメDVDの販売に悪影響も出ている)活動が始まり、1977年には専門のサークルが活動を開始した。既に日本製ロボットアニメーションを指す語としてanimeという語が用いられていたが、愛好家たちの隠語か専門用語のようなもので、一般には広まらなかった<ref>フレッド・パッテン(Fred Patten)による。</ref>。1991年、{{lang|en|The Society for the Promotion of Japanese Animation}}(略称SPJA)が発足し、翌1992年から毎年「{{lang|en|[[Anime Expo]]}}」が開催されると、OTAKU([[おたく]])が増加するなど<ref>[[#Dictionary.com-Otaku|Dictionary.com-Otaku]]</ref>、animeは急速に普及していった<ref>[[#Dictionary.com-Anime|Dictionary.com-Anime]]</ref>。ただし、彼らは対価を払ってから視聴する者よりも無料なファンサブなどの海賊版でアニメを視聴している者の方が多い。
 
;フランスでの普及
 
:日本製アニメーションは{{読み仮名|{{lang|fr|anime}}|アニメ}}と呼ばれる。英語から輸出される形で移入される。アニメーション(動画)は{{読み仮名|{{lang|fr|dessin animé}}|デサンナニメ}}(動く画) と呼ばれる。
 
 
 
=== ジャパニメーション({{lang|en|Japanimation}}) ===
 
; 北米
 
主に1970-1980年代に使用された日本製アニメーションを指す語。日本で用いられるようになった1990年代には、現地では既にほぼ死語と化していた。音節的に {{lang|en|Japan-animation}} から {{lang|en|Japanimation}} の[[略語]]であるが、{{lang|en|[[ジャップ|Jap]]}}([[日本人]]の蔑称)の {{lang|en|animation}} とも読めるため、日本人と文化に対する差別・偏見と、アニメーションへの偏見から、日本製アニメーションを指して「くだらないもの」あるいは「子供の教育上良くないもの」の意味を含めていた可能性もある。当時、北米に輸出された作品は、文化・習慣・表現規制の違いから、日本的・性的・暴力的な表現は削除されていた。
 
 
 
また、長期に渡り連続する複数の作品を1作品として編集し、制作者の意向と掛け離れた独自改変された作品を示すこともある<ref name="kinema95">[[#キネマ旬報1995|キネマ旬報1995]]</ref>。2000年代以降、一部のアニメーション関連の[[オンライン]]ショップ<ref>例としては、[http://www.japanimation.com/ <code>japanimation.com</code>]など。[http://www.animeoxide.com/ {{lang|en|Anime Oxide}}]</ref>で使用される場合もある。
 
; 日本
 
前述の北米での発祥を受け「[[海外]](日本の外)で視聴される、人気を呼び且つ評判になっている日本製のアニメーション」という意味で1990年代に『[[AKIRA (漫画)|AKIRA]]』『[[攻殻機動隊]]』の原作漫画出版元である[[講談社]]をはじめメディア上で度々使用されていたが、2000年代以降は減っている。2011年には同名のアメリカの人気テレビドラマをアニメ化したOVAシリーズ『[[スーパーナチュラル|スーパーナチュラル・ジ・アニメーション]]』において、海外ドラマを日本のアニメ制作会社[[マッドハウス]]がアニメ化し世界で発売されたということでジャパニメーションと銘打たれていた(テレビ放送時の宣伝でも使用された)<ref>[http://www.tvgroove.com/powerpush/supernatural/anime/special01.html 『スーパーナチュラル・ザ・アニメーション』海外ドラマ{{lang|en|PowerPush}}!!] <code>TVGroove.com</code></ref><ref>[http://cinema-magazine.com/news/2236 全米の大人気ドラマ『{{lang|en|SUPERNATURAL}}』を日本が完全アニメ化] <code>cinema-magazine.com</code></ref>。「世界で通用する日本のアニメ」など、世界を意識した視点で作品を紹介する際に使用されている<ref>スタジオジブリだけじゃない!これからのジャパニメーションを占う作品に注目! - シネマトゥデイ [http://www.cinematoday.jp/page/A0003049]</ref>。
 
 
 
== 業界団体 ==
 
; [[日本動画協会]](略称:AJA)
 
日本におけるアニメーション業界の意思統一、関連団体との連携、アニメーション産業の持続的発展を目的とした[[一般社団法人]]。
 
; [[日本芸能マネジメント事業者協会]]
 
声優のマネージメントを行うプロダクションなど事業者が加盟する<ref>[http://www.manekyo.com/ 日本芸能マネジメント事業者協会]。</ref>。
 
; [[日本声優事業社協議会]]
 
声優事業社で組織<ref>[http://www.sei-yu.net/ 日本声優事業社協議会] 。</ref>。
 
; [[日本アニメーター・演出協会]](略称:JAniCA)
 
2009年12月3日に一般社団法人化した、アニメーター及び演出家の地位向上と技術継承を目的とした一般社団法人。
 
; [[日本音声製作者連盟]](略称:JAPA)
 
2003年4月1日に設立され、「内外関連文化団体との提携及び交流。映像文化発展のための事業」。「業界の社会的地位の向上のための広報活動および出版事業」。「音声製作物に関連する権利の確立及び擁護」。「再放送使用料」の徴収、分配業務を主な事業内容とした一般社団法人<ref>[http://www.onseiren.com/ 日本音声製作者連盟] 。</ref>。
 
; [[日本俳優連合]]
 
テレビ局や制作会社に対して立場が弱い俳優が、一方的で不利な出演契約を解消を目的として結成された。声優の多くも加盟している<ref>[http://www.nippairen.com/ 協同組合日本俳優連合]</ref>。
 
 
 
== 国による振興・保護政策 ==
 
; [[文化庁メディア芸術祭]]
 
メディア芸術の創造と発展を図ることを目的に、[[文化庁]]と[[CG-ARTS協会]]が主催の祭典。1997年以降、毎年実施されている<ref>文化庁メディア芸術プラザ {{cite web |url=http://plaza.bunka.go.jp/ |title=アーカイブされたコピー |accessdate=2009年8月26日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090416044555/http://plaza.bunka.go.jp/ |archivedate=2009年4月16日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>。
 
; [[文化芸術振興基本法]]
 
2001年12月7日に施行され、映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術をメディア芸術と定義し、振興を図るための施策を行うようになった。
 
; [[コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律]](コンテンツ法)
 
2004年5月、アニメーションや漫画など、[[コンテンツ産業]]の保護・育成に官民一体で取り組むための法律が成立した。
 
; [[クールジャパン]](Cool Japan)
 
日本政府が行っている対外文化宣伝・輸出政策で使用されている用語で、クールジャパン戦略担当大臣や[[海外需要開拓支援機構]](通称:クールジャパン機構)が設立されており、アニメ・漫画・ゲーム・J-POP・アイドルなどの[[ポップカルチャー]]・[[サブカルチャー]]も含まれている。
 
; [[若手アニメーター育成プロジェクト]](略称:PROGECT A)
 
文化庁の若手アニメーターなど人材育成事業の委託をうけ、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が2010年(平成22年)より実施しているアニメーターの人材育成事業。
 
 
 
== 博物館・美術館 ==
 
漫画やアニメ作品のセル画やフィルム、原画を展示する博物館・美術館。ミュージアムショップを設置したりアニメの様々なイベントや[[国際アニメーション映画協会]]公認の映画祭、インディーズのアニメーション映画祭などを開催している所もある。『[[ドラえもん]]』の作者が生活していた[[川崎市]]の[[藤子・F・不二雄ミュージアム]]や、『[[名探偵コナン]]』の作者ゆかりの地[[鳥取県]][[東伯郡]][[北栄町]]の[[青山剛昌ふるさと館]]など著名なアニメ作品やマンガの原作者の生誕地などに、地域おこしの拠点として整備されることも多い。
 
 
 
ほとんどの博物館は特定の作家、クリエイターに特化した施設になっているが、[[杉並アニメーションミュージアム]]や[[秋葉原UDX]]内の[[東京アニメセンター]]では制作会社や出版社などの垣根を超えた様々な企画展が行われ、アニメーションに使われる原画などの展示やグッズが販売されている。しかし、[[2009年]]に建設が凍結された[[国立メディア芸術総合センター]]のように国や自治体が建設する施設が野党から「アニメの[[殿堂]]」「国立の[[漫画喫茶]]」「税金の無駄」など批判され計画が中止に追い込まれることもある。
 
{{see|マンガ・アニメミュージアム}}
 
 
 
== 見本市・映画祭 ==
 
; [[東京国際アニメフェア]]
 
[[東京都]]と[[日本動画協会]]などのアニメーション事業者団体で構成される「東京国際アニメフェア実行委員会」が主催の国内アニメ業界最大の[[見本市]]であった。[[2002年]]から[[2013年]]まで3月末頃に[[東京国際展示場|東京ビッグサイト]]で開催されていた展示会。アニメ作品や関係者を表彰する「[[東京アニメアワード]]」の表彰式が行われた。
 
 
 
; [[アニメ コンテンツ エキスポ]]
 
[[2010年]]に[[東京都青少年の健全な育成に関する条例]]に反対する形で大手出版社([[角川書店]]、[[秋田書店]]、[[講談社]]、[[集英社]]、[[小学館]]、[[新潮社]]、[[双葉社]]、[[少年画報社]]、[[白泉社]]、[[リイド社]])10社が[[2011年]]の東京国際アニメフェアについて参加協力を[[拒否]]する声明を発表した。その後[[角川書店]]と[[アニプレックス]]、[[アニメイト]]、[[キングレコード]]、[[ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン]]、[[フロンティアワークス]]、[[マーベラスエンターテイメント]]、[[メディアファクトリー]]の計8社が東京国際アニメフェアと同日に開催すると発表した。「アニメ コンテンツ エキスポ実行委員会」が主催し、千葉県千葉市美浜区の幕張メッセで開催する、アニメーションに関する日本の展示会であった。
 
 
 
; [[AnimeJapan]]
 
[[2014年]]から東京国際アニメフェアとアニメコンテンツエキスポを統合する形で実現した展示会。[[東京都]]が不参加となり、[[KADOKAWA]]、[[アニプレックス]]、[[日本動画協会]]など19社が参加する。場所を[[東京国際展示場|東京ビッグサイト]]に戻し、東館全てを使うなど分裂前の東京国際アニメフェアより大型な見本市となる。
 
 
 
; [[アヌシー国際アニメーション映画祭]]
 
[[1960年]]に[[カンヌ国際映画祭]]からアニメーション部門を独立した、[[国際アニメーション映画協会]]公認の国際アニメ[[映画祭]]。[[フレデリック・バック]]の『木を植えた男』などがグランプリを受賞している。
 
 
 
併設で世界最大規模のアニメーション見本市、MIFA(Marché international du film d'animation)が行われている。映画祭開催期間中の3日間で、世界約60か国のアニメ関係者が参加している。
 
 
 
; その他
 
[[広島国際アニメーションフェスティバル]]、[[オタワ国際アニメーションフェスティバル]]、[[ザグレブ国際アニメーション映画祭]]は、上記アヌシーを含めて世界4大アニメーションフェスティバルと称されている。
 
 
 
== 表現の自主規制 ==
 
アニメ映画では「[[映画倫理委員会]]」、テレビアニメでは、[[放送事業者]]が自主的に放送基準・番組基準([[放送コード]])を定めて運用することが[[電波法]]、[[放送法]]で規定され、民放連加盟会員各社による任意団体「[[放送倫理・番組向上機構]]」(BPO)による自主規制がある。
 
 
 
OVAやWebアニメには、自主規制に関する法的規定や任意団体などは存在しないが、放送権販売の為にテレビアニメ・映画と同等程度の自主規制が行われている。[[アダルトビデオ]]に類する[[アダルトアニメ]]作品は「[[日本ビデオ倫理協会]]」の審査を受けている。
 
 
 
テレビアニメのパッケージ化販売には自主規制が無い為、お色気や流血など刺激の強い表現をテレビ放送で規制したものを本来の状態に戻したり、より過激な映像の追加や差し替えなどが行われているものもある。
 
 
 
{{main|テレビアニメ#表現の自主規制|テレビアニメ#表現の法的規制}}
 
 
 
== 歴史 ==
 
{{main|アニメの歴史|アニメーション映画#歴史}}
 
 
 
[[1963年]]1月1日、日本初の商業用連続テレビアニメ(週一アニメ)番組『[[鉄腕アトム (アニメ第1作)|鉄腕アトム]]』の放送開始。視聴率は30%を超える人気を博し、世界中で放映された。他の国のアニメーションと異なる方向に発展を遂げることになる。
 
 
 
1960・1970年代の国産アニメの少なかった頃には『[[トムとジェリー]]』、『[[ポパイ]]』など輸入作品も多数放送されていたが、国産アニメも増加し、[[1968年]]に[[カラー放送]]も始まり、[[1969年]]に『[[サザエさん]]』の放送が開始、テレビまんがとして認知されるようになった。
 
 
 
[[1970年代]]から[[1980年代]]にかけて、『[[宇宙戦艦ヤマト]]』・『[[銀河鉄道999]]』の[[松本零士]]、『[[機動戦士ガンダム]]』の[[富野由悠季]]、『[[風の谷のナウシカ (映画)|風の谷のナウシカ]]』の[[宮崎駿]]、『[[うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー]]』の[[押井守]]、『[[トップをねらえ!]]』の[[庵野秀明]]など、後に日本アニメ界を牽引する著名なアニメ監督が多数登場した。
 
 
 
この頃からテレビ局への[[納品]]や交通の便がいい[[練馬区]]や[[杉並区]]などの[[西武新宿線]]沿線に制作会社が集結するようになり、日本一のアニメ企業集積地となっている。
 
 
 
[[1990年]]には、アニメ番組の年間平均視聴率が9.7%と、1978年以後で史上最高(ビデオリサーチ調べ・関東地区)となった。
 
 
 
しかし、前年の[[1989年]]に[[東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件]]が発生し、[[犯人]]の[[宮崎勤]]がアニメオタクとして報道される。各メディアとも宮崎の異常性の見られる性格を強調、一時は同傾向の見られる独身男性に対する、あからさまな社会的嫌悪感まで形成されるという、[[モラル・パニック]]的な風潮も見られた。特に、当時のおたく文化には提供側の趣味もあって、極端に幼女を対象に据えて性的興奮を煽る内容が散見されたことから、1990年代前半の[[電脳学園#宮崎県有害図書指定訴訟|電脳学園・宮崎県有害図書指定訴訟]]、[[沙織事件]]、[[有害コミック騒動]]などの規制強化に向けた騒動の引き金となった。
 
 
 
[[1980年代]]から[[1990年代]]にかけて[[フランス]]の子供番組で日本のテレビアニメが連続して放映され人気を博し、多くのアニメファンを育てた(この世代は、番組のパーソナリティーの名前を冠して「[[ドロテ]]世代」と呼ばれている)<ref>[http://www.47news.jp/47topics/ningenmoyou/81.html 地球人間模様@ヨーロッパ 日本を究める]</ref><ref>[https://www.youtube.com/watch?v=knqEzpblGuM#t=2801 Documentaire présentant le Japon à travers l'amitié franco-japonaise]</ref>。この人気を受けて、フランス以外でも日本のテレビアニメの放送が増えていき、日本アニメの国際的受容のきっかけとなった。
 
 
 
90年代後半から[[2000年代]]になると、少子化による朝夕やゴールデンタイムのアニメ放送枠の視聴率低下により、ニュースや情報番組、バラエティ番組などに改変され、削減された放送枠を補うように、以前から[[青年]]層向けに単発で放送されていた深夜枠が業界で注目された。時間帯から従来のターゲットである子供から中高生や成人にターゲットを絞った低予算の[[深夜アニメ]]が爆発的に増加し、[[2000年]]には7本だったものが、[[2004年]]には60本制作されるなど粗製濫造された。一方で[[庵野秀明]]監督の『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』は[[1997年]]に再放送が深夜帯に行われたが、深夜帯の再放送では異例の視聴率5%台を出すなどの成果も出た。また『[[もののけ姫]]』では邦画アニメーション初となる興行収入100億円を突破し、最終的には193億円を記録した。
 
 
 
もともと視聴者が少なく、低視聴率でスポンサーが付きにくい時間帯という事情もあるが、低予算の作品を乱発したことにより品質の低下([[作画崩壊]])などを引き起こし、視聴者離れを招き[[打ち切り]]などが多発した。深夜帯ゆえの注目度の低さを補う為に人気のある[[声優]]に頼った作品が増え始め、後に[[アイドル声優]]などとと呼ばれる流れとなった。
 
 
 
一方で、[[宮崎駿]]監督、[[スタジオジブリ]]制作『[[千と千尋の神隠し]]』は国内興行収入が300億円を超え世界で評価され、[[第75回アカデミー賞]][[アカデミー長編アニメ映画賞|長編アニメーション映画賞]]や[[第52回ベルリン国際映画祭]][[金熊賞]]などを受賞した。またスタジオジブリではこの頃から[[俳優]]やアニメーション監督など声優に頼らない作品が増加していった。
 
 
 
[[2002年]]公開の[[新海誠]]が、監督・脚本・演出・作画・美術・編集をほとんど一人で行ったことでも注目を集めた、フルデジタルアニメーション『[[ほしのこえ]]』は、個人制作のアニメーションでは 他に類を見ないほどの出来として、大きく評価され世界中で様々な賞を受賞した。
 
 
 
また、[[シャフト (アニメ制作会社)|シャフト]]や[[ピーエーワークス]]など背景や演出が特徴的なアニメーション制作会社も登場し、『[[魔法少女まどか☆マギカ]]』で大きな注目を浴びることになる。
 
 
 
2005年頃から、民放5大キー局は様々な事情を抱える深夜アニメの放送枠を削減し、放送枠を失った深夜アニメは、[[テレビ神奈川]]や[[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]、[[サンテレビ]]([[兵庫県]])など首都圏や関西圏といった人口密集地域を放送地域とするローカル局に追いこまれた。三大都市圏では深夜アニメが地上波で年間100本を超えるような地域がある一方で、1本も放送されない地方も存在する。その頃から[[インターネット]]の大衆化により、テレビなど[[マスメディア]]では取り上げられない深夜アニメに関する情報が入手しやすくなり、じわじわとではあるが視聴者が増えていくようになった。また情報番組でも2005年放送のドラマ『[[電車男]]』ブームで『[[萌え]]』という言葉が[[新語・流行語大賞]]のトップテンを受賞したことに便乗して[[秋葉原]]や[[メイド喫茶]]などアニメやそれに関連する情報が批判的な物も含め出回るようになり、いわゆる[[オタク]]に興味を持つ者や偏見を持つ者が増えていった。
 
 
 
[[2010年代]]に入ると、国民的アニメなどと呼ばれる長寿作品と子供向けアニメ以外を朝夕やゴールデンタイムで放送しても視聴率が取れないことから、ほぼ放送枠を失い深夜枠の放送時間が上回るようになった。一部の深夜アニメの話題作が[[スマートフォン]]の普及により[[インターネット]]でのアニメ配信や[[Twitter]]などSNS上の口コミを通じてアニメに関心の無い若者や、アニメ好きの[[芸能人]]の熱烈な支持を集め、CDや書籍などのランキングに上位にランクインするようになった。また、アニメファン特有の購買力に目を付けた[[ローソン]]など様々な企業で深夜アニメとのタイアップキャンペーンが増加し、以前と比べると深夜アニメは身近な存在となりつつある。しかし深夜枠で[[1クール]](3カ月・13週)と放送期間が短いことなどから全世代的な話題となるような作品もなく、『[[最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。]]』のように露骨な性描写で[[放送倫理・番組向上機構]]に指摘される作品もある。一方で[[子供向けアニメ]]では社会現象となった『[[妖怪ウォッチ (アニメ)|妖怪ウォッチ]]』なども登場している。また近年ではインターネット動画サイトで世界中でいつでもアニメを楽しめるようになり、[[電器店]]やアニメ、漫画などサブカルチャーが集結する[[秋葉原]]はオタクの聖地から世界的な観光地となりつつあり、外国人向けツアーのルート組み込まれるようにもなっている。
 
 
 
劇場アニメでは宮崎駿が[[2013年]]公開の『[[風立ちぬ (2013年の映画)|風立ちぬ]]』をもって長編作品からの引退を発表した。引退報道以降は庵野秀明や[[細田守]]、新海誠などが宮崎駿の後継者候補として取り上げられている。中でも新海誠の『[[君の名は。]]』では邦画アニメーション映画では宮崎駿に次いで興行収入100億円を突破し、200億円に迫る勢いとなっている。
 
 
 
世界的に日本のアニメーション需要が高まる一方で、アニメーターの労働環境や賃金など慢性的に抱える問題は解消されることもなく、少子高齢化による国内市場の縮小という問題にも直面している。特にアニメ制作会社である[[A-1_Pictures]]では、作画を担当者に依頼したり、完成品を受け取ったりする「制作進行」と呼ばれる現場の調整役を務めていた男性が2010年10月に自殺し、2014年4月11日付けで新宿労働基準監督署が過労による[[うつ病]]が原因として[[労災認定]]した。通院した医療施設のカルテには「月600時間労働」との記載があったが、残業代が支払われた形跡は無いとされている。この事件がきっかけとなり、その劣悪な労働環境がマスコミに取り上げられ、『'''[[ブラック企業大賞|ブラック企業大賞2014 業界賞]]'''』を受賞することになった。
 
 
 
近年では[[全国独立放送協議会|独立テレビ局]]で放送され話題となった深夜アニメを[[日本放送協会|NHK]]が購入して放送する事例も出ている。それにより話題の作品を年齢の低い層にも気軽に視聴できる時間帯に放送することが出来るようになった。また最近ではアニメの舞台となった場所を巡る[[巡礼 (通俗)|聖地巡礼]]が注目され、地方創生の切り札としても期待されている側面がある。
 
 
 
=== 物語的側面 ===
 
アメリカでは[[レイティング]]などの規制が厳しいこともあり、子供向けの解りやすい物語を元にしたコミカル([[喜劇]]的)な動画を楽しませる作品が多いが、日本では『鉄腕アトム』頃から子供向けではあるが、[[アンダーグラウンド (文化)]]の影響を受けていた漫画などと密接な影響を受けていたこともあり、単純に「ヒーローが必ず勝つ」という[[勧善懲悪]]の話では無く、[[社会風刺]]など含んだ多様で複雑な物語で、主人公に内在する様々な感情や心理を描く作品が多い<ref>大塚康生『リトル・ニモの野望』徳間書店、2004年、p.29。</ref>。
 
 
 
=== 技術的側面 ===
 
[[リミテッド・アニメーション]]が主流で、[[ウォルト・ディズニー・カンパニー]]などのアニメ作品に見られるフル・アニメーションは、少数派である。[[映画]]などと同様に24[[齣|コマ]]/秒で撮影されるが、[[動画 (アニメーション)|動画]]は、同一画で3コマ×8/秒の撮影となる。静止場面では、同一画で24コマ/秒の撮影となる。テレビ放送用の作品は演出により、1話ごとにセル画の使用量が決められている。
 
 
 
; 部分アニメ([[口パク]])
 
: 同一人物の口、目、手、足などを部分別のセル画にして撮影する手法。最近では口だけではなく、あごなども動かすようになっている。製作の手間を省くだけでなく、静止との対比で動きが鮮明になる。
 
; [[バンクシステム]]
 
: 動画を繰り返して使用する技法。連続作品あらすじの説明、ロボットアニメの合体、魔法少女等の変身、主人公などのセリフシーンで使用される。背景画を差し替え、全く別の場面として使用することもある。
 
; 止め絵
 
: 競技場の観客席やパーティ会場や街中の雑踏など、人が多く賑やかな状態を演出するために使われる。静止画が使われる場合も多い。[[出崎統]]がよく使用する。[[新房昭之]]や[[シャフト (アニメ制作会社)|シャフト]]の場合止め絵の絵柄を独特にする作風で有名である。
 
; 動線・[[集中線]]・[[漫符]]
 
: 漫画の技法が多用される。
 
; [[カメラワーク]]
 
: セル画を、上下左右に背景の上でスクロール(パン)させる技法や、「引き絵」と呼ばれる、カメラの[[ズーム]]による演出(実際は、固定カメラの下で絵の方を引っ張る)。作画枚数の節約になり、演出意図を明確にする技術である。
 
; [[パカパカ]]
 
: 背景を閃光の連続により激しく点滅させる手法で、費用をかけずに派手で見栄えのする演出効果として多用されていたが、1997年12月16日に放送された『ポケットモンスター』第38話を見た視聴者が体調不良を訴えた[[ポケモンショック]]を契機に、NHKと民放各社が[[アニメーション等の映像手法に関するガイドライン]]を策定し、パカパカの使用に関しての自主規制が行われている。
 
 
 
=== 商業的側面 ===
 
ウォルト・ディズニー・カンパニーの販売戦略を真似たとも言われるが、それとは別の道を歩むことになった。
 
 
 
テレビ番組の場合、[[スポンサー]]から提示される予算の範囲で請け負うのが通常であるが、明らかに不足する制作費で請け負い、不足部分は本業の漫画の[[原稿料]]、海外への輸出と[[再放送]]、玩具・文具・菓子メーカーにアニメキャラクターの商品化権([[版権]])販売による制作資金の回収システムが誕生し、後々まで続くことになる。
 
 
 
== 輸出 ==
 
日本での商業用アニメーションのテレビ放送と同時に、制作費を短期間で回収するため、安価で多くの国へ輸出する販売戦略がとられた。日本国内で流通を前提に制作されていたものを輸出するため、輸出先の国内法や文化的事情で内容に大きな改変が行われる場合が多い。また、作品名・登場人物名やスタッフ名などは輸出先の各国に合わせて書き換えられたり、視聴者が日本製であることを知らない場合もある。
 
 
 
また[[著作権]]ごと(放棄した)契約で販売された作品もある。アメリカでは、『[[超時空要塞マクロス]]』・『[[超時空騎団サザンクロス]]』・『[[機甲創世記モスピーダ]]』の3作品を[[ハーモニーゴールド USA]] 社([[:en:Harmony Gold USA|Harmony Gold USA]])が[[翻案]]した『[[ロボテック]]』が制作され、さらに他国に輸出された事例も存在する<ref>[http://www.robotech.com/ ROBOTECH.COM(公式サイト)]:[[タツノコプロ]]とハーモニーゴールド社とのライセンス契約上の問題により、オンラインショップの発送先に日本は選択できない</ref>。
 
 
 
世界的な多チャンネル化でソフト不足の中、日本アニメは安さで世界各地に広がった<ref>増田弘道『アニメビジネスがわかる』NTT出版、2007年、p.148</ref>。現在では、北米、[[南アメリカ|南米]]、[[ヨーロッパ]]、[[南アジア]]、[[東アジア]]、[[ロシア]]、[[オーストラリア]]など全世界に及び、[[総務省]]の調査(2005年度)によるテレビアニメの輸出額は、国内のテレビ放送権料の412億円の15分の1程度、26億円から28億円の規模である<ref>[http://animeanime.jp/biz/archives/2007/06/30_621.html 日本のアニメ番組輸出売上高 年間30億円 総務省調] アニメ!アニメ! 2007年6月21日</ref>。輸出金額では過半数を[[北米]]向けが占めるとも言われる。[[日本貿易振興機構]]は、地域、国別にコンテンツ調査しており、その中にアニメに関する統計や傾向などのレポートがある<ref>日本貿易振興機構 調査レポート(コンテンツ) http://www.jetro.go.jp/industry/contents/reports/</ref>。しかし、近年は海外におけるアニメ市場が拡大する陰で、日本製アニメの[[シェア]]は縮小傾向にある。また放映終了後に各国の言語字幕を入れて違法に配信する「海賊版アニメサイト」が増加している。
 
 
 
=== 国産アニメの輸出の歴史 ===
 
* [[1961年]] - 東映動画(現:[[東映アニメーション]])の初期長編作品がアメリカへ輸出される。[[大川博]]が「東洋のディズニー」を目指し設立した東映動画は当初から国際市場を意識していた<ref>草薙聡志『アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?』徳間書店、2003年、pp.30-32</ref>。
 
* [[1963年]] - テレビアニメとして、初輸出された『鉄腕アトム』は、放送開始から8か月後に、アメリカの[[NBC]]系列のNBCエンタープライゼスによって、全米ネットワークでなく番組販売される形で放送された<ref>草薙(2003)、p.55</ref>。続く『ジャングル大帝』は初めからアメリカ市場を意識して人種差別等を考慮して制作された<ref>[[山本暎一]]『虫プロ興亡記 安仁明太の青春』新潮社、1989年、p.153</ref>。
 
* [[1970年代]]前半 - テレビアニメの輸出が一般的になり、最初は[[香港]]と[[台湾]]向けに始まり<ref>古田尚輝『鉄腕アトムの時代 映像産業の攻防』世界思想社、2009年、p.254</ref>、[[北東アジア]]圏、[[東南アジア]]圏で放送されるようになる。
 
* 1970年代後半 - 最初は[[イタリア]]、次いで[[フランス]]に向けに始まり、1980年代にかけて[[ヨーロッパ]]に大量に輸出される。その背景には、ヨーロッパにおける、テレビの多チャンネル化による需要と、日本製の作品が廉価で、本数の多さがあった<ref>古田(2009)、p.258</ref><ref>清谷信一『ル・オタク フランスおたく事情』ベストセラーズ、1998年、p.33</ref>。東映動画が制作したテレビアニメのうち全体の3分の2はヨーロッパ向けで、特にフランスとイタリア向けが多かった<ref>古田(2009)、pp.254-255</ref>。アメリカ、アジア圏同様、内容が改変されることもあった。イタリアでは、最盛期には1日計7時間、日本のアニメを放送していた<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/13770 「ドラゴンボール」を欧州に広めた男 日本アニメ輸出の第一人者、アニマックス滝山社長に聞く]{{リンク切れ|date=2017年10月 |bot=InternetArchiveBot }}週刊東洋経済、2013年04月24日</ref>。
 
* [[1980年代]] - 中華人民共和国で放送される<ref>遠藤誉『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』日経BP社、2008年、pp.9,81</ref>。
 
* [[2013年]] - [[情報通信政策研究所]]の発表によると、2013年の日本の放送コンテンツ海外輸出額は約138億円であり、このうち、アニメが62.2%を占める<ref>{{Cite web|title=放送コンテンツの海外展開に関する現状分析(2013年度)|publisher=内閣官房|date=2014-11-28|accessdate=2014-12-3|url=http://www.soumu.go.jp/main_content/000324498.pdf|format=PDF }}</ref>。
 
*現在、[[香港]]、[[タイ王国|タイ]]、[[台湾]]などでは、ほぼ1週間程度の差で日本で放送のアニメ作品が放送されている。また[[ネット]]では海外向けのアニメの配信が行われ、日本での放送の1時間後には全世界で日本のアニメが見られるようになった。
 
*近年では海外を中心に「海賊版」と呼ばれる違法アニメ配信サイトが存在しており、海外への輸出展開を難しくしている。[[経済産業省]]の試算によると海賊版による損失は中国だけで年間5600億円、米国では2兆円を超えるとされ、2014年より海賊版を配信しているサイトへ削除要請をしていく取り組みがされている。
 
 
 
=== 日本国外の評価 ===
 
「セクシャルと暴力」と認識されることが多い<ref>梶山寿子『雑草魂 石川光久 アニメビジネスを買えた男』日経BP社、2006年、p.195</ref><ref>氷川竜介「ジャパニメーションの真実」『別冊宝島985 このアニメがすごい 絶対観たい超名作編』宝島社、2004年、p.35</ref>。
 
 
 
文化の違いとして、『[[ドラえもん]]』など日本の生活風景が出るものや、『[[ベルサイユのばら]]』など特定の国を扱ったものは、受け入れられるかどうかは国によって大きく異なる。『[[ドラえもん (1979年のテレビアニメ)|ドラえもん]]』は、ヒーロー的な男性を尊ぶ北米では受け入れられず2014年まで放送されなかったが、東南アジア圏では人気がある。
 
 
 
東南アジア圏では性的な表現を除き、日本文化的な表現も受容されつつあり、再評価されている。好まれる作品は日本とあまり変わらない。また『[[超電磁マシーンボルテスV]]』のように、特定の国で一部の人物の間(ファン)の中でヒットする作品も存在する。またキャラクターの人気も国によって異なる。
 
 
 
=== 日本国外の規制等の事例 ===
 
[[フランス]]では、1983年にジャック・ラング文化相が文化侵略だと公言し、自国のアニメーション製作者へ助成金を出すことになった<ref>清谷(1998)、p.52</ref>。1989年には『[[キン肉マン (テレビアニメ)|キン肉マン]]』、『[[北斗の拳 (テレビアニメ)|北斗の拳]]』が残酷だと[[バッシング]]され放送中止となった。『[[聖闘士星矢 (アニメ)|聖闘士星矢]]』は暴力シーンをカットし世界中で放映されヒットし、アメリカを除き、ヨーロッパやメキシコ、南米で根強い人気がある<ref>清谷(1998)、pp.53-54.</ref>。また、欧州製の番組を6割以上放送することを放送局に義務付けたクォータ制度があり、残りの4割の中でアメリカと日本のアニメが放送されている<ref>「我が国のコンテンツの海外における「ゲートキーパー」プロファイリング調査(フランス編)」http://www.jetro.go.jp/industry/contents/reports/07000626</ref>。
 
 
 
[[EU]]加盟国では、1997年にEU理事会が、ヨーロッパ製の番組が放送時間の50%以上になるように放送局に義務付けた「国境なきテレビ指令」を出してから外国製アニメの新規放送が難しくなっている。
 
 
 
[[ニュージーランド]]では『[[ぷにぷに☆ぽえみぃ]]』は、登場するキャラクターの容姿が[[幼児]]に見え、[[ペドフィリア|幼児性愛好者]]を増長させているとされ、政府機関により発売禁止処分を受け、所持が確認された場合、児童ポルノ禁止法違反により罪に問われる。北米や[[オーストラリア]]など多くの国でそれに準じた処分が行われている。
 
 
 
[[中国]]では、2006年に海外アニメの輸入・放送に関して、国産アニメの放送がアニメの放送全体の7割を下回ってはならない、国産アニメを制作した機関は国産アニメを制作した時間と同じ分まで海外アニメを輸入できる、17時から20時まで外国アニメーションの放送を禁止などいくつかの規定を定めた<ref>「中国コンテンツ市場調査(6分野) 2009年版(2009年10月)」http://www.jetro.go.jp/industry/contents/reports/07000133</ref>。日本作品の放送シェアが8割を超えるのは、[[ダンピング]]による日本の文化侵略であるとして締め出しを行った。同時に、自国のアニメーション産業の保護と育成に乗り出した<ref>遠藤誉(2008)、p.67,91.196,206</ref>。
 
 
 
[[インド]]では、日本でも問題視された子供を中心とした[[社会現象]]が起きており、『[[クレヨンしんちゃん (アニメ)|クレヨンしんちゃん]]』を放送禁止処分にする動きがある<ref>「「しんちゃん」インドでTV放映中止? 子供への影響懸念」{{cite web |url=http://animeanime.jp/biz/archives/2008/12/post_507.html |title=アーカイブされたコピー |accessdate=2008年12月7日 |archiveurl=https://archive.is/20081207033648/http://animeanime.jp/biz/archives/2008/12/post_507.html |archivedate=2008年12月7日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>。
 
 
 
以上のような事例から、全ての日本のアニメが世界的に受け入れられているとは必ずしも言えないとする見解もある。<ref>web SPA! 「日本のマンガ、実は世界でウケてない!」http://spa.fusosha.co.jp/feature/list00000686_2.php</ref>
 
 
 
== 商品展開とアニメ化==
 
アニメと、漫画・ライトノベル・アニメ雑誌・アニラジ・ゲームソフト・フィギュア(玩具) 等は、販売戦略上不可分な密接な関係にあり、様々な媒体で展開する[[メディアミックス]]を前提として企画される。
 
 
 
題材の幅は広く、[[SFアニメ]]、[[ロボットアニメ]]([[スーパーロボット]]・[[リアルロボット]])、[[ギャグアニメ]]、[[魔法少女アニメ]](変身ヒロイン)、[[ラブコメディ]]、[[スポ根]]、[[萌えアニメ]]、[[空気系]](日常系)、[[セカイ系]]、[[ハーレムもの]]など多種多様に渡っている。
 
 
 
===オリジナルアニメ===
 
漫画や小説・ライトノベルなどの原作が無い[[オリジナルアニメ]]の場合、放送中ないし放送後(稀にアニメ化を見越して放送前に、と言う事例もある)に漫画化や小説化される。宮崎駿や細田守、新海誠の作品は最近ほとんどオリジナルアニメとして劇場公開している。近年ではゲーム業界の著名シナリオライターを脚本家として招いて制作する傾向も見られる。
 
 
 
==== 映画化・テレビ化 ====
 
映画の場合、人気テレビアニメの[[総集編]]や[[続編]]、[[スピンオフ]]として製作されることも多く、TV本放送を視聴していなくても解りやすい、単独で完結した劇場用作品として鑑賞できるものとして制作されることがほとんどであるが、事前にTV本放送を視聴していないと理解出来ない『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』や『[[劇場版 魔法少女まどか☆マギカ|劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語]]』などの作品も存在する。また、『[[宇宙戦艦ヤマト2199]]』のように映画として先行上映後に、TVシリーズとして放送される作品もある。
 
 
 
==== 実写化 ====
 
漫画や小説などの原作の無い、アニメの企画を原作として実写映画・[[テレビドラマ]]化されたものでは、国内では、[[2004年]]『[[CASSHERN]]』(『[[新造人間キャシャーン]]』)。[[2009年]]『[[ヤッターマン (映画)]]』[[2010年]]『[[SPACE BATTLESHIP ヤマト]]』(『[[宇宙戦艦ヤマト]]』)。国外では、[[2008年]]、『[[スピードレーサー]]』(原作:『[[マッハGoGoGo]]』)などがある。
 
 
 
詳細は「[[実写]]」を参照。
 
 
 
作品に関しては、[[アニメ・漫画の実写映画化作品一覧]]・[[アニメ・漫画のテレビドラマ化作品一覧]]を参照。
 
 
 
==== 実写作品のアニメ化 ====
 
実写作品の企画が原作(原案)で、アニメ化された作品では、『[[月光仮面]]』・『[[愛の戦士レインボーマン]]』・『[[ザ☆ウルトラマン]]』などがある。
 
 
 
=== 漫画 ===
 
かつては、劇場作品は「漫画映画」、テレビ作品は「テレビマンガ(漫画)」と表記や呼称されており、[[日本の漫画|漫画]]とアニメは混同されたりほぼ同一視されていた。現在も漫画作品を原作とする作品は多い。
 
 
 
作品に関しては、[[作品がテレビアニメ化されたことがある漫画家一覧|作品がテレビアニメ化された漫画家一覧]]と、[[作品がビデオアニメ化されたことがある漫画家一覧|作品がOVA (ビデオアニメ化) された漫画家一''覧]]を参照。
 
 
 
==== コミカライズ(漫画化)====
 
漫画原作では無いオリジナル作品を漫画にすることで、漫画化という言葉が一般的だったが、2000年頃から小説化を意味する[[ノベライズ]]から派生した和製英語[[コミカライズ]](comicalize)が普及している。本編の漫画化に限らず、複数の作家による本編から派生した外伝や番外編といった[[スピンオフ]]の[[アンソロジー]]や[[オムニバス]]形式の作品も多い。
 
 
 
=== 絵本 ===
 
[[絵本]]原作でアニメ化された作品では、日本では『[[アンパンマン]]([[それいけ!アンパンマン]])』や、イギリスの『[[汽車のえほん]]([[きかんしゃトーマス]])』などがある。[[子供向けアニメ]]などでは、絵本化される作品も多い。また昔話を題材にした作品も黎明期から現在に至るまで作られている。
 
 
 
作品に関しては、[[絵本のアニメ化作品一覧]]を参照。
 
 
 
==== フィルムブック ====
 
アニメーションのフィルムのコマを並べて作った絵本で、講談社の[[ディズニー絵本]]などが典型例である。
 
 
 
家庭用ビデオなどの映像媒体が普及するまでは、人気アニメ映画などの[[フィルムブック]]も販売され、ドラマ音声などを記録したSP・ LP・ソノシートなどと併せて静止画ではあるが楽しむことが、一般的なアニメファンに手の届く範囲ものでもあった。
 
 
 
=== ライトノベル ===
 
「Light」と「Novel」を組み合わせた[[和製英語]]。主に表紙や挿絵に'''アニメ'''絵調の[[イラストレーション|イラスト]]を多用している若年層向けのライトな小説で[[文庫本]]の判型なものが主流である。現在の深夜アニメ作品の半数以上はライトノベルからの作品となっている。ライトノベル原作のアニメ化、[[漫画化]]、[[映画化]]、ゲームソフト化、フィギュア化などが行われている。
 
{{main|ライトノベル}}
 
 
 
作品に関しては、[[ライトノベルのアニメ化作品一覧]]を参照。
 
 
 
==== ノベライズ(小説化)====
 
TVアニメ・映画や漫画、ゲームソフトなどが原作となる[[小説化|ノベライズ]]も行なわれている。コミカライズと同様に本編から派生した外伝や番外編といったスピンオフを展開する作品も多い。
 
 
 
=== ミュージカル(2.5次元ミュージカル) ===
 
[[2.5次元ミュージカル]]とも云われ、アニメ、漫画、ゲームなどを原作にキャラクターや物語の設定を忠実に再現し舞台([[ミュージカル]])化されている。
 
 
 
1974年の『[[ベルサイユのばら]]』が始まりとされ、1993年に8日間、31ステージ公演された『[[聖闘士星矢]]』が37万人を動員したことがミュージカル化の契機となり、その後『[[美少女戦士セーラームーン]]』や『[[テニスの王子様]]』などの人気作品が多数ミュージカル化され、観劇者数も、2013年には延べ160万人を超えている。2014年には、[[日本2.5次元ミュージカル協会]]も設立されている。
 
 
 
作品に関しては、[[アニメ・漫画のミュージカル化作品一覧]]を参照。
 
 
 
=== 映像媒体のパッケージ販売 ===
 
流通における大きな変革として、家庭用[[ビデオテープレコーダ|ビデオデッキ]]([[VHS]]・[[ベータマックス|βマックス]])の登場・普及により、1983年にはテレビ放送や劇場公開ではない[[OVA]]作品『[[ダロス]]』が登場した。OVAはビデオソフトの販売と[[レンタルビデオ]]店から支払われる使用料により、制作費回収が可能になった結果、登場したビジネスモデルである。
 
 
 
玩具メーカーなどの[[スポンサー]]の意向によらずに作品制作ができるため、比較的表現の自由度があり、購買層の大多数は特定のファン層(アニメ[[おたく]])であり作品の内容は偏っているが、購買層が特定されているため商品化、販売の面において容易である利点がある。当初は、60分から90分程度のアニメ映画と同様の1話完結の作品として制作されたが、後に[[テレビ局]]に放送権の販売のため、主題歌込みで24分程度を1エピソードとした数本単位で制作されたものが主流になる。
 
 
 
{{main|OVA}}
 
 
 
1980年代後半以降、家庭用ビデオデッキの普及により、テレビ用映画用の作品は放映後にパッケージ化され販売されるようになった。ビデオより後発の[[レーザーディスク]](LD)はビデオほど一般普及はせず、高級またはマニアックな機器であったが、コアなアニメファンの間では浸透しLDで発売された映像作品の多くはアニメや映画であった。1990年代までの、ビデオやLDの時代にはパッケージ販売市場はまだ小規模で、1本あたりの単価も高く、レンタルビデオが主流だった。
 
 
 
音楽CDと同じサイズの[[DVD]]が登場・普及した2000年代以降は、パッケージ化作品数や販売店数・販売スペースなど市場規模が飛躍的に増加した。
 
 
 
2000年代後半に入ると[[日本の地上デジタルテレビ放送|地デジ]]の浸透と共に[[ハイビジョン]]制作作品が増加し、[[Blu-ray Disc]](BD)および[[BDレコーダー]]の登場・普及と共にBDが主流となった(過去に既にパッケージ化された作品も[[デジタルリマスター]]([[HDリマスター]])版などとして再発売されることもある)。
 
 
 
{{Seealso|テレビアニメ#放送技術・素材の変化}}
 
 
 
OVAの流れを受け、放送権料の安い、深夜・早朝枠や[[ケーブルテレビ]]、[[全国独立放送協議会|独立テレビ局]]、[[日本における衛星放送|BS・CSチャンネル]]で、特定のファン層をターゲットにしたテレビアニメ番組が増加した。特に[[深夜アニメ]]や[[UHFアニメ]]は基本的に視聴率は低いことから[[番組スポンサー|スポンサー]]料は安く、それだけで制作費回収は難しいことから、各種パッケージ販売によって収益を得るビジネスモデルが主流となった。しかしネット配信(合法違法問わず)の普及により映像媒体の販売は減少傾向にあり、初回限定版として各種グッズ類やイベントチケットなどの特典を付けて[[販促]]を行っているのが現状である。
 
 
 
{{Seealso|テレビアニメ#視聴層の二極化とパッケージ販売(ビデオソフト化)による制作費回収システム}}
 
 
 
2010年代半ばに入ると内外問わずネット配信による収益で補完する動きが主流となっている。
 
 
 
=== 雑誌 ===
 
[[1977年]]、成年向け雑誌「[[月刊OUT]]」が『[[宇宙戦艦ヤマト]]』特集を掲載し、大ヒットとなり、これがアニメ誌に発展する契機となった。当時、幼年向けのテレビ情報誌「[[テレビランド]]」を発刊していた[[徳間書店]]はテレビランド増刊『ロマンアルバム・宇宙戦艦ヤマト』を創刊し40万部を記録。この成功を受けて、月刊アニメ雑誌「[[アニメージュ]]」が創刊される。
 
 
 
その後、『[[機動戦士ガンダム]]』に続くアニメブームの間に、多数の出版社の参入と淘汰が繰り返された末、2015年現在、10日売りアニメ雑誌と称される総合誌は「アニメージュ」「[[アニメディア]]」「[[月刊ニュータイプ]]」の三誌がしのぎを削る状況にある。
 
 
 
その派生雑誌として[[萌えアニメ]]専門雑誌(「[[メガミマガジン]]」「[[娘TYPE]]」など)や[[声優]]専門雑誌(「[[声優グランプリ]]」「[[声優アニメディア]]」など)、[[アニメソング]]専門雑誌(「[[リスアニ!]]」など)なども登場している。
 
 
 
{{main|アニメ雑誌}}
 
 
 
==== 批評・研究 ====
 
[[1917年]]の「[[活動之世界]]」9月号掲載の[[幸内純一]]の作品批評が、日本における初のアニメーションに関する批評とされる。以後、アニメーションの批評は「[[キネマ旬報]]」「[[映画評論]]」などが主要な発表の媒体となり、新作の批評という形で行われてきた。
 
 
 
[[1950年代]]に[[東映アニメーション|東映動画]]が設立され、年に1作のペースで長編作品が定期的に制作されるようになると、「[[朝日新聞]]」などの映画欄でも扱われるようになった<ref>津堅信之『アニメーション学入門』平凡社新書、2005年、pp.108-110</ref>。
 
 
 
[[1977年]]には[[山口且訓]]と[[渡辺泰]]の共著による『[[日本アニメーション映画史]]』が刊行される。日本アニメーション史の基本文献として参考資料として挙げられることが多い。日本国外のアニメーションや[[アートアニメーション]]の評論については、[[1966年]]に『[[アニメーション入門]]』を著した[[森卓也]]や[[おかだえみこ]]等が活動していた<ref>津堅(2005)、pp.110-111.</ref>。『日本アニメーション映画史』『アニメーション入門』のいずれも『映画評論』誌の連載をまとめた単行本であった。
 
 
 
[[1970年代]]末にアニメブームが到来し、アニメ雑誌が多数創刊される。同人誌活動していたアニメファン出身のライターの力を借りて誌面を構成していた<ref>米沢嘉博「マンガと同人誌のささやかな饗宴」『別冊宝島358 私をコミケにつれてって! 巨大コミック同人誌マーケットのすべて』宝島社、1998年pp.44-45.</ref>。[[氷川竜介]]、[[小黒祐一郎]]、[[原口正宏]]、[[霜月たかなか]]、[[中島紳介]]らは学生アルバイトに始まり、2000年以降も活動している<ref>津堅(2005)、pp.111-112.</ref>。「[[アニメージュ]]」はクリエイターの作品歴を系統的に紹介することに力を入れ<ref>押井守「消息期には終息期のテーマがあるはずです 『アニメージュ』創刊200号に寄せて」『アニメージュ』1995年2月号</ref>、「[[アニメック]]」と「[[月刊OUT]]」においては、評論記事と読者投稿による作品評論が一つの売り物になっていた<ref>小牧雅伸『アニメックの頃… 編集長ま奮闘記』NTT出版、2009年、p.83</ref><ref>岡田斗司夫、山本弘、小巻雅伸「オタクの歴史徹底大研究」『空前絶後のオタク座談会1 ヨイコ』音楽専科社、2001年、p.57</ref>。
 
 
 
批評と研究を中心とした専門誌には、1998年創刊の「[[動画王]]」、1999年創刊の「[[アニメ批評]]」、2000年創刊の「[[アニメスタイル]]」などがあったが短命に終わり、「アニメスタイル」はインターネットに活動の場を移した。
 
 
 
「[[月刊ニュータイプ]]」が登場した1980年代半ば以降、アニメ雑誌はクリエイターや作品研究などの記事から、キャラクターやグラビアを重視した作りに軸足を移していき、アニメ評論を積極的に掲載するアニメ雑誌は基本的に存在しなくなっている<ref>藤津遼太『「アニメ評論家」宣言』扶桑社、2003年、pp.277-278</ref>。その一方、宮崎駿や押井守の活躍、『新世紀エヴァンゲリオン』がビジネスとして話題になるようになった1990年代から、人気作品や人気クリエイターを中心にした研究本は、継続的に発行されるようになった<ref>津堅(2007)、p.179</ref>。
 
 
 
[[1998年]]10月、日本で初めてのアニメの学術的研究を趣旨とする学会「[[日本アニメーション学会]]」が設立された<ref>[http://www.jsas.net/ 日本アニメーション学会]公式サイト</ref>。
 
 
 
=== アニラジ ===
 
アニメラジオの略称。アニメ・ゲーム・漫画・ライトノベル・声優等のオタが主な聴取対象のラジオ番組。1979年10月、[[大阪放送|ラジオ大阪]]『[[アニメトピア]]』を皮切りに、多くは[[深夜放送]]番組として放送されているが、ネット環境の普及と共にインターネットラジオ番組も増えている。
 
 
 
黎明期にはアニメ雑誌やレコード会社による総合情報番組が多かったが、アニメやゲーム、漫画、小説(ライトノベル)などを原作にした[[ラジオドラマ]]番組、人気声優のパーソナリティ番組、アニメソングやゲームミュージック専門のリクエスト番組、アニメに関する話題をリスナーから募集して討論する番組など多岐にわたるようになっている。
 
 
 
{{main|アニラジ}}
 
 
 
=== 音楽(音声媒体) ===
 
劇中で使用される[[音楽]]の[[主題歌]](テーマソング)・挿入歌・[[イメージソング]]・インスト曲・[[バックグラウンドミュージック|BGM]]などサウンドトラックの他、ドラマやアニメの世界観を背景としたドラマ音声などを録音した[[SPレコード|SP]]・ [[LP盤|LP]]・[[ソノシート]]などのレコード盤や[[カセットテープ]]や、現在は[[コンパクトディスク|CD]]などで販売頒布されているほか、[[iTunes]]ほかインターネット配信も増加している。
 
 
 
かつては、映像媒体は極めて高価だったこともあり、ドラマなどの音声を記録したSP・LP・ソノシートレコード盤、カセットテープ、CDなどの音声媒体が普通の愛好家の手の届く範囲であった。
 
 
 
{{main|アニメソング}}
 
 
 
=== 公式サイト ===
 
[[インターネット]]の普及と共に、ほとんどのアニメ作品は公式サイトを設置し宣伝をする形態をとっている。内容は作品・あらすじの紹介、予告編やPVなどの宣伝素材の無料配信・関連商品のPRなど。[[デスクトップ]]・[[携帯電話]]用コンテンツを提供している場合もある。特に深夜アニメの場合視聴者はほぼ限られるため、インターネットでの宣伝に頼っている場合が多い。また[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|SNS]]での宣伝は安価で、リツイート機能により時に数万人へ作品情報を発信できるという強みがある。
 
 
 
制作テレビ局や制作会社の[[ウェブサイト]]の一部としての場合が多かったが、最近では作品・シリーズ毎に独自の[[ドメイン名]]を取得し制作会社が管理する独立サイトとして設置するケースも多くなっている。[[ブロードバンド]]環境の普及により、本編や公式ラジオの配信を行っているケースもある。
 
 
 
[[2010年代]]に入ると、[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|SNS]]の普及を受ける形で[[Twitter]]や[[facebook]]の公式アカウントを取得し情報の発信などを行うケースが増加している。またネットユーザー同士でアニメの情報交換することで作品が話題になる例([[魔法少女まどかマギカ]]、[[琴浦さん]]など)や、公式サイトが話題となり終了したアニメが再び話題となる例([[キルミーベイベー]]など)がある。
 
 
 
=== フィギュア(玩具) ===
 
テレビアニメの開始時から深い関係にあり、基本的に児童向けアニメのほとんどが玩具展開をすることが前提になっており、子供の興味を引く可動・合体・変形などの仕掛けがある手に取って遊べる玩具になる物を、主役として登場させることがスポンサー要望であり作品設定に影響を与えていた。素材は年代により[[ブリキ]]製、[[ソフトビニール]]製や[[超合金 (玩具)]]などの違いがある。
 
 
 
1960年代には、ソフトビニール製のキャラクター人形や、組み立て式の[[キャラクターモデル]]が存在していたが、[[1970年代]]後半、[[スケールモデル]]のように設定を元に忠実に再現した『宇宙戦艦ヤマト』の[[プラモデル]]がヒットし、その流れに続き[[バンダイ]]を模型業界のトップに押し上げた日本プラモデル史上最大のヒット商品となる[[ガンプラ]]が登場した。
 
 
 
また、消しゴムとして用をさないキャラクター消しゴムなどの[[カプセルトイ]](ガシャガシャ、ガチャポンなど)による商品も展開され、1970年代の[[スーパーカー]]ブームに乗った『[[サーキットの狼]]』などヒットにより一大ブームとなった[[スーパーカー消しゴム]]や[[キン肉マン消しゴム]](通称、キン消し)などが登場した。
 
 
 
[[1980年代]]、『機動戦士ガンダム』に続く[[リアルロボット]]ブームの中で、玩具の主力商品はプラモデルとなり積極的な商品展開が行われるも、ガンプラブームを越えることも無く、また『[[蒼き流星SPTレイズナー]]』はプラモデルの販売不振でメインスポンサーが撤退し放送打ち切りになるなど、ブームは終了するが、ガンプラブームによる若年層へのスケールキャラクタープラモの浸透は、原型を少数生産する[[ガレージキット]]の勃興にもつながり、怪獣や美少女フィギュアなどを中心にプラモデル化しても採算に合わないとされていたものが徐々に浸透していくようになる。
 
 
 
[[1984年]]12月、[[ゼネラルプロダクツ]]([[ガイナックス]]の前身)主催のプロ・アマを問わない、後に世界最大の[[ガレージキット]]、模型、造形物の展示販売の最大イベントとなる、「[[ワンダーフェスティバル]]」(略称、「ワンフェス」「WF」)が開催され、主要玩具メーカの撤退に合わせるように、同人誌の即売会的な手作り模型の展示販売会のイベントが開催される。
 
 
 
[[1990年代]]、高価で組み立てと塗装に高度な技術と労力を要するガレージキットの中で、『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』の[[綾波レイ]]の完成品がマニアの間で高額で取引されるようになると、アニメ[[美少女]]の[[フィギュア]]化がブームとなり、他に[[海洋堂]]の精巧で安価な[[食玩]]や、バンダイがガレージキットの表現方法を吸収して従来のキャラクター消しゴムとは比べ物にならないほどリアルなカプセルトイから始まったフィギュアブームと相まって[[コレクション]]の対象となった。販売促進のため書籍・ゲームソフト・DVDなどの付録や購入特典に付属する場合もある。
 
 
 
深夜アニメ作品のフィギュアは、どれだけ精巧に作られているかに重点が置かれ、そのため価格も高騰している。
 
 
 
玩具商品のアニメ化作品
 
 
 
玩具の商品企画が[[原案]](原作)でアニメ化された例では、『[[トランスフォーマー]]』・『[[ゾイド]]』・『[[超特急ヒカリアン]]』などがある。
 
 
 
=== ゲームソフト ===
 
[[アーケードゲーム]]、[[コンシューマーゲーム]]([[家庭用ゲーム機]])用の[[プログラム (コンピュータ)|プログラム]]を記録した物理的[[メディア (媒体)]](詳細は[[ゲームソフト]]も参照)、[[オンラインソフトウェア]]で提供される[[コンピュータゲーム]]の[[ソフトウェア]]。
 
 
 
[[1983年]]、後に社会現象となる大ヒット商品の[[ファミリーコンピュータ]]が発売され、プラモデルなどの玩具の販売不振に喘ぐ玩具メーカーは、主要商品を家庭用ゲーム機とゲームソフトの開発に移行する。過去の人気作品で、ゲームソフト化が比較的容易な[[シューティングゲーム]](1985年 、『宇宙戦艦ヤマト』)、[[対戦型格闘ゲーム]](1985年、『[[キン肉マン マッスルタッグマッチ]]』)、[[ウォー・シミュレーションゲーム]](1987年、『[[SDガンダムワールド ガチャポン戦士]]』)などから商品展開が行われた。
 
 
 
{{main|キャラクターゲーム}}
 
後に、[[ロールプレイングゲーム]]・[[アドベンチャーゲーム]]が原作でアニメ化される作品も登場する。
 
『[[ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生]]』のような推理ゲームから恋愛シミュレーションゲーム、果てにはアダルトゲームを18才未満でも視聴できるように脚本を改編したものまでアニメ化され、作品の幅は広くなっている。また、近年では『[[Angel Beats!]]』の[[麻枝准]]や『[[天体のメソッド]]』の[[久弥直樹]]などゲーム会社の[[ゲームシナリオライター|シナリオライター]]がアニメの脚本を手掛ける場合が増えている。
 
 
 
====携帯電話向けゲーム====
 
携帯電話の機能が拡大し、インターネットが簡単に利用できるようになってから[[GREE]]や[[Mobage]]のような基本料金無料の携帯電話向けゲームサイトがヒットするようになった。様々なアニメ作品も携帯電話ゲームとなった。[[アイドルマスター シンデレラガールズ]]では携帯電話ゲームに登場するキャラクターを元にアニメ化し、大きな話題を収めた。
 
 
 
また[[スマートフォン]]が普及すると今までのゲームサイトに代わって[[アプリケーション]]でのゲームがヒットするようになった。特に[[ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル]]はアニメ放映中の2カ月間で登録者数が100万人も増え、異例の登録者数増加となった。2015年3月現在で登録者数は国内700万人、全世界で1000万人を突破している。
 
 
 
このようにアニメ作品を題材とした携帯電話ゲームがヒットすると知名度も上がることから、深夜アニメを中心にゲームアプリ開発が激化しつつある。
 
 
 
作品に関しては[[作品がアニメ化されたことがあるゲーム一覧|ゲームソフトのアニメ化作品一覧]]を参照。
 
 
 
=== トレーディングカード ===
 
ゲーム・鑑賞用のコレクションカード。1990年代末-2000年代初頭に発生した社会現象のトレーディングカードブームで普及し「トレカ」と略されることも多い。
 
{{main|トレーディングカード}}
 
 
 
ゲーム専用カードを用いた[[カードゲーム]]はトレーディングカードゲーム (略称、TCG) と呼ばれる。通常は対戦形式の2人プレイのものが多い。
 
{{main|トレーディングカードゲーム}}
 
 
 
=== キャラクターグッズ ===
 
子供向けアニメのキャラクターが描かれた[[文房具]]や衣類、[[駄菓子]]などの食品類など、スーパーやショッピングセンター、コンビニなどで気軽に買える商品がほとんどであるが、一部のアニメショップやイベント会場などでは生産量が少ないグッズも販売され、希少価値の高い商品は中古市場やネットオークションで高値で取引されている。アニメ・漫画などの関連商品としては古くは[[めんこ]]の時代から存在する。
 
 
 
{{main|キャラクター|キャラクターグッズ専門店|アニメショップ}}
 
 
 
== 周辺文化 ==
 
[[1970年代]]後期
 
; アニメファン
 
テレビアニメは子供ものであり、アニメを好んで見る[[青年]]層がいることは知られていなかった。1977年8月、映画版『[[宇宙戦艦ヤマト]]』公開日に徹夜で並ぶファンの特異な行動をきっかけに新聞等が話題として取り上げ、青年層にアニメを好んで見る趣味者がいることが一般にも知られ始めた。多くは中学生・高校生であった。『宇宙戦艦ヤマト』公開の翌年に[[アニメ雑誌]]が創刊され、雑誌の[[文通]]コーナーなどを通じて連絡が可能になると、多数の[[ファンクラブ]]が誕生した。
 
 
 
[[1990年代]]以降
 
; アニメ[[おたく]]
 
特にアニメを嗜好する者を「アニメオタク」、省略して「アニオタ」呼ぶ。「アニヲタ」と表記されることもある。オタクの種類にもアニメを視聴したりDVDを集めるのを好むタイプやキャラグッズを集めるタイプなど千差万別である。近年は中高生を中心にポスターやタペストリーなどの大きな物ではなくキーホルダーなど小物を収集する人が多い傾向にある。
 
; [[大きいお友達]]
 
本来は子供([[児童]])を対象とした'''アニメ'''・[[漫画]]・[[特撮]]ヒーロー番組などに夢中になっている、おたくや[[マニア]]のこと。
 
; [[腐女子]]
 
婦女子(ふじょし)をもじったもので、男性同士の恋愛を扱った[[やおい]](BL/Boys Love)系小説や漫画などを好む女子や、おたく趣味を持つ女性全般を指すものとしても用いられる。
 
 
 
=== 二次創作 ===
 
法的には、著作物をたとえ[[パロディ]]として改変したものであっても、権利者に許可を得ずに不特定多数に無償配布や[[販売]]するのは[[著作権法]]に反する行為である。
 
 
 
ただ、著作権侵害は[[親告罪]]で、違法行為を行っている者を[[告訴]]して[[訴訟]]にまで持ち込むまでには費用がかかり、勝訴しても賠償金の支払い能力の無い場合もあり、著作側が泣き寝入り、またはファンによる応援行為として黙認しているのが現状である。
 
 
 
; [[同人誌|二次創作同人誌]]
 
ファンクラブの誕生にあわせて会報の発行や、またファンブックを自作するという趣味を持つ者の[[自費出版]]が始まり、アニメとの繋がりの深い漫画や、他の様々な文化を巻き込み成長する。が、[[コミックマーケット]](コミケ)などの[[同人誌即売会]]や、専門書店等の委託販売で商品化が進んでいる(詳細は、[[同人誌#漫画・アニメ系同人誌を取り巻く状況と問題点]]を参照)。
 
 
 
同人誌で見られる[[イラストレーション|イラスト]]の代表的な手法として、輪郭や境界線をはっきり線で描き、色や影のグラデーションを単純化させ段階的に表現する[[アニメ絵]]([[萌え絵]])がある。<!--擬人化は関連がない。また[[萌え擬人化]]と呼ばれる動植物・無生物・概念等を人間の姿に置き換えて[[萌え]]と結びつける[[擬人化]][[キャラクター]]で名前には「〜[[たん (接尾語)|たん]]」がつくことが多い。主に同人誌で見られた手法だが商業ベースの作品も発表されている。-->
 
 
 
<!--必ずしもアニメと関連のあるわけではない; [[MADムービー]](アニメMAD)-->
 
<!--「MAD」とも呼ばれる。既製のアニメ作品を編集・合成し、再構成した映像。1970年代末頃にはカセットテープ編集の音声MAD、その後ビデオテープ編集によるMADビデオが、同人誌と同様の経路で流布されていたが、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]の性能向上により動画、画像、音声処理が容易になり、また[[インターネット]]環境の向上により[[File Transfer Protocol|FTP]]や[[ファイル共有ソフト]]、動画共有サイト[[YouTube]]・[[ニコニコ動画]]へのアップロードに移行し広まった。-->
 
; [[コスプレ]]
 
「仮装」とも呼ばれる。服や化粧により空想上のキャラクターなどに扮する行為。[[コスチューム・プレイ]]を語源とする和製英語で、行う人をコスプレイヤー (Cosplayer) 、略してレイヤーと呼ぶ。単独イベントも開催され、自主制作のコスプレ写真集がコミックマーケットや、同人誌専門店で販売されている。しかし、近年は[[著作権]]の侵害としてコスプレ衣装販売業者が[[警察]]に摘発される例もある。
 
 
 
; [[痛車]](いたしゃ)[[ファイル:Keihan600-keion2.JPG|right|thumb|300px|[[京阪電気鉄道|京阪]]「[[けいおん!]]」電車は車体広告であるが、その題材と装飾様式から痛車の電車版即ち[[通称]]「痛電」もしくは「痛電車」と呼ばれた。]]
 
「萌車」とも呼ばれる。[[萌えアニメ]]、漫画、ゲーム([[アダルトゲーム]]・[[ギャルゲー]])のキャラクターや関連する製作会社・ブランド名のロゴのステッカーを貼り付けや塗装を行ったファンの自動車。バイクは「[[痛単車]](いたんしゃ)」、自転車は「[[痛チャリ]](いたチャリ)」、電車の場合は痛電と呼ばれる。2008年、青島文化教材社がプラモデルの発売と商標登録に出願、同年6月27日に登録された。痛車オーナーの増加に伴いコミュニティも形成された。
 
 
 
近年では企業の宣伝目的でアニメ絵調のキャラクターが描かれたイラストの電車やバスが運行されることも多くなったが、それも痛車の部類に入ることが多い。
 
 
 
アニメ作品の舞台となった地域では、アニメファンをターゲットとした観光客誘致のために電車やバスにアニメのラッピングを施す会社も出ている。車内にはアニメのイラストや[[スタッフ]]のサイン、[[声優]]による車内アナウンスを実施している所もある。
 
 
 
=== 聖地巡礼 ===
 
詳細な現地[[ロケーション撮影|ロケ]]([[ロケーション・ハンティング]])による映像演出と世界観を設定する作品の登場と共に始まった[[小説]]、[[映画]]、[[TVドラマ]]などの舞台を巡る[[ロケ地巡り]]、舞台探訪などと同様の行為であるが、異なる点としてキャラクターのコスプレやアニメ作品のキャラクターが描かれた痛車で現地を訪れるファンがいることが上げられる。
 
 
 
ロケ地(聖地)を特定したファンがその場所を訪問(巡礼)し、現地の写真と劇中の場面(コスプレの場合、劇中の登場人物と同じポーズ)と比較する形で[[インターネット]]のファンサイトなどで公開、また同人誌形式のガイドブックが制作され同人誌即売会で頒布されるなどの形で広まった。
 
 
 
実写の映画やTVドラマなどと異なり、映像作品として使用された認識のない地元住民の一般住宅や学校などが含まれることも多く、日常生活に不安や迷惑を発生させる可能性を否定出来ないため、作品の発売元が聖地巡礼の自粛のお願いをした例や<ref>[[苺ましまろ]]:月刊コミック[[電撃大王]]2006年3月号</ref>、[[口蹄疫]]防止のため舞台となった牧場などに訪れることを自粛することをお願いをした例もある。一方で『[[君の名は。]]』の舞台となった[[飛騨市]]では、作品を見た観光客が飛騨市へ殺到し、ニュースなどで大きく取り上げられたことから[[2016年]]の[[新語・流行語大賞]]トップ10に聖地巡礼が選出されるなど注目を浴びた。作品に付随し広告費が不要で、観光需要が上がるため観光振興の一助として期待も大きい。そのためアニメ、漫画のロケ地の誘致活動に力をいれる自治体や萌えキャラを製作する地域もある。しかし、ほとんどのアニメ作品のブームは一過性であり、しかも作品が話題になるかどうかも分からないことから自治体が見込んだアニメファンの観光客数を大きく下回った所もある。
 
 
 
詳細は[[巡礼 (通俗)]]を参照。
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[アニメーション産業]]
 
* [[アニメ制作会社]]
 
* [[アニメーター]]
 
* [[制作進行]]
 
* [[アニメ監督]]
 
* [[アニメの歴史]]
 
* [[アニメ関係者一覧]]
 
* [[アニメの話数一覧]]
 
* [[アニメ専門チャンネル一覧]]
 
* [[全国総合アニメ文化知識検定試験]]
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
 
 
=== 注釈 ===
 
{{Reflist|group="注"}}
 
 
 
=== 出典 ===
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
=== 書籍 ===
 
* {{Cite book|和書|author=山口康男|year=2004|title=日本のアニメ全史|publisher=テンブックス|isbn=978-4886960115|ref=山口2004}}
 
* {{Cite book|和書|author=大野茂|year=2009|title=サンデーとマガジン|publisher=光文社新書|isbn=978-4334035037|ref=大野2009}}
 
 
 
=== 論稿 ===
 
* <div id="キネマ旬報1995">{{Cite web|author=キネマ旬報1995年月上旬号|date=1995-10|url=http://netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/single/KINEJUN.html|title=日本文化としてのアニメ|language=日本語 |accessdate=2009年7月31日 }}</div>
 
* <div id="Dictionary.com-Anime">{{Cite web|author=dictionary.reference.com|url=http://dictionary.reference.com/browse/anime|title=dictionary.com-anime|language=英語 |accessdate=2009年7月31日}}</div>
 
* <div id="Dictionary.com-Otaku">{{Cite web|author=dictionary.reference.com|url=http://dictionary.reference.com/browse/OTAKU|title=dictionary.com-OTAKU|language=英語 |accessdate=2009年7月31日}}</div>
 
* <div id="山里2008">{{Cite web|author=山里裕一|date=2008-10|url=http://ci.nii.ac.jp/naid/110007025911|title=アニメブームの形成と増幅|language=日本語 |accessdate=2009年7月31日}}</div>
 
* <div id="佐野2007">{{Cite web|author=佐野昌己|date=2007|url=http://ci.nii.ac.jp/naid/110006393774|title=日本アニメの現状と将来|language=日本語 |accessdate=2009年7月31日}}</div>
 
* <div id="青木2006">{{Cite web|author=青木優|date=2006|url=http://ci.nii.ac.jp/naid/110006459187|title=日本アニメ産業の現状と課題|language=日本語 |accessdate=2009年7月31日}}</div>
 
* <div id="呉2006">{{Cite web|author=呉恵京|date=2006|url=http://ci.nii.ac.jp/naid/110005943733|title=日本アニメの表現形式|language=日本語 |accessdate=2009年7月31日}}</div>
 
* [http://www.janica.jp/events/mam/nenpyou.pdf JAniCA講義 井上俊之さん小黒祐一郎さんと一緒に『もっとアニメを観よう!』配布資料:井上俊之の作画史観に基づく年表](PDF)
 
* [http://publications.nichibun.ac.jp/ja/item/symp/2007-12-20/pub アラブ社会における日本のアニメ・マンガの影響]{{リンク切れ|date=2017年10月 |bot=InternetArchiveBot }}保坂修司、国際日本文化研究センター, 2007.12.20.
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{ウィキポータルリンク|アニメ}}
 
{{ウィキプロジェクトリンク|アニメ}}
 
* [http://www.aja.gr.jp/ 日本動画協会]
 
* [http://www.jsas.net/ 日本アニメーション学会]
 
* [http://www.jaa.gr.jp/ 日本アニメーション協会]
 
* [http://anime-tokyo.com/ 日本アニメーター・演出協会 JAniCA]
 
* [http://anime-tokyo.com/ Tokyo Anime Business Accelerator 事業]
 
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{{美術}}
 
 
 
{{デフォルトソート:あにめ}}
 
[[Category:アニメ|*]]
 
[[Category:フィクションの諸形式]]
 
[[Category:おたく]]
 

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